ニゲロ

黒タコ

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あなを塞ぐだけの話

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ペタ…ペタペタ…
無数に空いてしまった穴を塞ぐ。
ペタ…ペタペタペタ…
中身の見えないように隠す。
ペタ…ペタぺたり。
剥がれてくるそのまた上からぺたり。
見られてしまわないように何重にもぺたり。

「うん!綺麗」
そう微笑む鬼はその頬を優しく撫でた。
「あぐ…うぅ」
貼り付けられた人形はただ呻くことしかできない。

人形は何度も痙攣する
その度に鬼は手に握りしめたアイスピックを力任せに人形へ刺す…
刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す刺す
「あはっ!あははははははは!!!」
「ん、ぐふ…」
「あなたがね!私に逆らうからこうなるのよ!!自業自得よ!!」



赤黒く固まる…

ハリボテ



「…動かなくなっちゃった。どうしたの?」
血のべっとりついた歯を舐める鬼。

血をべっとりまとった人形。
「私の世界で一緒に生きようって? へぇ…」

動かない黒い人形を抱えあげる。

「いいよ!一緒に行こうか!!あはは」

そう言い
閉ざされた窓を突き破り明るいセカイへ飛び出した
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