オメガ転生。

学園生活

そんな事が(雅貴)

持っていく物はそんなにない。
いざという時は、現地調達しても良いし、妖力を使って移動してもいい。
長い間、特に必要としていなかったため、あまり使ってはこなかったが…

そう、あの者と出会うまで、ただこの国のために長々と仕事をこなしていたのだから…

「いきなり行ったら驚くだろうか…」

ウキウキわくわくしている自分がいる。
想像するだけで、楽しすぎて仕方がない。

まぁ、実質は楽しいだけではないのだが…

あの子達は知らない。
気づいてもいないだろう。

普通に考えても異常なぐらいの護衛を密かにつけている。
表面化では平和なように見えているが、煩わしい物はどうしても出てくる。
必要な物も、全く無いとは言わないが…

今回、本当は関わる事なく、楽しませたかった。が、がだ。アイツが『これはいい』とか言い出した。
『いい時期に、最高のエサになる。しかも、君達も動かざる得ない。うん。よろしくね』そう言って、笑っていたが、目は笑っていなかった。

この事を知っているのはごく一部。他の者達は、愛しい者を過剰に過保護の如く…という感じに思っているかもしれない。

「……楽しいことだけ今は考えよう…」

予定より少し早いが、行動することにした。
これも、影の者からの情報に基づいてだ…愛しい者達には気づかせることなく…やるしか無いな…