兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

エル兄様の思い出した事…その家族は

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次男のアシュことアシュレイが無事に入学式を向ける事ができて、家族一同で喜びあった。
特に三男のエルの喜びようと言ったら、なんとも言えなかったんだ。

長男のギルが学園生として入学するにあたり、エルは風邪をこじらしてしまい参加する事はできなかったんだ。
制服が我が家に届いた時に一度ギルが袖を通した時に、ピョンピョンと飛び跳ねそうなぐらいに喜んでいた。
その制服姿で入学式のギル兄様が見れるなんてと…。

ちょうど下の子がまだ小さいため妻が屋敷で留守番するからと、友人からもらった魔道具で録画する事にしていたんだ。カメラでも撮影してくると約束して…。

ギルは新入生代表として壇上に上がるため、皆んなより早く屋敷を出た。その時寂しそうに部屋の窓から見送っていたんだ。
今回は、アシュが壇上に上がる事はなかったが、真新しい制服に袖を通した姿で、家族で馬車に揺られて学園に行く事が嬉しいらしい。

学園にはあれから何度も言っているのにね…。

学園祭でのとある事件に我が子達は巻き込まれ、エルとレインのおかげもあって何とか解決に至ったんだ。それから時々レインが妻と一緒にお弁当を作り、妻が作った物は私の執務室に、レインが作った物はほぼギルのクラスまで届けるようになったんだ。
妻が作った弁当の中に、レインが作ってくれた物も入れてくれていたから、ホクホクしながら食べて仕事もはかどったんだがな…。
ギルはどうも学食が合わなかったのもある。我が家の料理長の料理が絶品のせいもあるのだろうか?舌がこえすぎたのかも知れないな…。レインとエルが心配して、レインが妻と料理長とでギルが登校した後からいつも作り始めているらしい。その時間はエルもアシュも剣の稽古やアシュの場合入学準備の講義とかもあるからね。
レインもエルも講義は受けているが、アシュほどはまだ受けてはいなかったんだ。
年齢的もあるが、体力をつけさせたいと言うのもあったからね…。

レインとエル、アシュとでギルの教室に届けさせる理由は他にもある。
あの四人が婚約している事をしっかりと周知させる事と、仲が良いことを周りに見せる事。我が家の一員としてエルとレインが可愛がられていると言う事だ。
他にもまだまだあるが、取り立てての目的はそれなんだ。

エルとレインが幼く、我が家の養子で、二人の息子達にとっては弟や妹の位置にもあるから、まだ諦めていない令嬢などもいたりするんだ。エルやレインに対しても二人が婚約していると言っても、婚約であるから破棄もあり得ると踏んでいるのだろう。高位貴族であるから、他の貴族達から手出しはしにくいが、絶対にあり得ないとは言い切れないからね…。時々そう言う貴族事が起こっているのもまた事実なんだ。
婚約は家同士のつながりで、幼少時に結ぶことが多いから、その子達が成長して他の者に好意を示すということも絶対にないとは言い切れないんだ。それを狙って送られてくるのだが…。

とりあえず届いている事は伝えて…エルとレインには言わないで欲しいと息子二人から言われているから、見つからないようにこっちで返事や処分を行なっているんだ。

それは今は良い。

エルがご機嫌で、レインも嬉しそうにし、ギルとアシュが喜んでいるなら良しだ。

学園につき、アシュギルと別れて控え室に移動し、時間少し前に決められた席に移動して見守った。
ギルの時もそうだが、アシュも立派になったと喜び、前回と同様に噴水前で写真も撮った。

式典など全てが昼前には終わったから、屋敷に戻り、屋敷の者達が準備してくれた祝いの膳も美味しくいただいて、レイが食休みも兼ねていつもの部屋でレイが撮った映像と写真を皆んなで喜びながら見たんだ。
私はレイから受け取った新たな写真立てをホクホクしながら執務室の机に飾り、仕事に取り掛かった。

また厄介な事が起こっているからそれに関しての報告書も見ながらだ。

この国だけの問題ではないが、魔獣や魔物被害がこの所増えつつある。しかもやや凶暴化しているという物もあり、騎士団や冒険者達で対応して今の所は…という感じだ。
それによって、一部の国や、我が国に貴族の中にも『聖女』の存在がこの国や他の国にもいない事が問題なのでは?と言い出したんだ。過去にこの国や他国などで存在が確認されて、被害が拡大せずに済んだという事例があったから、我が国でも探していたようだ。しかし存在しない事が現時点でわかっており、そうなったら過去の文献似るように『聖女召喚の儀式』を行なって呼び寄せ、その者に浄化や封印などで澱んだ地域を収め被害を抑えてもらったら良いと言い出したんだ。
私や友人達はその事に断固反対し、『聖女召喚』は、この世界でない場所からの拉致するという事だ!と訴えていたんだ。現時点では皇王もこの意見に賛成であるが、もしエルやレインが言っていたようになるなら…。
それもあり得ることだ…。
もう一つの方法は、よほどでない限りは皇王もしないだろう。もしかしたら別の者を探し出して…。
その別の者が、エル達に関係して来たらと思うと…。

だから尚更にギルとアシュとの繋がりを強くする意味でも、婚約を急ぎ、偶然見つけた…エルとレインのスキルのおかげとも言えるが良い人材も確保できたんだ。
起こってほしくない方の為にという訳でもないとは言い切れない。その一族特有のものが、あの子達にと思ったらと…。だからレイの実家で訓練させて二人につけた。
結果的には、エルとレインとの主従関係が刻印という形でなされて、新たな盾ができたのだが…。

「不安は尽きないものだな…。」

ついつい夜遅くなりここに残っているのは私とレイのみ。
愚痴っても良いだろう…。

「そうですね…。」

レイも相変わらずの束を分別しながらそう呟いたんだ。

すると、アシュからの緊急要請が届いた。
アシュからの連絡であれば、エルの事しかあり得ない。

レイと共に転移して屋敷に戻るとギルが医師の手配をしていたんだ。エルのあの侍従がギルに報告してだと言っていた。レインには気づかれないように部屋に結界を上掛けして来たとも言っていた。
レイン達の子供部屋は同じ階にあるからね。部屋自体も一つの部屋に五つ繋がるようにしているとはいえ、ギルとアシュの部屋を挟むようにあの子達の部屋があるんだ。バタバタしたらレインが心配して起きてしまう。
もしかしたら、双子特有の能力でまた共有しているかもしれないが、そこはギルが確認するだろう。

エルはアシュの部屋の寝室にいるようで、医師と共に入って行った。

アシュが顔色を悪く察せながらも、エルに魔力を渡している。エルも顔色が悪い…。

私達が入って来た事を確認すると、直ぐに医師に診察を依頼したんだ。
アシュと一緒に見守る。

医師はすぐにエルを診察し、魔力が低下しているが、命の危険はないし、大丈夫だからゆっくりと休ませるようにと処方を出して帰っていった。
処方は先ほど呼びに来た者に渡し、直ぐに薬の準備を手配したんだ。
内服は明日の朝でいいと言われたからね。

医師を見送った後、またアシュの部屋に戻った。転移でだ。物音をさせたら、屋敷の者達が騒ぎ出すからね。
レイが家令として既に対応していたが…。

アシュの部屋にある簡易的リビングでアシュから経緯を報告してもらう。
直接の言葉と、スキルとでだ。
レイも含めて手を繋ぎアシュが見たものを…

またとんでもない者を引き寄せたと思った。
それも、今回の問題の一つであり、まだ起こっていない事に対してだ。

アシュの疲労が酷いようなので、エルと一緒に休むように言い、私達は部屋を出た。
エルとアシュの魔力は何度もアシュから魔力を送られていたこともあり、今の状態ではちょうどいいのだ。
婚約者であるから、まだ許せるし、この状態では一線を超えることもない。

だから、今回だけ…。
アシュの精神状態も考慮しないといけないしね…。

父親としては少し複雑な気分だ…。

「ギル。お前ももう寝なさい。父様は少しする事ができたから、また後日時間を取ろう。」
「はい、父上。レインの方を確認してから休ませていただきます。」

そう言って、ギルはレインの部屋に確認し、自室に戻るというから、それに任せた。

レイと転移して一度温室に確認しに行き、言っていた通りの見たことのない木が植えられていたんだ。
そこには妖精や精霊達が飛び交っていた。

「あっ、エルのパパさん。」
「パパさんだ~。」

飛んできたのは妖精だった。

「僕達がきちんとお世話するから大丈夫。」
「こっちの樹も、悪い虫も寄せ付けないよ。任せて!」

ふんぞりかえってそう答えるから、この樹は何というのか聞いてみたい。
すると、精霊の方がよって来て、『桜』だと言った。
『枝垂れ桜』と同じような力を持ち、妖精王自ら手渡されたもにだとも教えてくれた。
詳しく説明していいかは確認してくれるとも約束してくれ、それ以上問う事はできなかったんだ。

機嫌を悪くさせるわけにはいかないからな…。
あの時、精霊王からの裁きとも言える事が実際にあったのだから…。

そこから私の書斎の方に転移して…。

「まさか、また別の精霊王が現れて来たとは…。しかも温室に新たに…。」

そう言いながら、行儀が悪いがドカリと音をたてながら深々とソファーに座る。

「そうだな…。今日はもう遅い。これでも飲んで休もう。疲れてしまえば、いい解決策も見つからない。」

そう言っていつものグラスを渡された。
何度このように二人で話してきた事か…。これからももっと問題が起こって来そうだが…。

渡されたグラスの氷で音を鳴らす。そしてゆっくりと飲み干した。

「レイ、悪いがまた頼む。」
「あぁ、了解した。」

そう言って、もう一杯だけ付き合ってもらい、部屋を出たんだ。
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