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3章 豪華客船の上で
兄と妹
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微エロです。
──
真っ白なシーツと布団に埋もれながら。裸の私は、まだ服を着たままの探偵の上にのっている。彼の胸に手をのせて。自ずから、彼の唇にキスしている。
「好きよ、怜」
彼の瞳を見ながら。彼への愛を囁く。
「好き。愛してる」
再度、彼に言う。しかし、彼からの返事はかえってこない。いつものニコリとした表情で、私を見るのみだった。感情が読めない。私の心の奥底に、黒いどす黒い物が広がっていく。
いつも、好きって言ってくれてるのに。可愛いって言ってくれてるのに。なぜ、早く、その言葉を返さない。今、私はあなたからの愛の言葉を待っているのに。
しばらくの沈黙の後に。彼の唇が、ゆっくりと動いた。
「……ごめん」
その言葉に、私は絶望する。
なんで、私の事、好きって言ってくれたじゃん。恋仲にならないかって、言ってくれたじゃん。
やっぱり、遊びだったんだ。ただただ私をからかってただけなのか。私の頬に一筋の涙がこぼれる。こぼれた涙が、彼の頬に落ちる。
なんで……
なんで……
なんで……
「なんで、私が、フラれているのよぉおおおっ!」
その声で、私は目を覚ました。どうやら、さっきまでの出来事は夢だったようだ。そりゃそうだ。私、やつのこと好きじゃないし。自分から彼にのることなんて無いし。彼に好きだとか、愛しているだとか言うことは無いし。
ベッドからむくりと立ち上がる。そこにあったのは、見慣れた自室だった。
目の前に、ごく普通の一般家庭の壁が見える。私は、ムクリと立ち上がって、身なりを整える。バタバタと、どこからともなく、慌ただしい声が聞こえた。
「涼花姉ちゃーーんっ!」
自室の扉が開く。すると、パタパタと3人の子どもが出てきた。3人の子どもは、私の身体にまとわりつく。
……私の妹と弟たちだ。
「涼介お兄ちゃんが呼んでたよ!」
今年、10歳になる弟──涼也だ。ちなみにあと2人は、彼の双子の妹である涼奈と、今年6歳になる弟──涼太である。ちなみに、うちには、あと、今年で2歳になる弟──涼理と、兄である涼介がいる。私は6人兄妹の長女だ。
「わかった。今行くわ」
廊下を歩き、兄の元へと向かう。兄の部屋に入ると、兄が私に背を向け、パソコンに向かって、カタカタと作業をしている。
「涼介、どうしたの?」
私が言うと、涼介がくるりと振り返った。私の兄は、綺麗な二重が印象的な、愛くるしい顔立ちの男である。男性にしては小柄であるが、イケメンの部類には入るため、女の子からはモテるらしい。
「お前、これはなんだ」
そう言って、涼介が見せるのは、パソコンの画面であった。そこには、駐車場がうつされている。監視カメラの画像のようだ。きっと、涼介がハッキングしたのだろう。涼介は、私が怪盗として活躍するサポートをしてくれているハッカーだ。頭が良く、手先が器用で、ハッキングをするだけではなく、私が盗みを働く時に使う道具を作ってくれたり、盗みの計画を練ってくれたりする。私のサポートをすべてしてくれるのだ。彼がいなければ、私は怪盗になることは出来ない。
涼介が見せる動画を見る。耳を澄ますと、うっすらと声が聞こえた。私は、それを意識して、内容を聞こうとする。
『んっ、あっ、あぁっ……!』
……聞こえたのは、喘ぎ声だった。微かな喘ぎ声で、耳を澄まさないと聞こえないほどである。しかし、この声は、聞きなれたものであった。
……待って、この駐車場も……どこかで見た事があるような気がする。
しばらくして、監視カメラにうつる車から、人が出てくる。そこにいたのは、探偵と毛布に身体を包まれる私であった。
「いやああぁぁぁぁぁっ!」
やつの家に連れてかれた時の動画か!
「みみみみ、見たの!?」
「見たんじゃねぇよ! てめぇがこの間、朝帰りしてきたから、その時お前がいた場所をGPSで探ったら、この動画が出てきたんだよ!」
「変態っ! 妹の情事見て、楽しいの!?」
「見てねぇーよ! てか、妹の喘ぎ声聞かされる身にもなってくれ!」
「いやぁぁぁっ! バカバカっ! それ以上、何も言わないで!」
私は、無理やり、動画を止める。てか、こういうのって、見つけても、妹に見せるものじゃなくない!? 心の奥底に留めておくものじゃないの!?
「おい、てめぇ。これ、宇都宮怜だろ。なんで、お前とあいつがセックスしてんだよ」
「うるさい! こっちだって、襲われてるのよ!」
「なら逃げろよ!」
「うるさい、うるさい、うるさぁーいっ! 逃げられるもんなら、逃げてるわっ!」
私は、怒りと焦りに任せて、外に出る。外に出た瞬間、兄に手をつかまれた。
「てめぇ、今度、2週間くらい家空けるっつったけど、まさか、コイツといるんじゃねぇのか?」
げっ。こいつ、察しがいい。私は、数日後、探偵と2週間、豪華客船で過ごすのだ。とはいえ、それだって、私が好んでいくわけじゃない。タダで乗れるから、しょーーーがなく、一緒に行くだけだ。別に、やつと一緒にいられるから、乗るわけじゃない。
「はぁー?」と、兄が声をあげる。
「あいつは、探偵だぞ! ぜってぇ、交際は認めねぇっ!」
「そんなこと、分かってるわよ! 文句はあいつに言ってちょうだいっ!」
廊下でガヤガヤとやり取りをする。私たちの大きな声が、響き渡る。妹と、弟が、私たちのやり取りを、怪訝そうに見ていた。
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真っ白なシーツと布団に埋もれながら。裸の私は、まだ服を着たままの探偵の上にのっている。彼の胸に手をのせて。自ずから、彼の唇にキスしている。
「好きよ、怜」
彼の瞳を見ながら。彼への愛を囁く。
「好き。愛してる」
再度、彼に言う。しかし、彼からの返事はかえってこない。いつものニコリとした表情で、私を見るのみだった。感情が読めない。私の心の奥底に、黒いどす黒い物が広がっていく。
いつも、好きって言ってくれてるのに。可愛いって言ってくれてるのに。なぜ、早く、その言葉を返さない。今、私はあなたからの愛の言葉を待っているのに。
しばらくの沈黙の後に。彼の唇が、ゆっくりと動いた。
「……ごめん」
その言葉に、私は絶望する。
なんで、私の事、好きって言ってくれたじゃん。恋仲にならないかって、言ってくれたじゃん。
やっぱり、遊びだったんだ。ただただ私をからかってただけなのか。私の頬に一筋の涙がこぼれる。こぼれた涙が、彼の頬に落ちる。
なんで……
なんで……
なんで……
「なんで、私が、フラれているのよぉおおおっ!」
その声で、私は目を覚ました。どうやら、さっきまでの出来事は夢だったようだ。そりゃそうだ。私、やつのこと好きじゃないし。自分から彼にのることなんて無いし。彼に好きだとか、愛しているだとか言うことは無いし。
ベッドからむくりと立ち上がる。そこにあったのは、見慣れた自室だった。
目の前に、ごく普通の一般家庭の壁が見える。私は、ムクリと立ち上がって、身なりを整える。バタバタと、どこからともなく、慌ただしい声が聞こえた。
「涼花姉ちゃーーんっ!」
自室の扉が開く。すると、パタパタと3人の子どもが出てきた。3人の子どもは、私の身体にまとわりつく。
……私の妹と弟たちだ。
「涼介お兄ちゃんが呼んでたよ!」
今年、10歳になる弟──涼也だ。ちなみにあと2人は、彼の双子の妹である涼奈と、今年6歳になる弟──涼太である。ちなみに、うちには、あと、今年で2歳になる弟──涼理と、兄である涼介がいる。私は6人兄妹の長女だ。
「わかった。今行くわ」
廊下を歩き、兄の元へと向かう。兄の部屋に入ると、兄が私に背を向け、パソコンに向かって、カタカタと作業をしている。
「涼介、どうしたの?」
私が言うと、涼介がくるりと振り返った。私の兄は、綺麗な二重が印象的な、愛くるしい顔立ちの男である。男性にしては小柄であるが、イケメンの部類には入るため、女の子からはモテるらしい。
「お前、これはなんだ」
そう言って、涼介が見せるのは、パソコンの画面であった。そこには、駐車場がうつされている。監視カメラの画像のようだ。きっと、涼介がハッキングしたのだろう。涼介は、私が怪盗として活躍するサポートをしてくれているハッカーだ。頭が良く、手先が器用で、ハッキングをするだけではなく、私が盗みを働く時に使う道具を作ってくれたり、盗みの計画を練ってくれたりする。私のサポートをすべてしてくれるのだ。彼がいなければ、私は怪盗になることは出来ない。
涼介が見せる動画を見る。耳を澄ますと、うっすらと声が聞こえた。私は、それを意識して、内容を聞こうとする。
『んっ、あっ、あぁっ……!』
……聞こえたのは、喘ぎ声だった。微かな喘ぎ声で、耳を澄まさないと聞こえないほどである。しかし、この声は、聞きなれたものであった。
……待って、この駐車場も……どこかで見た事があるような気がする。
しばらくして、監視カメラにうつる車から、人が出てくる。そこにいたのは、探偵と毛布に身体を包まれる私であった。
「いやああぁぁぁぁぁっ!」
やつの家に連れてかれた時の動画か!
「みみみみ、見たの!?」
「見たんじゃねぇよ! てめぇがこの間、朝帰りしてきたから、その時お前がいた場所をGPSで探ったら、この動画が出てきたんだよ!」
「変態っ! 妹の情事見て、楽しいの!?」
「見てねぇーよ! てか、妹の喘ぎ声聞かされる身にもなってくれ!」
「いやぁぁぁっ! バカバカっ! それ以上、何も言わないで!」
私は、無理やり、動画を止める。てか、こういうのって、見つけても、妹に見せるものじゃなくない!? 心の奥底に留めておくものじゃないの!?
「おい、てめぇ。これ、宇都宮怜だろ。なんで、お前とあいつがセックスしてんだよ」
「うるさい! こっちだって、襲われてるのよ!」
「なら逃げろよ!」
「うるさい、うるさい、うるさぁーいっ! 逃げられるもんなら、逃げてるわっ!」
私は、怒りと焦りに任せて、外に出る。外に出た瞬間、兄に手をつかまれた。
「てめぇ、今度、2週間くらい家空けるっつったけど、まさか、コイツといるんじゃねぇのか?」
げっ。こいつ、察しがいい。私は、数日後、探偵と2週間、豪華客船で過ごすのだ。とはいえ、それだって、私が好んでいくわけじゃない。タダで乗れるから、しょーーーがなく、一緒に行くだけだ。別に、やつと一緒にいられるから、乗るわけじゃない。
「はぁー?」と、兄が声をあげる。
「あいつは、探偵だぞ! ぜってぇ、交際は認めねぇっ!」
「そんなこと、分かってるわよ! 文句はあいつに言ってちょうだいっ!」
廊下でガヤガヤとやり取りをする。私たちの大きな声が、響き渡る。妹と、弟が、私たちのやり取りを、怪訝そうに見ていた。
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