18 / 21
18話 妄想パティシエール
しおりを挟む
「………………」
目の前にあるのは、手のひらサイズの黒い物体。それが数枚並んでいる。
『ん? 何してるんだお前。……この黒いのなに?』
「……私の気持ち?」
『お前性格悪いもんな』
「はあ!?」
私の性格が悪いって何さ。ここまで真っ黒じゃないし。
『うわっ、カッチカチ。なんで炭なんて作ろう思ったんだ?』
「……クッキーです」
『は?』
ぼそっと小さく一言。猫のくせに聞こえなかったの。
「クッキー作ろうと思ったの! そしたら、これが出来たの!」
『炭入りクッキー?』
「炭から離れてよ!」
炭なんて入ってないし! 普通のバタークッキーだし!
「なんで上手くいかないんだろうなぁ。ちゃんとレシピ通りにしたのに」
『それ、いつものことだろ。お前の料理が上手くいったことないじゃないか』
……確かに私が料理すると焦げたり、生焼けだったり、変な味がしたりするけど、どうしてだろう。ちゃんとレシピ通りにやってるのになぁ。
『それにしても、なんでクッキーなんか作ろうとしたんだ?』
「………………ヴェンにあげようと思って」
『ええっ!?』
何さ。そんなに驚かなくていいじゃん。
『お、お前……。……そうか、お前も成長したんだな。うっ! ボクは嬉しいぞ!』
「何なのあんた……」
涙ぐむような演技をするカーバンクル。引っ叩いていいかな?
『人を好きになるということが分かったんだな。偉いぞ、アリシア』
「だから、何なよ。っていうか違うし。好きとか……そんなんじゃなくて。前あんな凝った杖貰ったし、……壊したけど。それに一緒に調査にも行ってくれたし、……私のせいで死んだけど。……とにかく! 何かお礼をしたいの! ヴェンお菓子好きって言ってたから、それで……」
『ほ~お。ま、いいんじゃないか。プレゼントなんて素晴らしいぞ」
何ニヤニヤしてんのよ。そんなんじゃないって言ってるじゃん。
「でも、なんか上手くいかないし……。やっぱりお店の買ってこよう」
素人の手作りなんか嫌って人もいるし、ちゃんとお店で買ってこよう。嫌なのに受け取らせるなんてしたくないし。
『諦めるなよ。ちゃんと自分で作ったの渡したほうがいいぞ』
「でも、こんなのあげるわけにいかないし……」
『じゃあ、あいつ呼べばいいだろ』
「……それはちょっと……」
それはちょっと違う気がするな。その手段は取ってはいけない。
『背に腹は代えられないって言うだろ。ほら、呼べよ』
「ええ……、でも……」
『じゃあ、この炭ヴェンに渡してくるな』
「ちょっと! ああ、もう! 分かったよ!」
炭質を取られて、もう呼ぶしかなくなった。この卑怯な猫め。
はあ、嫌だなぁ嫌だなぁと思いつつ、ノックする。お願い、出ないで!
『呼びまして? アリシア』
……出てしまった。残念ながら現れてしまったのは、ふわふわの髪を二つくくりにした少女。お菓子の精霊、リリィ。
「クッキーの作り方教えて欲しいんだけど」
『クッキー? いいですわ! でも、アリシアがお菓子作りなんて珍しいですわね。誰かにあげるのですか?』
「……自分で食べるんだよ」
『男にあげるんだぜ』
「ちょっ!」
なんで言うのこいつは!? そんな事言ったら、
『んまぁー!! アリシアが殿方に贈り物を!? いったい何があったんですの!?』
ほら、うるさくなった。
「別に何もないよ。ちょっとお世話になったってだけで……」
『すんごい凝った自作のプレゼントされたから、そのお返しなんだぜ』
『ほうわぁーー!! 先に向こうから贈り物を!? しかも自作で凝った物を!? これはもうきてますわー!』
だから、なんで言うの!? 別に何もないのに、勘違いしてるじゃん! これじゃあ、また変なこと……
『贈り物のお返しにクッキーを焼いたアリシア。彼はちゃんと受け取ってくれるか、美味しいって言ってくるか、ドキドキしながら待ち合わせ場所で彼を待つの。そして、遂に彼がやって来た。その胸の高まりからアリシアは赤面し、いつも見ていたはずの彼と目を合わせることすら出来ないのですわ。目の見れず、うまく話せず、ドギマギしてしまい、最後には押し付けるように彼に渡してしまうの。そんなアリシアに彼は少し困惑しながらも受け取り、袋を開け、目を見開く。中には不格好ながらも愛を感じるクッキー達が。彼はそのクッキーを一枚取り出し、口へと運ぶ。そして、『美味しいね』とアリシアへ微笑むのですわ! その一言にアリシアは更に赤面しつつ、嬉しくて涙が出てしまうほど。そして、アリシアは言うのですわ。『じゃあ、次は私のことを……』ぅんまぁー!! いけませんわ! いけませんわ!! アリシアったらそんな大胆に! それに、まだ昼間ですわ! でも!! それがいいんですわぁ!!! アリシアから精一杯の誘惑を受けた彼は耐えきえず、ついにアリシアの……』
「ちょっといつまで言ってんの!?」
ほら、始まったよ! 何その訳わかんない妄想は!? だから、リリィ呼ぶの嫌だったんだよ! この変態妄想パティシエール!
『はぁ……。これは胸が高まりますわ! ……うっ! でも、まさかあのアリシアが恋に目覚めるなんて……!』
『ああ! 感慨深いよなっ……!』
「深くないよ」
ヨヨヨっと二人して泣く演技を。もういいってそれ。
『だって、今まであなた全く殿方に興味を持たなかったじゃないの。格好いい殿方がいても『ふーん』としか言わないし。王子と婚約したというのに、何もしなかったでしょう。こっちはいつベッドインするのかと楽しみにしていましたのに』
「何楽しみにしてるの……」
あの王子とベッドインなんか何も楽しくないよ。いったい何を期待してんのよ、この変態は。
『だいたいアリシアはガードが硬すぎるんですわ。殿方へこちらから隙を見せてあげることで、向こうも攻めていけるようになるというのに。鉄壁すぎて誰も近寄ろうとしなかったじゃないですの』
「別に何もしてないよ」
私何もしてない。何もしてないけど、誰も寄って来なかった。私から行っても逃げられた。私悪くない。
『してますわ。現にいつもの服装もですわ。足が出てるのは良しとして、上がカッチカチじゃないですの! アリシアは顔もスタイルもいいのですから、もう少し自分を見せていくべきですわ! 少しぐらい攻めた服装もすべきですわ。そう、いつもと違う服装のアリシアに彼はドギマギしてしまいますの。その露わになった魅力的な体は、彼が眩しすぎて直視出来ない程。でも、彼の目は普段と違うアリシアに釘付けになるのですわ。見ないように見ないようにと思う程、目はアリシアから離れない。そして、ついに我慢の限界を超えた彼はアリシアを……』
「もういいーって! 早くクッキーの作り方教えてよー!」
だからあ! クッキーのぉ! 作り方教えてよー!!
『ああ、そうでしたわ。クッキーでしたわ。では、まずはその彼のこと教えて下さいまし』
「はあ? なんで?」
なんでヴェンのことをリリィに教える必要があるのさ。また、面倒になるだけじゃん。
『その彼に贈るのでしょう? 彼のことを知って、彼が喜ぶ物を作る必要があるじゃないですか』
「別に、多分なんでもいいよ。ほら、レシピはここにあるから。これうまく作れる方法教えて」
リリィに一冊の本を見せる。
「猿でもできらぁ! お菓子の作り方ぁ!!」と書かれた本のクッキーのページを。
『…………このレシピは駄目ですわ』
「は?」
『このレシピからは愛を感じませんの! このレシピは普通のクッキーの作り方というだけですわ!』
「それでいいんだけど?」
全然それでいいんだけど? むしろ、それを作りたいんだけど?
『駄目ですわ! ちゃんとお相手のことを考えないと! そうですわ! 今からその彼を調査するのですわ!』
「は?」
は? ちょっと、何言って……、
『カーバンクル、行きますわよ! 早く彼の元へ案内してくださいまし!』
『任された!』
「え、ちょ、本気で、ええっ!? ちょっと!? 本気で行く気なの!?」
『行きますわーー!!』
ガチャと扉を開けて出ていく二人。本気でヴェンのところ行くつもり!? こんな二人放っとけるわけないじゃん!
私は慌てて、飛び出した二人を追いかけた。
目の前にあるのは、手のひらサイズの黒い物体。それが数枚並んでいる。
『ん? 何してるんだお前。……この黒いのなに?』
「……私の気持ち?」
『お前性格悪いもんな』
「はあ!?」
私の性格が悪いって何さ。ここまで真っ黒じゃないし。
『うわっ、カッチカチ。なんで炭なんて作ろう思ったんだ?』
「……クッキーです」
『は?』
ぼそっと小さく一言。猫のくせに聞こえなかったの。
「クッキー作ろうと思ったの! そしたら、これが出来たの!」
『炭入りクッキー?』
「炭から離れてよ!」
炭なんて入ってないし! 普通のバタークッキーだし!
「なんで上手くいかないんだろうなぁ。ちゃんとレシピ通りにしたのに」
『それ、いつものことだろ。お前の料理が上手くいったことないじゃないか』
……確かに私が料理すると焦げたり、生焼けだったり、変な味がしたりするけど、どうしてだろう。ちゃんとレシピ通りにやってるのになぁ。
『それにしても、なんでクッキーなんか作ろうとしたんだ?』
「………………ヴェンにあげようと思って」
『ええっ!?』
何さ。そんなに驚かなくていいじゃん。
『お、お前……。……そうか、お前も成長したんだな。うっ! ボクは嬉しいぞ!』
「何なのあんた……」
涙ぐむような演技をするカーバンクル。引っ叩いていいかな?
『人を好きになるということが分かったんだな。偉いぞ、アリシア』
「だから、何なよ。っていうか違うし。好きとか……そんなんじゃなくて。前あんな凝った杖貰ったし、……壊したけど。それに一緒に調査にも行ってくれたし、……私のせいで死んだけど。……とにかく! 何かお礼をしたいの! ヴェンお菓子好きって言ってたから、それで……」
『ほ~お。ま、いいんじゃないか。プレゼントなんて素晴らしいぞ」
何ニヤニヤしてんのよ。そんなんじゃないって言ってるじゃん。
「でも、なんか上手くいかないし……。やっぱりお店の買ってこよう」
素人の手作りなんか嫌って人もいるし、ちゃんとお店で買ってこよう。嫌なのに受け取らせるなんてしたくないし。
『諦めるなよ。ちゃんと自分で作ったの渡したほうがいいぞ』
「でも、こんなのあげるわけにいかないし……」
『じゃあ、あいつ呼べばいいだろ』
「……それはちょっと……」
それはちょっと違う気がするな。その手段は取ってはいけない。
『背に腹は代えられないって言うだろ。ほら、呼べよ』
「ええ……、でも……」
『じゃあ、この炭ヴェンに渡してくるな』
「ちょっと! ああ、もう! 分かったよ!」
炭質を取られて、もう呼ぶしかなくなった。この卑怯な猫め。
はあ、嫌だなぁ嫌だなぁと思いつつ、ノックする。お願い、出ないで!
『呼びまして? アリシア』
……出てしまった。残念ながら現れてしまったのは、ふわふわの髪を二つくくりにした少女。お菓子の精霊、リリィ。
「クッキーの作り方教えて欲しいんだけど」
『クッキー? いいですわ! でも、アリシアがお菓子作りなんて珍しいですわね。誰かにあげるのですか?』
「……自分で食べるんだよ」
『男にあげるんだぜ』
「ちょっ!」
なんで言うのこいつは!? そんな事言ったら、
『んまぁー!! アリシアが殿方に贈り物を!? いったい何があったんですの!?』
ほら、うるさくなった。
「別に何もないよ。ちょっとお世話になったってだけで……」
『すんごい凝った自作のプレゼントされたから、そのお返しなんだぜ』
『ほうわぁーー!! 先に向こうから贈り物を!? しかも自作で凝った物を!? これはもうきてますわー!』
だから、なんで言うの!? 別に何もないのに、勘違いしてるじゃん! これじゃあ、また変なこと……
『贈り物のお返しにクッキーを焼いたアリシア。彼はちゃんと受け取ってくれるか、美味しいって言ってくるか、ドキドキしながら待ち合わせ場所で彼を待つの。そして、遂に彼がやって来た。その胸の高まりからアリシアは赤面し、いつも見ていたはずの彼と目を合わせることすら出来ないのですわ。目の見れず、うまく話せず、ドギマギしてしまい、最後には押し付けるように彼に渡してしまうの。そんなアリシアに彼は少し困惑しながらも受け取り、袋を開け、目を見開く。中には不格好ながらも愛を感じるクッキー達が。彼はそのクッキーを一枚取り出し、口へと運ぶ。そして、『美味しいね』とアリシアへ微笑むのですわ! その一言にアリシアは更に赤面しつつ、嬉しくて涙が出てしまうほど。そして、アリシアは言うのですわ。『じゃあ、次は私のことを……』ぅんまぁー!! いけませんわ! いけませんわ!! アリシアったらそんな大胆に! それに、まだ昼間ですわ! でも!! それがいいんですわぁ!!! アリシアから精一杯の誘惑を受けた彼は耐えきえず、ついにアリシアの……』
「ちょっといつまで言ってんの!?」
ほら、始まったよ! 何その訳わかんない妄想は!? だから、リリィ呼ぶの嫌だったんだよ! この変態妄想パティシエール!
『はぁ……。これは胸が高まりますわ! ……うっ! でも、まさかあのアリシアが恋に目覚めるなんて……!』
『ああ! 感慨深いよなっ……!』
「深くないよ」
ヨヨヨっと二人して泣く演技を。もういいってそれ。
『だって、今まであなた全く殿方に興味を持たなかったじゃないの。格好いい殿方がいても『ふーん』としか言わないし。王子と婚約したというのに、何もしなかったでしょう。こっちはいつベッドインするのかと楽しみにしていましたのに』
「何楽しみにしてるの……」
あの王子とベッドインなんか何も楽しくないよ。いったい何を期待してんのよ、この変態は。
『だいたいアリシアはガードが硬すぎるんですわ。殿方へこちらから隙を見せてあげることで、向こうも攻めていけるようになるというのに。鉄壁すぎて誰も近寄ろうとしなかったじゃないですの』
「別に何もしてないよ」
私何もしてない。何もしてないけど、誰も寄って来なかった。私から行っても逃げられた。私悪くない。
『してますわ。現にいつもの服装もですわ。足が出てるのは良しとして、上がカッチカチじゃないですの! アリシアは顔もスタイルもいいのですから、もう少し自分を見せていくべきですわ! 少しぐらい攻めた服装もすべきですわ。そう、いつもと違う服装のアリシアに彼はドギマギしてしまいますの。その露わになった魅力的な体は、彼が眩しすぎて直視出来ない程。でも、彼の目は普段と違うアリシアに釘付けになるのですわ。見ないように見ないようにと思う程、目はアリシアから離れない。そして、ついに我慢の限界を超えた彼はアリシアを……』
「もういいーって! 早くクッキーの作り方教えてよー!」
だからあ! クッキーのぉ! 作り方教えてよー!!
『ああ、そうでしたわ。クッキーでしたわ。では、まずはその彼のこと教えて下さいまし』
「はあ? なんで?」
なんでヴェンのことをリリィに教える必要があるのさ。また、面倒になるだけじゃん。
『その彼に贈るのでしょう? 彼のことを知って、彼が喜ぶ物を作る必要があるじゃないですか』
「別に、多分なんでもいいよ。ほら、レシピはここにあるから。これうまく作れる方法教えて」
リリィに一冊の本を見せる。
「猿でもできらぁ! お菓子の作り方ぁ!!」と書かれた本のクッキーのページを。
『…………このレシピは駄目ですわ』
「は?」
『このレシピからは愛を感じませんの! このレシピは普通のクッキーの作り方というだけですわ!』
「それでいいんだけど?」
全然それでいいんだけど? むしろ、それを作りたいんだけど?
『駄目ですわ! ちゃんとお相手のことを考えないと! そうですわ! 今からその彼を調査するのですわ!』
「は?」
は? ちょっと、何言って……、
『カーバンクル、行きますわよ! 早く彼の元へ案内してくださいまし!』
『任された!』
「え、ちょ、本気で、ええっ!? ちょっと!? 本気で行く気なの!?」
『行きますわーー!!』
ガチャと扉を開けて出ていく二人。本気でヴェンのところ行くつもり!? こんな二人放っとけるわけないじゃん!
私は慌てて、飛び出した二人を追いかけた。
59
あなたにおすすめの小説
聖女なのに王太子から婚約破棄の上、国外追放って言われたけど、どうしましょう?
もふっとしたクリームパン
ファンタジー
王城内で開かれたパーティーで王太子は宣言した。その内容に聖女は思わず声が出た、「え、どうしましょう」と。*世界観はふわっとしてます。*何番煎じ、よくある設定のざまぁ話です。*書きたいとこだけ書いた話で、あっさり終わります。*本編とオマケで完結。*カクヨム様でも公開。
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く
腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」
――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。
癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。
居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。
しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。
小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。
婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」
チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。
だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。
魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。
だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。
追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。
訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。
そして助けた少女は、実は王国の姫!?
「もう面倒ごとはごめんだ」
そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
聖女を追放した国が滅びかけ、今さら戻ってこいは遅い
タマ マコト
ファンタジー
聖女リディアは国と民のために全てを捧げてきたのに、王太子ユリウスと伯爵令嬢エリシアの陰謀によって“無能”と断じられ、婚約も地位も奪われる。
さらに追放の夜、護衛に偽装した兵たちに命まで狙われ、雨の森で倒れ込む。
絶望の淵で彼女を救ったのは、隣国ノルディアの騎士団。
暖かな場所に運ばれたリディアは、初めて“聖女ではなく、一人の人間として扱われる優しさ”に触れ、自分がどれほど疲れ、傷ついていたかを思い知る。
そして彼女と祖国の運命は、この瞬間から静かにすれ違い始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる