オメガ転生。

学園生活

そんな事が(雅貴)

「これはいったいどういう事ですか？」

床に崩れ落ちたままの男性。そう、翔の父親の肩に手を置き、声をかける。
側には魔法陣が稼働したであろう気配が感じられた。

「こうするしか無かったのです。こうするしか…」

ふるふると肩を震わせ泣いている。
この男は笑顔をうまく使って、仕事や相手をスムーズに動かしてきた。
家族に対してもいつも笑顔であったと言っていた。
笑顔で怒るのが、逆に怖いとも…

だが、今は涙にくれている。
私たちが離れていた間に、この男に、この家族に、翔に何が起こったのか…

「突然押しかけて申し訳ありませんが、翔は何処ですか？気配が消えて急いできたのですが？何が起こったのですか？」

「申し訳ない…すまない…」

これではらちがあかない。なら…
魔法陣があったであろう場所に触れ、気配を辿ることを試みるが…
おかしい…
この魔法陣自体は、考えたくもないが、神殿のとある場所につなげていたようだ。
だが、明らかに違う…
何というか…無理矢理切断されたような感じがする。

こんな事があるのだろうか…あり得るのか？？
出来るとしたら…
いゃ、本来ならば、干渉してくるはずがない。
そう、アレらは独自の思想と概念を持って、独特の…
だが待て…、もし、この干渉に、神が関係したのならば…

神は基本人々や全てのものに平等に…などと言っているが、実際は身勝手だ。
神の気分次第で色々と変わり得る。

もし…

「おい！私をおいて先に行くなんて酷いじゃないですか！！」

人が必死で考えにふけっていたら…

「チッ…」
「舌打ちしたな！そうそう、大変な情報が…」