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秋の月26日(水の曜日) 初めての冒険
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ガンツさんには初心者用の武器と防具を作ってもらった。
「ハヤトならユーキとアスカが残した武器があるのに~」
ナタリアさんは納得しない感じだったが、今の俺の冒険者ランクを見せたら、何故がすぐに納得してくれた。
「今のハヤトの冒険者レベルでユーキが使っていた武器を扱ったら、武器が暴走しかねない。ある程度レベルが上がったら使い方を教えてやる」
凄く頼りになる事を言うガンツさんだけど、笑いながら言うのは辞めてくれませんかね?
「で、どこまで出かけるんだい?」
「日帰りで行ける近くの森です。アルベールとガイが一緒に行ってくれるので、助かります」
「だったらギルドで依頼を引き受けてから行くといいよ。採取の依頼や討伐の依頼もあるから、ただ出かけて自分に必要な物だけ取ってくるよりも、冒険者レベルも上がるし、お金も稼げるからね」
ナタリアさんのアドバイスを受け、俺は武器屋の帰りにギルドへ向かうことを決めた。
ギルドでは相変わらず冒険者たちが集まっていた。
「ハヤトも依頼を受けに来たんですか~?」
の~んびり口調のアルベールもいた。
そういえば、さっき武器屋にいなかったな。
「ナタリアさんにアドバイスされたんだ。近くの森に出かけるのなら、ギルドで依頼を受けたほうがいいって」
「じゃ~、一緒に選んであげますよ~。採取と討伐、どっちがいいですか~?」
う~む……これだけのんびり口調のアルベールが、冒険者ランクBっていうのが信じられない。二年前まで王都の騎士団にいたと聞いているけど、こんなほんわか雰囲気のアルベールでも騎士団に所属できるんだね。
アルベールと相談しながら引き受けた依頼は三つ。
一つ目は【解毒草】という毒消しの薬を作るために必要な薬草の採取。解毒草はそこら中に生えているらしく、子供でも採取できるとか。(ってことは村の中にも自生しているってことか)リーフを連れて行くので簡単にできるだろう。
二つ目は【ウルフ】というオオカミの魔物の討伐。冬になると魔物の中には冬眠を始める物もいるらしく、秋の終わりになると食料を求めて活動が活発になるらしい。万が一、食料がなく、冬眠する準備が出来ていないと魔物が村を襲うかもしれないということで、魔物の数を減らす為に自警団が依頼を出している。ウルフは初心者でも簡単に倒すことが出来る魔物なので、冒険者レベルの低い俺でも、1人でも護衛がいれば倒せるらしい。
三つ目はちょっと難しく、ウルフを倒した時に採取できる【ウルフの牙】と【ウルフの毛皮】の採取。魔物は退治されると霧となって消えてしまう為、魔物から採れる素材は稀だという。だけどたまに素材を落としていくことがあるらしく、それを冒険者たちはドロップアイテムと呼んでいる。魔物が落として行った素材は武器や防具の強化などに使われるため、冒険者だけでなく、武器屋も欲しいアイテムだという。
「でも、稀にしか手に入れられないんだろ?」
「大丈夫ですよ~。ウルフだったら5匹倒せば一個ぐらい手に入りますから~」
そういうものなのか?
って、依頼された数は、【ウルフの牙】が5個、【ウルフの毛皮】が3個なんですけど! 全部揃えるにはかなりの数を倒さないといけないんですけど!!
「この時期のウルフは群れで行動しているので、簡単ですよ~」
いや~……その口調で言われると本当かどうかわからないよ~。
俺まで口調が移ってきちゃったよ~。
着々と準備を進め、最後に残されたのは連れて行くリーフをどれにするのかだ。
出来れば薬草に詳しくて、すぐに回復薬とかを作ってくれる個体がいいのだが……50匹もいるとすべてのスライムを把握できていない。
ここは、立候補してもらい、その中から薬の調合が上手い奴を連れて行くことにしよう。
秋の最後の週、俺はアルベールとガイと共に、日帰りで行ける近くの森へと向かった。
選ばれたリーフは俺の頭の上で小躍りしている。外に出るのが嬉しいのか、50匹の中から選ばれたのが嬉しいからなのか、とても上機嫌だ。
「ご機嫌だね、このスライム」
後ろを歩くガイは、面白そうにリーフの体を突いた。
「壮絶な戦いを制したからね」
「壮絶な戦い?」
俺はこのリーフを連れてくる過程を軽く話した。
とりあえず、薬の効能が一番高い物を作れる個体が欲しかったので、俺が用意した薬草で薬を作ってもらい、作られた薬をミントさんに見てもらった。どれも品質も良く、効能も素晴らしかったが、その中で一番効能が高い薬を作ったのが、今頭の上で小躍りをしている個体だ。
「連れて行くリーフを発表した時、選ばれなかったスライムたちの落ち込む姿は可愛かったよ。中には自分の寝床でふて寝している子もいたんだ」
「見たかった~! また試験をするときは呼んでくださいよ!」
ガイの目が輝いている。本当に魔物が好きなんだな、ガイは。
森に入る直前、アルベールが俺とガイにブローチを渡してきた。銀色の装飾が施されたブローチの中央には紫色のガラス玉が嵌め込まれていた。
「これはパーティを組むときに使う道具だよ。身に着けていれば、全員に経験値が入るし、逸れてもリーダーがちゃんと場所を把握できるようになっているんだよ。今回は僕がリーダーをやるね」
そんな便利な道具があるのかよ。
因みに銀色の装飾には特に意味がなく、真ん中のガラス玉がリーダーの冒険者レベルの色になっているらしい。パーティのリーダーは冒険者レベルBから出来るようで、ギルドに頼めばパーティ人数分のブローチを貸し出してくれるとか。
「この村だけの道具なんだよ」
……って、ことは……
「ユーキ様が考えたシステムだよ!」
やっぱり…。
祖父ちゃんはこの村に来た時、冒険者レベルも生産者レベルも一番下だった。一人では経験値をあげる限界を感じ、このパーティシステムを作ったんだとか。
祖父ちゃんと祖母ちゃんは冒険者ランクが上がると、よく駆け出しの冒険者を連れて魔物退治に出かけていたこともあったとか。自分たちがランクが低い時に感じた違和感や不安は、誰もが抱いている感情だから、その不安や違和感を取り除くのがベテラン冒険者の役目だと、よく周りの人達に話していたらしい。
そのお蔭か、村の住民たちは自分よりも、自分の後継者を大切にする習慣が多くなり、アンナの両親の店のように、ランクの低い人にも日の目をみる仕事を与えているんだとか。
王都では考えられないな~。
だって、王都ではランクが低いだけで、買う物も買えず、職に就くことだって出来ない。だからなのか、ランクの高い人やお金持ちはいつも威張っているし、下の人に対する扱いも酷い。王室はそれが当たり前だと思っているし、下からの訴えなんか国王の耳に届くことはまずない。
俺も、王都を出なければ、きっとランクも上がらず、こうして気の合う仲間とも出会えなかったんだろうな。
これは、一応ではあるが、祖父ちゃんの牧場を買い取った両親に感謝しておくかな。
森の中は道が整備され、所々に看板も建ててあった。
「ユーキ様とアスカ様が整備してくれたんだ。小さい森だけど遭難者が多くて、毎日村から救助隊が派遣されていたんだよ」
道を歩きながらアルベールが説明してくれた。
「村には救助隊の人数も限られていたし、ギルドに依頼を出してもいつ引き受けてくれるか分からないから、ユーキ様が森を整備して、子供でも迷わないようにしてくれたんだ。その時、このパーティシステムも作って、仲間を見つけやすくしたんだ。一人で来るときも、ギルドに申請しておけば、いざというときは助けが来るシステムなんだよ」
祖父ちゃんよ……そのシステムをどこで身に着けたんだ…。
今度ギルドに行ったら、職員に聞いてみよ。
道中、リーフは依頼の薬草をすべて見つけ、余った分は体内で解毒剤を生成していた。解毒剤だけではなく、回復薬とか魔力の回復薬とかも作り続けていた。
「このスライム、凄いね。薬草を見分けているし、しかも質の高い薬草だけを摘みとっているよ」
アルベールが試しにそこらへんに生えている草を摘んで、リーフに食べさせると、リーフは数回咀嚼した後、険しい顔をしてその草をペッ!と吐き出してしまった。
「お~! これが薬草じゃないことが分かるみたいだ」
「凄いですね~」
パチパチと拍手をするアルベールとガイ。
「何を食べさせたんだ?」
「「麻痺草だよ~」」
なんちゅーもんを食べさせるんじゃ!
と、俺が起こる前にリーフが2人に向かって体当たりをしていた。
怒りながらその場に跳ねるリーフと、笑いながら「ごめんごめん」と謝ってくるアルベールとガイ。
なんか、凄く居心地がいい。今まで家族にも虐げられてきた俺の心がほんわかと温かくなってきた。
しばらく道なりに進んでいくと、開けた場所に出た。
「この近くにウルフがいるはずだよ」
「だけど、アルベール。ちょっとおかしくない?」
「何が?」
「今まで一匹も魔物に会ってないよ。いつもなら少し森の中に入るだけで魔物の気配がするのに、今日はやけに静かだ」
「たしかに。他の冒険者たちもいないみたいだね」
「ギルドに申請しに行ったとき、3組ぐらいのパーティーがいたはずなんだけどな」
アルベールとガイは辺りを見回した。
それは俺も気になっていた。魔物だけじゃなく、この森に住む鳥の鳴き声すら聞こえていない。
三人とも黙り込んでしまい、辺りの気配を伺った。
その時、遠くの方で遠吠えが聞こえた。
「ウルフの遠吠え?」
「いや、違う。ウルフは遠吠えをしない」
急にアルベールの顔が真顔になり、更に口調も凛とした物に変わった。
一歩も動けずにいると、すぐ側の繁みが激しく動いた。
瞬時に武器を構えた俺たちの前に転がり込んできたのは、4人の冒険者たちだった。冒険者たちは魔物に襲われたのか、全員が怪我をしていた。
「大丈夫ですか!?」
駆け寄ると、最初に転がり出てきた冒険者は肩で息をしていた。その後ろには大怪我を負った冒険者を抱きかかえている2人の冒険者。全員、胸に赤いガラス玉が嵌め込まれたブローチを付けているってことは、パーティだろう。しかもリーダーはAランクの冒険者だ。
「た…助けてください! 仲間が…!!」
「何があったんですか?」
「魔物が……魔物が突然襲ってきて……」
「魔物?」
「ハヤト、まずは怪我の手当てが先だ。俺は先に村に戻って、主任に話をして救援隊を要請してくる。アルベール、詳しい話を聞いておいてくれ」
「わかった」
ガイはすぐにその場を走り去り、村へ向かった。
俺はリーフに頼んで回復薬を作ってもらい、それを怪我をした冒険者に配った。リーフが作った回復薬は効能がいいのか、大怪我を負った冒険者以外の傷はすぐに治った。
冒険者たちに話によると、今、大怪我を負っているのがパーティのリーダーで、ランクはA。かなりの経験があるらしく、今日はギルドに貼られたウルフの退治の依頼を引き受けていたそうだ。
森の奥に小さな湖があるのだが、そこで一休みしていると、急に森の中から魔物を始めとする動物たちが飛び出してきた。すぐに何か起きたのだろうと察し、身構えていた所に見たこともない大きなオオカミが姿を見せた。ただの魔物だろうと退治しようと武器を構えたリーダーがあっという間に倒れ、仲間たちは命からがらに逃げ出してきたそうだ。
パーティのリーダーは、その見たこともないオオカミの事を「シルバーウルフ」と呼んでいたとか。灰色の毛並みは普通のウルフと変わらないのだが、大きさが人間よりも大きく、戦闘能力もかなり高い。ランクAの冒険者ならパーティを組んでいれば倒せないわけでもないが、かなりの体力を必要とするらしい。
「この森にシルバーウルフなんで生息していないはずですよ。見間違いではないのですか?」
「いや! 絶対にシルバーウルフだ! あんな大きなオオカミ、見たことない!」
「おかしいですね~」
アルベールがいう事は正しい。
この森は冒険初心者どころか、子供たちも来ることが出来る所だ。魔物もほぼFランク。その辺に落ちている棒でたたくだけで退治でき、こちらから攻撃しなければ襲い掛かってくることはない。
なのにそんな大きなオオカミ…しかもAランクの冒険者がパーティを組んで倒せる上級の魔物がいる事はおかしい。
「そのシルバーウルフは野生でしたか?」
「野生とかそんなの分からない」
「こんな風に契約の証は付いていましたか?」
アルベールは俺の頭の上にいるリーフを指さした。
リーフよ、なんで胸張って威張ってんだよ。
「いや、付いていなかった…と思う。よく見なかったから分からないけど……あ、そういえば首輪をしていた。黒い首輪を付けていたと思う」
「首輪? 契約の証がないのに首輪を付けていた?」
「なにか引っかかる事でも?」
「ハヤトは契約を交わしたことがあるのでわかると思うんですが、野生の魔物って人間に対して反抗的なんです。契約を結ぶことで主に従うのですが、契約をせずに勝手に飼い始める人もいるんです。その人たちは大体冒険者ランクが高い人だったり、裏で何か悪事を働いている人たちなんですが、もしかしたらランクの高い魔物を捕まえて、それを冒険者たちに売っている人がいるのかもしれません」
「え? でも解約を結ばないと人間には刃向かうんだろ? 冒険者たちに売っても害はないの?」
「これは王都にいた時に聞いた話なので、確かな物ではないのですが、魔物を操る事が出来る道具があるそうです。ハヤトは【サウザンクロス帝国】っていう国をご存知ですか?」
「いや、聞いた事ない」
「じゃあ、【ステラ王国】は?」
「あ、それは聞いた事ある。ラッツィオさんが旅に行っていた場所だよね? たしか親友がそこに住んでいるって言ってた」
「その【ステラ王国】の国王の父君が【サウザンクロス帝国】の皇帝なのですが、その国では2人の女神が多くの犠牲者を出す戦いを起こしています。そのうち【戦いの女神】と呼ばれる女性が魔物を操る事が出来る道具を開発したと聞きました。もしかしたらその道具が、こちらにも流れてきているのかもしれません」
「それってヤバくない?」
「ええ、かなり危険です。一度村に戻りましょう。ギルドで引き受けた依頼は事情を話せばキャンセルできます。今は自分の命が大切です」
「わかった…」
俺たちはガイが戻ってくるまで、冒険者たちの手当てを続けた。
一番怪我がひどかったリーダーも、リーフの作る回復薬でなんとか傷口は塞がり、一命は取り止めたようだ。
魔物を操る道具か…。
昔、祖父ちゃんが飼っていた大きな犬にも首輪は付いていた記憶はあるけど、あれは友情の証だって祖父ちゃんは言っていた。それにもし、そんな道具を祖父ちゃんが作ったとしても、誰にも教えなかったと思う。人間が不利になるような物は、祖父ちゃんは好まなかったんじゃないかって思うんだよね。
これは大事になってきたぞ…。
<つづく>
「ハヤトならユーキとアスカが残した武器があるのに~」
ナタリアさんは納得しない感じだったが、今の俺の冒険者ランクを見せたら、何故がすぐに納得してくれた。
「今のハヤトの冒険者レベルでユーキが使っていた武器を扱ったら、武器が暴走しかねない。ある程度レベルが上がったら使い方を教えてやる」
凄く頼りになる事を言うガンツさんだけど、笑いながら言うのは辞めてくれませんかね?
「で、どこまで出かけるんだい?」
「日帰りで行ける近くの森です。アルベールとガイが一緒に行ってくれるので、助かります」
「だったらギルドで依頼を引き受けてから行くといいよ。採取の依頼や討伐の依頼もあるから、ただ出かけて自分に必要な物だけ取ってくるよりも、冒険者レベルも上がるし、お金も稼げるからね」
ナタリアさんのアドバイスを受け、俺は武器屋の帰りにギルドへ向かうことを決めた。
ギルドでは相変わらず冒険者たちが集まっていた。
「ハヤトも依頼を受けに来たんですか~?」
の~んびり口調のアルベールもいた。
そういえば、さっき武器屋にいなかったな。
「ナタリアさんにアドバイスされたんだ。近くの森に出かけるのなら、ギルドで依頼を受けたほうがいいって」
「じゃ~、一緒に選んであげますよ~。採取と討伐、どっちがいいですか~?」
う~む……これだけのんびり口調のアルベールが、冒険者ランクBっていうのが信じられない。二年前まで王都の騎士団にいたと聞いているけど、こんなほんわか雰囲気のアルベールでも騎士団に所属できるんだね。
アルベールと相談しながら引き受けた依頼は三つ。
一つ目は【解毒草】という毒消しの薬を作るために必要な薬草の採取。解毒草はそこら中に生えているらしく、子供でも採取できるとか。(ってことは村の中にも自生しているってことか)リーフを連れて行くので簡単にできるだろう。
二つ目は【ウルフ】というオオカミの魔物の討伐。冬になると魔物の中には冬眠を始める物もいるらしく、秋の終わりになると食料を求めて活動が活発になるらしい。万が一、食料がなく、冬眠する準備が出来ていないと魔物が村を襲うかもしれないということで、魔物の数を減らす為に自警団が依頼を出している。ウルフは初心者でも簡単に倒すことが出来る魔物なので、冒険者レベルの低い俺でも、1人でも護衛がいれば倒せるらしい。
三つ目はちょっと難しく、ウルフを倒した時に採取できる【ウルフの牙】と【ウルフの毛皮】の採取。魔物は退治されると霧となって消えてしまう為、魔物から採れる素材は稀だという。だけどたまに素材を落としていくことがあるらしく、それを冒険者たちはドロップアイテムと呼んでいる。魔物が落として行った素材は武器や防具の強化などに使われるため、冒険者だけでなく、武器屋も欲しいアイテムだという。
「でも、稀にしか手に入れられないんだろ?」
「大丈夫ですよ~。ウルフだったら5匹倒せば一個ぐらい手に入りますから~」
そういうものなのか?
って、依頼された数は、【ウルフの牙】が5個、【ウルフの毛皮】が3個なんですけど! 全部揃えるにはかなりの数を倒さないといけないんですけど!!
「この時期のウルフは群れで行動しているので、簡単ですよ~」
いや~……その口調で言われると本当かどうかわからないよ~。
俺まで口調が移ってきちゃったよ~。
着々と準備を進め、最後に残されたのは連れて行くリーフをどれにするのかだ。
出来れば薬草に詳しくて、すぐに回復薬とかを作ってくれる個体がいいのだが……50匹もいるとすべてのスライムを把握できていない。
ここは、立候補してもらい、その中から薬の調合が上手い奴を連れて行くことにしよう。
秋の最後の週、俺はアルベールとガイと共に、日帰りで行ける近くの森へと向かった。
選ばれたリーフは俺の頭の上で小躍りしている。外に出るのが嬉しいのか、50匹の中から選ばれたのが嬉しいからなのか、とても上機嫌だ。
「ご機嫌だね、このスライム」
後ろを歩くガイは、面白そうにリーフの体を突いた。
「壮絶な戦いを制したからね」
「壮絶な戦い?」
俺はこのリーフを連れてくる過程を軽く話した。
とりあえず、薬の効能が一番高い物を作れる個体が欲しかったので、俺が用意した薬草で薬を作ってもらい、作られた薬をミントさんに見てもらった。どれも品質も良く、効能も素晴らしかったが、その中で一番効能が高い薬を作ったのが、今頭の上で小躍りをしている個体だ。
「連れて行くリーフを発表した時、選ばれなかったスライムたちの落ち込む姿は可愛かったよ。中には自分の寝床でふて寝している子もいたんだ」
「見たかった~! また試験をするときは呼んでくださいよ!」
ガイの目が輝いている。本当に魔物が好きなんだな、ガイは。
森に入る直前、アルベールが俺とガイにブローチを渡してきた。銀色の装飾が施されたブローチの中央には紫色のガラス玉が嵌め込まれていた。
「これはパーティを組むときに使う道具だよ。身に着けていれば、全員に経験値が入るし、逸れてもリーダーがちゃんと場所を把握できるようになっているんだよ。今回は僕がリーダーをやるね」
そんな便利な道具があるのかよ。
因みに銀色の装飾には特に意味がなく、真ん中のガラス玉がリーダーの冒険者レベルの色になっているらしい。パーティのリーダーは冒険者レベルBから出来るようで、ギルドに頼めばパーティ人数分のブローチを貸し出してくれるとか。
「この村だけの道具なんだよ」
……って、ことは……
「ユーキ様が考えたシステムだよ!」
やっぱり…。
祖父ちゃんはこの村に来た時、冒険者レベルも生産者レベルも一番下だった。一人では経験値をあげる限界を感じ、このパーティシステムを作ったんだとか。
祖父ちゃんと祖母ちゃんは冒険者ランクが上がると、よく駆け出しの冒険者を連れて魔物退治に出かけていたこともあったとか。自分たちがランクが低い時に感じた違和感や不安は、誰もが抱いている感情だから、その不安や違和感を取り除くのがベテラン冒険者の役目だと、よく周りの人達に話していたらしい。
そのお蔭か、村の住民たちは自分よりも、自分の後継者を大切にする習慣が多くなり、アンナの両親の店のように、ランクの低い人にも日の目をみる仕事を与えているんだとか。
王都では考えられないな~。
だって、王都ではランクが低いだけで、買う物も買えず、職に就くことだって出来ない。だからなのか、ランクの高い人やお金持ちはいつも威張っているし、下の人に対する扱いも酷い。王室はそれが当たり前だと思っているし、下からの訴えなんか国王の耳に届くことはまずない。
俺も、王都を出なければ、きっとランクも上がらず、こうして気の合う仲間とも出会えなかったんだろうな。
これは、一応ではあるが、祖父ちゃんの牧場を買い取った両親に感謝しておくかな。
森の中は道が整備され、所々に看板も建ててあった。
「ユーキ様とアスカ様が整備してくれたんだ。小さい森だけど遭難者が多くて、毎日村から救助隊が派遣されていたんだよ」
道を歩きながらアルベールが説明してくれた。
「村には救助隊の人数も限られていたし、ギルドに依頼を出してもいつ引き受けてくれるか分からないから、ユーキ様が森を整備して、子供でも迷わないようにしてくれたんだ。その時、このパーティシステムも作って、仲間を見つけやすくしたんだ。一人で来るときも、ギルドに申請しておけば、いざというときは助けが来るシステムなんだよ」
祖父ちゃんよ……そのシステムをどこで身に着けたんだ…。
今度ギルドに行ったら、職員に聞いてみよ。
道中、リーフは依頼の薬草をすべて見つけ、余った分は体内で解毒剤を生成していた。解毒剤だけではなく、回復薬とか魔力の回復薬とかも作り続けていた。
「このスライム、凄いね。薬草を見分けているし、しかも質の高い薬草だけを摘みとっているよ」
アルベールが試しにそこらへんに生えている草を摘んで、リーフに食べさせると、リーフは数回咀嚼した後、険しい顔をしてその草をペッ!と吐き出してしまった。
「お~! これが薬草じゃないことが分かるみたいだ」
「凄いですね~」
パチパチと拍手をするアルベールとガイ。
「何を食べさせたんだ?」
「「麻痺草だよ~」」
なんちゅーもんを食べさせるんじゃ!
と、俺が起こる前にリーフが2人に向かって体当たりをしていた。
怒りながらその場に跳ねるリーフと、笑いながら「ごめんごめん」と謝ってくるアルベールとガイ。
なんか、凄く居心地がいい。今まで家族にも虐げられてきた俺の心がほんわかと温かくなってきた。
しばらく道なりに進んでいくと、開けた場所に出た。
「この近くにウルフがいるはずだよ」
「だけど、アルベール。ちょっとおかしくない?」
「何が?」
「今まで一匹も魔物に会ってないよ。いつもなら少し森の中に入るだけで魔物の気配がするのに、今日はやけに静かだ」
「たしかに。他の冒険者たちもいないみたいだね」
「ギルドに申請しに行ったとき、3組ぐらいのパーティーがいたはずなんだけどな」
アルベールとガイは辺りを見回した。
それは俺も気になっていた。魔物だけじゃなく、この森に住む鳥の鳴き声すら聞こえていない。
三人とも黙り込んでしまい、辺りの気配を伺った。
その時、遠くの方で遠吠えが聞こえた。
「ウルフの遠吠え?」
「いや、違う。ウルフは遠吠えをしない」
急にアルベールの顔が真顔になり、更に口調も凛とした物に変わった。
一歩も動けずにいると、すぐ側の繁みが激しく動いた。
瞬時に武器を構えた俺たちの前に転がり込んできたのは、4人の冒険者たちだった。冒険者たちは魔物に襲われたのか、全員が怪我をしていた。
「大丈夫ですか!?」
駆け寄ると、最初に転がり出てきた冒険者は肩で息をしていた。その後ろには大怪我を負った冒険者を抱きかかえている2人の冒険者。全員、胸に赤いガラス玉が嵌め込まれたブローチを付けているってことは、パーティだろう。しかもリーダーはAランクの冒険者だ。
「た…助けてください! 仲間が…!!」
「何があったんですか?」
「魔物が……魔物が突然襲ってきて……」
「魔物?」
「ハヤト、まずは怪我の手当てが先だ。俺は先に村に戻って、主任に話をして救援隊を要請してくる。アルベール、詳しい話を聞いておいてくれ」
「わかった」
ガイはすぐにその場を走り去り、村へ向かった。
俺はリーフに頼んで回復薬を作ってもらい、それを怪我をした冒険者に配った。リーフが作った回復薬は効能がいいのか、大怪我を負った冒険者以外の傷はすぐに治った。
冒険者たちに話によると、今、大怪我を負っているのがパーティのリーダーで、ランクはA。かなりの経験があるらしく、今日はギルドに貼られたウルフの退治の依頼を引き受けていたそうだ。
森の奥に小さな湖があるのだが、そこで一休みしていると、急に森の中から魔物を始めとする動物たちが飛び出してきた。すぐに何か起きたのだろうと察し、身構えていた所に見たこともない大きなオオカミが姿を見せた。ただの魔物だろうと退治しようと武器を構えたリーダーがあっという間に倒れ、仲間たちは命からがらに逃げ出してきたそうだ。
パーティのリーダーは、その見たこともないオオカミの事を「シルバーウルフ」と呼んでいたとか。灰色の毛並みは普通のウルフと変わらないのだが、大きさが人間よりも大きく、戦闘能力もかなり高い。ランクAの冒険者ならパーティを組んでいれば倒せないわけでもないが、かなりの体力を必要とするらしい。
「この森にシルバーウルフなんで生息していないはずですよ。見間違いではないのですか?」
「いや! 絶対にシルバーウルフだ! あんな大きなオオカミ、見たことない!」
「おかしいですね~」
アルベールがいう事は正しい。
この森は冒険初心者どころか、子供たちも来ることが出来る所だ。魔物もほぼFランク。その辺に落ちている棒でたたくだけで退治でき、こちらから攻撃しなければ襲い掛かってくることはない。
なのにそんな大きなオオカミ…しかもAランクの冒険者がパーティを組んで倒せる上級の魔物がいる事はおかしい。
「そのシルバーウルフは野生でしたか?」
「野生とかそんなの分からない」
「こんな風に契約の証は付いていましたか?」
アルベールは俺の頭の上にいるリーフを指さした。
リーフよ、なんで胸張って威張ってんだよ。
「いや、付いていなかった…と思う。よく見なかったから分からないけど……あ、そういえば首輪をしていた。黒い首輪を付けていたと思う」
「首輪? 契約の証がないのに首輪を付けていた?」
「なにか引っかかる事でも?」
「ハヤトは契約を交わしたことがあるのでわかると思うんですが、野生の魔物って人間に対して反抗的なんです。契約を結ぶことで主に従うのですが、契約をせずに勝手に飼い始める人もいるんです。その人たちは大体冒険者ランクが高い人だったり、裏で何か悪事を働いている人たちなんですが、もしかしたらランクの高い魔物を捕まえて、それを冒険者たちに売っている人がいるのかもしれません」
「え? でも解約を結ばないと人間には刃向かうんだろ? 冒険者たちに売っても害はないの?」
「これは王都にいた時に聞いた話なので、確かな物ではないのですが、魔物を操る事が出来る道具があるそうです。ハヤトは【サウザンクロス帝国】っていう国をご存知ですか?」
「いや、聞いた事ない」
「じゃあ、【ステラ王国】は?」
「あ、それは聞いた事ある。ラッツィオさんが旅に行っていた場所だよね? たしか親友がそこに住んでいるって言ってた」
「その【ステラ王国】の国王の父君が【サウザンクロス帝国】の皇帝なのですが、その国では2人の女神が多くの犠牲者を出す戦いを起こしています。そのうち【戦いの女神】と呼ばれる女性が魔物を操る事が出来る道具を開発したと聞きました。もしかしたらその道具が、こちらにも流れてきているのかもしれません」
「それってヤバくない?」
「ええ、かなり危険です。一度村に戻りましょう。ギルドで引き受けた依頼は事情を話せばキャンセルできます。今は自分の命が大切です」
「わかった…」
俺たちはガイが戻ってくるまで、冒険者たちの手当てを続けた。
一番怪我がひどかったリーダーも、リーフの作る回復薬でなんとか傷口は塞がり、一命は取り止めたようだ。
魔物を操る道具か…。
昔、祖父ちゃんが飼っていた大きな犬にも首輪は付いていた記憶はあるけど、あれは友情の証だって祖父ちゃんは言っていた。それにもし、そんな道具を祖父ちゃんが作ったとしても、誰にも教えなかったと思う。人間が不利になるような物は、祖父ちゃんは好まなかったんじゃないかって思うんだよね。
これは大事になってきたぞ…。
<つづく>
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