4人の世界から外されたもの達

ユウ

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1章これまでの4人の人生

今までのウサギの子の人生

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私はトイレで座っている。
みんなに囲まれて。
痛い。  痛い。  痛い。
ずっと殴る。蹴る。
水をかけられる。
靴がなくなる。
いつも毎日カッターで切りつけられる。
腕とか、足とか、首とか、致命傷になるとこまで。
雑巾の絞り汁を飲まされる。
ずっとこんな毎日だった。
家に帰っても、「あんたはいらない子。なんで家に帰ってくるの?ここにあんたの居場所はないの。ほら、早く出ていって。」
私は生きていいのか。ていうか、生きている意味なんかないのだろう。誰にも必要とされない毎日。
私は叫びたいとか、助けてとかも言えずに感情すらも出せなくて、出せなすぎて、心の奥に自分なりのSOSを閉じ込めてしまった。

もう、いいや。疲れた。何もかもが。
だってこの世界に私の居場所なんて、一欠片もないんだから。
うん。よく耐えた。よく耐えたよ。自分。

















私は今、反吐が出るような人生を終わらせる為に死者の国の道を歩く準備をしている。
そう。屋上だ。
学校の屋上で、私のこの嫌な人生を終わらせてやる。
…やっぱり誰も来ない。先生も。
気付かないだろうけど、けどっ…やっぱり誰かに気づかれたかった。

もし生まれ変わったら、みんなに愛されたい。
ギューッと抱きしめて欲しい。
「愛してる。」
って親に言われてみたい。
いつか、好きな人ができて、結婚して、子供が産まれたら、私はその子を一生愛す。
そんなことが出来たら…
私は屋上の手すりに強く捕まり、顔を伏せ、ずっと泣かないように耐えた。
大きくいち呼吸すると、私は後ろに振り返った。
そして、「サヨナラ。」と自分にしか聞こえない声で呟くと、後ろから落ちた。
もう、この人生が、終わる。
やっと終わる。辛かった。嫌だった。
疲れた。
私のお面は周りのみんなに壊された。
壊された瞬間、私はこの世界から排除されたのだ。
自分でも治した。けど、完全には治らなくて、変な形になった。
目の色が変だから、鋭い目をしてるから。
そう虐められるのなら、
私は貴方たちに言いたい。
あなた達の方がよっぽど目付きが悪いわって。
今までほんとに最悪だった人生。
━━━━サヨナラ━━━━














━━━━━━━━━━━━━━━アレ?
私は…………………生…き…て、る?
嘘だ
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!!
嘘だ。もうこの人生を終わらしたかったのに。
もう落ちるきょうふを味わいたくないのに。
私は泣き続けた。
朝も夜も。ずっと。
涙が枯れるんじゃないかと思うくらい泣き続けた頃、子鳥のさえずりが聞こえた。
肩に小鳥が乗る。
「見上げてみなよ。」と言われてる気がした。
ふわっと暖かい光が私を包む。
のろのろと立ち上がると、そこにはとてつもなく綺麗な景色が、広がっていた。
ああ、私はここにいたい。
もう殴られたり、蹴られたりすることもなくし、カッターでかっ切られることもない。
親に蛆虫を見るような目で見られるようなことも   もう、無くなるのだ。
そして、私の周りは私が死んだと思うのだろう。
私はこの世界から消えたと…

そこに巨木がある。登るのはウサギの種類だったからか高くとべて、上手くできた。
そこからの景色は抜群で何時間も時を忘れて見ていられた。
私は働くことを決めた。ここの世界では年齢偽装は普通なのだ。
とある、不思議な雑貨店。
自分に1番思入れのあるものしか売らない店。
お店が凄く魅力的で入った途端、とても心地がいい気がした。
そこの店主は白髪の狐のおじいさんで、とっても優しかった。
ーー『なんでこんなにボロボロなんだい?家出でもしたのかい?お風呂に入るといい。17歳?ホントの年齢は?食事は摂ったのかい?寝床は?』ーーー

なんて優しい方だろう。おじいさんは食事をくれ、お風呂に入らせてくれ、ホントの年齢を言っても怒らなかった。それに新しい服もくれた。
何故だろうか。私は涙を流しながら食事を済ませた。
「泣きながら食事を摂るなんて、美味しくなくなるよ。」
ああ、暖かい。
私は愛されてる気がした。とっても。
でもそのおじいさんにはちゃんと愛する家族がいる。
だから私はお邪魔だと思った。
「良いのかい。私の家に暮らしてもいいんだよ。」
「いいんです。あそこの森でずっと見ていたい景色があったので、あの景色と共に過ごせたらなって。」
ちょっと変な言い訳だけど、ホントのことだし…
「じゃあ、あそこのガラクタ、良かったら持っていきなさい。後、働き終わったらいつでもお風呂に入っていいからね。食事も。」
ほんとになんて優しいのだろう。
「ありがとうございます。」と深々とお礼をした。
おじいさんが小さく「…ホントに似てるね。」と呟いた。
私は聞かないふりをした。



ある日、私は働いたお金で、食材を買っていると、食材を震える手でつかもうとしていた男の子がいた。
その子はお面が顔の下半分を覆っていた。
目はものすごく泣きそう。きっと、盗みからじゃない何かを抱えているのだろう。
なんだろ。助けて欲しい。というのが感じる。
私はその男の子に話しかけた。対面すると、身長が私より結構高くてびっくりした。
おそらく年上だろう。私の同じウサギで耳が垂れている。
そして、髪が白い。アルビノだろうか。
私はおじいさんが助けてくれたみたいに彼に話しかけた。
私はいつも住んでる森へ行き、色々お話した。
同じ年齢で、名前が無い、名無しの権兵衛君。
私は一晩中考えて、彼に名前をつけることにした。
いつまでたっても名無しの権兵衛君じゃ嫌だもの。
「貴方のお名前を考えてみたの。
気に入らなかったらごめんなさい。捨てちゃって構わないわ。」
「…え?ホントに?僕の名前を考えてくれたの…?」
「ええ。  あなたの名前は『ウルカ』。」
「ウルカ…」
ウルカは泣いた。とっても嬉しそうに。
「ありがとう。」って声にならない声で言った。
とてもか弱く、そして、優しい人だった。
まだ彼の身に何があったのか知らないけど、彼を救ってあげたい。と思った。
自分のことで必死だったのに。
こんな周りの人のことを思えるような余裕みたいなのができたのだ。

数日後、ルクアが女の子と一緒に拠点にいた。
彼がその子を救いたい。と思ったからだろう。
女の子は金髪のツインテールをしていた。
ムラサキのパーカーに、黒のワンピース。
それに…顔を全部覆い隠すお面。
でも背がほんとに小さくて可愛かった。
妹見たいで。娘な感じがして。
ギューッと抱きしめた。
いきなり抱きしめられたら困惑するかと思って「ごめんなさい」と謝った。
そしたら、泣く音が聞こえたのだ。
「ありがとう。」と言って。
ラムアと寝る時、ラムアは「自分の顔が嫌い。みんなが見てしかめるの。自分の顔を見たことがないけど、嫌い。」と言っていた。

でも違う。私達はお面を外していい日がある。
1週間に1度。日曜日に。何故こんな法律なのか全然わからなかった。住民は別に外したいわけではないからと日曜日になってもつけている。
だからみんなの素顔がみたい。とお願いしたところ、ウルカは意外と可愛い顔をしていて、
ラムアは…お人形さんみたいだった。
目がとても大きくて、ムラサキ色をしていた。
鼻は高く、唇は小さくてピンク色。
なぜ、周りはラムアの顔を見て、しかめたのだろう。多分嫉妬なのか…そんな感じだろう。
私はまだ2人の過去を知らない。


毎日がとても楽しかった。
充実しすぎて、夢なのかと思うぐらい。
ある日、シャボン玉みたいにパチンと、割れてしまうのかと思ったくらいだ。
もうこの人生終わらせてしまいたい。と思っていたのに。今じゃこの人生を終わらせたくないっと思っている。

何ヶ月か経ったある日、
ラムアと商店街で、男の子と会った。

実物でこの種類は見たことが無かった。
多分世界中の人々が見たことがないと思う。
ラムアもびっくりしている。
確か、本で見たような…
彼はものすごく傷ついた顔をしていた。
だから、声をかけて、一緒に生活をすることを提案したのだ。





彼は獣人ではなかった。



















『人間』という名の種類だった。
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