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8.先生の甘えた声が脳天を直撃する
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最近の俺の楽しみは、先生が書いた業務日誌を読む事だ。
仕事を終えると大事に業務日誌を抱えて部屋に戻り、自室でゆっくりと読む。
とは言え、いつも大した事は書かれていない。
治療をした騎士から貰ったクッキーが美味しかったと書いてあった時は、思わず購買で同じ物を買ってしまった。
その翌日の業務日誌には、クッキーのお礼の後に『そう言えば、そろそろ持ってきたお酒が無くなりそうです』と書かれていたので、果実酒でも買って一緒に飲もうと誘おうかと思ったが、勘違いをした恥ずかしさを思い出して『購買で好きな物を買え』とだけ返事をした。
自室で業務日誌を開くと、今日のページに目を通す。
治療した者の所属と名前、怪我の様子があまり上手くない字で丁寧に書かれている。
この国の字は先生には難しいらしく、夕方になるとバートの隣に座って聞きながら、一生懸命書いているらしい。
『副隊長にすてきなことを教えてもらいました。知らない間になかよくなっていたのでしょうか。これからも業務隊の人たちと、なかよくしていきたいです』
最後に書かれた角ばった文字は、先生の国の文字で名前が書いてあるらしく、あまりの違いに先生の苦労がうかがえた。
望まぬ場所で望まぬ力を使うのは大変だろう。それでも先生は、この砦での暮らしに馴染もうとしてくれている。
先生の言葉に自然と頬が緩んだ。
何と返事を書こうか考えていると、先生が俺を呼んだような気がした。
耳を澄ましてももう何も聞こえなくて、気のせいかとも思ったが、念の為確認しておこうと部屋を出た。
別にそれを口実に先生の顔を見ようとか、そんな事は一切考えていない。
「先生?どうかしたのか?」
ノックの後に声をかければ、部屋の中からくぐもった声が聞こえた。
「先生!?」
ドアを開けようとドアノブを回しても、鍵がかかっていて開かない。
ガチャガチャしても何の反応も無いと言う事は、何かあったんだろうか。
「入るぞ!」
一言声を掛けてから、俺はドアを思いっきり蹴飛ばした。
力が入り過ぎて、鍵だけでなくドアごと壊してしまったが、今は先生の安否確認が先だ。
真っ先に目に飛び込んできたのは、ベッドの上にある青白い男の身体だった。
邪魔をしてしまったのではと言う考えは、男の下で目を見開き、俺を見つめる先生の顔を見て吹き飛んだ。
その口には布が巻かれ、瞳は涙で濡れていた。
「……こ、のっ!」
男の髪を掴んでこちらを向かせると、力一杯拳を打ち込んだ。
殴る瞬間男が副隊長だと言う事に気がついたが、俺の怒りに火をつけただけだった。
殴り飛ばした副隊長が先生の上に倒れ込み、慌てて引き上げる。
「大丈夫か?先生!」
苦しそうな声が聞こえて、しまったと思い先生を見ると、ベッドに括られた先生が潤んだ瞳で俺を見つめていた。
下着ごと寝間着が胸の上までたくし上げられ、全裸よりも生々しい姿の先生に急いで目を逸した。
「すまない……副隊長を、懲罰房に入れてくる」
俺は副隊長を抱えて、逃げるように部屋を後にした。
副隊長の怪我は治っているようだが、気は失ったままだ。確かに鼻の骨が折れた感触がしたから、先生が治したんだろう。
俺を見つめるその瞳は、襲われた恐怖の涙だけではなく、熱っぽく潤んでいるように見えた。
柔らかそうな胸の膨らみ、細い腰回り、髪と同じ黒い茂み。
その全てが俺の男の部分を刺激した。
いや、待て。
先生はベッドに括り付けられていた。あれでは自力で服を直すこともできないだろう。
部屋の鍵はどうした?
先生の部屋の鍵、と言うかドアは俺が壊したし、執務室の鍵は慌てて出てきたからそのままだ。ドアを閉めたかどうかさえ怪しい。
完全に冷静さを失っていた。このままではまずい。
俺は副隊長を抱えたまま走ると、たまたま廊下で会った騎士に副隊長を任せて、全速力で部屋に戻った。
執務室のドアは閉められていてほっとしたが、先生の部屋に入ると、俺はその場で固まった。
先生はほぼ全裸のまま、悩まし気に身体をくねらせていた。
「んん……」
俺に気付くと、先生はうめき声を上げた。
口に布が噛まされたままなので、声も出せないでいる。本当に酷い状態のまま放置してしまった。
俺がゆっくりと近づいても、先生の足を擦り合わせるような動きは止まらなかった。
俺はなるべく見ないようにして先生に布団を被せると、口に巻かれた布を外した。
「たいちょう、さん……」
先生が切な気な瞳で俺を見つめている。
「おいてくなんて、ひどい、です……」
「すまない……」
俺は謝りながら、手の縛めも解いていく。
守ると言ったのに、自分の不甲斐なさに腹が立つ。
「そんなことより、ちょっとそこに座ってください」
先生はそう言うとベッドを指差し、胸の所で引っかかっていた服を脱ぎ捨てた。
何が始まるんだ?
俺は訳が分からないまま、いや、正直ソレしか考えられずに大人しくベッドに腰掛けた。
先生は一糸纏わぬ姿になると、腰掛けた俺に跨って座り、抱き着いてきた。
「ねーえ、たいちょーさん」
先生の甘えた声が脳天を直撃する。
「誰かが入ってきて、また襲われちゃったらどうしようって思うのに、ぜんぜんムラムラがおさまらなくて。でも手も使えないし、どこにもこすりつけられないし、辛かった……」
「先生、駄目、だ……」
モゾモゾと腰を揺らす先生に、今すぐ襲い掛かりそうになるが、小柄で華奢な先生の裸体を思い出せば、絶対に許されないと言う思いが強まる。
「俺は、先生を……女を、抱けない……」
自分に言い聞かせるように呟くと、先生が驚いた顔をして俺を見つめた。
「それは、ちょっと……裸になったのが恥ずかしいと言うか」
先生は赤くなった顔を隠すように、俺の胸に顔を埋めた。
先生のほっそりとした腰回りや、小さなお尻を見つめながら、俺は心の中で激しく葛藤していた。
挿れずに触るだけなら、先生を傷つける事は無いんじゃないか。
でも果たして、触るだけで我慢できるだろうか。
触りたい。ヤリたい。イカせまくってイキまくりたい。
やっぱり駄目だ。そんな事を考えてしまう俺に、先生に触れる資格は無い。
「まあ、いいや」
俺が何とか欲望を抑え込んでいると、先生は投げやりに呟いて、俺の顔に手を添えてじっと顔を見つめてきた。
「隊長さん、じっとしてて」
先生は少しだけ身体を反らして、次の瞬間。
「なっ!」
思いっきり頭突きを食らって、驚きの声を上げてしまった。
「いたあーい」
先生は痛そうに額を押さえている。
俺でも少し痛かったから、先生は相当痛かったんじゃないか?
「大丈夫、か?」
先生の行動が理解出来ず、戸惑いながら声を掛ける。
先生はモゾモゾと布団で身体を隠しながら、目に涙を浮かべて俺を見つめる。
「痛いとムラムラどころじゃなくなるから、最終手段です」
先生はまだ額を押さえている。
「助けてくれて、ありがとうございました。でもあんな状態でおいていったのはひどいと思うから、隊長さんにも協力してもらいました」
「……なぜ服を脱いだ?」
「だって、ムラムラしたのも元はといえば隊長さんのせいもあるし、そのままおいて行かれて腹が立って、隊長さんもムラムラして私の辛さを思い知ればいいって。ごめんなさい、八つ当たりです」
「そのまま俺に襲われるとは思わなかったのか?」
「隊長さんなら大丈夫かなって」
なんだその信頼は。
「まさか男の人が好きとは思わなくて、気持ち悪いことしてすみません」
「待て」
「変なもの見せちゃって、忘れてください」
「違うんだ」
何が?と言う顔で見つめられ、俺は言葉に詰まる。
「男が好きな訳じゃない」
「複雑、なんですね」
これは絶対誤解が解けていないな。
「だから……」
「たいちょーさん」
俺の言葉は先生に遮られる。先生が手を伸ばして俺の額にそっと触れると、僅かな痛みはあっと言う間に引いていった。
「今回のことはおたがい忘れましょう。ほら、おでこの痛みとともに、なかったことに」
先生は治療のせいか少しとろんとした目でそう言ったが、先生の額は赤くなったままだった。
「そろそろ服を着たいです」
そう言われればそれ以上留まる事ができず、俺は仕方なくドア、があった所に向かう。
これは早急に修理しないといけないな。
「ドアがないのは困るだろう。俺の……」
部屋と交換するか聞こうとして振り返ると、先生は立ち上がって服を着るところだった。
なぜ俺が出ていく前から着ようとした。
「え?別になくてもだいじょうぶですよ」
服を着る手を止めず、何でもなさそうに先生は言ったが、胸どころか茂みまで見えていたのは大丈夫じゃないだろう。
「……何かあったら、また呼んでくれ」
何とかそれだけ言って立ち去る。
「おやすみなさーい」
先生ののんきな声に少しだけ安心して、俺は自室に戻った。
仕事を終えると大事に業務日誌を抱えて部屋に戻り、自室でゆっくりと読む。
とは言え、いつも大した事は書かれていない。
治療をした騎士から貰ったクッキーが美味しかったと書いてあった時は、思わず購買で同じ物を買ってしまった。
その翌日の業務日誌には、クッキーのお礼の後に『そう言えば、そろそろ持ってきたお酒が無くなりそうです』と書かれていたので、果実酒でも買って一緒に飲もうと誘おうかと思ったが、勘違いをした恥ずかしさを思い出して『購買で好きな物を買え』とだけ返事をした。
自室で業務日誌を開くと、今日のページに目を通す。
治療した者の所属と名前、怪我の様子があまり上手くない字で丁寧に書かれている。
この国の字は先生には難しいらしく、夕方になるとバートの隣に座って聞きながら、一生懸命書いているらしい。
『副隊長にすてきなことを教えてもらいました。知らない間になかよくなっていたのでしょうか。これからも業務隊の人たちと、なかよくしていきたいです』
最後に書かれた角ばった文字は、先生の国の文字で名前が書いてあるらしく、あまりの違いに先生の苦労がうかがえた。
望まぬ場所で望まぬ力を使うのは大変だろう。それでも先生は、この砦での暮らしに馴染もうとしてくれている。
先生の言葉に自然と頬が緩んだ。
何と返事を書こうか考えていると、先生が俺を呼んだような気がした。
耳を澄ましてももう何も聞こえなくて、気のせいかとも思ったが、念の為確認しておこうと部屋を出た。
別にそれを口実に先生の顔を見ようとか、そんな事は一切考えていない。
「先生?どうかしたのか?」
ノックの後に声をかければ、部屋の中からくぐもった声が聞こえた。
「先生!?」
ドアを開けようとドアノブを回しても、鍵がかかっていて開かない。
ガチャガチャしても何の反応も無いと言う事は、何かあったんだろうか。
「入るぞ!」
一言声を掛けてから、俺はドアを思いっきり蹴飛ばした。
力が入り過ぎて、鍵だけでなくドアごと壊してしまったが、今は先生の安否確認が先だ。
真っ先に目に飛び込んできたのは、ベッドの上にある青白い男の身体だった。
邪魔をしてしまったのではと言う考えは、男の下で目を見開き、俺を見つめる先生の顔を見て吹き飛んだ。
その口には布が巻かれ、瞳は涙で濡れていた。
「……こ、のっ!」
男の髪を掴んでこちらを向かせると、力一杯拳を打ち込んだ。
殴る瞬間男が副隊長だと言う事に気がついたが、俺の怒りに火をつけただけだった。
殴り飛ばした副隊長が先生の上に倒れ込み、慌てて引き上げる。
「大丈夫か?先生!」
苦しそうな声が聞こえて、しまったと思い先生を見ると、ベッドに括られた先生が潤んだ瞳で俺を見つめていた。
下着ごと寝間着が胸の上までたくし上げられ、全裸よりも生々しい姿の先生に急いで目を逸した。
「すまない……副隊長を、懲罰房に入れてくる」
俺は副隊長を抱えて、逃げるように部屋を後にした。
副隊長の怪我は治っているようだが、気は失ったままだ。確かに鼻の骨が折れた感触がしたから、先生が治したんだろう。
俺を見つめるその瞳は、襲われた恐怖の涙だけではなく、熱っぽく潤んでいるように見えた。
柔らかそうな胸の膨らみ、細い腰回り、髪と同じ黒い茂み。
その全てが俺の男の部分を刺激した。
いや、待て。
先生はベッドに括り付けられていた。あれでは自力で服を直すこともできないだろう。
部屋の鍵はどうした?
先生の部屋の鍵、と言うかドアは俺が壊したし、執務室の鍵は慌てて出てきたからそのままだ。ドアを閉めたかどうかさえ怪しい。
完全に冷静さを失っていた。このままではまずい。
俺は副隊長を抱えたまま走ると、たまたま廊下で会った騎士に副隊長を任せて、全速力で部屋に戻った。
執務室のドアは閉められていてほっとしたが、先生の部屋に入ると、俺はその場で固まった。
先生はほぼ全裸のまま、悩まし気に身体をくねらせていた。
「んん……」
俺に気付くと、先生はうめき声を上げた。
口に布が噛まされたままなので、声も出せないでいる。本当に酷い状態のまま放置してしまった。
俺がゆっくりと近づいても、先生の足を擦り合わせるような動きは止まらなかった。
俺はなるべく見ないようにして先生に布団を被せると、口に巻かれた布を外した。
「たいちょう、さん……」
先生が切な気な瞳で俺を見つめている。
「おいてくなんて、ひどい、です……」
「すまない……」
俺は謝りながら、手の縛めも解いていく。
守ると言ったのに、自分の不甲斐なさに腹が立つ。
「そんなことより、ちょっとそこに座ってください」
先生はそう言うとベッドを指差し、胸の所で引っかかっていた服を脱ぎ捨てた。
何が始まるんだ?
俺は訳が分からないまま、いや、正直ソレしか考えられずに大人しくベッドに腰掛けた。
先生は一糸纏わぬ姿になると、腰掛けた俺に跨って座り、抱き着いてきた。
「ねーえ、たいちょーさん」
先生の甘えた声が脳天を直撃する。
「誰かが入ってきて、また襲われちゃったらどうしようって思うのに、ぜんぜんムラムラがおさまらなくて。でも手も使えないし、どこにもこすりつけられないし、辛かった……」
「先生、駄目、だ……」
モゾモゾと腰を揺らす先生に、今すぐ襲い掛かりそうになるが、小柄で華奢な先生の裸体を思い出せば、絶対に許されないと言う思いが強まる。
「俺は、先生を……女を、抱けない……」
自分に言い聞かせるように呟くと、先生が驚いた顔をして俺を見つめた。
「それは、ちょっと……裸になったのが恥ずかしいと言うか」
先生は赤くなった顔を隠すように、俺の胸に顔を埋めた。
先生のほっそりとした腰回りや、小さなお尻を見つめながら、俺は心の中で激しく葛藤していた。
挿れずに触るだけなら、先生を傷つける事は無いんじゃないか。
でも果たして、触るだけで我慢できるだろうか。
触りたい。ヤリたい。イカせまくってイキまくりたい。
やっぱり駄目だ。そんな事を考えてしまう俺に、先生に触れる資格は無い。
「まあ、いいや」
俺が何とか欲望を抑え込んでいると、先生は投げやりに呟いて、俺の顔に手を添えてじっと顔を見つめてきた。
「隊長さん、じっとしてて」
先生は少しだけ身体を反らして、次の瞬間。
「なっ!」
思いっきり頭突きを食らって、驚きの声を上げてしまった。
「いたあーい」
先生は痛そうに額を押さえている。
俺でも少し痛かったから、先生は相当痛かったんじゃないか?
「大丈夫、か?」
先生の行動が理解出来ず、戸惑いながら声を掛ける。
先生はモゾモゾと布団で身体を隠しながら、目に涙を浮かべて俺を見つめる。
「痛いとムラムラどころじゃなくなるから、最終手段です」
先生はまだ額を押さえている。
「助けてくれて、ありがとうございました。でもあんな状態でおいていったのはひどいと思うから、隊長さんにも協力してもらいました」
「……なぜ服を脱いだ?」
「だって、ムラムラしたのも元はといえば隊長さんのせいもあるし、そのままおいて行かれて腹が立って、隊長さんもムラムラして私の辛さを思い知ればいいって。ごめんなさい、八つ当たりです」
「そのまま俺に襲われるとは思わなかったのか?」
「隊長さんなら大丈夫かなって」
なんだその信頼は。
「まさか男の人が好きとは思わなくて、気持ち悪いことしてすみません」
「待て」
「変なもの見せちゃって、忘れてください」
「違うんだ」
何が?と言う顔で見つめられ、俺は言葉に詰まる。
「男が好きな訳じゃない」
「複雑、なんですね」
これは絶対誤解が解けていないな。
「だから……」
「たいちょーさん」
俺の言葉は先生に遮られる。先生が手を伸ばして俺の額にそっと触れると、僅かな痛みはあっと言う間に引いていった。
「今回のことはおたがい忘れましょう。ほら、おでこの痛みとともに、なかったことに」
先生は治療のせいか少しとろんとした目でそう言ったが、先生の額は赤くなったままだった。
「そろそろ服を着たいです」
そう言われればそれ以上留まる事ができず、俺は仕方なくドア、があった所に向かう。
これは早急に修理しないといけないな。
「ドアがないのは困るだろう。俺の……」
部屋と交換するか聞こうとして振り返ると、先生は立ち上がって服を着るところだった。
なぜ俺が出ていく前から着ようとした。
「え?別になくてもだいじょうぶですよ」
服を着る手を止めず、何でもなさそうに先生は言ったが、胸どころか茂みまで見えていたのは大丈夫じゃないだろう。
「……何かあったら、また呼んでくれ」
何とかそれだけ言って立ち去る。
「おやすみなさーい」
先生ののんきな声に少しだけ安心して、俺は自室に戻った。
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