聖獣と聖女と黒騎士と

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出逢い

自宅に連れ帰り…

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何か良い名前ないかなぁ……
『クサントス』『バリオス』『キレウス』
どれが良いだろう……

頭に浮かんだのはこの3つ。
どれが合うだろう……

子馬をじっと見つめる。
うん、これにしよう!

「キレウス。これでどう?」
『キレウス……うん、ありがとう。えっと…』
「ニィーナ。」
「うん、ニィーナ。」

嬉しそうに頬を寄せてきた。
可愛いから……まぁ…どうにかなるか……

『ちょっと離れて待ってね。ニィーナを乗せれるぐらい大きくなるから』

そんなに簡単に大きくなるものなの?

驚いて、眺めていると、キレウスの身体が光に包まれ、その光が大きくなる。

「ほえ?」

間抜けな声を出して、後ろに転びそうになるのを、何とか堪える。

普通の馬よりは少し小ぶりだが、人1人乗せれるぐらいの大きさになった。

『ニィーナ、乗って。』

促されるまま、背中に乗る。
艶やかな毛並みを思わず撫でてしまった。

『くすぐったいよ。ふふっ、走るよ。しっかり捕まってて』

そう言うと、キレウスは軽やかに走り出した。
ハリーも並走する様に走り出す。
キレウスはハリーを置いて行く事なく、速度を合わせて、自宅まで走っていった。
て言うか、どうして家を知ってるんだろうか……

『ハリーが教えてくれたんだよ。こっちだって』

動物同士で、理解し合える何かがあるのかも知れない……
私には……何となく、こうかな??ぐらいしか理解できないんだけどな……

まぁ、動物でも、家族が増えるのは嬉しい。
寂しさが減るものね……

馬小屋と言うのは無いけど、使ってない物置があるから、そこをキレウスのお家にしよう。
ちょうど乾草とかもあるし……

そう思って、キレウスを案内した。
使ってないとはいえ、掃除はしているから、そんなに埃っぽくは無いと思うんだけど……

水飲み場は……使ってない木桶が2つあったから、それに水を入れた。

「キレウスどう?大丈夫そう?」
『うん。大丈夫だよ。本当はお家の中に入りたいけどね…』
「その大きさなら、無理だよ。それに、馬を家の中に入れてる人はいないと思うし…」
『わかってるよ。ハリーが、ワガママ言うなって言ってるから我慢する。一緒にいてくれるって言うから寂しく無いよ』

ハリーの弟分?まぁ、子供たちにも優しい子だから、側についてあげるのかな?
ハリーもキレウスと一緒に物置小屋に入る。
キレウスに寄り添う様にふせた。

何とも微笑ましい姿だ…

「それじゃ、ハリーお願いね。キレウスもおやすみ」

そう言って、その場を後にし家に入る。
猫のレダが待っていてくれたみたいで、足元に擦り寄る。
思わず転けそうになるも、可愛いから許す。

もう夜が遅い。とりあえず寝もう…
また起きてから、考えたら良いや……

レダを抱き上げて、寝室のベットになだれ込むようによこになる。
今日は不思議な日だった。

ふふふっ…
思わず思い出し笑いをしてしまう。
レダがジト目で見つめてくるも、気にせず、そのまま夢の中に旅立った。




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