癒やしの巫女と業務隊長

白玉しらす

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33.私の言葉に隊長は嬉しそうに笑った ☆

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 いざ隊長を受け入れるとなって、私は怖気づいてしまった。
 今まで散々手や口でその大きさを感じてはいたけど、最後までしないと約束してくれた隊長に安心しきっていた。現実から目を背けていたとも言える。
「ここにも、挿れたい……いいんですか?」
 ぐいぐいと押し広げるような指の動きに、私はすぐに答えられなかった。
 いいかと聞かれるとどうだろう。本当に入るんだろうか。いっそ何も言わずにずぶりと入れて欲しかった。
「うわ……大きい……」
 大きさを確認するように隊長のものを握ると、更に大きさを増して不安が膨らんだ。隊長のものが膨らめば膨らむほど、私の不安も膨らむと言う訳だ。
「こんなに大きいの、入るんですか?」
 赤ちゃんの頭も通るぐらいだから、隊長のこれも入りはするだろう。でも、出産時は裂ける事があるとか、裂ける前にちょきんと切ることがあるとか聞く。隊長のこれで裂けない保証はない。
「……本当に、今更ですね」
 隊長が眉間にシワを寄せて私を見下ろしている。
 私からどうぞと言っておきながら、ギリギリで待ったをかけてしまえばこんな顔にもなるだろう。
「すみませ、んんっ……」
 申し訳なくなって謝ると、途中で口を塞がれた。そのまま割れ目をなぞられクリトリスも押され、快感が押し寄せる。 
「先生が欲しくなったら言ってください。必ず、言わせてみせます」
 中を擦られながら耳元で囁かれた言葉に、これはもう逃げられないなと思った。

 どろどろに溶かされた後で受け入れた隊長のものは、最初こそ苦しかったけど、思ったよりも痛くなかった。
 むしろ隊長をより深く感じられて、どうしようもなく幸せだった。
 奥深くまで貫かれるような感覚に、もう隊長の事しか考えられない。
「おっきい……しあわせ……」
 思わず漏れてしまった言葉に、隊長の動きが激しくなる。
 今まで感じたことの無いような快感に頭が真っ白になっていると、隊長の身体が大きく揺れた。
 ドクドクと熱いものが注がれた瞬間、あまりの幸せにどうかなってしまいそうだった。

「私はセオと出会うため、ここに来たのかもしれません」
 終わった後も優しい隊長に、私は素直に甘える。受け入れて貰えると信じられる相手がいると言うのは、幸せな事なんだなと思った。
「そう思えるぐらい、セオが好き」
 耳元で囁くと、隊長は無言で私を抱きしめた。
「ユイ……」
 隊長は眉間にシワを寄せて、何かを言おうとじっと私を見つめている。どうかしましたかと聞こうとして、足の間で存在を主張する硬いソレに気づいてしまった。
「あの、隊長……」
 逃げるように身体を離すと、隊長の眉間のシワが深くなった。これは、我慢してくれているんだろう。
 しばらく無言で見つめ合った後、私は隊長に抱きついた。
 たくさん待たせてしまったし、直前で怖気づいて待ったをかけてしまった。あと一回ぐらいなら、隊長の好きにしてもらっても大丈夫だろう。
 足に触れる隊長のものは熱くて硬くて大きくて、でももう怖くはなかった。
 
「もう一回……んんっ」
 もう一回だけならいいですよと言おうとしたら、途中でキスをされ口を塞がれてしまった。
「ユイが望めば、何度でも」
「そんっ、なっ……あっ、ああっ……」
 そんなに何度も求めませんと言おうとしたらまた口を塞がれ、そして隊長の大きなものが中に突き立てられた。
「ああ……ユイ……」
「ふっ、あっ……あっ、くっ……ああっ……」
 ゆっくりとした動きでも、大きくて硬い隊長のものが抜き差しされると頭が真っ白になってしまう。
「セオッ、あっ……あっ、んんっ……ああぁ……」
 身体中が隊長に満たされるような錯覚に、何も言えなくなってしまう。
「ユイ……」
 隊長は幸せそうに笑うと、ゆっくりと腰を振りながら私のおなかを愛おしそうに撫でた。
「やっ、あっ……あっ……ああっ……」
 快感と幸福感でいっぱいになって、自然と目から涙がこぼれる。
 隊長はそんな私をじっと見下ろすと、頭を抱えるように抱きしめて、深く深く私を貫いた。
「好き、だっ……ユイ……」
 耳元で小さく、荒い息に乗せて呟かれた言葉に、隊長のものをきゅうっと締め上げてしまう。
「ユイッ……くっ……ユ、イ……」
「はっ、ああっ……セオッ……ああっ……」
 うわ言のようにお互いを求め合い、溶け合うような感覚に自然と腰が動く。
「……入るか、心配していたのが……信じ、られない……」
 隊長が思い出したように笑うので、なんだか恥ずかしくなった。
「あっ、んっ……だってっ……セオのっ、あっ……気持ち、いいっ……」
「くっ……ユ、イッ……」
「あうっ……ああっ、んっ……ああっ……」
 激しくなる隊長の腰の動きに、私はもううめき声しか出なかった。


 屋上から眼下を見下ろせば、周りに高い建物がないせいで森や丘や街道がよく見通せる。
 少し前までは映画の中の景色のような、どこかフィクションのように感じた景色も、今日はいい天気だから洗濯物がよく乾くなとか、でもちょっと風が強いから洗濯物が飛ばされないといいけどとか、日常の一コマとして捉えられるようになっていた。
「またこんな所に一人でいて、危ないですよ」
「よく私がここにいるって分かりましたね」
「先生の姿が見えましたから」
 ぼんやりと景色を眺めていたら、隊長に後ろから抱きしめられて、顎を頭の上に乗せられた。
 隊長が急に現れる事はよくある事なので、驚いたりはしない。それより、屋上の壁からは頭しか出ていないはずなのに、この高さと距離でよく分かったなと、そっちの方に驚いてしまった。
「サボっていた訳ではないですよ。ちょっと天気を確かめていたんです」
「そうですか、それは大事な仕事ですね」
 隊長は笑いながら私の左腕に鎮座する、巨大な腕輪を確かめるように撫でた。
 明日にはパワーリストのようなこの腕輪ともさよならなので、隊長も感慨深いんだろう。

 そう、私と隊長は明日晴れて夫婦となる。
 この国の結婚式は、祝福したい人が新郎新婦を呼ぶと言うスタイルだそうで、私はなんの準備をする事も無く今日を迎えた。 
 砦の騎士は結婚するとビラシュッドに新居を構えるのが普通らしいけど、癒やしの巫女である私は王都から砦に派遣されているので、砦から出る事はできない。結婚しても今の部屋で今まで通りの暮らしを送る。
 電気もガスも無い世界で家事をこなす自信も無いので、砦で暮らすことに不満は無いけど、結婚に向けてする事がなさ過ぎて、いまいち実感が湧かなかった。

「実は、天気を確かめる以外にもしていた事があるんです」
「なんですか?」
「家族に、結婚の報告をしていたんです」
「ここでですか?」
「空は、つながっているような気がするので」
 見上げる空には太陽と月があって、見える数が違うから断言はできないけど、多分星も私のいた世界と同じ配置だった。
 だからこそ、この世界に来てしばらくは、外国で記憶喪失になっただけだと思っていた。
 違う世界だと分かった今も、空を見ればどこかでつながっているような気がして、私は空を見るたび家族の事を考えていた。
「隊長、私は幸せなんです」
「それは良かった」
「でも、私がいなくなって、みんなはどうしているのかなと思うと、私だけこんなに幸せでいいんだろうかと……」
「ユイ……」
 私の言葉に、隊長が抱きしめる腕の力を強めた。
「ユイが家族の幸せを願うように、きっとユイの家族もユイの幸せを願っている」
「そう、ですね。私の報告が届くといいんですが」
 隊長は私の頭をくしゃくしゃ撫でると、私から離れ大きく息を吸った。
「お嬢さんを、必ず幸せにします!」
 隊長は耳がおかしくなるような大声で、空に向かって叫んだ。風に乗ってどこまでも飛んでいきそうな大声だった。
『今のが私の旦那さん!かっこよくて優しくて、私は凄く幸せだから!』
 例え隊長の声が家族の元に届いても、言葉が違うから熊の唸り声にしか聞こえないと思い、精一杯の大声で補足した。補足したところで、熊のお嫁さんになったと思われそうだけど。
「何と言ったんですか?」
「今のが私の旦那さんで、かっこよくて優しくて凄く幸せって、言ったんです」
 私の言葉に隊長は嬉しそうに笑った。熊の唸り声と思った事は内緒にしておこう。
「セオ、大好き」
 飛びつくように抱きつくと、隊長は優しく抱きとめてくれた。
「ユイ、愛している」
 頭上から聞こえる甘い囁きに、隊長の顔を見上げれば、頬に手を添えてキスをされた。

 長く続くキスの中、私達の幸せも長く続くといいなと、そんな風に思った。
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