聖獣と聖女と黒騎士と

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出逢い

久しぶり

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久しぶりに訪れた街は活気に満ちていた。
街から外れたところに1人で住んでいる自分は、毎日ここに訪れる事はない。
天候にもよるが、ある程度売るべきものが出来上がり、生活に必要な物を買いに来るぐらいだ。

この年齢で、この生活は変だと思われるかもしれないけど、自分自身は満足している。
お洒落に興味が無いわけでは無いけど、恋愛とかには疎いのかもしれない…

目的のギルドに到着し、ギルド職員に荷物の荷下ろしを手伝ってもらう。
ポーションなどの荷物は量が多いから、受け渡し場所が入り口とは別なんだ。
勿論、大物の獲物を持ち込む時もこの場所を使うんだけどね。
小さい物とかは、入り口から入って、受け付けての隣に受け渡し場所がある。

「ニィーナ。今回もお疲れ様。これ預かりカードだ。受付に持っていけ。今回は良い馬を連れてるな。ハリーも乗ってきたか。」
「可愛いでしょ。新しい家族なんだ。」
「いつもの所に荷馬車を留めておけ。馬もな。良い馬だから、他に置くと持ってかれたら困るからな。させないけど!」
「うん、ありがとう!!」

ギルド職員のアルバートさん。昔傭兵とかしてたらしいんだけど、怪我して今ではここの職員をしている。
時々荒くれた人が来たりするんだけど、アルバートさんが対応してくれてるから、安心していられるんだって。
いつも優しいアルバートさんなんだけど、そうなんだ……

カードを持って、ギルドの受付に渡す。代わりの別のカードを渡されて、待合場所のテーブルについて少しお水を飲んだ。
お水はセルフで飲めるようになっている。有難いことに無料だ。
だからといって、大きな水桶に汲んでいくのはダメだけどね。水筒ぐらいなら汲んで行ってもOKらしい。

待合には、軽食やエールとかも置いてあるが、飲みすぎて暴れそうな人は、密かにどこかに案内されていた。
これも、安心して取引出来る理由の一つだ。

「ニィーナさん。準備が出来ましたよ」

呼ばれてカウンターに行く。
もらったカードを渡して、黒板のような不思議な板を、見えるように置かれた。

「今回のポーションと、お香と、薬草とで30000ルピアになります。ポーションがすごく良い出来で、いつもより多めですね。お疲れ様でした。こちらにいつ物をかざしてくださいね」

そう言われて、水晶のような石に腕輪をかざす。
一瞬光、ピロンと音がした。

「手続き完了です。スキルも少し上がってます。後で確認しておいてくださいね。それでは、またお願いします」

これで手続き完了だ。
この特殊な腕輪で決済ができる。身分証明もできる優れものだ。
特殊な物で、本人しか使えず、紛失しても、再度作って、自動更新される。紛失した物は再度作った時にデータは自動消去されるから、安心だ。勿論、ギルドで作ってもらう手続き上お金はいるが、安心価格だから、魔物討伐などで紛失や壊れても安心なんだ。私は討伐には参加しないけどね……

さてと、食材を買って、家に帰ろうかなぁ…
キレウスには、もう少し待ってもらおう。連れて歩けないしね…

そう思って、急いで買い出しに向かった。
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