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第2話 登校
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この辺で一番標高が高い山のてっぺんに君臨する寺田神社の長い階段を下ると、そこには見慣れた顔が待っていた。
「おはよー、今日も陰気臭い顔だね、神様が逃げちゃうよ?」
「もう逃げられちまったんだよ」
「あら?神社の息子なのに?」
そう言って楽しそうに笑っているこいつは、幼稚園からの幼馴染である佐藤瑠美(さとうるみ)。
胡桃色に綺麗に染め上げられた髪を耳にかきあげるその姿はドラマのワンシーンのようだ。
容姿端麗で、1年生ながらバスケ部のエースを務める彼女は、文字どおり注目の的であった。学校に行けば彼女を知らない人はいない。
「あら、そういう一休くんも学校じゃ知らない人はいないくらい有名じゃない?」
少し前を歩く瑠美はこっちに振り返って地の文に入りこんで来た。確かにその通りではある。
校則がないとは言え、そこそこ進学校の桜町ヶ丘高校で前髪をあげて後ろで縛るイブラヒモビッチのような髪型をする人はもちろんいないし、ピアスを開けている人も少ない。
そう言った俺の外見から、様々な噂が学校上を渡り歩いちまったってわけだ。俺は不良の各印を押され、全校生徒からビビられてる。
「そういう瑠美さんは俺のこと怖がってくれないんすかね?」
「怖くないよ、2年前は丸坊主の真面目なサッカー少年だったんだから」
こういう奴がいると助かるな本当に。毎日階段の下で待ってくれている瑠美の顔を見ると、なんだか元気が出るし安心する。
「それとも怖がったほうがよかった?今大声出したらどうなるかな?」
「おいおいそれはやめてくれ」
狭い路地裏。可愛い女の子に見た目ヤンキーの小汚い男。間違いなく裁判で負ける。
「ま、本当は優しいの私はよく知ってるよ」
「優しくなんて、、」
「一休は優しいよ」
そう言った瑠美の目は真っ直ぐで、輝いていた。決して情けで行っているようには見えない。
「そういうお前だって…」
「さぁて、私はバスケ部の朝練あるからこの辺から走るね!じゃあまた学校で!」
なに自分の発言に恥ずかしがっているんだ。顔を耳まで真っ赤に染めた彼女は取り繕うように走って先をいってしまった。
瑠美と別れ、一人学校へと向かう。学校に近づくにつれ、桜町ヶ丘高校の制服を着ている生徒たちが多く見受けられる。
(...あの人ってうちの高校の番長じゃない?)
(...そうそう、あの人他校に一人で乗り込んで、一人で全員やつけちゃったんだって)
(...え?やば!ってかこっち見てるって、逃げよ逃げよ)
どこからその噂が立っているんだか...。そもそも一年生で高校の番長って俺はROOKIESかなんかに出てた人ですか?
でもこんなの日常茶飯事だし別に気にならない。桜町ヶ丘高校に続く一本道の両脇には桜の気が満遍なく植えられているが、4月後半にもなれば全て葉桜に変わってしまっている。
時間が経てば、街並みが変わるように、俺もいつか神様を信じることができるのだろうか。
そんな寺田一休の目の前に神様が現れるまで後2時間・・・。
「おはよー、今日も陰気臭い顔だね、神様が逃げちゃうよ?」
「もう逃げられちまったんだよ」
「あら?神社の息子なのに?」
そう言って楽しそうに笑っているこいつは、幼稚園からの幼馴染である佐藤瑠美(さとうるみ)。
胡桃色に綺麗に染め上げられた髪を耳にかきあげるその姿はドラマのワンシーンのようだ。
容姿端麗で、1年生ながらバスケ部のエースを務める彼女は、文字どおり注目の的であった。学校に行けば彼女を知らない人はいない。
「あら、そういう一休くんも学校じゃ知らない人はいないくらい有名じゃない?」
少し前を歩く瑠美はこっちに振り返って地の文に入りこんで来た。確かにその通りではある。
校則がないとは言え、そこそこ進学校の桜町ヶ丘高校で前髪をあげて後ろで縛るイブラヒモビッチのような髪型をする人はもちろんいないし、ピアスを開けている人も少ない。
そう言った俺の外見から、様々な噂が学校上を渡り歩いちまったってわけだ。俺は不良の各印を押され、全校生徒からビビられてる。
「そういう瑠美さんは俺のこと怖がってくれないんすかね?」
「怖くないよ、2年前は丸坊主の真面目なサッカー少年だったんだから」
こういう奴がいると助かるな本当に。毎日階段の下で待ってくれている瑠美の顔を見ると、なんだか元気が出るし安心する。
「それとも怖がったほうがよかった?今大声出したらどうなるかな?」
「おいおいそれはやめてくれ」
狭い路地裏。可愛い女の子に見た目ヤンキーの小汚い男。間違いなく裁判で負ける。
「ま、本当は優しいの私はよく知ってるよ」
「優しくなんて、、」
「一休は優しいよ」
そう言った瑠美の目は真っ直ぐで、輝いていた。決して情けで行っているようには見えない。
「そういうお前だって…」
「さぁて、私はバスケ部の朝練あるからこの辺から走るね!じゃあまた学校で!」
なに自分の発言に恥ずかしがっているんだ。顔を耳まで真っ赤に染めた彼女は取り繕うように走って先をいってしまった。
瑠美と別れ、一人学校へと向かう。学校に近づくにつれ、桜町ヶ丘高校の制服を着ている生徒たちが多く見受けられる。
(...あの人ってうちの高校の番長じゃない?)
(...そうそう、あの人他校に一人で乗り込んで、一人で全員やつけちゃったんだって)
(...え?やば!ってかこっち見てるって、逃げよ逃げよ)
どこからその噂が立っているんだか...。そもそも一年生で高校の番長って俺はROOKIESかなんかに出てた人ですか?
でもこんなの日常茶飯事だし別に気にならない。桜町ヶ丘高校に続く一本道の両脇には桜の気が満遍なく植えられているが、4月後半にもなれば全て葉桜に変わってしまっている。
時間が経てば、街並みが変わるように、俺もいつか神様を信じることができるのだろうか。
そんな寺田一休の目の前に神様が現れるまで後2時間・・・。
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