D県Y郡七篠町のおみせやさん

鯨井イルカ

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細かい刻み目がある硬貨のララバイ

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 私が自分に祖父のある事を知ったのは……いや、まあ、物心ついたときから居ることは知っていたか。しかし、その祖父がろくでもないと知った……のも、それなりに幼い頃だった気がする。

 やれ鎌と物干し竿と篭を組み合わせて作った高枝切りバサミでその辺に生えてる木通を勝手に取って方々に怒られたり、やれ某温泉地の土産物もビックリな難易度の自作秘密箱を渡してきて面白がったり、やれ「マカロニは貝だ」なんてデタラメを真顔で教えてきたり。思い出せば切りがないし、思い出すと軽く頭痛がしてくる。

 まあ、孫として可愛がられていたという自覚はある。それでも「マカロニは貝」の件だけは許せない。おかげでこの間、金魚屋にものすごく笑われたのだから。思い出したらまた腹が立ってきた。


「おみせやさーん。これくださーい」

 気がつくと、どう見てもアナグマな男の子がカウンターに小さなチョコレートと赤銅色の硬貨を置いて小さな耳をピコピコと動かしていた。

「はーい、お買い上げありがとうございます。手提げの袋はいるかな?」

「ううん、大丈夫。えっとね、これ、ギザギザコインだから持ってるといいことあるよ」

 尖った爪が指した硬貨の縁はたしかにギザギザしている。そういえば、子供の頃そんな都市伝説を聞いたことがあったな。

「ありがとうね。じゃあ、気をつけて帰りなよ」

「うん。おじゃましましたー」

 フカフカの尻尾を振りながら男の子が店を出ていく。それと入れ替わるように、どうみてもアホロートルの幼生な女の子が飴玉を持ってカウンターにやってきた。

「おみせやさん、これください。袋はいらないです」

「はい、どうも。お買い上げありがとうね」

「これね、ギザキザコインだよ!」

「お、君もか。どうもありがとうね。じゃあ、気をつけてねー」

「うん! おみせやさん、またねー」

 レジの中に二枚目の縁がギザギザな硬貨を入れていると、今度はどうみてもリスザルな少年が近づいてくる。

「お店やさん! これくれ!」

「はいよー。お買い上げありがとうね。お?」

 カウンターに置かれているのはやたら跳びはねる小さなボールと縁がギザギザな硬貨。

「どうだ、スゲーだろ! この間世話になったからこれで買ってやるよ!」

「おお、ありがとうな少年。お礼に戸棚から出てきたシラスの標本でもおまけしようか?」

「いらねーよそんなの! 子供にふりょー在庫を押しつけようとすんな!」

「ははは、ごめんごめん。じゃあ、お買い上げありがとうございました。気いつけて帰れよー」

「おう! またな、お店やさん!」

 立てた尻尾の先を揺らしながら少年も帰っていく。

 
 ここはD県Y郡七篠町の外れにある小さな雑貨店。

 
 やってくるお客達は色々と独特な見た目をしているが、嫌な思いをしたことは一度もない。幸いなことに、今のところ大きな問題にも深刻な経営難にも直面していない。

「すみません、おみせやさん。シラスの標本てそちらに置いてありますかね?」

 不意に、スマートフォンの通知画面に金魚屋からのメッセージが表示された。
 コイツも色々と胡散臭いところはあるけれど、基本的には私に優しい(推定)イケメンだ。
 そんなやつらに囲まれたこの町での暮らしに不満は何もない。


 ただ、私にとって都合がよすぎる気がする。

 
 ここに来る前は顔も見たくないような相手もそれなりにいたし、やりたくもないことがそれなりにあった気がする。それなのに今はそいういうものが一切ない。
 まるで、ままごと遊びのような日常。
 実際のところ、この町はどこかの子供が某バニア的な人形で遊んでいるままごとなのではと考えたこともある。ただ、それにしてはキャラクターモチーフがややマニアックな気もするけれども。

 もしくはままごとをしているのは子供などではなく。

「――さん」

 いつの間にかカウンター越しに金魚屋が立っていた。本当に神出鬼没だけれどもいつものことだから気にしないことにしよう。

「難しい顔をなさっていましたが、何か考え事ですか?」

「あー、なんというか……」

 この町が誰かのままごとじゃないかと悩んでいた。なんてことを素直に相談したらまた面白がられそうだからやめておこう。

「……お客さんに縁がギザギザの硬貨で支払いしてもらったから、どうしたものかなって」

「ああ、なんか持っているといいことがあるっていうあの」

「そうそう。まあ、ただの都市伝説だろうし普通にしてようと思うけどね。それより、シラスの標本が必要ならちょうど見つかったから持っていくといいよ」

「ふふふ、ありがとうございます。なら、お代と……少し面白いお話を教えてあげましょうか」

「面白い話?」

「ええ」

 ブリキの面に胡散臭い笑みが透けて見える気がする。まさか、マルチな商法のお誘いとかだろうか?

「この間うちに来たお客様達が話していたんですけどね。なんでも深夜に駅前病院の傍にある電話ボックスで縁がギザギザの硬貨を使うと、どんな人にでも電話がつながるそうです」

「どんな人とでも?」

「ええ。片思いの相手ですとか、スキャンダルの渦中にいるアイドルですとか……既にこの世を去った方、ですとか。番号は適当でも必ず望む相手につながり、硬貨一枚につき一つだけ質問ができるそうです」

「……」

 既にこの世を去った方。

「なんとなく、今の貴女に必要な話題かな、と思いまして」

 ブリキの金魚越しの表情はわからない。ただ、声色はいつもより。

「余計なお世話でしたでしょうか?」

「……いや、面白い話だったよ。ありがとう」

「ふふ、いえいえ。じゃあ、シラスの標本はいただいていきますね」

 明らかに多すぎる対価を残して金魚屋は帰っていった。
 ひとまず、日が沈むまではもう少し働くことにしよう。


 そんなこんなで、駅前病院の傍にある電話ボックスまでやってきたけれど。

「雰囲気がありすぎるだろ」

 思わず独り言が零れるほど、深夜の病院の傍にある電話ボックスというのはなんとも背筋が寒くなるものだ。都市伝説につられてやってきたものの入るにはなかなか勇気がいる。なんかもう帰りたくなってきたけど、せっかくここまできたしなぁ。よし、いくか。

 意を決して足を踏み入れると、ボックスの中は切れかかった蛍光灯のおかげでかなりチカチカしていた。若干操作しづらいけど番号は適当でいいということだし。えーと。
 硬貨を入れて適当にダイヤルを回すと、受話器から呼び出し音が響いた。

 そして――

「おう、お前か。どうした?」

 ――聞き覚えの有る声が耳に届いた。

 聞き間違えかもしれないけれど、向こうは私のことを認識している。それならば。

「本当にじいさんなのか?」

「おう。そうだな」

「えーと、それなら」


 ――ガチャンッ


 突然会話が遮られ、ツーというノイズが受話器から響いた。
 今ので質問一回にカウントされるのはちょっと酷すぎやしないだろうか?
 いや、愚痴っていても仕方ないか。硬貨は残り二枚。次はちゃんとしないと。
 再び適当にダイヤルを回すと、やはり受話器から呼び出し音が響いた。

「おう。またお前か」

 そしてまた、平然とした声が聞こえてくる。こうしていると生きていたときと変わらない様に思えるな。

「それで、どうした?」

「あー、じいさんってこの間死んだよね?」

「おう。そうだな」

「ならさ……」

 
 ――ガチャンッ


 またやってしまった。
 やっぱり厳しすぎやしないだろうか?
 ともかく、泣いても笑っても硬貨は残り一枚。この感じだとあんまりややこしい質問は難しいかもしれない。
 なら、どうしても聞きたかったあのことを聞かなくては。
 最後の硬貨を入れて適当にダイヤルを回す。

「おう。やっぱりお前か」

 受話器からは相変わらず平然とした声が聞こえてきた。

「で、なにが聞きたいんだ?」

「そっちって……酒はうまくてねえちゃんはきれいか?」

「おう。そこそこだな」

「そっか」


 ――ガチャンッ


 受話器から聞こえるのは再びノイズだけになった。
 我ながらどうでもよすぎる質問だったけれども、どうせ大したことは聞けないんだ。向こうの酒がそこそこ美味いと分かっただけでも、これから先の希望が。


 ――ジリリリリリリ


「わぁ!?」

 突然鳴り響いた呼び出し音に口から諸々が飛び出したかと思った。受話器を置いた途端に鳴りだすのは卑怯だろ……ともかく、一応出てみようか。

「おう、やっぱりまだいたかお前」

 受話器からは相変わらず平然とした祖父の声が聞こえてきた。

「それで、本当にどうした?」

「あー、なんというかちょっと悩みごとがあったんだけど、ちょっとややこしい話題なんだよね」

「別に構わないぞ。そっちからかけるといろいろと面倒だが、こっちからかける分には特に制限はないからな」

「そうなの?」

「おう。じいさん、ウソ、つかない」

 この野郎、マカロニは貝だとか思いっきり下らない嘘を教えていたくせに。
 いや、今はそんなことを蒸し返している場合ではないか。

「実はさ……」

 この都合がよすぎる世界についての不安を口にしてみた。途中で茶化されるかとも思ったが、意外にも祖父は最後まで黙って話を聞いてくれた。

「……というわけなんだけれど」

「おう、分かった。つまるところお前は、この世界がお前にとっての都合がいい夢で、本当のお前は事業に失敗して病室のベッドで電話帳をなぞりながら詩でも読み上げてるんじゃないかと不安になったんだな?」

「河童のネタバレみたいなまとめかたどうも。まあ、そんなかんじだから、ずっと住んでたじいさんならこの町がなんなのか教えてくれるかなと思って」

「教えてやってもいいが……、お前はこの町に不満はないんだろ?」

「それは、うん」

 多分、もといた所よりもこの町のほうがずっと幸せなんだとは思う。

「なら、別にいいだろ。ずっとここに居れば」

「そうかも、しれないけれども」

 ただ、ここがパラノイア的ななにかならば目覚めないといけないとも思う。
 だって。

「現実世界的なところで、誰かが面倒な目に遭ってたら申し訳ないし」

「ふーん。ところでお前、町の夏祭りには何回出た?」

「は? 急に何の話?」

「いいから、教えろ」

「えーとこっちに来てから毎回出てるから……、何回かは出てるはずだけど」

「なら、もう結構な時間こっちに居るんじゃねえか。それならお前の言う現実世界的なところの誰かももう慣れてるだろ。だいたい、都合のいい町に逃げ出さずにはいられねえ現実なら戻ってもつらいだけだ」

「でもさぁ」

「デモもゲバもねえよ。それに、その誰かってのもそう思ってるからお前を結構な期間ここに置いてくれてんだろ。つーか、その誰かってのは誰のことだよ?」

「うーん」

  具体的に誰と問われると名前は出てこない。


 ――お代は蛞蝓の干物か酢漬けかならどちらがよろしいでしょうか?


 ただ、なんとなく金魚屋の下らない発言を思い出した。
 まあ、こんな問いに思い浮かぶのがこの町の住人ならば。

「とりあえず不満はないわけだし、もう少しこの町に居ることにするわ」

「おう。そうしとけ、そうしとけ。じゃあ、金魚屋と仲良くな」


 ――ガチャッ


 心の中を見透かしたような発言を残して電話は切れた。
 思い返すとなんだかはぐらかされた感が満載だし、町についてはなにひとつ分からなかった。それでも、今のところ不都合はなにもないのだしこのままささやか日々を楽しむことにしよう。
 さて、もう硬貨もないし帰らないと。


 ――ジリリリリリリ


「わぁ!?」

 またしても受話器を置くと当時に呼び出し音が鳴り響いた。

「えーと、なに?」

「悪い、さっき大事なことを言い忘れていた」

「大事なこと?」

「ああ、そうだ」

 聞こえてくるのは、生きていた頃にも聞いたことがないくらい深刻な声だ。この町でずっと暮らしていくならそれなりの覚悟を持て、だとか言われるのだろうか?

「……地獄の小咄」

「……はい?」

「あのよー」

「……」

「……」


 ――ガチャッ


 あ、切りやがったあのじいさん。
 まったく、身構えて損した。

 とりあえず、あんまり難しく考えすぎるなという助言だと思って、天狼星でも探しながら帰ることにしよう。
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