ある日突然創造主になりました

RENO

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3. 相棒は万能でした

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一瞬の浮遊感の後に、尻餅をつきながら到着したのはソファーのあるリビングのような部屋だった。
 いや、リビングというには物がなさ過ぎるんだがね。

 「いてぇ……ケツ打った。ここどこだ? って第77惑星か、転送って言ってたもんな」

 その部屋にはソファーとサイドテーブル、それから割と大きめの球体のオブジェしかなかった。
 ソファーと球体の間に着地(正確には尻餅だが)した俺は、痛む尻をさすりながらとりあえずソファーへと座る。
 座りながらオブジェへと目を向けると、そのオブジェの前……つまりソファーの真ん前に半透明のガラス板のようなものが現れた。
 これはゲームで見た事あるな……まさにゲーム内で使うステータス画面のような物が目の前にあるのだ。

 「ようこそ第77惑星へ」

 ステータス画面?にはそう表示されている。

 「管理者登録をしますので、そのまま動かないでください」

 そう表示されたと思ったら、今度はステータス画面?が動いて俺の頭上からつま先までを通り抜けて行った。
 これは、あれか? スキャンでもされたのか?

 「登録完了しました。はじめまして零二様。私はサポートシステムのミウといいます。これから第77惑星の管理者のお手伝いをサポートいたします。どうぞよろしくお願い致します」

 驚き過ぎて動けなかったのが結果オーライだったのか、ステータス画面?にそう表示されたので俺も挨拶を返すべきだと思い口を開く。

 「ミウか! 良い名前だな。分かんない事の方が多くて手間かける事の方が多いかもしれんが、俺も頑張って色々覚えるから、これからよろしくな!」
 「音声認識を完了しました。以後は音声にてサポートさせていただきます」

 それまでの文字での会話が急に普通の会話になった。
 どうやら俺の音声を認識して、音声会話に切り替えたようだ。
 しかし、俺の挨拶をスルーするのは地味にメンタル抉れるからやめてくれと言いたい。

 「必要知識のインストールを行いますか?」

 ミウがそう聞いてきた。

 「ん?」

 そういえば、カイトさんが別れ際にそんな事を言ってたな。
 しっかし、あの人? せっかち過ぎるだろ! 質疑応答も結局出来なかったし。
 まぁ、ミウを用意してたから必要ないって判断だったんだろう、きっと。

 「必要知識のインストールは後にして先に名付けからにいたしますか?」
 「いや、先に必要知識からだな。ミウよろしく頼む」
 「了解しました。では、そちらのソファーに横になり楽な体勢になって下さい」

 俺は内心首を傾げながらも、言われた通りに楽な体勢になった。

 「それではインストールを開始します」

 ミウのその言葉を合図に俺は意識を失った。
 俺は勘違いしていた……必要な知識をミウがインストールするのだとばかり思っていたのだ。
 まさか、俺に知識を詰め込む事になるとは思いもしなかった。
 膨大な量の知識を突然頭に詰め込まれた俺はソファーで昏倒したのだった。


  目を覚ますと見覚えのない天井が視界に入り、ぼーっとしながら顔を横に向けるとオブジェとその前のステータス画面? が目に入った。
 それを見てソファーで昏倒した事を思い出した俺は飛び起きた。

 「零二様お目覚めになられましたか? 身体にどこか異常はありませんか?」

 ミウの呼びかけに改めて身体を確認したが特に異常も見当たらなかったので、ミウに伝える。

 「大丈夫! だけど、俺って何か変わったのか?」 

 正直、何かが変わった気は全くしない。

 「一度に多量の情報をインストールしましたので、必要な時に必要な情報が見れるよう設定いたしました。零二様が知りたいと思えば、上限はありますがいつでも情報の引き出しは可能です」

 ミウに詳しく聞いたところ、他惑星の情報やミウのユーザーマニュアル、それから惑星管理者専用の惑星に対する操作・干渉・監視機能のマニュアルなどがインストールされたそうだ。
 惑星の操作とか干渉とか監視とか……とんでもない機能に驚いたが、慣れるまでは基本的にミウによるサポート付きのセミオート操作という事なので内心ホッとした。


 「インストールデータが正常に動作するか確認いたします。私のユーザーマニュアルを作動させてください」

 ミウに言われてユーザーマニュアル? と考えたら、頭の中に情報が思い浮かんだ。
 これ、便利だな。

 「えーと、汎用型管理者サポートシステム 全機能搭載型α ver. 個体識別No.α-35……って、もしかしてこれミウの正式名称?」
 「はい。ユーザーマニュアルは問題なく確認出来ますか? インストールデータに破損が見られなければ確認作業を終了いたします」

 ミウにそう言われて、頭の中に思い浮かんだ情報を確認していく。
 なんと! ミウさんとっても万能な事が判明した。
 食事の用意や風呂炊きに掃除などの家庭的な事から始まって、惑星監視・干渉・操作システム、果ては防衛や迎撃システムなどなど……あげればキリがない程に何でもできる万能なミウさん。
 あれ? これ、俺いらないんじゃね? と思ったが、どうやらミウさん管理者登録しないと何も出来ないらしい。
 サポートシステムが有能過ぎて反逆されたら困るので、登録した管理者には絶対服従だそう。
 尚且つ、管理者登録しないと機能を使えない仕様にしてあるらしい。
 一通り頭に浮かんだ情報を確認して、問題なさそうだったので確認作業を終えた。

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