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第一章
ここで会ったが
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パーティーの事務所を出て、いったん家に戻りボロボロになったローブを着替えてから、夜行列車に乗り込んだ。行き先は、マリアンさんが住んでるという海辺の街だ。
急な遠出になってしまったけど、夜明けを待ってもいられない。少しでも早く、この首輪を外したいから。
硬い座席に腰掛けて眠ったり起きたりを繰り返してるうちに、窓の外が段々と明るくなり、穏やかな波が立つ海が見えていた。ああ、もうちょっとで、目的地に着くんだな。
ソベリさんは、とりあってくれるから、と言っていたけど……、やっぱり不安になってきた。いきなり訪ねてきたやつの呪いの解除なんて、本当にしてくれるんだろうか? それに、引き受けてくれたとしても、パーティーを引退したのも五年以上前だし……、腕がなまっていて上手くいかないなんて可能性もあるよな。
「間もなく、終点です。お降りの際はお忘れ物をなさいませんようご注意下さい」
車内にアナウンスの声が響いた。
ひとまず、マリアンさんのところに行って、あとのことはそれから考えよう。ソベリさんから、駅からそんなに遠くない場所でカフェを経営してるって聞いたし、地図ももらってあるからすぐにたどり着けるはず。
そう思っていたのに――
「何なんだよ、この地図は」
――雑すぎる地図に、思わず独り言を漏らしてしまった。
列車を降りて、ポケットから地図を取り出してみると、そこには「駅」と書かれた円と、「マリアンの店」と書かれた円が、一本の線で繋がれた図だけが描かれていた。しかも、方角も書かれていない。せめて、海がどちら側にあるのかが分かれば、大体の見当はつくのに、そんな情報もない。こんな地図で、どうやってたどり着けって言うんだよ……。
「おい、そんな所に突っ立ってると邪魔だ!」
不意に、背後から男性の怒鳴り声が聞こえてきた。振り返ると、白髪の男性が、イライラした表情を浮かべていた。
「あ、す、すみません」
「ふん。まったく、近頃の若いもんは」
男性はテンプレート過ぎるセリフを吐いて、去っていった。
……とりあえず、ホームから出よう。外に地図があるかもしれないし。
駅を出ると、幸いなことに駅舎の外壁に地図がかかっていた。ちょっと日に焼けてるけど、読めないことはないな。
えーと、マリアンさんのカフェの名前は「コーラルリーフ」だったけど、載ってるかな……、あ、あった。えーと、駅がここで、海がこっちに描かれてるから……。
「あれ? お兄さん、うちの店に、なにかご用っすか?」
「うわぁ!?」
突然声をかけられ、思わず軽く跳び上がってしまった。一体、なんなんだよ……?
振り返ると、軽く日に焼けた背の高い黒髪の男性が、慌てた表情で立っていた。
「す、すんません! 驚かすつもりはなかったんすよ!」
「そうですか。なら、何の用ですか?」
「あ、いや、ほら、その地図でうちの店のあたりを指でなぞってたから、お客さんかなと思って」
「うちの店? ということは、『コーラルリーフ』の方なんですか?」
問いかけると、男性はキョトンとした表情で首をかしげた。
「え、『コーラルリーフ』? ……ああ! うちじゃなくて、マリアンさんところのお客さんっすね!」
客かと言われたら微妙なところだけど……、詳しい話をしても仕方ないか。
「ええ、まあ、そんなところです」
僕の返事を聞くと、男性はさわやかな笑顔を浮かべた。
「それなら、案内するっすよ!」
「え? 案内?」
「はい! 俺、隣で『クラウンフィッシュ』ってサーフショップ開いてるんすよ!」
サーフショップ?
……ああ、本当だ、地図にも「コーラルリーフ」の隣に、「クラウンフィッシュ」っていう店がある。
「ちょうど今から、店に戻るところだったんで」
ちょっと怪しい気もするけど、人を騙すような人には見えないし……、それに、もしもこちらに危害を加えるようなら、攻撃魔術を食らわせてやればいいか。
「それじゃあ、お言葉に甘えて、おねがいします」
「任せてくださいっす!」
男性はさわやかな笑顔でそう言いながら、親指を立てた。
それから、二人して駅前をあとにして、マリアンさんの店に向かって海沿いの道歩きだした。
「お兄さん、その格好ひょっとして、魔術師っすか?」
不意に、男性が僕のローブを指さして首をかしげた。
「ええ、そうですね」
「それだと、魔術の教員っすか? それとも、ダンジョン探索者?」
「ダンジョン探索者の方です」
僕の答えに、男性は目を輝かせた。
「マジッすか! 実は、俺もちょっと前までダンジョン探索者だったんすよ!」
「へー、そうだったんですか。職は何だったんですか?」
「格闘家っす!」
「格闘家、ですか」
「そうっす!」
そういえば、ベルムさんが史上最年少で最難関ダンジョンを攻略したときのメンバーに、格闘家のヒューゴさんっていう人がいたな。たしか、当時としては珍しい、魔法と格闘術を組み合わせて戦う、格闘家だったはずだ。
「あのころは、子供のころからの仲間といろんなダンジョンを探索して……、楽しかったなぁ」
「そうなんですか。なら、なんで辞めちゃったんですか?」
問いかけると、男性は苦笑を浮かべて、頭を掻いた。
「俺、ダンジョン探索と同じくらいサーフィンが好きで、いつか自分でサーフショップを開きたいなって思ってたんすよ」
「へー、それで?」
「それで、あるときすごく難しい依頼に成功したんすよ。それで、その報酬で開業できるくらいの金が貯まって……、夢を諦めきれないなって思いはじめたんすよ」
「ふーん、そうだったんですか」
「はい! それで、二年くらい悩んでたんすけど、パーティーのリーダーに相談したら、後悔しないようにお前の好きなことをやれ、って笑顔で言ってもらえて」
「それで、パーティーを辞めて、サーフショップを開いたんですか」
「その通りっす! あのときリーダーが笑顔で送り出してくれたおかげで、今の俺があるんすよ」
サーフショップがダンジョン探索者を辞めてまでやるべき仕事だとは思えないけど……、本人が満足そうな顔をしてるから放っておこう。
「そのリーダーと他の仲間も最近ダンジョン探索者を辞めてこっちに来たんで、今度は俺が何か役に立てたらなーって思ってるんす!」
「へえ、そうなんですか」
この人がヒューゴさんで、そのリーダーっていうのがベルムさんだったら、いいんだけど……、さすが、そんな都合が良いことはないか。
そんなかんじで世間話をしながら、海沿いの道を歩くうちに、カフェらしき白い壁の建物とサーフショップらしき木造の建物が見えてきた。
「あ、あそこがマリアンさんのカフェっす!」
「そうですか、ご案内いただき、ありがとうございました」
「いえいえ! どういたしましてッす! じゃあ、俺は店に戻るんで! 気が向いたら、帰りにでも寄ってくれると嬉しいっす!」
男性はそう言うと、木造の建物へ走り去っていった。
うん、あの人のおかげで無事にたどり着けたし、帰りに何か買って帰ろうかな。アクセサリー類も売ってるだろうし。
でも、まずは、マリアンさんに会わないと。
カフェの中に入ると、数組の客と、白いワンピースに黒いエプロンを着けて、歩き回る女性の姿が目に入った。ボブカットの黒髪と、猫っぽい目が可愛い人だな……、いや、見惚れてるばあいじゃないか。
女性はこちらに気づくと、ニコリと微笑んで近づいてきた。
「いらっしゃいませー。お好きな席にどうぞー」
「あ、あの、回復術士のマリアンさんは、いらっしゃいますか?」
問いかけると、女性は眉を寄せて軽く首をかしげた。
「マリアンは私ですが、回復術士は六年前に引退していますが?」
……うん、すごく嫌そうな声だ。
でも、ここで引き下がるわけにはいかない。
「あの、どうしても、回復術士としてのマリアンさんにお願いしたいことがあって……、ソベリさんからの紹介状もあるので……」
ポケットから紹介状を取り出して差し出すと、マリアンさんは深くため息を吐いた。
「……ソベリからの紹介状、ということは、君は私の後輩ってことになるのね」
「あ、は、はい」
「それなら、まあ、読むだけは読んでみましょうかね」
マリアンさんはしぶしぶといった表情をしながらも、紹介状を受け取ってくれた。それから、折りたたまれていた紹介状を開き、眉間にシワを寄せて内容を読みはじめた。
それからしばらくして、マリアンさんは深いため息を吐きながら、紹介状から顔を上げた。
「ひとまず、その呪いの首輪の解除っていうのは、やってあげてもいいわ。対して難しくもないし」
「本当ですか!」
「でも、もう一つの頼みごとは、聞けないわね」
「え? もう一つの、頼みごと?」
マリアンさんは、何のことを言ってるんだ?
「え? この紹介状に書いてあったことだけど、君、中身は読んでないの?」
「は、はい」
「そっか……」
マリアンさんは再び深いため息を吐いた。
ソベリさんは首輪の件以外に、何を書いたんだろう?
「じゃあ、ソベリにこう伝言をお願い。残念だけど、ここにベル――」
「マリアン、ハーブティー用の薬草採ってきたぞ」
「あと、ケーキ用の木イチゴも見つかったよー」
……え? この声は?
振り返ると、そこには薬草の入ったカゴを抱えたベルムさんと、木イチゴの入ったカゴを抱えたルクスさんの姿があった。
僕の姿を見て、ベルムさんは眉間にシワを寄せ、ルクスさんは首をかしげる。
「お前……、なぜここに……」
「あれ? 君は、えーと……、フォルテ、だったよね?」
二人を見て、マリアンさんはまたしても深いため息を吐いた。
「なんで、こんな絶妙なタイミングで帰って来るのかな、二人とも」
……本当に、絶妙なタイミングだ。
これで、ソベリさんからの依頼も達成できるんだから。
急な遠出になってしまったけど、夜明けを待ってもいられない。少しでも早く、この首輪を外したいから。
硬い座席に腰掛けて眠ったり起きたりを繰り返してるうちに、窓の外が段々と明るくなり、穏やかな波が立つ海が見えていた。ああ、もうちょっとで、目的地に着くんだな。
ソベリさんは、とりあってくれるから、と言っていたけど……、やっぱり不安になってきた。いきなり訪ねてきたやつの呪いの解除なんて、本当にしてくれるんだろうか? それに、引き受けてくれたとしても、パーティーを引退したのも五年以上前だし……、腕がなまっていて上手くいかないなんて可能性もあるよな。
「間もなく、終点です。お降りの際はお忘れ物をなさいませんようご注意下さい」
車内にアナウンスの声が響いた。
ひとまず、マリアンさんのところに行って、あとのことはそれから考えよう。ソベリさんから、駅からそんなに遠くない場所でカフェを経営してるって聞いたし、地図ももらってあるからすぐにたどり着けるはず。
そう思っていたのに――
「何なんだよ、この地図は」
――雑すぎる地図に、思わず独り言を漏らしてしまった。
列車を降りて、ポケットから地図を取り出してみると、そこには「駅」と書かれた円と、「マリアンの店」と書かれた円が、一本の線で繋がれた図だけが描かれていた。しかも、方角も書かれていない。せめて、海がどちら側にあるのかが分かれば、大体の見当はつくのに、そんな情報もない。こんな地図で、どうやってたどり着けって言うんだよ……。
「おい、そんな所に突っ立ってると邪魔だ!」
不意に、背後から男性の怒鳴り声が聞こえてきた。振り返ると、白髪の男性が、イライラした表情を浮かべていた。
「あ、す、すみません」
「ふん。まったく、近頃の若いもんは」
男性はテンプレート過ぎるセリフを吐いて、去っていった。
……とりあえず、ホームから出よう。外に地図があるかもしれないし。
駅を出ると、幸いなことに駅舎の外壁に地図がかかっていた。ちょっと日に焼けてるけど、読めないことはないな。
えーと、マリアンさんのカフェの名前は「コーラルリーフ」だったけど、載ってるかな……、あ、あった。えーと、駅がここで、海がこっちに描かれてるから……。
「あれ? お兄さん、うちの店に、なにかご用っすか?」
「うわぁ!?」
突然声をかけられ、思わず軽く跳び上がってしまった。一体、なんなんだよ……?
振り返ると、軽く日に焼けた背の高い黒髪の男性が、慌てた表情で立っていた。
「す、すんません! 驚かすつもりはなかったんすよ!」
「そうですか。なら、何の用ですか?」
「あ、いや、ほら、その地図でうちの店のあたりを指でなぞってたから、お客さんかなと思って」
「うちの店? ということは、『コーラルリーフ』の方なんですか?」
問いかけると、男性はキョトンとした表情で首をかしげた。
「え、『コーラルリーフ』? ……ああ! うちじゃなくて、マリアンさんところのお客さんっすね!」
客かと言われたら微妙なところだけど……、詳しい話をしても仕方ないか。
「ええ、まあ、そんなところです」
僕の返事を聞くと、男性はさわやかな笑顔を浮かべた。
「それなら、案内するっすよ!」
「え? 案内?」
「はい! 俺、隣で『クラウンフィッシュ』ってサーフショップ開いてるんすよ!」
サーフショップ?
……ああ、本当だ、地図にも「コーラルリーフ」の隣に、「クラウンフィッシュ」っていう店がある。
「ちょうど今から、店に戻るところだったんで」
ちょっと怪しい気もするけど、人を騙すような人には見えないし……、それに、もしもこちらに危害を加えるようなら、攻撃魔術を食らわせてやればいいか。
「それじゃあ、お言葉に甘えて、おねがいします」
「任せてくださいっす!」
男性はさわやかな笑顔でそう言いながら、親指を立てた。
それから、二人して駅前をあとにして、マリアンさんの店に向かって海沿いの道歩きだした。
「お兄さん、その格好ひょっとして、魔術師っすか?」
不意に、男性が僕のローブを指さして首をかしげた。
「ええ、そうですね」
「それだと、魔術の教員っすか? それとも、ダンジョン探索者?」
「ダンジョン探索者の方です」
僕の答えに、男性は目を輝かせた。
「マジッすか! 実は、俺もちょっと前までダンジョン探索者だったんすよ!」
「へー、そうだったんですか。職は何だったんですか?」
「格闘家っす!」
「格闘家、ですか」
「そうっす!」
そういえば、ベルムさんが史上最年少で最難関ダンジョンを攻略したときのメンバーに、格闘家のヒューゴさんっていう人がいたな。たしか、当時としては珍しい、魔法と格闘術を組み合わせて戦う、格闘家だったはずだ。
「あのころは、子供のころからの仲間といろんなダンジョンを探索して……、楽しかったなぁ」
「そうなんですか。なら、なんで辞めちゃったんですか?」
問いかけると、男性は苦笑を浮かべて、頭を掻いた。
「俺、ダンジョン探索と同じくらいサーフィンが好きで、いつか自分でサーフショップを開きたいなって思ってたんすよ」
「へー、それで?」
「それで、あるときすごく難しい依頼に成功したんすよ。それで、その報酬で開業できるくらいの金が貯まって……、夢を諦めきれないなって思いはじめたんすよ」
「ふーん、そうだったんですか」
「はい! それで、二年くらい悩んでたんすけど、パーティーのリーダーに相談したら、後悔しないようにお前の好きなことをやれ、って笑顔で言ってもらえて」
「それで、パーティーを辞めて、サーフショップを開いたんですか」
「その通りっす! あのときリーダーが笑顔で送り出してくれたおかげで、今の俺があるんすよ」
サーフショップがダンジョン探索者を辞めてまでやるべき仕事だとは思えないけど……、本人が満足そうな顔をしてるから放っておこう。
「そのリーダーと他の仲間も最近ダンジョン探索者を辞めてこっちに来たんで、今度は俺が何か役に立てたらなーって思ってるんす!」
「へえ、そうなんですか」
この人がヒューゴさんで、そのリーダーっていうのがベルムさんだったら、いいんだけど……、さすが、そんな都合が良いことはないか。
そんなかんじで世間話をしながら、海沿いの道を歩くうちに、カフェらしき白い壁の建物とサーフショップらしき木造の建物が見えてきた。
「あ、あそこがマリアンさんのカフェっす!」
「そうですか、ご案内いただき、ありがとうございました」
「いえいえ! どういたしましてッす! じゃあ、俺は店に戻るんで! 気が向いたら、帰りにでも寄ってくれると嬉しいっす!」
男性はそう言うと、木造の建物へ走り去っていった。
うん、あの人のおかげで無事にたどり着けたし、帰りに何か買って帰ろうかな。アクセサリー類も売ってるだろうし。
でも、まずは、マリアンさんに会わないと。
カフェの中に入ると、数組の客と、白いワンピースに黒いエプロンを着けて、歩き回る女性の姿が目に入った。ボブカットの黒髪と、猫っぽい目が可愛い人だな……、いや、見惚れてるばあいじゃないか。
女性はこちらに気づくと、ニコリと微笑んで近づいてきた。
「いらっしゃいませー。お好きな席にどうぞー」
「あ、あの、回復術士のマリアンさんは、いらっしゃいますか?」
問いかけると、女性は眉を寄せて軽く首をかしげた。
「マリアンは私ですが、回復術士は六年前に引退していますが?」
……うん、すごく嫌そうな声だ。
でも、ここで引き下がるわけにはいかない。
「あの、どうしても、回復術士としてのマリアンさんにお願いしたいことがあって……、ソベリさんからの紹介状もあるので……」
ポケットから紹介状を取り出して差し出すと、マリアンさんは深くため息を吐いた。
「……ソベリからの紹介状、ということは、君は私の後輩ってことになるのね」
「あ、は、はい」
「それなら、まあ、読むだけは読んでみましょうかね」
マリアンさんはしぶしぶといった表情をしながらも、紹介状を受け取ってくれた。それから、折りたたまれていた紹介状を開き、眉間にシワを寄せて内容を読みはじめた。
それからしばらくして、マリアンさんは深いため息を吐きながら、紹介状から顔を上げた。
「ひとまず、その呪いの首輪の解除っていうのは、やってあげてもいいわ。対して難しくもないし」
「本当ですか!」
「でも、もう一つの頼みごとは、聞けないわね」
「え? もう一つの、頼みごと?」
マリアンさんは、何のことを言ってるんだ?
「え? この紹介状に書いてあったことだけど、君、中身は読んでないの?」
「は、はい」
「そっか……」
マリアンさんは再び深いため息を吐いた。
ソベリさんは首輪の件以外に、何を書いたんだろう?
「じゃあ、ソベリにこう伝言をお願い。残念だけど、ここにベル――」
「マリアン、ハーブティー用の薬草採ってきたぞ」
「あと、ケーキ用の木イチゴも見つかったよー」
……え? この声は?
振り返ると、そこには薬草の入ったカゴを抱えたベルムさんと、木イチゴの入ったカゴを抱えたルクスさんの姿があった。
僕の姿を見て、ベルムさんは眉間にシワを寄せ、ルクスさんは首をかしげる。
「お前……、なぜここに……」
「あれ? 君は、えーと……、フォルテ、だったよね?」
二人を見て、マリアンさんはまたしても深いため息を吐いた。
「なんで、こんな絶妙なタイミングで帰って来るのかな、二人とも」
……本当に、絶妙なタイミングだ。
これで、ソベリさんからの依頼も達成できるんだから。
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