兄様達の愛が止まりません!

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他国からの嵐…

試合後

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その後も試合は続行されて、留学生及び在校生との対決戦は引き分けとなった。

第二皇子殿下や側近などは、余裕で勝利され、「さすが殿下達!』という感じだったのです。

エル兄様の前世の記憶で、ゲームの攻略対象者でしたし、聖女が異世界から来られていた時は、一緒に同行して巡礼の旅にも行っていたから、当然と言えば当然かもしれないけれど…。

確か、『ゲーム』と言うものの一シーンで戦闘シーンのようでもありました。
『アニメ』と呼ばれるものでも、そのようなシーンがあったと思います。
私は双子の兄であるエル兄様にリンクして、何度か見た事がありますから…。


ですが、私としては、今回の試合に出ていないアシュ兄様やギルの戦う姿が素敵だと思うのです。
戦争などには行ってもらいたくないけれど…。

二人の実力はエル兄様の前世の知識で垣間見た時もそうだったのですが、学園祭などでの試合で何度か実際に観たことあるのです。
綺麗で迫力もあり、素敵なのです。
エル兄様は戦闘は苦手なようで、どちらかと言えば剣舞が得意です。
校外学習では、魔物や魔獣が襲って来る時には戦闘を頑張られるのですが…。

エル兄様の剣舞は、舞い降りた天使のように素敵なのです。
綺麗で可愛らしいのです…。

私の負けずに頑張っているのですが…。
エル兄様やアシュ兄様、ギルも褒めてくれるから、それなりだとは思いたいけれどもね…。

そうそう、兄様達は屋敷に戻れば、領内の騎士団達と一緒に鍛錬されるぐらいいつも頑張っておられるのよね。

エル兄様は、アシュ兄様やギルと一緒に騎士団に混じって鍛錬されている。
エル兄様が言うには、「基礎体力がアシュ兄様やギル達にはどうしても劣るし、筋肉もなかなか成長しない」と愚痴をよく呟いていた…。


父様や家令のレイがエル兄様に、亡き父に似て、「エルは筋肉が付きにくい体質なんだろう。」って言ってた。
それでもいつも頑張っているから、皆んな認めてもいるのだけれど…。

今回の試合はトーナメント戦では無いので、今日一日で無事終了。
真剣勝負の試合であるから、それなりの怪我をする者はいたけれど、そこはカルロス様達救護班として来ている神殿側の人達がしっかり治療していた。

一部の生徒は、「いつもの治療よりも早く綺麗に治ってる」って喜んでいたのです。
うん、だって教皇様だもの…それに、奥様のレイナ様も一緒ですよ…。
異世界から渡って来た女性であるから、彼女も聖女なんだと思うし…。

それに、付いて来た神殿の者達だって、きっと上位の実力者だと思います。
教皇の補佐的存在の人だったりして…。
その辺りは私には分かりませんが…。

皇太子殿下も満足していたみたいだし、父様の友人達も興味津々で見守っていたのです。
もしかしたら、『将来的に有望』として目をつけたかもしれないなって…そう思うぐらいだったのです。

留学生の方でなく、在校生の方ですけどね…。

留学生においては、見たことがない(私がですが…)武器を使用したりしていたから、参考にもなったんだろうなぁ…。


「試合も無事に終わったな…。今日はご苦労様。明日とかが休みであれば「屋敷に帰って来る?」って誘いたい所だが…。」
「明日からまた授業があるから無理です。もう少ししたらまた校外学習もあるから…。」
「そうか…今度は森の方か?それともダンジョン?」
「二学年はダンジョン予定だな…。一学年と三学年が森の方に合同で行く予定だ。」
「そうか…。ダンジョン内は狭い空間が多いから気をつけて行っておいで。必要な物があれば侯爵家の方で準備しておくから。学園側で準備してくれる物もあるけれど、個人購入で使用する物もあるからね。」

そう、ダンジョン内などに潜る際のローブだったりは、学園指定だったり学園側で準備される物もある。
だけど、武器とかは貸し出しも有るけれど(平民とかも学生の中にはいますから…)自分持ちの物を持っている者の方が多いのです。
貴族が多いからでしょうね…。
それに、愛刀の方が使い勝手が良かったりもするのですから…。

ダンジョン内で頑張って魔石や素材を収穫して換金して、自分達用の武具などを購入したり、収穫してきた素材で武具を作る生徒もいる。
結構何でもありな気もするけれど…ね…。


「そう言えば…、あのアグロス王国第二王子であるオズワルド殿下のポケットから出てきた紙…。」

エル兄様がそう呟いた。
私は側でそれを見ていたのではなく、応援席から見ていたのですが…。
試合の審判をしていた講師が拡げて見ていた時、何故かハッキリと見えたのです。

昔、私とエル兄様が地下牢のような所に飛ばされた時の、転移魔法陣の刻印に似ていたのです…。

あの時は無事に助けられたけれど…。
そう、アシュ兄様やギル達と一緒に、初めて屋敷で開催するお茶会の準備のための買い出しで街に出ていたのです。
その時に起こった事件…。

エル兄様の前世の知識で知ったゲームのイベントに類似していたものでもあったそれは、トカゲの刺青を入れた集団の犯罪行為だったのです。
あの時の男達の会話を思い出してしまう…。

私はエル兄様に庇われていたのですが…。

「本当、高い金を出してこれを買っておいて良かったよ。この紙を貼ると、設置型の魔法陣の方に飛んでくるんだからな。貼った紙の方は発動したら転移と同時に消えちまうのと、子供ぐらいの重さしか転移させられないのが難点だ。何度も使えて、大人もできれば、もっと良い金になるんだがな。」
「そう言うなよ。これでも結構な金になるんだ。魔法陣なんて安い物ってぐらいにな。なんてったって、この国の子供は多かれ少なかれ魔力を持っているし、魔法も使える。見目も良い。魔力を持たない国にもだが、綺麗な奴隷を欲しがる国もいるんだ。」
「まぁ~そうだな。とりあえずは、ここでの商売は一旦打ち切りだ。こいつらの引き取りは今夜だし、その後ここを引き上げて次の場所だな。良い儲けになったよ。」

そう言って、男達は檻の近くに置かれていた石の板の様な物を持ち上げて、持って出て行ったのです。
ひくひくと泣く子供達の声を面白そうに眺めた後…。


そう、あの時の事を私は思い出したのです。

思い出したのは、私のスキルで見た情報だったか、それとも現実の方だったか…。
その両方が混ざって記憶として覚えているのかもしれないけれど…。
忘れてしまいたい事でもあるから、曖昧に覚えてしまっているんだけれど…。
でも、実際に起こった誘拐事件…。

「レイン、大丈夫か?顔色が悪い…。」

私はいつの間にかギルに連れられて、結局屋敷の方に戻ってきていたようだった。

私とエル兄様が途中から顔色が悪くなって、声をかけても返答がおかしい状態だったみたいです。
エル兄様はアシュ兄様が抱き上げて自分の部屋で様子を見ると言ったらしいです。
私の場合は女子寮であるから、侍女は側について居れるけれど、ギルはどうしても心配であるからと、寮の方に連絡を送り、連れ帰る事になったらしいのです。

ギルに大切なものを守るように抱きしめて、屋敷の私の寝室まで離さなかったみたいです。
そうして部屋に連れ帰られて、侍女が着替えさせてくれた後も、私はギルの腕の中に…。

「レイン?」
「えっと…いつの間に?」
「レイン、大丈夫だ。あの集団はまだ手配中の者もいるけれど、各国の協力で国際手配犯としているから、そう簡単には手出しできない。それに、影の者達も捜査に協力して、検挙していっているんだ。エル達を狙う者も…絶対に捕らえてみせる。この私の大切な家族を奪い去ろうとするものは許せないからね。父上も同じ気持ちであるし、我が家に支えてくれている者達も同じ気持ちだからね。例え奪われても取り戻すから…。」

そう言って私の横に添い寝するように入り込み、ぎゅーっと抱きしめてくれたのです。
頬に優しく唇を寄せられて…。

「大丈夫だ。もしまたあの時のように攫われることがあるとしても、絶対に助けに行く。そうならないのが一番だがな…。だから安心して…。それに、私や父上達が、大人の仕事として対応をするし、皇太子殿下も、自分達が守るべき自己国民であるからと約束してくださっている。」
「そうなのですね…。」

私はそれだけ言って、ギルの身体に手を伸ばして、しがみつく。
ギルも私をそっと広く温かい胸の中に包み込むように抱きしめてくれた。

私は少し安堵して、瞳は徐々に重く感じ…。
そのまま夢の世界に旅立ったのです…。


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