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第二部:第十八章 旅立ちは報せとともに
(二)依頼①
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(二)
ラーソルバール達も遂に二年生となった。
掲示されたクラス割りに、生徒達は一喜一憂する。
成績による振り分けもされているが、何故か成績優秀者がラーソルバールの居るクラスに偏った。
実は武技大会の決勝後、「友人関係を重視しているので、学校内の行事の面倒だったり目立つ役割はお断りします」と言ったことが原因だった。
その言葉に対して学校側が余計な配慮をした結果、「友人関係を重視している」という枕詞が一人歩きしたらしい。
本人にしてみれば、「面倒な事をしたくない」と、そのまま言う訳にもいかず、もっともらしい理由として付け足した言葉に過ぎないので、そんな事を言ったことすら忘れている。
そんなこんなで友人としてシェラ、フォルテシアばかりか、エミーナ、ガイザ、そしてエラゼルまでもが同じクラスに組み入れられたのだった。
実は、寮に戻れば隣室のミリエルとも親しくしていたのだが、学校側の極秘調査からは残念ながら漏れたようだった。
騎士学校での新しい一年を、友人に囲まれて過ごす事ができる喜びに浸って居たかったが、現実はそう優しいものではなかった。
新しいクラスでの自己紹介もそこそこに、教師はいきなり生徒達に、ひと月の間の課外実習を言い渡した。
予想外の事態に生徒達はざわめいた。
勿論、毎年二年生は同様の事を行ってはいるが、極秘事項としているので、生徒達が知らないのも無理はない。
ただ、例年は十日間程度で終わるのだが、この年は違った。
「カレルロッサ動乱により、国内の治安が乱れているので、数人が一組になって治安維持の為の活動を行って欲しい。そうすれば騎士として在るべき姿を学べるだろう」
そう教師は告げた。
カレルロッサ動乱が大きな要因となっている。建前も何もない本音である。
他国との戦闘ばかりではなく、国民に寄り添い、その生活と安全を守るのも、騎士の役割だ。国内の安全確保のため、予定日数を延ばしてでも、騎士団が出来ない部分の穴埋めをする。そうすれば学校では学べない事も身に付くはず、一石二鳥を狙ったというわけだ。
ただ、それ以外に大きな思惑がある。
もう一つの目的を覆い隠すため、である。
この日、ラーソルバールは校長室に呼び出された。ラーソルバール自身に思い当たる節が無いわけでもない。
呼ばれたからには仕方が無い、相手が相手だけに断る事もできない。そう思って校長室の前までやって来た。
扉を叩くと、中からドートス校長の声がする。
「入ってください」
ラーソルバールは気負うことなく、扉を開けて中に入る。
「失礼します」
「ああ、挨拶は要りません。そこにどうぞ」
校長がソファを指して座るよう促すので、言われるがまま、校長の向かい側に腰掛ける。
「この度は、準男爵になられたそうで、誠におめでとうございます」
「…あ、ありがとうございます」
頭を下げようとする、ラーソルバールを校長は静止する。
「本来であれば、お祝いをしたいところでは有りますが、申し訳ないのですが、お呼びしたのはその事ではないのです」
校長の顔に笑みは無い。
事情があるにしても校長らしくないなと、ラーソルバールは思った。
「早速なんですが単刀直入に申し上げましょう」
校長は咳払いをひとつすると、ラーソルバールの目を見る。
「貴女には冒険者になって頂きたい」
「はい…?」
意味が分からず、ラーソルバールは固まった。
ラーソルバール達も遂に二年生となった。
掲示されたクラス割りに、生徒達は一喜一憂する。
成績による振り分けもされているが、何故か成績優秀者がラーソルバールの居るクラスに偏った。
実は武技大会の決勝後、「友人関係を重視しているので、学校内の行事の面倒だったり目立つ役割はお断りします」と言ったことが原因だった。
その言葉に対して学校側が余計な配慮をした結果、「友人関係を重視している」という枕詞が一人歩きしたらしい。
本人にしてみれば、「面倒な事をしたくない」と、そのまま言う訳にもいかず、もっともらしい理由として付け足した言葉に過ぎないので、そんな事を言ったことすら忘れている。
そんなこんなで友人としてシェラ、フォルテシアばかりか、エミーナ、ガイザ、そしてエラゼルまでもが同じクラスに組み入れられたのだった。
実は、寮に戻れば隣室のミリエルとも親しくしていたのだが、学校側の極秘調査からは残念ながら漏れたようだった。
騎士学校での新しい一年を、友人に囲まれて過ごす事ができる喜びに浸って居たかったが、現実はそう優しいものではなかった。
新しいクラスでの自己紹介もそこそこに、教師はいきなり生徒達に、ひと月の間の課外実習を言い渡した。
予想外の事態に生徒達はざわめいた。
勿論、毎年二年生は同様の事を行ってはいるが、極秘事項としているので、生徒達が知らないのも無理はない。
ただ、例年は十日間程度で終わるのだが、この年は違った。
「カレルロッサ動乱により、国内の治安が乱れているので、数人が一組になって治安維持の為の活動を行って欲しい。そうすれば騎士として在るべき姿を学べるだろう」
そう教師は告げた。
カレルロッサ動乱が大きな要因となっている。建前も何もない本音である。
他国との戦闘ばかりではなく、国民に寄り添い、その生活と安全を守るのも、騎士の役割だ。国内の安全確保のため、予定日数を延ばしてでも、騎士団が出来ない部分の穴埋めをする。そうすれば学校では学べない事も身に付くはず、一石二鳥を狙ったというわけだ。
ただ、それ以外に大きな思惑がある。
もう一つの目的を覆い隠すため、である。
この日、ラーソルバールは校長室に呼び出された。ラーソルバール自身に思い当たる節が無いわけでもない。
呼ばれたからには仕方が無い、相手が相手だけに断る事もできない。そう思って校長室の前までやって来た。
扉を叩くと、中からドートス校長の声がする。
「入ってください」
ラーソルバールは気負うことなく、扉を開けて中に入る。
「失礼します」
「ああ、挨拶は要りません。そこにどうぞ」
校長がソファを指して座るよう促すので、言われるがまま、校長の向かい側に腰掛ける。
「この度は、準男爵になられたそうで、誠におめでとうございます」
「…あ、ありがとうございます」
頭を下げようとする、ラーソルバールを校長は静止する。
「本来であれば、お祝いをしたいところでは有りますが、申し訳ないのですが、お呼びしたのはその事ではないのです」
校長の顔に笑みは無い。
事情があるにしても校長らしくないなと、ラーソルバールは思った。
「早速なんですが単刀直入に申し上げましょう」
校長は咳払いをひとつすると、ラーソルバールの目を見る。
「貴女には冒険者になって頂きたい」
「はい…?」
意味が分からず、ラーソルバールは固まった。
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