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悪役令嬢回避
緊急事態
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翌日、私達は、アシュ兄様とギル兄様と一緒に学園に向かったんです。
父様は母様とアルと一緒に、後から来ることになっています。
父様は昨日の事があるから、休んでも良いと言ってくださったんだけどね。
でも、今日はアシュ兄様の試合もあるし、私達だって出るんです。
私達は人と人がぶつかるバトルはどうも苦手で、魔法しかない?と思っていたから、今年からできたこの試合に参加するんです。観戦してみるのは良いけど、実戦はね…。
私は叔父からもらった『レイピア』で基本動作がの型の方に、エル兄様は『チャクラム』で剣舞に参加と決めてました。どちらも一回ポッキリの真剣勝負。点数は講師人や観に来られた来賓の方々なんです。
私達の試合が終わったら、魔法での技術力を見せる演技試合。その後昼休憩を挟みアシュ兄様が出られる魔法バトルだったんです。
叔父様達が教えてくれていたのと、屋敷の先生に教わったので、まぁまぁの点数は取れたと思う。
私としては満足。エル兄様も満足していたからまぁ良いと思います。
順位は、真ん中ぐらい。だって一年生だもの。スキップだから、年齢的にも年下だし…。
午後はしっかり席に着いてアシュ兄様を応援しました。
氷や水のコラボが美しくて、レイにお願いして沢山撮ってもらいました。勿論、写真と録画両方です。
父様と母様は笑っていました。
ギル兄様もいい笑顔で応援しての楽しい一日だったんです。
昨日の事が嘘の様で、もうるんるんですよ~。
「エル?僕の試合どうだった?」
「素晴らしかったです。しかもしっかり一位。」
「第二皇子殿下が昨日の魔法剣の試合に出ていたからね。同じ試合だったらどうだろうね。」
確かに、昨日出てたとは聞いていました。
確か一位だったはず。
第三皇子殿下は昨日の試合に出られていて、確か第二皇子との試合で負けていましたね。
あの時呼び出されたのは午後も後半。
第三皇子殿下も第一皇女殿下も試合出場は済んでいたんだよね。
側近候補の人達も確か昨日だったから、今日でなくてよかったと思います。
欠場の場合、加点ゼロは辛いと思う。それ以外のイメージ的にもよろしくないでしょうし…。
今日は学園に登校していないようでした。
第二皇子に偶然お会いして、「父上に怒られていたから、今日は来てないんだ。学園祭後の休日明けから学園に来るから気にしなくて良い。また何かあれば私の名前を出しても良いからね。」って言われたんです。
「気にしなくて良い」と言われたら、気になるけれど、でも「友人になれ」と言われたら…難しいな…。
「どうした?」
「えっと、昨日の事が気になって…。僕、断ったのは不味かったですか?父様や兄様達に迷惑かけていませんか?」
「そんな事気にしていたの?エルが友達になりたいなら別だけど、そうでなく、無理してなろうとする必要はないよ。父様も俺や兄上だって困らない。エルやレインが気を使って関係を結ぶ方が嫌だな。特に、婚約破棄だなんて言い出されたら…どうするか…。だから良いんだよ。」
「えっと!?」
「俺やギル兄様はそれだけ本気って事。奪われる気もないし、絶対に譲らない。エルやレインが嫌だって言っても逃してあげれない。それだけの気持ちを持っている事は覚えておいて。」
両肩をガシッと掴まれて、視線を合わせながらそう言われたから、コクコクと頷いています。エル兄様が…。
「そうそう、父上達がこの休みに別荘に行こうって言っていたよ。ギル兄様も休みが合いそうだって言っていたから一緒に行くって。」
「この前行ったところですよね?」
「そうそう、内装工事も荷物も全部完了だから、家族でお祝いしようって。楽しみだね。」
という事は、向こうでも準備が出来たのかな?
「良い笑顔になってきたね。」
そう言って帰りの馬車に乗り込んで、家族で楽しい会話をしながら家路を急いだんです。
父様も一緒に帰られて、夕食を共にするって。
ただ、その後用事で出かけるから、急いで帰ろうってことになったんですよ。
エル兄様とアシュ兄様は仲良しで、いつも楽しそうに話されています。勿論私も仲間入り。
時々聞き役に徹することもありますけどね。
ギル兄様は私によく声をかけてくださるんですが、やはり寮に入られてからは、会話は少ないです。
手紙は沢山送り合ってるんですけどね。
帰ったら、速攻お風呂に入れられて、着替えてから家族で食事会。
アシュ兄様の一位をお祝いしたんです。
家族からは、私達もよく頑張ったと褒めてくれて、良い一日が過ごせたんだよ。
ベッドに早々と入ったけれど、どうしても気になる事が多かった。
エル兄様の前世の知識でも、私のスキルの方でも、やっぱり、今回の様な事ってなかったと思うんだけどなぁ~。
ゲーム事情で、私達はスキップ入学していたけれど、それはギル兄様とアシュ兄様が高等部三年生と一年生。で、私達は中等部一年生ぐらいだと思う。もしくは二年生かな?第一皇女殿下が中等部三年。第三皇子は…うん、いたかどうか覚えてない。この部分でも違ってるんだよなぁ。
なら、実際に聖女はいつ召喚される?エル兄様がよく言われているゲームでは一年生でだと思うんだ~。高等部のね。でないと話がおかしい。
そう言えば、そろそろ聖女召喚を決定づける事があったはず。
あれは何だった?
ゲーム前だったけど、でも重要な事だ。
今急に浮かび上がってきたんだ。
あれがあったから、皇王は許可したんだ。それまでは、なかなか動かれなかった。
そう、許可しなかったんだ。
術式方法などは、この国の神殿サイドが持っている。
行われたのはこの国だ。他国じゃない。
他国がこの国に集まって何度も話し合っての結果。
この国に何度か集まっている事は知っている。
思い出した。
そう、多分あれは秋だ。来年の秋。
今はまだ春で、時間はあるけど、もしかしたら余りないかもしれない。
そこで、急に眠気が襲ってきた。
夢の中に引き込まれる…。
いや、これは夢ではなくて、エル兄様の方に引っ張られたんだ…。
心配してオーキッドがエル兄様の部屋に入ってきた。
「オーキッド、父様はもうお帰り?」
「いえ、まだのようです。」
「なら、アシュ兄様は起きているだろうか…。少し相談したい事があるんだ。聞いてみてくれる?」
「…お急ぎなのですね。畏まりました。」
そう言うと、オーキッドはアシュ兄様のお部屋に、待機している侍従を通して聞きに行ったみたい。
「ちょっと忘れそうだから、僕はこっちでメモしとかないと…。」と呟いて、ノートに記録されている…。
エル兄様はよく思い出した事を、順序関係なく文字として起こしていた。
多分それを見ながら相談したら良いと思っているんだろう。
まとまりがなくても、相談は可能なんだから…。
しばらくすると、アシュ兄様が入ってきた。ギル兄様も一緒にだ。
「エルが急を要しているようだと言われたから、兄上と来たんだ。何かあった?」
「兄様…実は…。」
エル兄様は、書き殴ったメモを見せながら、兄様に訴えていた。
そこに書いた内容。
そう、北の国のことを書いていた。
この国ガルディエーヌ皇国から一つ国を挟んだ向こう側の国だ。
確か本には、そこは国土は広く資源は有るはずと書かれていた。
ただ、雪で閉ざされている期間が長い。場所もだ。
資源は農作物ではなく主が鉱物。
鉄鉱石や魔石と言った物。
それらを発掘して輸出。確か魔獣や魔物素材も輸出対象で、農作物を輸入しているんだけれど、近年、雪国特有の凶暴な魔物や魔獣が増加し出していた。
魔物討伐を行うにしろ、鉱物を発掘にするにしろ、天候にどうしても左右される。
つまり、輸出品が減ってきてるという事…。
魔物や魔獣と言ったものは、負のエネルギーが増えれば増えるほど増えやすく、凶暴化しやすい。近年の気候変動もあって被害が増えてきていた。これはこの前の授業でも教えてもらっていた。そこで条約を結んでいた近隣諸国に依頼をかけて何度か凌いでいたんだ。
これだけだと、もし何か狙うとしたら、その国の隣接国とだと思うだろう。
実際に隣接国とでトラブルを頻繁に引き起こしているんだけれどもね…。
その一つ国を跨いだ国が、我が国にちょっかいをかける理由ですね…。
おそらく『聖女召喚の義式』。
その国は、追い詰められているのかも知れない。それに対して救助物資は送れるだけ送っているが、それを狙っての盗賊もいる。夜盗も存在して気候も邪魔しているのだろう。
そこに、『聖女召喚さえできれば、全て上手くいく』みたいなことを言い出す者達がささやいた。結果、現在他国に根廻しを行いながら、それに向かって突き進もうとしていると説明していた。だが、それに対して待ったをかける国もある。我が国がその一つ。
その国を見捨てようとしてではなく、『自分達の手で、できるだけ解決した方が良い。『聖女召喚』は、別世界の女性を、有無も言わさずこの世界に拉致してきたのと同じ。しかも一人の人間。使い捨てのコマでない。最終的に必要とあらば、自分達がその者をこの世界で幸せに生きていけれるように援助し続ける必要性がある。』これが我が国と、我が国の意見に賛同している国々の意見。
聖女召喚を推進している国でも、『来ていただいたなら、自分達が守りながら遂行していただき、その後はこの世界で生きてもらうために、幸せになっていただくのは当然の権利であり、それに対して努力すべき』という意見と『これ以上の自国の犠牲は出せれない。異世界から来られるという事は、この世界の者ではない。その者を贄として犠牲にして何が悪い。たった一人もしくは数人の犠牲で全てが守られるなら本望であろう。後に後世で称えてやるだけで名誉だろう!』と自分勝手な言い分ですが、そこまで追い込まれているんだろうね…。
一人もしくは少数で、その他の者が救われる。
この世界に渡って来られるのは神のご意志。よって、神がその者を自分達のために遣わされた。だから、その者だけに任せれば、運悪くても犠牲はその者だけで世界は救われる…。
どんな救世主伝説ですか?信じられません。
エル兄様は、「ゲームならやり直しができるけど、現実はそうじゃない。」とよく言われていた。
「自分に関係ないところに連れて来られて、「どうにかしろ!」ってこき使われて、この国のために、この世界のために、場合によっては死ねって感じだろう?俺だったら、絶対嫌だ。そのような事を言う人間は、安全な場所でヌクヌクしているんだ。大体がね…それ事態も気に入らない。」ともよく言われていたんだ。
エル兄様は、精霊王にお願いされたけど、それなりの理由がある。
父様や兄様や家族のため。
そして、領民が幸せに生きるためです。
私達が『悪役にならない』と決めている事もあるから、そうなりそうな事は曲力避けたいんです。
父様は、エル兄様しかできない事だと理解してくれたから、それ以外のフォローを必死に考えてしてくれている。勝手に動いたら、逆に怒られるんですよね。
家族みんなから…。時に兄様から…。
で、話は戻るけれども、我が国にも賛同させるための方法として、狙われる…。
第三皇子が…。
皇族であり、神の子孫とされているから、力は十分あるはず。そして、末子の皇族。皇王が家族思いの子煩悩であるのは他国でも有名な話だ。
それに、その国は過去の文献を見つけ出してしまったんだ。偶然発見したんだけど、それを神からの啓示だと信じ込んだ。自分達にあえて発見させてくれたのだとね、思い込む…。
過去、聖女が不在時どのような対処で乗り切ったのか書かれた書物…。
国を犠牲にする事は流石にと選択せず、人を選んだ。
第三皇子を贄とするか、聖女召喚の儀式を行い呼び寄せるかの選択だと躙り寄るらしい…。
ギリギリの所で、第三皇子は命を落とす事なく、代わりに聖女召喚がなされた…。
第三皇子は命は助かったが、半年ほど眠りについていた。
薬を使われ、傀儡状態にされての魔力行使で、自身の魔力を多く奪われ続けていた。それにより魔力器官に大きな傷を負った。無事治癒する事はできたが、行方不明の間とその前の数ヶ月間の記憶は一切なかった。
ほぼ一年の記憶欠如。
治療後は神殿預かりとなり、その後は聖職者として生きていくことになるんだが…。
それはゲームでのお話…。
小説にもアニメにもあったと思う。ほんのわずかだけだけど…。
確か行方不明に関しては、緘口令がしかれていたから一部の高位貴族と側近候補しか知らない事とされて、魔法契約もされていた。
皇王が聖女が来られた時に呟いた時、ゲーム上では明かされていた。
聖女であるヒロインは、そんな悲劇があったことを嘆き、自分が頑張るからと皇王を抱きしめて…。
エル兄様はそう説明されていったんだ。
第三皇子はまだ無事だが、実際色々と前倒しにされている事が多い。
なら、早期に対応しないとやばいかも知れない…。
だから、兄様達に話そうって決めたんだと…。
メモにハーレムルートを少し書きそうになって、黒く塗りつぶしてたんだけど…。
兄様達にはバレてますね…。
兄様達は遠い目をされていたが、それ絶対はないからって怒られてました。
特にアシュ兄様に…。
ギル兄様がそのノートを複写して父様に報告してくると言っていたから、おまかせしたようです。
エル兄様はただいまお説教タイムで、お仕置きされ中で、そこでプツンと切れたんです。
私がエル兄様にリンクしたのはギル兄様は何とく気づいていそうだった。
なら、何かあれば教えてくれるはず。
場合によっては、エル兄様に問えばいい…。
そこで今度は本当の夢の中に落ちていったんだ。
父様は母様とアルと一緒に、後から来ることになっています。
父様は昨日の事があるから、休んでも良いと言ってくださったんだけどね。
でも、今日はアシュ兄様の試合もあるし、私達だって出るんです。
私達は人と人がぶつかるバトルはどうも苦手で、魔法しかない?と思っていたから、今年からできたこの試合に参加するんです。観戦してみるのは良いけど、実戦はね…。
私は叔父からもらった『レイピア』で基本動作がの型の方に、エル兄様は『チャクラム』で剣舞に参加と決めてました。どちらも一回ポッキリの真剣勝負。点数は講師人や観に来られた来賓の方々なんです。
私達の試合が終わったら、魔法での技術力を見せる演技試合。その後昼休憩を挟みアシュ兄様が出られる魔法バトルだったんです。
叔父様達が教えてくれていたのと、屋敷の先生に教わったので、まぁまぁの点数は取れたと思う。
私としては満足。エル兄様も満足していたからまぁ良いと思います。
順位は、真ん中ぐらい。だって一年生だもの。スキップだから、年齢的にも年下だし…。
午後はしっかり席に着いてアシュ兄様を応援しました。
氷や水のコラボが美しくて、レイにお願いして沢山撮ってもらいました。勿論、写真と録画両方です。
父様と母様は笑っていました。
ギル兄様もいい笑顔で応援しての楽しい一日だったんです。
昨日の事が嘘の様で、もうるんるんですよ~。
「エル?僕の試合どうだった?」
「素晴らしかったです。しかもしっかり一位。」
「第二皇子殿下が昨日の魔法剣の試合に出ていたからね。同じ試合だったらどうだろうね。」
確かに、昨日出てたとは聞いていました。
確か一位だったはず。
第三皇子殿下は昨日の試合に出られていて、確か第二皇子との試合で負けていましたね。
あの時呼び出されたのは午後も後半。
第三皇子殿下も第一皇女殿下も試合出場は済んでいたんだよね。
側近候補の人達も確か昨日だったから、今日でなくてよかったと思います。
欠場の場合、加点ゼロは辛いと思う。それ以外のイメージ的にもよろしくないでしょうし…。
今日は学園に登校していないようでした。
第二皇子に偶然お会いして、「父上に怒られていたから、今日は来てないんだ。学園祭後の休日明けから学園に来るから気にしなくて良い。また何かあれば私の名前を出しても良いからね。」って言われたんです。
「気にしなくて良い」と言われたら、気になるけれど、でも「友人になれ」と言われたら…難しいな…。
「どうした?」
「えっと、昨日の事が気になって…。僕、断ったのは不味かったですか?父様や兄様達に迷惑かけていませんか?」
「そんな事気にしていたの?エルが友達になりたいなら別だけど、そうでなく、無理してなろうとする必要はないよ。父様も俺や兄上だって困らない。エルやレインが気を使って関係を結ぶ方が嫌だな。特に、婚約破棄だなんて言い出されたら…どうするか…。だから良いんだよ。」
「えっと!?」
「俺やギル兄様はそれだけ本気って事。奪われる気もないし、絶対に譲らない。エルやレインが嫌だって言っても逃してあげれない。それだけの気持ちを持っている事は覚えておいて。」
両肩をガシッと掴まれて、視線を合わせながらそう言われたから、コクコクと頷いています。エル兄様が…。
「そうそう、父上達がこの休みに別荘に行こうって言っていたよ。ギル兄様も休みが合いそうだって言っていたから一緒に行くって。」
「この前行ったところですよね?」
「そうそう、内装工事も荷物も全部完了だから、家族でお祝いしようって。楽しみだね。」
という事は、向こうでも準備が出来たのかな?
「良い笑顔になってきたね。」
そう言って帰りの馬車に乗り込んで、家族で楽しい会話をしながら家路を急いだんです。
父様も一緒に帰られて、夕食を共にするって。
ただ、その後用事で出かけるから、急いで帰ろうってことになったんですよ。
エル兄様とアシュ兄様は仲良しで、いつも楽しそうに話されています。勿論私も仲間入り。
時々聞き役に徹することもありますけどね。
ギル兄様は私によく声をかけてくださるんですが、やはり寮に入られてからは、会話は少ないです。
手紙は沢山送り合ってるんですけどね。
帰ったら、速攻お風呂に入れられて、着替えてから家族で食事会。
アシュ兄様の一位をお祝いしたんです。
家族からは、私達もよく頑張ったと褒めてくれて、良い一日が過ごせたんだよ。
ベッドに早々と入ったけれど、どうしても気になる事が多かった。
エル兄様の前世の知識でも、私のスキルの方でも、やっぱり、今回の様な事ってなかったと思うんだけどなぁ~。
ゲーム事情で、私達はスキップ入学していたけれど、それはギル兄様とアシュ兄様が高等部三年生と一年生。で、私達は中等部一年生ぐらいだと思う。もしくは二年生かな?第一皇女殿下が中等部三年。第三皇子は…うん、いたかどうか覚えてない。この部分でも違ってるんだよなぁ。
なら、実際に聖女はいつ召喚される?エル兄様がよく言われているゲームでは一年生でだと思うんだ~。高等部のね。でないと話がおかしい。
そう言えば、そろそろ聖女召喚を決定づける事があったはず。
あれは何だった?
ゲーム前だったけど、でも重要な事だ。
今急に浮かび上がってきたんだ。
あれがあったから、皇王は許可したんだ。それまでは、なかなか動かれなかった。
そう、許可しなかったんだ。
術式方法などは、この国の神殿サイドが持っている。
行われたのはこの国だ。他国じゃない。
他国がこの国に集まって何度も話し合っての結果。
この国に何度か集まっている事は知っている。
思い出した。
そう、多分あれは秋だ。来年の秋。
今はまだ春で、時間はあるけど、もしかしたら余りないかもしれない。
そこで、急に眠気が襲ってきた。
夢の中に引き込まれる…。
いや、これは夢ではなくて、エル兄様の方に引っ張られたんだ…。
心配してオーキッドがエル兄様の部屋に入ってきた。
「オーキッド、父様はもうお帰り?」
「いえ、まだのようです。」
「なら、アシュ兄様は起きているだろうか…。少し相談したい事があるんだ。聞いてみてくれる?」
「…お急ぎなのですね。畏まりました。」
そう言うと、オーキッドはアシュ兄様のお部屋に、待機している侍従を通して聞きに行ったみたい。
「ちょっと忘れそうだから、僕はこっちでメモしとかないと…。」と呟いて、ノートに記録されている…。
エル兄様はよく思い出した事を、順序関係なく文字として起こしていた。
多分それを見ながら相談したら良いと思っているんだろう。
まとまりがなくても、相談は可能なんだから…。
しばらくすると、アシュ兄様が入ってきた。ギル兄様も一緒にだ。
「エルが急を要しているようだと言われたから、兄上と来たんだ。何かあった?」
「兄様…実は…。」
エル兄様は、書き殴ったメモを見せながら、兄様に訴えていた。
そこに書いた内容。
そう、北の国のことを書いていた。
この国ガルディエーヌ皇国から一つ国を挟んだ向こう側の国だ。
確か本には、そこは国土は広く資源は有るはずと書かれていた。
ただ、雪で閉ざされている期間が長い。場所もだ。
資源は農作物ではなく主が鉱物。
鉄鉱石や魔石と言った物。
それらを発掘して輸出。確か魔獣や魔物素材も輸出対象で、農作物を輸入しているんだけれど、近年、雪国特有の凶暴な魔物や魔獣が増加し出していた。
魔物討伐を行うにしろ、鉱物を発掘にするにしろ、天候にどうしても左右される。
つまり、輸出品が減ってきてるという事…。
魔物や魔獣と言ったものは、負のエネルギーが増えれば増えるほど増えやすく、凶暴化しやすい。近年の気候変動もあって被害が増えてきていた。これはこの前の授業でも教えてもらっていた。そこで条約を結んでいた近隣諸国に依頼をかけて何度か凌いでいたんだ。
これだけだと、もし何か狙うとしたら、その国の隣接国とだと思うだろう。
実際に隣接国とでトラブルを頻繁に引き起こしているんだけれどもね…。
その一つ国を跨いだ国が、我が国にちょっかいをかける理由ですね…。
おそらく『聖女召喚の義式』。
その国は、追い詰められているのかも知れない。それに対して救助物資は送れるだけ送っているが、それを狙っての盗賊もいる。夜盗も存在して気候も邪魔しているのだろう。
そこに、『聖女召喚さえできれば、全て上手くいく』みたいなことを言い出す者達がささやいた。結果、現在他国に根廻しを行いながら、それに向かって突き進もうとしていると説明していた。だが、それに対して待ったをかける国もある。我が国がその一つ。
その国を見捨てようとしてではなく、『自分達の手で、できるだけ解決した方が良い。『聖女召喚』は、別世界の女性を、有無も言わさずこの世界に拉致してきたのと同じ。しかも一人の人間。使い捨てのコマでない。最終的に必要とあらば、自分達がその者をこの世界で幸せに生きていけれるように援助し続ける必要性がある。』これが我が国と、我が国の意見に賛同している国々の意見。
聖女召喚を推進している国でも、『来ていただいたなら、自分達が守りながら遂行していただき、その後はこの世界で生きてもらうために、幸せになっていただくのは当然の権利であり、それに対して努力すべき』という意見と『これ以上の自国の犠牲は出せれない。異世界から来られるという事は、この世界の者ではない。その者を贄として犠牲にして何が悪い。たった一人もしくは数人の犠牲で全てが守られるなら本望であろう。後に後世で称えてやるだけで名誉だろう!』と自分勝手な言い分ですが、そこまで追い込まれているんだろうね…。
一人もしくは少数で、その他の者が救われる。
この世界に渡って来られるのは神のご意志。よって、神がその者を自分達のために遣わされた。だから、その者だけに任せれば、運悪くても犠牲はその者だけで世界は救われる…。
どんな救世主伝説ですか?信じられません。
エル兄様は、「ゲームならやり直しができるけど、現実はそうじゃない。」とよく言われていた。
「自分に関係ないところに連れて来られて、「どうにかしろ!」ってこき使われて、この国のために、この世界のために、場合によっては死ねって感じだろう?俺だったら、絶対嫌だ。そのような事を言う人間は、安全な場所でヌクヌクしているんだ。大体がね…それ事態も気に入らない。」ともよく言われていたんだ。
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皇族であり、神の子孫とされているから、力は十分あるはず。そして、末子の皇族。皇王が家族思いの子煩悩であるのは他国でも有名な話だ。
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兄様達にはバレてますね…。
兄様達は遠い目をされていたが、それ絶対はないからって怒られてました。
特にアシュ兄様に…。
ギル兄様がそのノートを複写して父様に報告してくると言っていたから、おまかせしたようです。
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