オメガ転生。

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学園生活

やばいです

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「よくも私の婚約者と言う身分を振り翳して、多くの者を貶めてくれたな。私は酷く残念だよ。そんな君の側にいて、この先も共に歩んでいくのは無理だ。この場を持って君との婚約は破棄させてもらうよ」
「私は何もしていません。それにその女があなたの心を盗んだのですね。婚約者がいる男性の心を…」
「私は…ただお寂しそうに悩まれていたのを慰めて差し上げただけです。そんな、盗んだなんて…酷い…」

妹の婚約者であろう男性が、妹とは対照的な可愛らしい令嬢の腰に腕を回し、「君がいてくれたから、私は…」なんてほざいている。
妹に対しては、蔑んだ冷たい面差しを向け、軽蔑し…

「その子は、他の婚約者がいる男性にも…」
「だからどうした。彼女のお陰で自信が持てたんだ」
「そう、彼女のお陰で全てが上手くいった。」

そう言いながら、2人を守るように男子生徒が周りを囲む。
そして、女生徒に跪き、首をたれた。

「「「私たちの女神とも言えるこの……」」」
「やめて~~!!お前さえいなければ!!」

玲奈がその女性に飛び掛かる勢いで近づいた時、数人の別の男子生徒に取り押さえられ、引きずられるように部屋を出て行った。

「バカな女だ。少しでも反省し、君に許しを乞えばまた変わったかもしれないがな…」

そう吐き捨てるように言いながら出て行った扉を見ていた。
それも、憎々しいものを見るような目で…

すると、いきなり場面が変わった。
玲奈が両手足に鎖をつけられ、素足で無理やり舗装されていない凸凹道を歩かされている。
時折倒れかけそうになり、急いで手を伸ばし助けようとするも素通りしてしまう。
そうかと思えば、ある時は上空から見下ろす形になり、ある時はそばを歩いた。
しばらくして森を抜け、切りだった崖の上まで連れて行かれ、背後からどんと押されて落ちていく…

玲奈がいったい何をしたって言うんだ!
大きな声で叫びたかったが、上手く声が出ない……



ガバッと起き上がる。
はぁはぁと息が上がる。

「夢…か…」

時々見る悪夢。
内容は色々だが、ほぼゲームの中で起こるいくつものルートの中の一つだ。

ゲーム内で、こんな事あり得ないだろう…と言う事がよく起こっていた。
あくまでヒロインがハッピーになるように、悪役令嬢は悲惨な目に遭わされた。
普通に考えて、婚約とか、恋人の相手を取るようは行動はルール違反だと思う。
人道的にだ。でも、ゲームとかでは、相手の不幸は蜜の味とでも言うように、悪役令嬢とその家族は悲惨な目に遭う事が多かった。
夢の中では特にだ。
ストーリーがチグハグだったり、展開が早かったりするのも夢ではよくあり事だが、この中の少しでも実際に起こったら最悪だ。
気をつけないと…

外は爽やかな風が吹き、天気もいいようだ。
こんな変な夢を見たときには、少しでも違うことを考え行動して発散した方がいいだろう。
昨日の呼び出しが夢の原因の一つとも思えるが…

妹の敵対する相手はあの例の女生徒だった。
その側に、昨日声かけて来た本人も出て来たけれど、この意味は…

頭を左右身振り、思考を変える努力をする。

「あ~~っ、だめだ。気分転換も兼ねて走るか」

いそいで着替えて、寮の建物の周りを走ることにした。
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