魔王の宝珠

文字の大きさ
40 / 40
魔界に連れ込まれ

体調が…

しおりを挟む
城に帰ってから、ゆっくりと時間が流れるかのような穏やかな日々を過ごしたが…………
何だか腹がおかしい……
ウズウズするというか、重だるいというか……
時々下腹が張るような……

フリードの姿を探すも、朝早くから執務室で仕事のようだ……
ガルシアが朝食の準備が出来たと声をかけに来た。もちろんアルホスも一緒だ。

「ガルシア、いい所に来てくれた。何だか身体が変なんだ……」
時折たって歩けないほど、変な感じがする……

ガルシアとアルホスが顔を見合わせて、アルホスは急いで医師を呼びに行ってくれた。
ガルシアはフリードに念話を送っているようだ。
そして、俺を支えて、ベットに移動させてくれる。

「もう少ししたら医師が見えます。それまで頑張ってくださいね。」
「何を⁇」
「多分、陣痛です。ただ、御自身で出産は無理なので、医師とフリードの様のお力が必要かと……」

う………腹が痛い。腰も痛い……

そうこうしていたら、フリードが髪を振り乱して寝室に入ってきた。
「ユキ、大丈夫ですか?」
「フリード?仕事は?」
痛みで虚になっていく……

フリードに口づけられて、何か温かいものが流し込まれる。
呼吸が落ち着き、痛みで意識が飛びそうになったのが抑えられた。

「魔力を少し分けたので、気分が少し落ち着きましたか?ユキは人間なので、魔力で分けないと出産に耐えれないかも知れないんです。」

そう言って、腰をさすってくれる。
腰が重だるくて、腹が張り裂けそうで……なんとも言えない感じが少し和らぐ。

やがて、医師がやって来て、簡単な診察後、出産用に準備してある部屋へ移動するよう指示された。
ガルシアとアルホスが部屋を温めたり、産湯の指示をしたりしている。
執事やメイド達が慌てて動き出す。

俺はフリードに抱かれて、部屋に運ばれた。
フリードに片手を握り締められ、そこから魔力を注がれる。
医師が魔法陣を展開し、魔手術が開始だ。

数分後、室内から大きな産声が聞こえ出す。
順番に取り出され、産湯につけられ、小綺麗にしたら、ベビー用の移動ベッドに寝かせていく。
3人とも無事生まれ、傷跡も残さないようにしてくれた。
ただ、医師より3人のお子を産まれたので、最低3日はベットで休むようにと言われた。

子供の魔力量が大きかったのと、3人も産んだから魔力のないものにおいてはかなりの負担が考えられるからだと……
よって、子供3人をほんの数分抱きしめて、ガルシアとアルホスに頼んだ。
「俺の子供……可愛い」
「ユキ、ありがとう。嬉しいです。子供やあなたのためにも、もっと良い国にして見せますね。ですが、今はお休みです。ユキの世話が最優先ですからね」
そう言って、一瞬涙したようだ。
抱きしめられ、顔中に口づけられた。

そこまで喜んでくれるとは思わなかったし、まさか、自分が本当に母親になるとは夢にも思わなかった……
今でも信じられない……
かなり痛くて、しんどかったけど……

子供達の為にも幸せになろう。
みんなで力を合わせていこう……

そう心に誓ったのだった………


Fine


このストーリーを読んでいただきありがとうございます。
機会があれば、子育て及び子供達のストーリーを書きたいと思います。
それでは、また。





髪の赤い方はガルシアです。魔神族です。髪が黒い方はアルホスです。吸血
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

敗戦国の王子を犯して拐う

月歌(ツキウタ)
BL
祖国の王に家族を殺された男は一人隣国に逃れた。時が満ち、男は隣国の兵となり祖国に攻め込む。そして男は陥落した城に辿り着く。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

処理中です...