もふもふの世界に落っこちて、気がついたら離してくれなくなった件

お勤め

屋敷に帰ろう

丘まで駆け上がってもらい、降ろしてもらった。

2人は豹から人の姿になり、駆け寄って抱きしめてくれた。

「どこも怪我はない？」
「大丈夫ですか？」

心配されながら、確認される。
そっとバレないように擦り傷を隠そうとしたんだけど、ダメだった。

「ここも、ここにも……」
「「あいつら、半殺しじゃなく、殺しとけば良かった」」

何か物騒なセリフを吐いています。

「でも、無事で良かった」
「心配した」

「ありがとう。心配してくれて……あれ……」

急に体が震えてきて、崩れ落ちそうになる。
2人が両側から支えてくれたから、大丈夫だったけど……

「とりあえず、屋敷に帰ろう。」

そう言って、クロードが黒豹に変身する。
ガナードに支えられて、乗せられた。

そうだ、お礼を………
そう思ったら、すでに彼、アルトの姿はなかった。

「どうした？」
「助けて、ここまで連れてきてくれた、アルトって言う人なんだけど、いなくて……」



「あぁ、あの少年なら、また逢えるよ」
「本当？」

ガナードが頷いて答えてくれた。
2人は彼のことを知っているようだった。

「なら、今度お礼が言いたい。」
「「行くよ！」」

そう言って、駆け出した。
自分たちの屋敷に向かって……