オメガ転生。

学園生活

やばいです

「玲奈、おはよう」

双子とは言え、性別が違うため、お互い寮は学園を挟んで反対側に位置する。よって、意識的に近づかないと数日も会えない時が多々ある。
でも、玲奈と自分は結構仲が良いからか、どちらかが廊下などですれ違ったときに声をかけたり、お互いの教室に声をかけて昼食をとったりしていた。

「翔。おはよう」

にこやかに微笑む玲奈。うん可愛いい。さすが妹だ。

側に寄って来た玲奈に、声をかける。
家からの連絡の件に対してだ。

「そうなのよね。兄様は婚約者の沙也加さんとね…」
「兄さんとひとつ違いだったよね。沙也加さん。仲が良かったけど、まさか婚前交渉とはびっくりだよ」
「まぁ、この国では有りだものね。他国は違うところもあるみたいだけど」
「これで、僕は叔父さんか。玲奈も叔母さんになるんだよ」
「え～～～っ、叔母さんは嫌だなぁ。お姉さん。お姉様と呼ばさないとね。楽しみだけど、複雑だわ…」

お互いため息をついた。
確かにお祝い事だからいいことだけど…
元々兄が実家を継ぐのだから、跡取り候補ができる可能性があるのも良い。
兄はアルファだし。沙也加さんは確かオメガだったか？
偶然の出逢いで2人で盛り上がって婚約したとか何とか言っていたと思う。
詳しく聞こうものなら、砂糖を吐くぐらい甘そうで大変そうだから、あえて聞いてない。
玲奈の今後の参考に…とも思ったけどね…
それに、兄さんには僕のことで苦労させてしまったから、幸せになって欲しい。

「それより、また参加しないといけないのよね…」
「まぁ、婚活も兼ねてるからね。玲奈は仮にもアルファだから、自分のオメガを見つけるか…だよね」
「そうなのよね…アルファは男女問わず妊娠させれるというしね。だから、もしオメガを見付けるとしたら、男女どちらでも良いのよね。でも、変な感じよね。まぁ、見つけられなくても、アルファ同士でも良いわけだしね。素敵な出会いがあれば良いのよ。ふふっ」

まぁ、女性のアルファが男性のオメガを襲って孕ませるなんて…何とも言えないと思うよね。でも、考えようによってはどちらも妊娠できるって事だよね。男性のアルファは妊娠する事はないけど…まぁ、例外でオメガ落ちした場合は妊娠するらしいのだが…詳しくはわからない。歴史書とか、その他の本にもあまり載せられてないし、方法も詳しくは調べられなかった。極秘なんだろうね。ゲーム上でそういう話があるのは知ってるけど…誰がそうなったとかは無かったし、ファン公式サイトにも詳しくは…無かったと思う。
もう、数年前の記憶だし、過去に書いていた情報ノートにも、その件はあまり書いてなかった。

「週末からしばらく休みだものね。両親も心配してるから、安心してもらうには、まず帰るしかないよね」
「そうだね。まぁ、なるようにしかならないか」
「そうそう」

そう言って2人で笑い合った。

もしかしたら、会場であの人と会うかもしれない。
多分お仕事モードじゃないかなぁ…

嫌々、何考えてるんだ？
自問自答して…まぁ、帰ってから考えるか。

全て自宅に帰ってからと丸投げしてしまった…