恥辱のピアノコンクール

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ピアニストが徹底的に犯され,羞恥責めのピアノ演奏をすることを誓わされる(後半)

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「ピアノコンクールでは,まずこれをつけてもらおうかね。これはなかなかの優れものなんだ。倫子,おまえも気に入るよ」

喜一は,テーブルの上に置いていた小さな容器を開けると,指ですくった。指につけたクリームをぐったりしている倫子の蕾に塗っていった。蕾は,重蔵に揉まれて,すっかり柔らかくなっていた。

「ぁあんっ……あっ,そこは……」

お尻への愛撫に意識がはっきりしてくる。喜一は,お尻の穴のしわ一枚一枚にまで丁寧に塗っていく。

「これはね。強力な媚薬でね。どんな女もこれを塗られれば,淫乱そのものよ。これを塗って,コンクールで演奏するんだ。おまえがどんなに踊ってくれるか,楽しみでならんよ。くくく」

「うししし。もちろんオマンコにもアナルにもぶっといバイブを入れてやるわ。もう天国の中での演奏じゃ。うれしかろう?」

恐ろしいことを笑いながら話す悪魔達。

話を聞きながら,気が遠くなる思いだった。このコンクールに向けて,朝から晩までピアノ室にこもり,ずっと練習してきた。もちろん周囲の期待に応えたいという思いもあったが,小さいときから応援してくれた母の夢を叶えたいと必死に頑張ってきたのだ。それなのに,あろうことかコンクール当日で,卑劣な悪巧みを楽しそうに話す男達の気がしれなかった。

だが,倫子の思いもすぐに身体の変化で吹き飛んでしまった。お尻が熱くて熱くてたまらないのだ。あきらかに今塗られている媚薬の影響だった。

「はぁぁっ……お願い……もう,やめて…」

「何がやめてだ。もう欲しそうにお尻を振りやがって。お尻だけじゃないぞ。クリもオマンコもたっぷり塗ってやるからな。大サービスだ。わはははは」

突き出たお腹を揺らしながら,指をお尻の中へスルリと入れてきた。直腸への道をほぐしながら,隅々まで塗っていった。火照ったお尻が,喜一の指によって癒やされていく。我慢できないほどの強烈な疼きが,指一つ一つの動きで,天にも昇る気持ちよさに変わった。

「ぁぁああっ……はぁぁぁっ……いいっ……き,気持ちいい……」

「どれどれ。わしも手伝ってやるか」

そう言って,重蔵は倫子をうつ伏せから仰向けにさせ,媚薬をべっとり指につけ,陰核に塗っていく。陰核は,いまだ勃起したまま皮から半分顔を出していた。皮を中指と親指で掴み,ぐっと下に引っ張った。すると赤く充血した陰核が,ぷるるんと勢いよく飛び出した。

やや大きめのクリトリスをヌルヌルと塗っていった。塗られながら陰核が,ピクピクと歓びをあらわし,オマンコから大量の愛液を溢れさせ,喜一が黄門をほじほじしているところまで濡らしていった。

「あ,あ,ああっ……あああああっ……はぁああっ……だめ……お,おかしくなっちゃう…ぁぁああっ…」

喜一は,倫子のお尻の感度の良さに気を良くし,顔を緩ませながらぐちゅっぐちゅと腸液の音を立て,ズボズボ犯していった。

重蔵は,相変わらずねっとりと粘着質に陰核を責め立てた。隅々まで塗ると,さらに重ねて何度も何度も媚薬を塗り,仕上げとばかりに扱き始めた。

陰核は,執拗に薬を塗られ限界がきていたところに,扱かれて悲鳴を上げた。ピクンピクン跳ねている陰核を見て,にまッと気持ちの悪い笑みを浮かべ,のたうつ陰核をしばいていく。

「ひぃいいいいいっ……ぁぁぁぁああああああっ……ひぃぎぃいい……」

後ろ手に縛られた身体は,強烈な快感に全身に力が入り,ブリッジのように腰が浮いていった。突っ張った身体が,プルプルと震えている。

今まで経験したことのないような大きな津波となって倫子を襲ってきた。目の前に天国の扉が開いている。その瞬間,二人は息を合わしたように,ピタリと動きを止めた。期待を裏切られて萎むように,腰がゆっくりと下に落ちる。

「そ,そんな……どうして……」

「なんじゃ。簡単にイカせてもらえると思ったのか。何を甘いことを言ってるんじゃ」

すぐ目の前までこれまでない天国が迫っていたのだ。あと少しというところで,生殺しのように放置されることに耐えられなかった。燃えたぎった身体をどうにかしないと,本当に気が狂いそうなのだ。

「お,お願い…何とかして……」

「うししし。イキたければ自分でどうにかするのじゃ。ほれっ,おまえの身体を慰めてくれるものがあるでのぉ~」

重蔵の視線の先には,仰向けでイチモツに媚薬をたっぷり塗りつけ,シコシコと扱く喜一の姿があった。大きくエラの張った毒々しいまでの怒張が天を突いている。

「自分から入れるんじゃよ。おまえを天国につれていってくるぞ。うししし」

倫子は,吸い込まれるようにふらふらと喜一に近づいた。先ほど自分を狂わしいまでによがらせた怒張が目の前にあった。

(あぁぁ…欲しい……)

思考のすべてが,絶頂に達したいという一点に向けられた。生唾を飲み,心から欲したものを手に入れる歓びに,手を震わしながら喜一のペニスを握った。そして,オマンコの入り口に入れると,ゆっくりと腰を下ろしていった。

ズブッ  ズブズブズブズブッッ

「あぁぁぁぁぁぁ……いいっ……すごくいいっ…」

倫子の腰がさらに沈んでいく。大きな怒張が深々と膣奥まで埋め込まれていった。倫子は,甘い声をあげながら,歓びに打ち震える。仰け反りっぱなしにして[[rb:呻 > うめ]]き,喘いだ。

「あ,あ,ぁぁぁああ……ぅぅうんっ……いやぁ……」

いやと口走りつつも,倫子の意思とは無関係に爛れきった肉襞が,犯してくるものを待ちかねたように絡みついていった。

「すごい締め付けじゃないか。褒美に一突きくれてやるよ」

喜一は,奥まで入ったペニスを,腰に勢いをつけてさらに奥へと突き上げた。

「ひぃいいいっ…ぁぁぁぁぁっっ……」

怒張がさらに押し入ってくる感覚に,倫子の足の爪先が、内側へ曲がる。ズズッと肉塊がさらに押し入ったその先はもう倫子の子宮に達し,それを押しあげるように抉った。

「ぁぁああぁぁ……気が変になるう……」

あまりの深さに,倫子は白眼を剥いて,絶息せんばかりの声を絞った。脳が痺れ,目の前が霞んでくる。

倫子は,目を瞑り,ゆっくりと腰を振り始めた。腰を動かせば動かすほど,喜一の逞しさ,女を喜ばす形を感じ取り,味わうように締め付けた。

「あ,あ,あんっ…はあああっ……いいっ…・・ぁぁああっ」

重蔵が,後ろから手をもぐり込ませて,倫子のアヌスに指を挿入した。包み込むように柔らかく指をしっとり締め付けてくる。

「ぁああっ…だめ……あぁんっ…お尻,感じちゃう……」

お尻を抜き差しすると,指がより深く入るように指の動きに合わせて腰の動きを変えてきた。

(うししし。メスの素質十分じゃな。徹底的に奴隷にしてやるわ)

喜一のたくましい肉塊が倫子の媚肉に深々と押し入っているのが,薄い粘膜を隔てて,蕾に埋めこんだ指にも感じとれた。重蔵は蕾に埋めこんだ指を,オマンコを抜き差しする喜一の肉塊と擦り合わせるように動かした。それに合わせて,倫子も淫らにグイッグイッと腰を振る。

「ぁぁぁぁぁあああっ……たまらない…オマンコも…お尻も……気持ちいい…」

媚薬に犯された全身を火のようにして,狂ったように身悶え,腰を振った。

自ら快感を貪り,めくるめく官能の渦にのめり込んでいく。レイプされている現状や今後の自分の未来などすでに頭の片隅にもなく,あるのは、身体中が蕩けるような肉欲の愉悦だけであった。

「うししし。お尻をこんなに食い締めよって。チンポ入れるのが楽しみじゃわい」

「フフフ、激しいな。コンテストでどんな鳴き声をあげるのやら」

喜一はゆっさゆっさと揺れる豊満な乳房を揉みしだいた。縄にしぼり上げられた倫子の乳首が,固くしこって突き出ていて,指先で弾いてやると,やるせなさそうに甘い声を上げる。

「ひぃ,ひぃいっ……あぁぁぁっ……いいっ……乳首,もっと……」

倫子は,喜一のペニスのより深く味わうように腰を上げて,お尻を勢いよく落としていた。そのたびに醜悪な怒張が,生々しいまでに深々と膣奥を突き刺していく。ドスンドスンという激しい音が部屋中に鳴り響く。

「んんっ…あ,あ,あんっ……ああ……もう,もう……」

倫子の動きがますます激しくなっていく。それとともに喘ぎ声が大きくなっていった。

突然,まるで電気でも流れたように,倫子は全身をブルッ、ブルルッと震わせたかと思うと,

「あ,あひぃいいっ……ひいっ,ひぃーーー」

昇天してしまった。倫子のあれだけ激しかった動きがピタリと止まる。そして,抱きつくように喜一に身体を預けた。まるで嵐のあとの静寂のように静けさが戻った。

「次はオレの番だな」

その静寂を破るように第二幕が始まった。

今まで全く動かなかった喜一はゆっくりと腰を使い始めた。いっぱいに埋めこんだ肉塊の先で,グイッ,グイッと子宮を抉りあげる。腰が倫子の身体を持ち上げ,リズムよく上下する。

媚薬で犯された身体は,たった一回の絶頂では,全く満足できていなかった。何度も何度も擦り込まれた媚薬は,これからだとばかりに倫子の身体を蝕んだ。逆に一度イッたことで,種火が燃え広がるように一気に暴走していった。
 
 「あ……あ,ああ……ぁぁぁああっ……はぁぁっ……あっ,あんっ……」

喜一の律動が次第に激しくなるにしたがって,「あんっ,ぁあんっ」と甘い啼き声を上げ始めた。子宮を抉り上げられる強烈な快美感に,甘い官能の世界に支配されていく。たちまちどうしようもない快感の沼に沈んでいくのだった。

「はぁっ,はぁっ……あああ……あ,あ,あん,ぁぁっっ……んんっ……ぁあああんっ……」

喜一は,倫子の腰をがっちり掴み,狂ったように啼き悶えている倫子をさらに激しく揺さぶり始めた。倫子の身体が浮いては,愛液でびっしょり濡れた怒張が姿を現す。テカテカと光り,女を生き血とする蛭のように喜々としてオマンコの中を責め立てていた。喜一の突き出たお腹が,倫子の身体のクッションになっていた。

「あああああっ……いいっ……もっと……もっと突いて…はぁぁぁっ……気持ちいい……ぁあああんっ…」

喜一の激しい動きにつれて,倫子はあられもない啼き声とともに欲望を口にした。抑えても抑えても淫らな感情が噴き上がってくるのだ。強烈な性欲は男も女も関係ない。

そこへ,にやにやとシワだらけの顔をくちゃくちゃにした重蔵が,ペニスを挿入してきた。60歳を前にした男の怒張とは思えないような隆々とした怒張が,粘膜を擦りながらお尻の中へ押し入ってくる。熱い火照りを癒やす救世主のように肛門括約筋が迎え入れ,ぎゅぅぎゅぅと締め付けた。

「いぃいいいいっ……お尻,いいっ……気持ちいい…ぁあああっ……おかしくなっちゃう……」

「倫子は,お尻が本当に好きなんじゃな。ほらっ,もっとくれてやるわ」

喜一の動きに合わせて,ペニスを薄い粘膜を隔てて擦り合わせた。倫子は,前も後ろも同時に責められては,たまったものではなかった。

「ひ,ひいっ……ぁぁぁあああああっ……ひぃぎぃいい……」

重蔵はネチっこく抉りつづけ,喜一は,さらに激しく倫子を突いた。

艶髪を振り乱し,折れんばかりに仰け反ると倫子は白眼を剥いて,にわかにガタガタと双臀を震わせた。倫子はもう,気も狂うようなすさまじい官能の快美に翻弄されていた。
 
「ぁぁぁぁあぁあ,あああああああ……狂う……狂っちゃう……ぁぁぁあああっ」

「うししし。ほれ,ほれ,狂っちゃえ」

「ひぃいいいいっ…い,いくぅ……」

「倫子。これくらいでダウンするなよ。まだまだこれからだぜ」

「ぁあああっ…もう……むり……むり,むり……死ぬ,死んじゃう……」

喜一が倫子のたわわな乳房を握り締めて乳首を親指と人差し指でぎゅっと潰す。ピリピリとした刺激が子宮にたまらない快感となって降りてくる。腰はまるで[[rb:楔 > くさび]]を打ちこむようにドスン,ドスンといった感じで倫子揺らした揺らした。

重蔵は,そんな喜一の動きに合わせて,粘っこく怒張を突いてくる。

「ひぃぎぃいい……ぁぁぁぁっっ……死ぬ,死ぬ……ひぃいいいっっ…」

悪魔達に前と後ろから抉り上げられて,倫子はもうくるおしいまでに啼き悶えるしかなかった。

「ぁっ…………………ぅうっ……………・ひ………………」

もう息もできない様子で,倫子は白眼を剥きっぱなしになった。

唇を開いてまま口端から涎を垂らし,総身を汗びっしょりにしてのたうつ姿からは,美貌のピアニストとして周囲から尊敬と憧れを一心に受けていた女性とはとても思えなかった。そこにいるのは,性に溺れた一匹の牝犬。だが,それがかつてないほどの恍惚とした快楽を与えるのだった。

(ぁぁぁぁぁぁ……死ぬ,死ぬ,死ぬ……でもいいいっ……それがいいの……殺して……)

身体の奥底でドMの性が唸りを上げて叫ぶ。

「ぁぁぁああ………………も,もう……………………」

「うししし。またイクんじゃな」

重蔵が聞くと,倫子は今にも気を失わんばかりの顔でガクガクと頷いた。重蔵のペニスに絡みついてキリキリと締め付けてくる感触からも,倫子の絶頂は近いと感じた。

追い立てるように喜一は,腰を叩きつけた。重蔵も,深く入れたバイブを中でこねくり回す。

「ひ,ひぃ…………い,いくぅ……いっちゃう……ひぃいいいっ……」

二人は,倫子を牝そのものに変えるつもりなのだ。

ペニスを見るだけで濡れ,絶頂をひたすら追い求める牝。
世界最高のピアニストにして,SEXなしでは生きられない牝。

「まだまだこれから,これから。朝までずっと狂わせるんだからよ」

「そ,そんなッ……ぁぁぁあ、ああっ……」

絶頂で身体を休める暇もなく,一足飛びにまた昇天へ向かった。

終わりのない激しい責めに,仰け反り,ガクガクと跳ねながら倫子は一段と身悶え,乱れていった。重蔵が後ろ手をほどいてやると,喜一をぎゅっと抱き締めた。

この快感を逃すまいとでもいうかのように必死に抱きつく。

「ぁぁあ……あああああああっ,死ぬ,死んじゃうぅぅぅ……」

倫子の頭の中は,絶頂に登りつめたいという本能だけが、ドロドロと猛烈に渦巻いていた。このままイキ死んでも満足に死ねる気がした。小鼻をヒクヒクと吹き拡げ,唇をパクパクと喘がせて,眼尻を吊りあげた倫子の表情は凄惨ですらある。あまりの官能の快美,それはほとんど苦悶に近い表情だった。

「ひ,ひいーーーーひッ……あぁぁぁぁ……ま,また………ぁぁああああ」

全身に力が入り,倫子の抱き締める手の爪が喜一の肌に食い込んだ。

「ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ……いくっ,いく……」

倫子は一気に官能の絶頂へと追いあげられた。総身をブルブルと揉み絞って、驚くほどの収縮を見せ、前の肉棒とアナルの怒張とをキリキリと食い締める。

その瞬間を狙って,重蔵は,ロータのスイッチを入れ「最強」にしたものを,手を前にもっていき,クリトリスに当てた。暴れ馬の如くもの凄い振動が,倫子の陰核を襲った。

その一撃で倫子はさらに深い絶頂に登りつめた。

「ひ,ひい゙い゙っ……いぐ,い゙ぐゔ……い゙ぐぅ゙ゔゔゔゔっっ…」

野獣のように口走って,倫子は仰け反らせた裸身に生々しい痙攣を走らせた。縛られた縄によって肌に食い込んでいく。

「いぐゔぅ゙ゔゔゔゔゔっっ……ひっ,ひっ,い゙ぎま゙ずーーーー」

何度も何度も絶頂を口にして,キリキリと総身を収縮させ、そのたびに痙攣がすさまじいまでに大きくなった。女体の芯を燃えカスさえ残らないまでに灼きつくす,眼もくらむ恍惚だった。満足そうに笑みを浮かべそのまま動かなくなった。

その妖艶で菩薩のような幸せな顔に,喜一と重蔵は,目を奪われ,声を失うのだった。





その日から,ピアノの練習は,猛特訓を連日行ったが,その合間に二人によって凌辱を受け続けた。数えきれないくらいの絶頂をし,精液を飲み干した。

凌辱は,ピアノの練習中も容赦なく行われ,秘部やアナルを突かれながらも演奏をすることを要求される,過酷なものだった。

そして,ピアノコンクール当日がきた。

その日は,早く会場入りし,2人のところに来るように言われていた。何をされるか分かっているだけに,全身が鉛をつけられたように重かった。

コンクールのために新調した赤いドレスを着て,ホールに入った。

すると,奥の方から長身のはっとするような美しい男性が歩いてきた。センターパートに分けた綺麗な黒髪に,目鼻立ちが整った顔につい目を奪われてしまう。

「颯爽」という言葉はこんなときに使われるのであろう。流麗な身のこなしの一つ一つがまるで映画のワンシーンのようだ。年齢は,30代といった感じで,スーツがよく似合っていた。

名前は,[[rb:檜山 心 > ひやま しん]]。

倫子は,この男性をよく知っていた。知っていたというのは,直接会ったわけではなく,音楽界にいるものは誰もが知っていた。10代の若さにして,世界的なピアノコンクールで次々に第一位を獲得し,短期間のプロののち,実業家に転向した。そして,あっという間に大企業へと成長させたのだった。

今は,音楽界へのスポンサーとしてサポートし,大きな影響力をもっていた。

今回のコンクールでも多額の協賛金を出すとともに,檜山自身は,審査委員長を務めることになっている。

どんよりとしていた空気が,一気に緊張へと変わる。審査員長への印象も上げれば,審査もよい方向へいくかもという打算も働いた。

「園田倫子さん…ですよね。檜山心と申します。園田さんの演奏は何度か聴かせていただいています。今回も審査委員長という立場ですが,園田さんの演奏を聴くのを楽しみにしています」

「は,初めまして。園田倫子です。そう言っていただけるとうれしいです。精一杯弾かせていただきます」

どうやら自分のことを以前より知っていたらしい。自分へ興味をもってもらっていると知り,なんだかうれしくなった。

「あの~,わたしの演奏を聴いてどう思いますか」

せっかくの機会なので,自分の演奏についての感想を聞いてみた。檜山ほどのピアニストなら有益なアドバイスももらえるのではという期待もあった。

「そうですね~。審査委員の中には,すでにあなたが第一位だと太鼓判を押すものもいますよ。演奏もしていないのにね。」

なんだか可笑しいといった感じで,楽しそうに話す。そんな笑顔もぐっと引きつけられてしまう。切れ長の瞳に長い睫毛。その美しい瞳に見つめられると,何も言えなくなりそうだ。

「技術的には,すぐにもプロとして活躍できると思いますよ。実に素晴らしいです。今回のコンクールでも第一位を園田さんにと言われれば,喜んで賛成しますよ。ただ……」

そう言って,笑みがふっと消え,涼しげに倫子に顔を向けると,すっと近づいてきた。ふんわりと優しく甘い香りが,倫子を包んだ。優しい声が続く。

「ぼくは,あなたの演奏に何の魅力も感じません。うちのグループは,優れた音楽家をサポートしますし,今回のコンクールで第一位をとった人には,援助を惜しみませんでしたが,あなたには一切何もしないと約束しますよ」

倫子は,檜山の言葉に全身が震えた。優しい口調なのに,残酷なまでに辛辣な言葉。天国から一気にどん底まで突き落とされた気分だった。

檜山は少し下がると,にこっと微笑んだ。

「ではこれで。園田さん。お会いできてうれしかったです。では演奏頑張ってくださいね」

そう言うと,颯爽とした姿で,会場を出て行った。
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