君も転生者なのか!? ~だったら2人でハッピーエンドに作り替えませんか?~

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第8話

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「なるほど。妃候補による試験とは、斬新な考えだ」

 毎度同じく人物の台詞から始まった第8話。
 俺はファンティーヌ嬢と考えた、妃候補による試験の改訂版「妃候補と自己国王側近候補による模擬学校」なる計画を親父…もとい国王に話した。
 意外と国王も大臣たちもすぐに納得してくれた。

「この計画はカイルが思いついたのかい?」
「いえ、半分はファンティーヌ・オルベリザス伯爵令嬢が提案してくださいました。異国の王室では次期国王の妃を試験で決めるそうで、試験を行うことでその候補者の本当の姿が見えるとのことです」
 まあ、嘘は言っていないな。異国は『前世の日本で作られたゲームの世界』の事だけど、一応異国だもんな。
「それはとても素晴らしい。陛下、西にあるステラ王国という国では、一年ほど前に即位された国王様の妃は、王太子時代に試験で選ばれたとお聞きしたことがあります」
 へ!? 実際にあるの!? ゲームの中の設定だけじゃなかったの!?
 ステラ王国って、どこにあるの!?
「それで、いつからその学校を始める?」
「今、妃候補には半年の王宮生活を送っていただいています。それが終わり次第、始めてはいかがでしょうか? 学校となる場所を作ったり、妃候補や側近候補が住む寄宿舎も作らなくてはいけません。それに講師を集めたり、必要な備品の準備もあります。5か月もあれば整う事でしょう」
「よし、わかった。すぐに準備を始めよう。もちろん、その学校にカイルも通うんだよな?」
「出来ればレオも通わせていただけないでしょうか。レオは生まれてすぐに母親を亡くしており、その為、少々我儘に育っているように感じます。一刻の王となる以上、自立した心も必要ではないかと思います」
 っていうのはただの口実で、本当はレオの恋人と引き離す為。こうでもしないと、あの恋人さん、何をしでかすか分からないからな。
「それはいい案だ。サリュージはどうする」
「兄上のお気持ちを最優先したいと思います」
 絶対に嫌だっていうだろうね。寄宿舎(寮)に入っちゃうと、週末の自由時間まで外出できないからね。毎日違う恋人を侍らせている兄が耐えられるはずがない。
 俺としては来てほしくない。だって、サリュージが来たらファンティーヌ嬢との接点が出来ちゃうじゃないか! もしサリュージがファンティーヌ嬢と親密になったら……俺の命が危ないじゃん!!
「では、わたしから聞いておこう。早速工事に入らなければな。まずは土地探し…」
「父上! 学校となる土地はわたしが見つけてきてもよろしいでしょうか?」
「お前が?」
「少し、気になる土地がありまして、そちらに建設できないか、住民たちと話し合ってきます。父上自らお出になると、国からの命令だと勘違いし、国が圧力をかけてきたと変な噂が立つかもしれません。出来れば、学校が出来るまで、すべてわたしにお任せいただけないでしょうか」
「大丈夫かね?」
「はい。必ず成功させてみせます」
「わかった。すべてをお前に任せよう。必要なら人材も派遣する」
「ありがとうございます」
 親父に勝手に決められたら、ファンティーヌ嬢が言っていたイベントが起きなくなるかもしれないからな。いや、本当は起きなくていいんだけど、彼女ごとく、『固定イベント』なるものも存在しているらしいので、なんだったらいっそうの事、すべてのイベントを発生させて、全部ぶち壊せばいいじゃん!と提案してきた。
 それに、ここで少しでも「カイルは出来る人」を印象付けておかないと、いつ軌道修正するかわからないからな。


 学校(予定)を建てる場所は、あらかじめファンティーヌ嬢から情報を仕入れていた。
「たしか、大きな湖の中央にある島がゲームの主な舞台でしたわ。島の中央に学校がありまして、隣接して寮が建っていました。学校の裏側に森があって、その森の中に小さな泉がありましたわ。その泉はヒロインが定期的に精霊と出会う場所として重要な場所なんです。後は、森を南側へ抜けると、大きな噴水と大きな運河のある街がありまして、噴水を中心に色々な商店が立ち並んでいましたわ。その商店のある広場が、休日にお買い物できる場所なんです。それから、芝生の広がる公園と、沢山の花が咲く植物園、時々サーカスの催し物が行われる広場、湖の畔には砂浜があって夏になると海で泳ぐイベントもありますの! 冬には広場にスケート場がオープンして、デートに誘う事が出来るんです! 特にオスカー様とジャン=ジャック様のデートイベントが最高でしたわ!」
 ゲームの背景を聞いていたはずなのに、ファンティーヌ嬢のイベント攻略情報になっていったのは予想できなかったな。本当に全攻略対象者を制覇していたんだね。

 彼女の情報を元にゲームの舞台となる場所を作っていきますか。
 何の偶然か、彼女が話していた試験を行う場所は、アニメでは第2王子が国王から与えられた別邸がある場所だ。大きな湖に浮かぶ島は第2王子が悪事を進めるために拠点とする場所で、別邸以外に街もなければ人も住んでいないような場所の為、密会を行うのに最適の場所だった。
 それがゲームでは妃候補の試験場所として書き換えられ、さらに第2王子の別邸はあるが、あまり登場しなかったらしい。まあ、ヒロインの恋愛対象者でもなければ、ただの悪役王子だからね。恋愛ゲームのストーリーには不似合いな場所なんだろうね。台詞に出てきただけだってファンティーヌ嬢も言っていたし。


 俺がこの世界に転生して、一番最初に行ったのは、湖の畔にある村人と信頼を築く事。
 14歳の子供がどんなに村人に話しかけても相手にされず、国王の名前を出しても詐欺だなんだと罵られた。村人と信頼を築きたかった理由が、アニメの第2王子がこの村の特産物を占領し、高額の値段で外国に売りさばいて資金を調達し、さらに悪事を進めていたという事もあって、それを最初に絶ちたかった。
 全然相手にされず、どうしようか…と悩んでいた時、村の唯一の食堂が俺を受け入れてくれた。正確には、村に来て4日間、何も食べずに村人を説得していたので、哀れに思って食事を提供してくれたんだ。実際は携帯食を持っていたから何かしら食べていたんだけどね。
 その食堂は村の特産物である【小麦】を使った料理を作っていたけど、俺が考える小麦を使った料理とは相当かけ離れていた。小麦を皮ごと磨り潰して無理に粉状にし、それを焼いたり煮たりして食べていたのだ。(まあ、王宮の料理も魚を焼いただけ、肉を焼いただけ、野菜を切って盛り付けただけっていう味のない物だったけどね)
 そこで俺は、小麦を正しい製法で小麦粉にすることを提案し、小麦粉を使った数々の料理を教えてあげた。

 え? どうやって調べたかって? それは女神の加護でもある文明の利器を使ったんだよ。
 女神がくれたウォッチには、【創造】っていうアイコンがあって、単語をいくつか入力すると、それを作るために必要な道具や材料、作り方を検索することができるんだ。それを使って小麦粉を作る機械を作り、小麦粉を使った料理を作れるようになった。
 いやぁ~、本当に便利な物をくれたよ。これが無かったら何もできなかったからね。

 食堂で教えた小麦粉を使った料理は、あっという間に村中の人気を博し、俺はやっと村人に迎え入れられた。
 当時、錬金術レベルも低かったから、作れる料理は少なかったけど、その後は食堂の亭主がアレンジを加えていって、料理人希望も増えて、村自体に食べる所が多くなっていった。
 それと当時に、村に移住する人が増え、色々な職業の職人が増え、今ではちょっとした小さな街に発展している。


 文明の利器と異世界の知識で住人たちの信頼を勝ち取り、街の人に俺が持ってきた島に作る街の設計図を見せた所、
「楽しそうですね!」
「協力しますよ!」
と、快く引き受けてくれた。
 何かお礼をしたいと申し出ると、「王子様のお役に立つことが何よりものご褒美です」という言葉が返ってきた。
 なに、この出来た人間たちは。利益を求めない人間たちばかりで大丈夫なのか?
 なんか、この後に大きな反乱が起きそうで怖い。
 親父に頼んで、街作りに協力してくれた人へ何かしらの報酬を渡すように頼んでおこう。


 島の開発はファンティーヌ嬢が見せてくれたゲームの背景を参考に、全く同じように作った。
 島自体が小さく、徒歩で2~3時間かければ一周できるほどだ。それでもほぼ手つかずの状態だったため、一から街を作るには最適だった。俺が持っていた別宅も、アニメで登場した場所から市街地の中に移し、とにかくゲームの世界を再現しまくった。
 唯一違うのは、学校を挟んで寮が二つあるという事。ゲームでは妃候補者のみが寮に入っており、攻略対象者はほぼそれぞれの実家にいたらしい。そこはゲームの世界なので、どのように連絡を取り合い、どのように移動していたかは深く考えないようにしたい。
 学校の裏にある森の中に、精霊の住む泉を作りたかったが、そこには最初から泉があり、街の人たちもここには精霊が住んでいるという話が昔から言い伝えで残っていると話してくれた。これはそのままでいいかな?
 芝生が広がる公園を作り、四季折々の花が咲く植物園を作り、催し物が開催できる大きな広場を作り、岸辺には白い砂浜も作った。噴水も設置し、運河も張り巡らせ、商店街も沢山作った。
 完成したこの街を見た時の、ファンティーヌ嬢の喜ぶ顔が目に浮かぶよ。


「王子、楽しそうですね」
 冒険者レベル上げのついでに取得した魔法スキルをフル活用して街を作っていた俺にセザスが声を掛けてきた。
 丁度、大きな運河を作るために土の攻撃魔法で地面を掘り返していた俺は、その声が聞こえなかった。
「え? なんか言ったか、セザス」
「とても楽しそうですねっと申しただけです」
「そりゃ楽しいよ! だってさ、これが成功したら俺、死ななくていいかもしれないんだよ! こんな喜ばしい事、他にないじゃん!!」
「この王子のどこに悪の心があるんでしょうかね」
 はぁ~…っと大きな溜息を吐きながら、スコップで土を掘っているセザス。

 彼にはこの事業に入る前、俺の事を全部話した。
 前世の記憶があり、その記憶の中の【カイル】は悪事に手を染め、最後は死刑されることを話すと、セザスは大粒の涙を流しながら、
「王子はわたくしがお守りいたします! 悪事に手を染める様な事があれば、わたくしが阻止します!!」
と、大声で宣言してくれた。
 まあ、俺の知っているアニメのカイルには側近もいなかったから、今セザスがいる時点で改革は成功していると言っても過言ではない。

「しかも、ファンティーヌ嬢も同じ記憶をお持ちとは…」
「女神は俺に最強の運を与えたってことだね」
「では、ファンティーヌ嬢の侍女も同じ『転生者』なんでしょうか? 王子の話ではファンティーヌ嬢の全てをご存じで、王子が『転生者』であることを話した時、一緒に驚いていらしたんですよね?」
「そうらしいよ。ファンティーヌ嬢と一緒の時に召喚されたって話してた」
 同じ世界に3人も転生者がいるってどういう状況? 俺が前世で読んでいたファンタジー小説のほとんどは、転生者は一人だったよな? 特にファンタジー小説を書くにあたって、「これ!」っていう決まりはないけど、複数の転生者が同じ場所に存在すると、ファンタジー小説特有の『異世界チート』も役に立たなくなるんじゃないの?
 あ~……でも、勇者とか勇者御一行様は全員、転生者というか召喚者だったな~……。
「ところで、王子。学校を設立するにあたって、講師などの件はどうなりましたか?」
「俺やレオの講師たちにお願いしたよ。ただ、王族としてのマナーや教養を主に教えている人だから、次期国王の側近候補としての教育とは違うんだよね。やっぱり、執事とかにも頼まないといけないかな?」
「でしたら、わたくしが側近候補者たちの講師になりましょうか? 王子の側近になるにあたって、国王陛下付きの侍従や側近からみっちりと教えていただきましたので、お役に立てると思います」
「いいのか?」
「ええ、大丈夫です。王子が学校で勉学に励んでいる間、わたくしは時間が出来てしまいますので、騎士団で訓練をしようと思っていたのですが、騎士団の団長から『だったら側近候補者を教育しろ!』と提案してくださいましたので、王子が許可してくだされば講師として王子の役に立ちたいと思います」
 それって……騎士団にいた時、かなりの暴れ者だったセザスを引き受けたくないだけなんじゃ……。
 今は魔力の暴走をコントロールする装飾品を身に着けているから大丈夫だけど、それが壊れたら大変だもんな。俺の側に置いておくのが一番か。
「俺としては嬉しいよ。だけど、お前が講師になるってことは、俺の側近を一度辞めないといけなくなるけどいい?」
「え? 側近は続けられないのですか?」
「俺の側近が講師になるってことは、俺の成績を不正するかもしれないって噂が立つかもしれない。なにせ俺の第一側近であり、身の回りを世話する立場だからな」
「では……」
「3年間の辛抱だ。3年間だけ休業って形にしてやるから、学校での勉学が終わったらまた側近に戻ってくれればいい」
「王子は大丈夫ですか? お一人でできますか?」
「俺は大丈夫だ。一人で出来るさ」
 ありがたい事に文明の利器も使えるし、セザスには話していないけど、隣国との事を内密に進められそうだし。隣国との事は本当にごく一部のメンバーだけで進めていきたい。人数が増えると何処で情報が漏れるか分からないしな。
 まあ、時が来たらセザスにも協力してもらおうか。

 くぅ~~!!!
 楽しくなってきた~~~!!!


        <つづく>

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