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8 失われた10年
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部屋に戻ったが、エカリオンも当然のようについて来るし、部屋にベッドは大きめだが一つしかないし、困ってしまった。一つしかない椅子にエカリオンが座り、仕方なくベッドに腰を下ろした。
「聞きたいことがあるだろう?」
その通り。僕は、エカリオンが消えた原因を聞きたかった。
「どうして、国が亡くなるまで10年間姿を見せにこなかったんですか?僕はずっと待ってました。会いに行こうとしたけど、どこに行けばわからなかったし、本宮には入れなかったし」
「あの後、急に留学が決まったんだ。立太子する前に、留学したいって言ってたら、すぐに行くことになった。お前の事は、侍女数人に定期的に備品の差し入れに行くように言ったし、台所のコックや下女にも、食事を頼んだんだ。金も十分に渡した。
なのに、すぐに奴らは金だけ受け取って何もしなかったんだ!」
僕はそれを聞いて嬉しくて涙が溢れた。受け取れなかったが、エカリオンは自分の事をちゃんと気にかけてくれていたのだ。
ただ、その結末は最悪な結果に終わった。
「帰って来てから知って、私は全てに制裁を下すことにした。あの日、お前を無視し続けた全員を殺した」
あの血生臭い光景を思い出して、更に泣いた。
「それで、誰もいなくなってたのか…エカリオン、なんて事を…殺さなくても良かったのに」
「私を裏切り、ルカスは忘れさられた王子のままにしたんだ。王族も全員極刑に値する。その点はアウグスタと意見が一致した。ただ、アウグスタはルカスの境遇を聞いて、帝国に連れ帰ると言った。
アイツは大帝国の皇帝だし、良い奴だから任せようと思った。
だが、いざ愛妾にとなったら、私のルカスへの10年の想いは全て無かったことになる。
耐えられなかった。
自分は否応なく王家に従い、意に沿まぬ事も強いられた。だから、何のしがらみも無く、自由に生きようと思ってアウグスタと別れた。でも、近くにルカスがいないなら、無意味だった」
「僕は王子として何の価値もない忘れさられた存在だ」
「そうだとしても、おまえは生きる事を諦めなかった。私がいない間も生き延びた。ルカス、お前はアウグスタの正妃にだってなれた。私は兄として祝ってやらなければならなかった」
「正妃は無理でも、僕は帝国で、アウグスタの手を借りながらも、生きていこうと、忘れられた存在から生きた証を残そうとしてました」
エカリオンは僕を抱きしめた。
「でもお前を失いたくない。お前を手放すなんてできない。嫌だ。私は出会ったあの日から、ルカスに囚われたままなんだ」
エカリオンは僕をベッドに押し倒した。
「エカリオン、僕もあなたが大好きでした。でも、僕のあなたに対する気持ちは兄に対する思慕です。お互い兄弟と知ってから、あなたは僕の身内なんです。身体の関係は違います!」
僕は必死に抵抗したが、魔法まで使われて押さえつけられ、服を脱がされた。
「兄弟なんて関係無い!私はルカスを愛してる」
エカリオンの愛撫を受け、身体の芯が熱くなるのを感じた、
これまでエカリオンの愛情は、望んでも得られないままだった。
今こんなに乞われては、エカリオンのの激情を受け止めるしかなかった。
「あ、エカリオン、拘束を解いて?僕もあなたを触りたい」
縛られてるのが切なくなって訴えると、すぐに解放してくれた。
僕はエカリオンに手を伸ばして
「確かに先生を10年間想ってました。その分エカリオンの愛をいっぱいください」と言うと
「全部あげる、ルカス!本当に良い子だ」
エカリオンは顔のあちこちにキスして、深い口付けをした。
僕は覆い被さって来たエカリオンを、偏執狂的な愛も、体の奥深くに受け入れた。
ハウヴァハーン帝国にて、パーティー会場を抜け出したルカスは、終わりに差し掛かるまで誰にも気付かれていなかった。
エカリオンがルカスに似た人物を似た衣装を着せて会場内を歩かせていた為である。
アウグスタと愛妾達が合流して、その人物が他人であると気付いた時は、既に城外へ出てティアドラ近くまで行っていた。
「ルカスはどこだ?」アウグスタが尋ねても、誰も知らないし、答えられない。
パーティー会場の大広間から城内を探させた時は、はるか彼方で、国境が無くなった為、ティアドラにスムーズに入ってしまったのだ。
ルカスの部屋を探させると、何も無くなっておらずそのままだったが、幾つか書簡が見つかった。
どれもが旧ティアドラ王国に関係の深い人間達とのやり取りで、ティアドラの再興をねがい、工作を促す内容だった。
「あの者は唆されて自分がティアドラの王になろうとしていたのでは?」
嫌な見方が大臣達の間に広まり、ミラバ達が躍起になって否定している時、捜索隊から最悪の報告が届いた。
パーティーの服を着たルカスらしき人物が、旧ティアドラ側の砦に吊るされていると。
アウグスタは矢も盾もたまらず、他の者の制止を張り切って砦に向かった。
ようやく下ろされた遺体と対面した時、アウグスタは自分が与えた服を見に纏う死人を見て、崩れ落ちるように座り込んだ。
震えながら頬に手をやり、顔を確かめると少し似た雰囲気ではあるが、全くの別人だとわかり、アウグスタは涙を滲ませた。
「ルカスではなかった」
最初に報告した者は平伏して詫び、どんな罰をも受けると言ったが、アウグスタは首を振った。
「これはルカスでは無い。だから私のルカスは必ずどこかに居る。それがわかっただけでも良い」
手間を取らすが、どうしても探し出して欲しいと、頭を下げる皇帝の様子を見た周囲の人々は、皇帝のルカスへの想いを深く知り、疑惑は一部の者が調べることになり、動ける殆どが更に探索の手を広げた。
腰まである金髪、珍しい紫の目、色白で華奢な身体、見かければ一目でわかるはずだが、死体以外でルカスらしき人物を見たと言う情報は全く集まらなかった。
その頃にはルカスは髪をバッサリ切って髪も目も茶色になっていたからだ。
ティアドラはもちろん、周辺国にも行方を尋ねたが、不明なまま、ルカスは忽然と消えてしまっていた。
それには用意周到なエカリオンが全て関わっていて、全く何も感知させなかった。
ルカスを手に入れて、やっと満足したかと思われたエカリオンは、すぐ物足りなさを味わう羽目になった。
「僕はエカリオンを前は先生、今は兄上として、敬愛しています」
ルカスは自分がエカリオンに向けるのは兄弟愛だと殊更はっきり断定する。
アウグスタに愛妾と扱われて拒まなかったのは、愛される行為が、今まで誰も構ってくれなかった反動で、とてつもなく幸福を感じられたからだと平気で答える。
エカリオンから身体を愛されるのも自分を求めてくれると思うと幸せで拒めないが、ルカスはエカリオンと兄弟なので、本当はしない方が良いとの立場を崩さない。
「でも、離れるのは絶対嫌なので、ずっと側に居ます。それだけじゃ駄目でしょうか?」
もう少しだけ、ルカスへの喪失感が無くなるまで、私の相手をして欲しい。
エカリオンが懇願するので、ルカスは止むなく受け入れた。
僕は魔法士としてコルドハを中心に、地道に活動していた。生活魔法や、それにちょっと毛が生えたくらいの軽微な魔法を使う仕事だけをしていた。
エカリオンと協力すれば大きな魔法が安定して使えるが、大きな仕事は目立つので万が一にもアウグスタの耳に入らないよう、なるべく引き受けないようにしている。
ただ、帝国が、ティアドラの南に位置し、優良な港を持つカリエンテに進出しようとしているとの噂が出てきて、コルドハから更に離れる事も検討している。
僕を探す貼り紙はティアドラやカリエンテ、コルドハでもたまに見かけたが、以前の僕の似顔絵なので、本人かと尋ねられた事は全く無い。
青白かった肌は日に焼けてソバカスが浮いてるし、短い茶色の髪と目は馴染みすぎている。背が更に伸びて、少ないながら筋肉も付き、少し痩せ気味だが普通の男の体型だ。愛妾をやってたと言っても誰も本気にしないだろう。
貼り紙に載る公の僕の肩書きは、まだアウグスタの愛妾で、誘拐された事になっていた。
僕が反逆者であるというエカリオンの工作は失敗したようだが、油断はできない。
未だにアウグスタに会いたい気持ちはあるが、今更後宮に戻されたり、ましてや捕まるのはごめんだ。エカリオンともう二度と離れたく無い。
少し遠くに仕事で行く時は必ず2人で行った。
髪も伸ばさず、髪の色と目の色を茶色で揃えていると、2人はどこへ行っても兄弟で通る。
まだ恋人に見られたいエカリオンには不満なようだが、知らない振りをしている。
時間はかかるだろうが、兄弟という関係を必ず受け入れてくれるだろうと信じていた。
「聞きたいことがあるだろう?」
その通り。僕は、エカリオンが消えた原因を聞きたかった。
「どうして、国が亡くなるまで10年間姿を見せにこなかったんですか?僕はずっと待ってました。会いに行こうとしたけど、どこに行けばわからなかったし、本宮には入れなかったし」
「あの後、急に留学が決まったんだ。立太子する前に、留学したいって言ってたら、すぐに行くことになった。お前の事は、侍女数人に定期的に備品の差し入れに行くように言ったし、台所のコックや下女にも、食事を頼んだんだ。金も十分に渡した。
なのに、すぐに奴らは金だけ受け取って何もしなかったんだ!」
僕はそれを聞いて嬉しくて涙が溢れた。受け取れなかったが、エカリオンは自分の事をちゃんと気にかけてくれていたのだ。
ただ、その結末は最悪な結果に終わった。
「帰って来てから知って、私は全てに制裁を下すことにした。あの日、お前を無視し続けた全員を殺した」
あの血生臭い光景を思い出して、更に泣いた。
「それで、誰もいなくなってたのか…エカリオン、なんて事を…殺さなくても良かったのに」
「私を裏切り、ルカスは忘れさられた王子のままにしたんだ。王族も全員極刑に値する。その点はアウグスタと意見が一致した。ただ、アウグスタはルカスの境遇を聞いて、帝国に連れ帰ると言った。
アイツは大帝国の皇帝だし、良い奴だから任せようと思った。
だが、いざ愛妾にとなったら、私のルカスへの10年の想いは全て無かったことになる。
耐えられなかった。
自分は否応なく王家に従い、意に沿まぬ事も強いられた。だから、何のしがらみも無く、自由に生きようと思ってアウグスタと別れた。でも、近くにルカスがいないなら、無意味だった」
「僕は王子として何の価値もない忘れさられた存在だ」
「そうだとしても、おまえは生きる事を諦めなかった。私がいない間も生き延びた。ルカス、お前はアウグスタの正妃にだってなれた。私は兄として祝ってやらなければならなかった」
「正妃は無理でも、僕は帝国で、アウグスタの手を借りながらも、生きていこうと、忘れられた存在から生きた証を残そうとしてました」
エカリオンは僕を抱きしめた。
「でもお前を失いたくない。お前を手放すなんてできない。嫌だ。私は出会ったあの日から、ルカスに囚われたままなんだ」
エカリオンは僕をベッドに押し倒した。
「エカリオン、僕もあなたが大好きでした。でも、僕のあなたに対する気持ちは兄に対する思慕です。お互い兄弟と知ってから、あなたは僕の身内なんです。身体の関係は違います!」
僕は必死に抵抗したが、魔法まで使われて押さえつけられ、服を脱がされた。
「兄弟なんて関係無い!私はルカスを愛してる」
エカリオンの愛撫を受け、身体の芯が熱くなるのを感じた、
これまでエカリオンの愛情は、望んでも得られないままだった。
今こんなに乞われては、エカリオンのの激情を受け止めるしかなかった。
「あ、エカリオン、拘束を解いて?僕もあなたを触りたい」
縛られてるのが切なくなって訴えると、すぐに解放してくれた。
僕はエカリオンに手を伸ばして
「確かに先生を10年間想ってました。その分エカリオンの愛をいっぱいください」と言うと
「全部あげる、ルカス!本当に良い子だ」
エカリオンは顔のあちこちにキスして、深い口付けをした。
僕は覆い被さって来たエカリオンを、偏執狂的な愛も、体の奥深くに受け入れた。
ハウヴァハーン帝国にて、パーティー会場を抜け出したルカスは、終わりに差し掛かるまで誰にも気付かれていなかった。
エカリオンがルカスに似た人物を似た衣装を着せて会場内を歩かせていた為である。
アウグスタと愛妾達が合流して、その人物が他人であると気付いた時は、既に城外へ出てティアドラ近くまで行っていた。
「ルカスはどこだ?」アウグスタが尋ねても、誰も知らないし、答えられない。
パーティー会場の大広間から城内を探させた時は、はるか彼方で、国境が無くなった為、ティアドラにスムーズに入ってしまったのだ。
ルカスの部屋を探させると、何も無くなっておらずそのままだったが、幾つか書簡が見つかった。
どれもが旧ティアドラ王国に関係の深い人間達とのやり取りで、ティアドラの再興をねがい、工作を促す内容だった。
「あの者は唆されて自分がティアドラの王になろうとしていたのでは?」
嫌な見方が大臣達の間に広まり、ミラバ達が躍起になって否定している時、捜索隊から最悪の報告が届いた。
パーティーの服を着たルカスらしき人物が、旧ティアドラ側の砦に吊るされていると。
アウグスタは矢も盾もたまらず、他の者の制止を張り切って砦に向かった。
ようやく下ろされた遺体と対面した時、アウグスタは自分が与えた服を見に纏う死人を見て、崩れ落ちるように座り込んだ。
震えながら頬に手をやり、顔を確かめると少し似た雰囲気ではあるが、全くの別人だとわかり、アウグスタは涙を滲ませた。
「ルカスではなかった」
最初に報告した者は平伏して詫び、どんな罰をも受けると言ったが、アウグスタは首を振った。
「これはルカスでは無い。だから私のルカスは必ずどこかに居る。それがわかっただけでも良い」
手間を取らすが、どうしても探し出して欲しいと、頭を下げる皇帝の様子を見た周囲の人々は、皇帝のルカスへの想いを深く知り、疑惑は一部の者が調べることになり、動ける殆どが更に探索の手を広げた。
腰まである金髪、珍しい紫の目、色白で華奢な身体、見かければ一目でわかるはずだが、死体以外でルカスらしき人物を見たと言う情報は全く集まらなかった。
その頃にはルカスは髪をバッサリ切って髪も目も茶色になっていたからだ。
ティアドラはもちろん、周辺国にも行方を尋ねたが、不明なまま、ルカスは忽然と消えてしまっていた。
それには用意周到なエカリオンが全て関わっていて、全く何も感知させなかった。
ルカスを手に入れて、やっと満足したかと思われたエカリオンは、すぐ物足りなさを味わう羽目になった。
「僕はエカリオンを前は先生、今は兄上として、敬愛しています」
ルカスは自分がエカリオンに向けるのは兄弟愛だと殊更はっきり断定する。
アウグスタに愛妾と扱われて拒まなかったのは、愛される行為が、今まで誰も構ってくれなかった反動で、とてつもなく幸福を感じられたからだと平気で答える。
エカリオンから身体を愛されるのも自分を求めてくれると思うと幸せで拒めないが、ルカスはエカリオンと兄弟なので、本当はしない方が良いとの立場を崩さない。
「でも、離れるのは絶対嫌なので、ずっと側に居ます。それだけじゃ駄目でしょうか?」
もう少しだけ、ルカスへの喪失感が無くなるまで、私の相手をして欲しい。
エカリオンが懇願するので、ルカスは止むなく受け入れた。
僕は魔法士としてコルドハを中心に、地道に活動していた。生活魔法や、それにちょっと毛が生えたくらいの軽微な魔法を使う仕事だけをしていた。
エカリオンと協力すれば大きな魔法が安定して使えるが、大きな仕事は目立つので万が一にもアウグスタの耳に入らないよう、なるべく引き受けないようにしている。
ただ、帝国が、ティアドラの南に位置し、優良な港を持つカリエンテに進出しようとしているとの噂が出てきて、コルドハから更に離れる事も検討している。
僕を探す貼り紙はティアドラやカリエンテ、コルドハでもたまに見かけたが、以前の僕の似顔絵なので、本人かと尋ねられた事は全く無い。
青白かった肌は日に焼けてソバカスが浮いてるし、短い茶色の髪と目は馴染みすぎている。背が更に伸びて、少ないながら筋肉も付き、少し痩せ気味だが普通の男の体型だ。愛妾をやってたと言っても誰も本気にしないだろう。
貼り紙に載る公の僕の肩書きは、まだアウグスタの愛妾で、誘拐された事になっていた。
僕が反逆者であるというエカリオンの工作は失敗したようだが、油断はできない。
未だにアウグスタに会いたい気持ちはあるが、今更後宮に戻されたり、ましてや捕まるのはごめんだ。エカリオンともう二度と離れたく無い。
少し遠くに仕事で行く時は必ず2人で行った。
髪も伸ばさず、髪の色と目の色を茶色で揃えていると、2人はどこへ行っても兄弟で通る。
まだ恋人に見られたいエカリオンには不満なようだが、知らない振りをしている。
時間はかかるだろうが、兄弟という関係を必ず受け入れてくれるだろうと信じていた。
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