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「アールからは、何も話は聞いてない?」
びくっ。アールの名に、思わずデージーの肩が震えた。
「……何か、とは」
「あ、うん。聞いてないのなら、いいの」
忘れて。そう言われても、忘れられるはずもなく。デージーは、お姉様、とコリンナを真っ直ぐに見据えた。
「お願いします。何か、とはなんでしょうか。教えてください」
「あ、あたしからは、ちょっと……」
デージーは席から立ち上がり「お願いします」と、頭を下げた。コリンナが慌てる。
「や、やめて。デージー」
それでも頭を上げようとしないデージーに、諦めたように、コリンナは大きくため息をついた。
「わかったわ。頭を上げて?」
「……はい」
ゆっくりと顔を上げたデージーに、コリンナは苦笑した。
「いつからそんなに頑固になったの?」
「……ごめんなさい」
「ううん、いいの。思わせぶりなことを言った、あたしも悪いんだから」
「……あの、それで」
コリンナは、うん、と目を伏せた。
「──驚かないで、聞いてね」
「……努力します」
ふふ。コリンナは笑い、やがて、重い口を静かに開いた。
「実はね。アールから、告白をされたの」
デージーの思考は、数秒、停止した。
びくっ。アールの名に、思わずデージーの肩が震えた。
「……何か、とは」
「あ、うん。聞いてないのなら、いいの」
忘れて。そう言われても、忘れられるはずもなく。デージーは、お姉様、とコリンナを真っ直ぐに見据えた。
「お願いします。何か、とはなんでしょうか。教えてください」
「あ、あたしからは、ちょっと……」
デージーは席から立ち上がり「お願いします」と、頭を下げた。コリンナが慌てる。
「や、やめて。デージー」
それでも頭を上げようとしないデージーに、諦めたように、コリンナは大きくため息をついた。
「わかったわ。頭を上げて?」
「……はい」
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「いつからそんなに頑固になったの?」
「……ごめんなさい」
「ううん、いいの。思わせぶりなことを言った、あたしも悪いんだから」
「……あの、それで」
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「──驚かないで、聞いてね」
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