魔王の宝珠

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祖父の知人、同居人になる。

拾いました。

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今日もくたびれたスーツ姿で自宅に帰る。 
毎日通うこの道。
明日は土曜日で休みだ。

帰り道、近くのコンビニでお茶のペットボトルと弁当を買った。

今日も残業だったんだよね。
今は深夜。月明かりが綺麗だ。

ポツポツと灯っている街灯を頼りに自宅マンションへ向かう。
ここは亡き祖父から譲られたもの。
マンション経営で、最上階を自宅にしてたんだよね。
マンション以外は兄達が譲り受けている。

マンションの入り口のエントランスに誰か倒れてる。
どうしたんだろう??外国人のようだ。
「大丈夫ですか?」
そばによって声かける。
北欧傾の顔をした男性。虚ろな目をしてこちらを見る。
背は190㎝はあるだろうが、細身だ。色素の薄そうな金髪に青い瞳。いわゆるイケメンだ。

「すみません。友人に会いに来たのですが、この辺変わってしまって……しかもお腹がすいて……お金落としたか、取られたのか、なくて…困ってたんです。」
返事をした後、またへたってる。

いつも、困った人がいたら、手を差しのべていた祖父母に育てられた俺は、倒れてる男性に肩をかす。
「困った時はお互い様だから、家にきたらいいよ。この上だから。」
「よろしいのですか?願ったりです。助かります。」
「友人はこの辺に住んでいたんですか?」

もしかしたら、俺でもわかるかも…この辺は昔から住んでたし。
確かにこの数年で、マンションが増えたりしたから環境が変わっている。
このマンションも、昔は祖父母の自宅だった。
老朽化で建て直しが必要になって、そのままマンションに建て替えたんだ。
老後の資金にもなるからと。

ぐったりしてるのか、返事がない。
後からまた聴くか…

俺より背が高いから、少し大変だったが、難とかエレベーターを使って最上階へ。

最上階に上がると、直ぐに玄関先につく。
そのまま、玄関に入り靴を脱いでリビングのソファーに横たえた。

キッチンで買い置きの冷凍食品をレンジでチンして、ウォーターサーバーの水をグラスに注ぐ。

リビングのテーブルの上に買ってきた弁当とお茶。冷凍食品のカルボナーラとグラスの水を置いて、好きな方を勧める。

ムクッと起き上がったと思うと、瞳をキラキラさせながらワクワクしているようだ。

彼は日本食が良いと、弁当を持ってお茶を飲みながら食べ出した。

スーツを脱いでラフな格好になると、俺も一緒に食べ出した。

外国人なのに、器用に箸使うなぁ、しかも持ち方が綺麗だ…
そんなことを考えてた。

「で、誰の所に行こうとしてたんだ?」
「この辺に美神 幸太郎さんが住んでたとおもうんですが」
「……祖父ですが…」
「えっ、幸太郎の孫?」
「そうです。たぶん。」
「幸太郎は?」
「3年前に亡くなりました。祖母は5年前ですが…」
「そんなにたってましたか……人間の寿命は短いから忘れていた…」

小声で呟かれて、聞き取りにくかったからか、会話の違和感に気づかなかった。

「幸太郎には昔世話になって、この国に来たので会いに来たんです。来たときは手ぶらで泊まりに…と言われてたから」
「そうなんだ。」

祖父らしいなぁ…と思いながら、自己紹介をしていなかった事を思い出す。挨拶は大事だ。よく祖父母に言われてきた。

「俺は幸太郎の孫で、由希って言うんだ。」
「由希さんですね。私はフリードリヒ アルシュタインです。呼び捨てで、フリードと呼んでください。」
「じゃ、俺は由希で、呼び捨てにして。ユキでもいいよ。」
「素敵なお名前ですね。」
「そっか?死んだ両親がどうしても女の子が欲しかったらしくて、こんな名前になったんだけどな。美神 由希って、もろ女の子見たいだろ。見た目も女の子みたいだって良く言われるしな…」
あはは…苦笑いだ。

俺は昔から女の子によく間違えられてた。
兄達と違い黒髪の天然パーマで、童顔。
母親似らしいが、両親は幼い頃に交通事故で失くなってるからよくわからない。
写真で見る感じ、似てるような気もする。
身長もあまり伸びず、兄弟でも一番ちびだ。
165㎝あるかないか。
下手したら、女子に見下ろされてしまう。

「さて、風呂入るか?ちょうど入ったみたいだし。風呂場こっちな」
食後にコーヒー飲みながら祖父母の事、自分の事など話してたら、ちょうど沸いたようだ。自動で入れたから、楽だよな~

フリードを風呂場に案内して、着替えを渡す。
祖父は背が高かったから、祖父のを貸した。来客用の歯ブラシとかも準備して置いといた。
祖父の衣類はまだ少し残っている。お洒落な祖父だったからなぁ。

後片付けをして、寝室のベッドを整える。
フリードは背が高いから、ベッドが良いだろう。
俺は背が低いからソファーでも十分だ。

フリードが出てきて、肩にタオルをひっかけている。イケメンがすると色っぽいなぁ

「寝室そっちだから、ベッド使ってくれ。俺は風呂入るわ」
ベッドを勧めて、風呂に入る。
明日は休みだ。
フリードに付き合って案内とかできるな。

風呂からでて、ドライヤーで髪を乾かし、身支度整えてリビングに行く。
「ん?フリード、待ってたのか?」
「あぁ」
「ベッド使ってくれよ。俺はソファーで寝るから」
「どうして?狭いから身体痛めますよ。」
「俺、小さいから大丈夫だ。フリードは背が高いから向こうな。」
キッチンに向かい、水を飲む。
背後にフリードが立っていた。
「どうし…うわっ!!」
「身体痛めますから、一緒に寝ましょう。それとも何か問題でも?」
フリードに抱き上げられた。
いわゆるお姫様抱っこだ。
有無も言わさず、明かりを器用に消しながらベッドに運ばれ、腕の中に抱き締められる。
「離せ!!」
「離したら、ソファーで寝るでしょ。ダメです。それとも、私が怖いですか?」

色艶ぽい面差しで顔を覗き込んでくる。

「男同士だから、怖くない。」

ぷぃっと身体を回してフリードに背を向ける。

クスクス笑いながら、「可愛いですね…」と呟かれた。

やがて寝息が聴こえてくる。
腰に回された腕はほどけない。
まぁ、いっか。
そのまま夢の中へ落ちていった。
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