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ざまぁ開始!
5話
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私はユリウスとマリアに1歩近づいた。
マリアはそれに対して後退る。
どうやら、私が怖いみたいですね。
しかし、ユリウスは――
「――フィーベル家の次期当主!? 貴様が当主になるというのか!?」
なぜだか驚いていた。
あら? このこと、言っていませんでしたっけ?
……う~ん。言ってなかったみたいです。
当主になるのはほぼ確定的なのですが……
もしかしたら、教えるのが癪だったのかもしれません。
そのときにはすでに、ユリウスのことが嫌いだったのでしょう。
こうしてユリウスから婚約を破棄されなかったら、こっちから婚約を破棄する気でしたし。
「当主にはマリアがなるんじゃないのか!?」
「はい? そんなはずないじゃないですか。遊び回っているだけのマリアが当主になれるわけないでしょう? マリアも何しょうもない嘘をついているのです?」
「…………」
「あら、黙っちゃって。いつもこうやって大人しくしていればよかったのに……」
……まったく、徐々に徐々に顔を青ざめさせていきたかったですのに。
ざまぁのやりがいがありませんわね。
でも、ここまで来てしまいましたし、中途半端で終わらせるのも違いますよね。
まだ二人に対する怒りも治まっていませんし。
さらなる地獄へ叩き落としてさしあげますわ。
「これは一体どういうことだ! 俺を騙していたのか、マリア!」
「……ひぃっ」
「ちゃんと説明しろ! これはどういうことなんだ!」
「ご、ごめんなさい……っ」
……はぁ。みっともないわね。
鬼の形相で凄む王子と泣いて謝る婚約者……ですか。
DVの現場か何かでしょうか、これは。
まったく面白くないですけど。
だって私、当事者のはずなのに、仲間はずれにされてますもの。
「私も仲間に入れてくださいまし」
「黙れ! 俺は大事なことを聞いているんだ! 見て分からないのか!」
「分かっていますよ。ですが、この際ハッキリ言わせてもらいますけど、マリアが次期当主かどうかなど、あなたには関係ありませんよね?」
「関係がないわけがないだろう! フィーベル家の次期当主と婚約すれば、俺が次期国王に選ばれる可能性が上がるんだぞ! だから――」
「――関係ないですよ? だって、あなたは王位継承権を失ってしまいますもの」
もちろん、私の手でね。
最悪、王家から勘当もありえるかもしれません。
でも、そっちの方がいいですよね?
私にとってはもちろんですが、アイリーン王国に住まう人たちにとっても。
ユリウスみたいなカスが国王になるなんて、誰がどう見ても嫌ですものね。
「ハッ! 何を言ってんだか」
「本当ですよ? 本当はお父さまとお母さま、そしてあなたなご両親だけに聞かせるつもりだったのですが……まあ、いいです」
私は無くさないように持ち歩いている小石のような物を懐から取り出した。
これは魔封石と言って、魔法を封じ込めることができる代物。
これには私の音魔法が封印されている。
「マリア、こちらに来なさい」
「お姉さま、一体なにを……」
「もし、この石に封印されている音魔法を耐え切れたら、許してあげないこともないですわよ?」
マリアに魔封石を手渡した。
魔封石の使い方は簡単で、自分の魔力を流し込むだけ。
流石のマリアでもそれぐらいは分かるはず。
「本当、ですか?」
「えぇ」
嘘だけどね、ばぁか!
その瞬間、パーティー会場に男女の声が響き始める。
『――へぇ。ここがサイラスの書斎か』
『ええ……そうですわ。ここが……って、あぁんっ……、……んっ。ダメです、こんな……っ、ところで……っ、んっ……』
『そんなこと言って、もうグショグショじゃねぇか。期待してたんだろ?』
『……っ、はぁ……っ、そんなこと、ないですわぁ……っ』
マリアはそれに対して後退る。
どうやら、私が怖いみたいですね。
しかし、ユリウスは――
「――フィーベル家の次期当主!? 貴様が当主になるというのか!?」
なぜだか驚いていた。
あら? このこと、言っていませんでしたっけ?
……う~ん。言ってなかったみたいです。
当主になるのはほぼ確定的なのですが……
もしかしたら、教えるのが癪だったのかもしれません。
そのときにはすでに、ユリウスのことが嫌いだったのでしょう。
こうしてユリウスから婚約を破棄されなかったら、こっちから婚約を破棄する気でしたし。
「当主にはマリアがなるんじゃないのか!?」
「はい? そんなはずないじゃないですか。遊び回っているだけのマリアが当主になれるわけないでしょう? マリアも何しょうもない嘘をついているのです?」
「…………」
「あら、黙っちゃって。いつもこうやって大人しくしていればよかったのに……」
……まったく、徐々に徐々に顔を青ざめさせていきたかったですのに。
ざまぁのやりがいがありませんわね。
でも、ここまで来てしまいましたし、中途半端で終わらせるのも違いますよね。
まだ二人に対する怒りも治まっていませんし。
さらなる地獄へ叩き落としてさしあげますわ。
「これは一体どういうことだ! 俺を騙していたのか、マリア!」
「……ひぃっ」
「ちゃんと説明しろ! これはどういうことなんだ!」
「ご、ごめんなさい……っ」
……はぁ。みっともないわね。
鬼の形相で凄む王子と泣いて謝る婚約者……ですか。
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まったく面白くないですけど。
だって私、当事者のはずなのに、仲間はずれにされてますもの。
「私も仲間に入れてくださいまし」
「黙れ! 俺は大事なことを聞いているんだ! 見て分からないのか!」
「分かっていますよ。ですが、この際ハッキリ言わせてもらいますけど、マリアが次期当主かどうかなど、あなたには関係ありませんよね?」
「関係がないわけがないだろう! フィーベル家の次期当主と婚約すれば、俺が次期国王に選ばれる可能性が上がるんだぞ! だから――」
「――関係ないですよ? だって、あなたは王位継承権を失ってしまいますもの」
もちろん、私の手でね。
最悪、王家から勘当もありえるかもしれません。
でも、そっちの方がいいですよね?
私にとってはもちろんですが、アイリーン王国に住まう人たちにとっても。
ユリウスみたいなカスが国王になるなんて、誰がどう見ても嫌ですものね。
「ハッ! 何を言ってんだか」
「本当ですよ? 本当はお父さまとお母さま、そしてあなたなご両親だけに聞かせるつもりだったのですが……まあ、いいです」
私は無くさないように持ち歩いている小石のような物を懐から取り出した。
これは魔封石と言って、魔法を封じ込めることができる代物。
これには私の音魔法が封印されている。
「マリア、こちらに来なさい」
「お姉さま、一体なにを……」
「もし、この石に封印されている音魔法を耐え切れたら、許してあげないこともないですわよ?」
マリアに魔封石を手渡した。
魔封石の使い方は簡単で、自分の魔力を流し込むだけ。
流石のマリアでもそれぐらいは分かるはず。
「本当、ですか?」
「えぇ」
嘘だけどね、ばぁか!
その瞬間、パーティー会場に男女の声が響き始める。
『――へぇ。ここがサイラスの書斎か』
『ええ……そうですわ。ここが……って、あぁんっ……、……んっ。ダメです、こんな……っ、ところで……っ、んっ……』
『そんなこと言って、もうグショグショじゃねぇか。期待してたんだろ?』
『……っ、はぁ……っ、そんなこと、ないですわぁ……っ』
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