オメガ転生。

学園生活

やばいです

「学園ではどうなんだ？」
「特に変わった事はないですよ」
「玲奈は良い人出来てたりして…ふふっ」
「そんな人いません。」
「そうなの？学生生活は楽しまないと。ねぇ」
「そうだな。僕達が出会ったのは学園でだったなぁ…」

たわいもない会話から両親の惚気話になりそうだ。
順次出される食事を美味しく味わいながら、仕方なく会話に付き合う。
両親が仲がいい事はいい事だからね。
自分の子供たちにも良縁が訪れる事を両親が願っていることも勿論理解している。

「そうそう、この秋ぐらいにはもうお爺ちゃんとお婆ちゃんですね。まだ先のことだけど、楽しみだわ」
「そうだね。どっちが生まれても大丈夫だよ。体調は大丈夫なのかい？」
「はい。少し悪阻が酷いみたいで今は寝ませてます」
「そうなの？何か食べれそうなもの持って行ってあげてね。料理長にも伝えておくから」
「ありがとう。後で持っていくよ」
「そうしなさい。だが、お前もしっかり食べるんだぞ。お前が倒れたら、誰が彼女を支えるんだい？」
「そうよ、急いで食べては身体に悪いから、落ち着いて。心配なにはわかるけれどね…ふふっ」

いつもより食事スピードが早い兄。沙也加さんが心配で急いでるのか…悪阻って言ってるし、酷いのかなぁ…

「沙也加は大丈夫だよ。時々悪阻で食事が摂れにくくなってるだけだ。いつもじゃない。今朝は一緒に夕食をって張り切ってたんだけど…ごめんな」
「兄様、気にしないで。沙也加さん…いえ、姉様にも、体調の良いときにとお伝えしてください。おめでとうございますとも付け加えてくださいね」
「そうだよ。兄さん、おめでとう。ビックリしたけどね」
「婚儀はどうするの？」
「安定期に入ったらする予定だ。書類上の届けは提出したけどね。向こうの両親も喜んでくださったよ」

そうなんだ。普通怒りそうなんだけど…でも、良かったよ。