兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

エル兄様の思い出した事…。

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その日の夜、私は夢を見ていた。
久々に見たエル兄様の前世で、『僕』といつも言われる兄様が『俺』と言われていた世界。

ゲームをしている兄様が、『コントローラー』と言う物を握って、思わず唸っています。
それは、バッドエンドと言ってもいいルートだったから…。

ゲームでのこの国が、バッドエンドに向かいかけて…最終的にはバッドエンドは回避できるんみたいですが、だけど…エル兄様にとって好きな人物。ゲーム上のアシュ兄様とギル兄様が大怪我を負っていたんです。
ですが、それは特にゲーム内では問題視されず、理由が神殿で治療してすぐに復活するからって…。
兄様にはそれが納得できないようです。
分かりますよ…。

「そんな怪我をするシーンなんて何度も見たくない。いくらカッコよく描写されていようと…。」

目の前に見える、前世のエル兄様はそう言いながらも、血に濡れたイラスト画に対して『保存』と言うものをしていました。どこにどう『保存』するのかは分かりませんが、何度も見直せるものとして理解しました。

兄様にとって、アシュ兄様とギル兄様の『イラスト』ですか?は、目に付くたびに、その『保存』をしていたようです。
確かにカッコ良いですが…。

もう一人のエル兄様…多分ですが、私はエル兄様の夢に引っ張られたのでしょう。
その夢を見られているエル兄様が、「もう過去の事で、手持ちには残っていないけどね…。」と悲しそうにされていました。
理解はできますが、こればかりはどうしようもありません。
ですが、血を流すアシュ兄様やギル兄様のお姿は見たくないので、この未来は阻止の方向に舵を切りたいと思います。

ゲーム上で、この後の選択をいくつか間違うと、本当の意味の『終焉』。となるらしく、同じようなことになるようなら、私達が現在住んでいるこの国は、この世界から消えてなくなると言うことですね…。

理由は聖女が亡くなって、世界の終焉を避けるべく、この国自体が犠牲になる…。それは、あくまでゲームだけのストーリーだけと…。

『小説』や『アニメ』の方はハッピーエンドで終わるそうです。聖女のおかげで…。
ですが、その場合、私達二人は…最悪のシナリオですよね…。

この国が滅ばず、兄様達も家族も幸せで、私もエル兄様も幸せになることを祈って、今まで頑張ってきたのですから…。

前世のエル兄様は、興味本位で最悪がどうなるか、あくまでゲームだからと、一回だけそのルートを辿ったことがあるそうです。ゲームであるから何度でも生き返らせたりできるからって…。
まるで死者蘇生の魔法のようです。
実際にあるかどうかは知りませんが、そうなればと研究はされてるみたいですよ…。

そこで、エル兄様の姿が消え、見えていた場面全てが消えました。

夢の中の私は、少し真っ暗な世界の中に取り残されたような…
すると、光に引っ張られる感覚がして、何とも言えない不思議な空間の夢?に変わりました。

見知ってはいるのですが…
これは、エル兄様が体験しもの?えっと私、身体から抜け出てます??

眼下のエル兄様は、ベッドから降りて、続きの勉強部屋に移動したから、私はふわふわしてついて行く。
エル兄様と双子であるからか、兄様の中に入り込んで??

机の引き出しを開けると、何やら取り出して…。
兄様は一冊のノートを手に取って眺めていた…。

でも不思議です。兄様が起きられたら、侍従の誰かが反応して入室してきそうですが、誰も入ってきません。
そんな気配もないんです。

あの敏感な侍従も…。

あの時、サーカスで気になったあの時の二人。
現在はレイの実家での訓練とも言える研修を終えて、一人はエル兄様に、一人は私についてくれてるんです。
侍従であり護衛。
そして、ゲームや小説、アニメでも聖女を守って命を落とすとされる方が、エル兄様についているんです。

私がスキルで見て、兄様の前世の情報と交わったものの情報…。
あの二人の獣人は特別な一族の生き残りとも言えたんです。

前世の兄様がよく言われるゲーム上等の設定でもですが、実際に目にしてさらに驚きました。
父様は知っていたみたいなんだけど…。

あの獣人族の子達は、『緋の一族』の者だったんです。
現在かなり少数で隠れ住んでいるからか、『幻の一族』とも言われているが、実はそれだけでないんだそうです。
普通の獣人以上の高い能力を持ち、魔力量も多い。そして、唯一の主人を求める一族ともされる。
あくまでエル兄様の前世の知識、ゲーム設定等で、私は兄様を通して知っているから…。

唯一の主人を求める事ができれば、至上の喜びとし、その主人のためなら命も捨てる。
そんな一族設定に、前世の兄様の『姉』と呼ばれる女性は、ロマンがあるとか言っていた。「ゲームなんかでなら良いけど、実際に命を賭けられるのはどう?そんなの普通あり得ないだろう!」なんて思って、前世に兄様はその女性にもそう言っていたみたいです。その女性からは、笑われながら、「わかってないね~。」って言われてました。

ゲーム等での暗殺者として聖女の前に現れたその男…青年は、勝手に聖女にその契約を施し聖女を庇って命を落とす。それが、聖女に出会う前の私達の前にいて、エル兄様や私の目に留まり、父様達のおかげで二人とも暗殺者になる事なく、片方が死ぬ事もなく、我が家の侍従に迎え入れられた。護衛込みの侍従だけど…。
父様は、私達に最初っから付けるつもりでレイの実家に預けたんだそうです。
それは父様に教えられました。「選んだのはエルとレインだから。」って…。

我が家にやって来て、紹介される前に私達二人は、屋敷内で偶然会ったんです。
そこで、手を握りしめられてお礼を言われた途端に発動。こんな形で発動するなんて誰が思うでしょうか?

二人の瞳が右目が赤く…。そう濃く明るい赤、深紅色…緋色の刻印が浮かび上がったんです。
その瞳とエル兄様と私の左目に一瞬の熱を感じたら…。
彼らの瞳に映る私達の左目に緋色の刻印が現れて…しばらくして消えたんです。
刻印が刻まれた後、いつもの瞳に戻ったと言っても良いんですけれども…。

この瞳の刻印が主従関係の証で、この刻印が現れた一族の者は、従来の能力以上の力を発揮するんです。『緋の一族』とも呼ばれた一族。この能力欲しさに一族を探し求めた皇帝なんかもいたぐらいなんだと言うのは、前世のエル兄様情報と父様からのお話で…。
勝手に主人としてマーキングされたみたいにも思えたけど…。

その獣人の侍従がエル兄様が起きて動き出したのに、全く声をかけてこないのは、本当ならあり得ない。
私が夜中起き上がっても、私の所にかけてくるんですよ。「どうされましたか?」って。

なのに、その事にも気がつかず…温室の方に呼ばれている気がした兄様は、ノートをしまって向かって歩いた。
私の意識は兄様なの中で、ただ見ているだけ…。

誰にも会う事がなく、枝垂れ桜の前まで行って…そこで、エル兄様はハッとされた。

枝垂れ桜の側には、あの時の妖精王とは別の…彼女?彼?
あの二人と別の存在だが、同格もしくはそれ以上の存在だと思います。

「待っていました。」

そう言って伸びてきた手に優しく掴まれ引っ張られた。

私もエル兄様の中で驚きました。
その人は、エル兄様を見ながら私にも気づいているんです。
声をかけての相手はエル兄様ですが…。

木の中に引き込まれて落ちていく感じがして、「あり得ないけれど、この存在にはあり得る事なのか?」とエル兄様が疑問を持たれましたが、私も同意見ですってきゃぁあああああ~。

そこで見えてきたものは…。

エル兄様がゲームで見たものと同じ映像と、私が見ているものがいくつも走馬灯のように見えてくる。
どの道を選ぶと質問されているようです~。

そして、たどり着いた場所は…

周り一面位咲き乱れる桜の木々。
その中に、温室にある枝垂れ桜と同じ木が見えた。

「あの木はここから枝を分けたものです。そして、貴方の悩みを解決できるかもしれないモノもここにはある。選ぶのは貴方です。」

この世界で枝垂れ桜という存在は本来ない。あの温室にあるのが初です。
それは父様達が言われていました。エル兄様は前世の知識でご存じだったようです。
「桜自体も無いんだ。だけど、ここにはある…。」と呟かれてます。アレらは桜なんですね。


エル兄様はその中の一つを選んだ。
枝垂れ桜とは違う桜の木。『桜の樹』という方が良いような気もします。
兄様も同じ意見。

「我の名はフェリス。エドワルド・アルガスト。今はエドワルド・フィンレイだったか。エドワルド…敢えてそう呼ぼう。我は貴方の味方。いつでも呼ぶが良い。貴方にはそれが許されるし、許そう。そして、我が願いも叶えてほしい。それは…」

そう言って耳元に呟かれた言葉が心の奥に刻み込まれた。
そして、私の存在もわかっていると言う…そんなそぶりを見せたんです。

「貴方が選んだその木をな…。」

そう言われて…いつの間に戻ってきていたのか、私はベッドから飛び起きたんだ。
多分あの後、手に持った枝を枝垂れ桜とは少し離れた場所に突き刺すように植えて…
その場で…。

エル兄様の魔力が減るだろう。
そうなればきっとアシュ兄様が駆けつけるはず…。

屋敷内もバタバタしているようです。
私はそっと部屋から出ようとしたら…止められました。
部屋で休むようにと。
「エル兄様は大丈夫です」と言われたので、やはりと思ったんです。

私とエル兄様がリンクする事はよく皆さん知っていて…

えっと、力が抜けていきそうで、視界が揺らぎ出した。

「レイン!!」

ギル兄様が私を抱き止めてくださいました。
そのまま兄様の温もりを感じながら~。

意識が遠のいてしまったんです。

そこで見えてきたものは…


「エル!!」

そう言って慌てて駆けてきたアシュ兄様の上着にエル兄様が包まれて抱きしめられた。

「何でここに?いきなり気配が消えて、探したらここに気配を感じて…」

アシュ兄様は今にも泣きそうな表情をされている。
そしてエル兄様をぎゅっと抱きしめながら、魔力を流し込んでいるのでしょう。
これなら大丈夫。

エル兄様は、フェリスという妖精王に会って、あの枝をもらって植えると言うより突き刺したようです。根がつくような行為をしたから魔力が一気に減ったのでしょう。その前にも、私と一緒に別世界にいましたから…。

「エルの侍従の彼が、エルの気配が急に消えたと俺を呼びにきたんだ。一緒に探して…。」

そこにはエル兄様の例の侍従が跪いていた。
彼が気配を捉えれなかったのは仕方ない。神の領域では無いけれど、それと同じぐらいの精霊王の領域にエル兄様と私はいたのだから…。
「世界樹が植る世界とほぼ同じ領域に…。」と兄様が思われたのならそうでしょう。

「兄様、大丈夫。精霊王に呼ばれて…いたんだ。だから…彼が僕の…気配がわからなくても仕方ないよ。アシュ兄様もね。まだ…大丈夫…。」

アシュ兄様がさらにぎゅっと抱きしめています。そして、「アシュ兄様に心配をかけてしまったな…。ごめんなさい…。」

そう呟いたエル兄様を抱き上げて、部屋に戻るようです。
あぁ、良かった…。

私が見れたのはここまでで、そのあとは夢も見ずに朝でした…。





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