番になんてなりたくない!

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冒険者

歓迎会で

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「どうした?」

クロさんに、そう言われながら覗き込まれた。
クロさんにこそっと呟く。

「ん…何か怪しい動きをしている者がいる。」

そ~っとクロさんの影に隠れながら、その者の事を伝えた。

「どの人?」

クロさんも、そっと私を庇うようにして、聞いてきた。

「向こうの、ウエイターの男の子。チラッと見えた右肩に、嫌な刺青が見えた。あれは、過去に私を拉致した所の…だと思う。」

クロさんが、目を細めて確認する。

チッと舌打ちしながらも、他のものに分からないように平然としながら、私をその人の視界に入らないようにしてくれた。

「後、もう一人、気になる。」
「どの人?」

あと、もう1人。誰もいない、やや天井に近い所を見ていた、あの男の人。

口元が動いて見えたんだ。そして、『見つけた。待っていろ!』と、誰に言ったのか、気になって、様子を見ることにした人。

その人の事も伝えたけど、あれ??クロさんと話していたら、何処かに行った。

肩くらいまでの、銀色の髪と紅瞳。魔術師の様な感じの男性。
身長は190㎝ぐらいありそうだった。

「今は居ないんだけど……」

そう言って、見た感じの特徴と、自分の感じた事を伝えた。
クロさんが何か考えている。何か知ってるの?心当たりある??

「まぁ、ウィルには無害だろうから…」

それだけしか、答えてくれなかった。
楽しい宴会も終わりを告げ、みんなでお開きとした。

気になるウエイターは、あれ以外、別に変わった感じはなかった。
ただ、信仰しているだけの、無害なら良いんだけどね…

店から出る時、店主や従業員の人たちに、入り口で見送られた。

「髪にゴミが」
「いっ……」

店員が髪のゴミをのけてくれた時、髪も一緒に引っ張られた。
数本抜けたかもしれない。

「すみません。大丈夫ですか?」

申し訳なさそうに、謝り倒す従業員は、さっきのウエイター……
クロさんが、すかさず私を庇うようにしながら、彼の手を掴んで確認くれたが、大事にしたくなかったので…

「大丈夫。ありがとう。」

それだけ言って店を出た。
クロさんは、相手の手に小さなゴミのような物しか握られてない事を確認して、彼の手を離した。

揉めたくない……
もう少し、この場所でいたいから……

みんなと別れ、3人で家路についた。
これが、今後に影響するとは、思っていなかった……
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