兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

初めての学園祭…ギルベルト

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父上の書斎では、なんとも言えない雰囲気が溢れかえっていた。

今回の事は、父上はかなりお怒りだ。
あのクッキーも気にはなっている。

第二皇子であるシャルル殿下が騎士団の者に渡してしまったから、調べる事は出来ないだろう。だが、父上はあえて調べさせるように言っていたから、何かあるはずだ…。


「ギルもアシュも、まぁ座りなさい。そして、何がどうなっていたのか…それ以外の事も含めてだが、エルとレインに付けている者達からの報告を先に話そう。」

私達が席につくと、レイが直ぐにお茶をテーブルの上に置いた。
父上もだが、私達も少しだけ飲んで構えたんだ。


レイの報告によると、エルとレインは、自分達のクラスで店番をしていたんだ。
それは私も体験しているし、アシュもそうだ。
だから、どんな感じだかは十分理解できる。

今年はエルのクラスが『魔道具』と『匂い袋』などの、授業中に作成した物を売っていたらしい。

そこに、第三皇子殿下の側近候補と第一皇女殿下の護衛騎士が数名、二人を迎えに来たらしい。
店番をしているからと断りを入れれば、エルとレインのクラスメイトが変わると言ってくれたらしい。
こちらは親切心だ。まぁ皇族から呼ばれたから仕方ない。そこに、常日頃研究棟の方にいる講師がたまたま通りかかって口添えした。

「皇族からであるから、直ぐに行くように」と。エル達のクラスメイトにも「しっかり仕事として頑張るように」と後押ししたんだ。エルと仲の良い友人達が、父上や私達を探しに来てくれていたようだが、私とアシュは二人で行動していて、エルとレインの不測の事態に察する事が遅れた。離れた場所にいたのもあるが、それだけであれば店番で揉めていた時に何とか間に合って対応出来たんじゃないかとも思う。
だが、実際は出来ていなかったんだ。

私達がいた場所…。
第二皇子殿下であるシャルル殿下から呼ばれていたんだ。
生徒会室の方に。

弟君である第三皇子殿下がエルとレインに執着している事。少しこじらしている所に、変な虫が付き出したと頭を抱えていた。
そして、弟思いの姉君である第一皇女殿下と一緒に、何か起こすかもしれないという事だったんだ。

二人の事に関して呼ばれたので、断る事もできずアシュと向かったんだ。
そうして聞かされた事が、皇族である弟君や妹君に関してだ。他者に聞かせれない事もあるから、結界も多く張られていて、私達が持つ物の反応も若干鈍く遅かった。その結果があれだ…。

今後改良が必要だ。
こっちの感受性能を上げれば良いだろうと思案中だ。

私達二人が急いでエル達の元に行こうとしたら、「自分達も行く」と、シャルル殿下と向かったんだ。
結果があの現場。

安全性を知らしめるためにカフェテリアを選んだのだろうが、防御結界と視覚阻害。防音などが張られて、そこで何が行われているのかは普通では認知できないものになっていたんだ。
そこにエルとレインがいるとわかっていればわかるようなものだったが…。

結界魔法を幾重にもかけたのは第一皇女殿下。
さすが皇女殿下。素晴らしい能力ですが、今回はそれは邪魔だ。

それに添わすようにかけた者の特定はできていないが…。

そう、コレは一種の罠だった。

フィンレイ家と皇族を分裂させる意味があるのか、もしくはエルとレインを我が家から奪うためか…
皇族を単に陥れるため…
考えられる事は沢山ある。
下手すれば、国が荒れる事になるぐらいの可能性があったんだ。

第三皇子殿下と皇女殿下は、あくまで予想だが、単に大人の理由で利用されたのだろう。
弟思いの姉。初恋を拗らせている末皇子。

第二皇子殿下が二人を止めて、私達の前で頭を叩き、『コレは子殿同士の揉め事』だと認識させたんだ。

ただその場に残された物も問題があり、それは大規模な調査となりそうだ。
レイがしっかり回収していたと報告してきて驚いた。

「で、それは一体なんだったんですか?」

あの時第二皇子殿下は手袋越しで手にして、その後自身のハンカチに包んで騎士に持たせた。
だが、レイはさらに残ったクッキーの粉を皿ごと回収。
側にいた者が、全部載せれていなかったのか、数枚残っていた物もスルッと回収して見せたんだ。

本来なら「あれ?どこにいった?」と思い探すかもしれないが、「第二皇子殿下が乱入した事で緊張して、その事を忘れてたんでしょう。」なんて言ってのけた。

密かに数枚抜き取った可能性もあるかもしれないが…するべき追求はそこではないから、やめた。

「それで?」
「コレは特殊な毒物ですね。確か北の方の国で取れる鉱物でしょう。見た目は白い結晶。甘みもあり、知らない者が口にしたら、極上の甘味料と思われるかもしれません。普通に菓子を作る際に、砂糖として間違って使ったら…分かりにくいかもしれないですね。ただ、あの時と同じ…種類は違いますが、あの時のは原材料が香料でしたから、『におい袋』と言う香りとしてです。原材料が他の材料と混ざりあい反応。気発して体内に取り込まれての効果が出だす。時間がかかりますね。『におい袋』に刺繍された構図は特殊刻印でしたが、その刻印の効果は洗脳効果をきたすものでした。ただし願いが一つだけ叶うものですか?ある一定以上の匂いを嗅いだ者が、最初に目にした人物に好意を持つ。異常なぐらいにですね。ですから、レイン様やエル様が見られた通りの結果になり得るという事です。あの時のは…本当に危険ですね…。こちらは直接体内に。吸収率も高くて厄介かも。」
「で?」
「コレだけだと、単なる媚薬効果入りのクッキーですよ。ですが、これに特殊な魔力属性が加われば…傀儡の出来上がりです。『におい袋』の時施された『刺繍刻印』がこの場合は魔力属性による魔力譲渡。ただ難しいのは体内に取り込んでからの時間ですね。量にもよりますが、食べた後に一定量の魔力を送り込む。その時間が早ければ効力は有りますが、時間が経てば消えます。目を合わせれば目を合わせた者に、言葉を掛ければそのかけた者にで、それも一番最初の者ですよ、反応を示すのは…。なので足取りも掴めにくい。昔は初夜にも使われていたようですよ。魔力さえ反応させなければ、程よい夜のお供です。あの場には居ましたね、その属性を持つ者が。関係があるかどうかは調査が必要かと。その者は単に使われていただけかもしれないですから…。」

レイが怒りながら、この学園大丈夫か?みたいな顔をした。

「父上、少し思った事ですが、エルがあのノートにも書いていましたし、口にもした事。こんな事が度々起こっての末が『終焉』なのではないのかと…。人の憎悪、妬みなども絶対では有りませんが、魔素の影響がないとは言い切れないのでは?どちらが先とは言えませんが、その悪循環で魔物や魔獣も暴走するし、人も影響を受けて人格が歪む可能性は?それを利用しようとする人や国もあるかも知れませんが…」

「ふむ。それは考慮すべきことでも…あるかも知れない。実はエルやレインが初めて参加した『第三皇子のお茶会』。あの時の少女達に変わった事が報告されている。レインを囲んで言いがかりをつけた者達だが、レインが離れた後覚えていなかった。もしかしたら…レイ、あれはまだ調査中だったはずだな?解決していないと…。」
「はい。あれは城内でしたから、こちら側からは無理には調べ上げれませんでした。許可があれば可能かと…。」
「なら、私が報告と一緒に許可申請をしよう。他に何か意見はあるか?」

「今は…」
「またあれば…。」

「よし、なら今回はこのぐらいだな。ただの侯爵家が、ここまで動かなければいけないなんて、どうなっているんだ?」
「なら、皇王の希望通りに補佐や宰相職に付きますか?そうすればマシになるかも知れませんよ?」
「冗談じゃない。家族との時間が減る。それに、最悪「国のために家族をなど差し出せ」なんて事を言われてみろ、身動きが取れなくなって守れなくなる。私は家族と領民が一番なんだからね。」
「そうでしたね…。」

父上が何かを思い出したようにし、レイも考えているようだ。
私達の知らないところで、父上達も頑張ってくださっている。なら、私も、もっと実力を…

そう思いながら、父上の部屋をアシュと共に後にしたんだ…。

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