祖父ちゃん!なんちゅー牧場を残したんだ!相続する俺の身にもなれ!!

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1年目

秋の月17日(月の曜日) 事件が起きました

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 初めてニンジンとサツマイモを収穫したその日、ガンツさんの店で調理器具を注文した。
 包丁、鍋、まな板、フライパンなど、王都のレストランで使ったことのある調理器具だけを頼んだら、ガンツさんからオーブンとミキサーも作ろうか?と提案された。
 オーブンはパンやケーキを作る時に役に立つらしく(残念ながら、俺は王都のレストランで使ったことがない)、ミキサーは果物をジュースに加工する時に役立つらしい。値段もそんなに高くないようなので、それもお願いした。
 そして雑貨屋さんでは、サツマイモの苗の他に調味料を購入した。塩や砂糖はもちろんだが、大豆という豆から作った【しょうゆ】や、同じ大豆から作った【味噌】、卵と油で作られた【マヨネーズ】という物も勧められた。
 だが、残念なことに俺の家には、物を冷やして保管する【冷蔵庫】というものがない。祖父ちゃんは【けんじゃのいし】とかいうすっごく珍しい鉱石と使って腐敗を止める効能を備えた冷蔵庫を使っていたそうなんだが、その冷蔵庫は親戚が売り払ってしまった。

 そんな話をしていると、たまたま店を訪れた服屋のポールさんが、使っていない冷蔵庫があるけど使うか?と勧めてくれた。なんでもポールさんの奥さんのマーガレットさんがこの村にお嫁入りをした時、ご両親が持たせてくれた物だけど、すでにポールさんの家にもあったので、今は使っていないんだとか。
 お嫁入りの時に持ってきたってことは、新品だよね? お金、高いんじゃ…。
「気にしなくていいわ。親が勝手に持たせたものだから。近いうちに届けるわね」
 マーガレットさんは気にしていないけど、親御さんに知れたらマズイんじゃないの?
 一応、お礼に収穫したサツマイモをあげよう。


 母屋の中もいろいろと家具が揃い、なんとか一人で生活できる環境が整った。
 後は牧場らしい設備を整えるだけだ。


 そんなある日、ラッツィオさんの弟子たちが、母屋と鶏小屋(予定)の間にある空間に小屋を作ってくれた。スライムたちの小屋らしい。
 その小屋に入って俺は驚いた。
 ただの小屋だと思ったら、中にはノームたちがぴったりと収まる棚が沢山備え付けられていたのだ。
「この一つ一つがスライムたちの寝床になります。もし、今後、スライムが増えるようなことがあったら言ってくださいね。棚を追加します」
「今は70個ぐらい用意しました!」
 ラッツィオさんに隠れてコソコソしているな~って思ったけど、こんな物まで作ってくれていたのか!
「後でスライムたちの布団や毛布を持ってきますね」
「え? いいよ。俺が揃えるから」
「いいですって! 俺の嫁、ポールさんの服屋で働いているんですけど、この牧場のスライムの事を話したら、是非とも作りたい!って張り切っているんです。毎晩、楽しそうに縫物をしているんですよ」
 幸せそうな笑みを浮かべる弟子の1人。
 なんか、本当に申し訳ない。

 ラッツィオさんにしても、弟子の2人にしても、俺が頼んでもいないところまで直してくれる。
 話を聞けば、やっぱり祖父ちゃんや祖母ちゃんに助けてもらった恩があるから、その恩返しだっていう。
 祖父ちゃんと祖母ちゃんへの恩返しって言うけど、俺もラッツィオさんたちに恩を返さないとな~。物で返すっていう方法もあるけど、この牧場をちゃんと経営していくことが一番いい恩返しになるかもしれない。



 今季3回目のサツマイモの収穫を予定していた秋の中頃、事件は起きた。
 朝、畑にやってきた俺が目にしたのは、畑一面に植えたはずのサツマイモの苗がすべて引き抜かれ、そして収穫間近だったサツマイモが全部盗まれている光景だった。
 俺の足元にいるノームやリーフたちも、目の前に広がる光景に呆然としている。

 これは……畑荒しか?
 そういえば、秋になってから、やたらと誰かの視線を感じていた。ただの魔物かと思って無視していたけど、どうやら違っていたようだ。
 荒された畑には魔物と思われる足跡は一つもなく、誰かが履いた靴の跡がそこら中に残されていた。

 とりあえず、村長に報告しよう。
「ノーム、リーフ、村長を呼んでくるから見張りを頼んでもいいか?」
 俺がそう言うと、ノームと数体のリーフは、ぷにぷにした体から腕を伸ばし、俺に敬礼してきた。
 行動一つ一つが可愛いんですけど~~~!


 村長はすぐにリックさんを呼んだ。
 リックさんはこの村の検問所の責任者をしながら、村の警備をする自警団の団長もしている。
 荒れた畑を見て、リックさんは自警団の仲間に残された足跡の採取をするように命じた。
「足跡の採取?」
 初めて聞く言葉に、俺は首を傾げた。
「ユーキ殿が教えてくれた捜査の一つですよ。土の上に残された足跡に、こちらの液体を流し込みます。この液体はしばらくすると固まります。すると、足跡の形を綺麗に残すことができるのです」
 リックさんの説明を聞きながら自警団の人たちの動きを見ていると、たしかに残された足跡に白い液体を流し込んでいる。この液体って、畑に影響ないよね?
「安心してください。畑には影響はありませんから」
 心配そうな顔を見せていた俺に、リックさんは優しい声を掛けてくれた。
 なんでも、この白い液体は、村の農家さんも作物を作り変える時に栄養補給として畑に撒く物で、それを水で溶かして、祖母ちゃん直伝の固まる魔法をかけているんだとか。自警団の中に魔法が使える人がいるのかよ。それはそれで凄い事だ。

 畑から採取された足跡は、全部で五人分あった。つまり複数犯ってことだ。
「捜査はこちらで進めさせていただきます。もし、何か変わったことがあれば何でもおっしゃってください」
「ありがとうございました」
「しかし、今から苗を植え直すとなると、収穫は一回しかできないな。ハヤトくん、大きな出費になってしまうと思うが植え直すかい?」
 それしか方法はないと思うんだけどね~。
 今日、今から引き抜かれた苗を片付けて、新しい苗を植えて、実がなるまで育てて……これは重労働だぞ?
 出費もかなりの金額になりそう。
「頑張って植え直します」
「ベアトリスに言って手伝わせよう。村の皆にも声を掛けてみるよ」
 村長はポンポンと俺の肩を叩いた。
 1年目から順調に作物が育てられるわけがなかったんだよ。これも試練、これも試練。

 大きな溜息と吐いた俺。
 すると数匹のリーフが俺の足元で跳びはね始めた。
 元気付けてくれているんだな~。本当、こいつら可愛いよ。

 なんて思っていたら、突然リーフたちがワラワラと集まりだした。
 そして、50匹全員が集まると、なんと畑の中央で一体の大きなスライムに合体したのだ。
 何をする気だ!?
 リーフたちの行動をただ見つめていると、なんと大きく合体したリーフたちは、畑全体に覆いかぶさるように広がり始めた。
 畑に厚さ1cmほどの緑色の膜が覆いかぶさり、所々で波を打っていた。

 その直後、なんと緑色の膜の下で、引き抜かれたサツマイモの苗が分解された。と思ったら、なんと畑にサツマイモの苗が復活し、荒される前の光景に戻っていった。
 青々と茂ったサツマイモの苗で畑が覆われると、リーフたちはそれぞれ自分たちの体に戻った。


 苗が…復活している!?
 しかも収穫時を知らせる赤い逆三角形のマークが見える!
 ってことは、収穫できるってこと!?


「これは一体……」
 一緒に見ていた村長もリックさんも、驚いた表情のまま固まっていた。
「植物属性の【再生】と【成長】…」
 自警団の団員さんの中からポツリと声が漏れてきた。
 声を発したのは、リックさんと同じ検問所の役員を務めている青年だった。
「【再生】と【成長】? なんですか、それ」
「え……あ…あの、その……」
「知っているのなら話してくれ」
 リックさんがそう言うと、青年は周りの団員さんの顔を見渡した。
 同じ検問所の別の役員が大きく頷いたのが見えた。
「あ…あの、学校で習ったことなので詳しくはお話しできないのですが、植物属性の魔物には植物を【再生】させるスキルと、植物を【成長】させるスキルを持っています。この2つのスキルは大体セットになっているのですが、先ほどの緑色のスライムは、この2つのスキルを使ったのではないでしょうか」
 そういえば、リーフたちと契約を結ぶとき、花を咲かせたスライムがいたな。あれが【再生】ってこと?
「スキル? ハヤト君、スライムに命令したかい?」
「いいえ、何もしてません」
「おかしいですね。このスライムはあなたがテイムしているんですよね? テイムされた魔物は主が命令された事しかできないはずなんですが、命令なしで行動に移すってことは、テイムとはまた違う何かがあるのではないでしょうか?」
 詳しくは話せないって言っておきながら、十分詳しいじゃん。
 検問所の役人って、ここまで詳しくないといけないの?
「お前、詳しいな」
「学校に通っていた時、テイマーを専攻していましたので」
 テイマーの専攻って、どんな学校だよ!


 とりあえず、今回の畑荒しに関してはリックさんを中心に捜査してくれることになった。
 また畑を荒らされたら困る!と村長が寝泊まりで見張りの番をすると言い張ったが、心の底からご遠慮いただいた。ノームやリーフたちが交代で見張りをしてくれるということで、村長も諦めてくれた。
 村長が見張り番をすると、ベアトリスが心配して牧場に泊まるとか言いかねないからな。



 その後、検問所の役人の青年と広場で何回か顔を合わせることがあり、スライムを通して仲良くなった。
 検問所の青年はガイという名前で、オルベリザス伯爵の領地出身だという。この村にいた伝説の英雄(たぶん祖父ちゃんと祖母ちゃんの事だと思う)に憧れ、冒険者になる事を夢見て、隣の国に設立された冒険者育成学校に通っていたそうだ。
 その育成学校では冒険者になる為に必要な基礎や戦術を学び、卒業間近には自分がなりたい職業を専門に勉強できるとか。
 ガイはテイマーになりたかったのだが、なかなか魔物が懐いてくれず、親からいつまでも夢を見ているなと喝を入れられ、給料が安定している騎士団に入団。そしてこの村の検問所へ配属されるように自ら願い出たそうだ。

 ガイは非番になると牧場を訪れるようになった。
「テイムしている魔物に凄く興味があるんです!」
 かなり興奮していたが、ノームやリーフたちも彼を嫌っている様子もないので、俺も断る理由はなかった。それにガイが来てくれればそれだけで警備してもらっているようなものだし、力仕事も進んで手伝ってくれる。
「お前、この牧場に就職したらどうだ?」
 なんてリックさんに言われるぐらい、牧場にいる時間が長かった。
 雇いたい気持ちもあるんだけど、騎士団と同じ給料は出せないよ。もうちょっと軌道に乗ったらお願いします。

 年も近い事もあって、武器屋のアルベールとも仲良くなった。
 そして、ガイとアルベールから、村の外へ採取に出かけないかって誘いを受けた。
 そういえばこの村に来てから、エリオたちの放牧場に行く以外、一度も外に出たことなかったや。
 冒険者レベルも上げたいと思っていた所だから、いい誘いだと思いすぐに引き受けた。

 そうなると武器や防具が必要だよな。
 さすがに祖父ちゃんと祖母ちゃんが使っていたのは使えないよ。
 ガンツさんに相談してみよう。
 それに、リーフを一匹連れて行こう。リーフにも外に生えている薬草とかを見せてあげたいし、いざとなったら回復薬を作ってくれるし。
 

 出発までの間、俺は嬉しすぎて眠れない日々を過ごした。



       <つづく>


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