別れ話をしましょうか。

 大好きな婚約者であるアールとのデート。けれど、デージーは楽しめない。そんな心の余裕などない。今日、アールから別れを告げられることを、知っていたから。

 お芝居を見て、昼食もすませた。でも、アールはまだ別れ話を口にしない。


 ──あなたは優しい。だからきっと、言えないのですね。わたしを哀しませてしまうから。わたしがあなたを愛していることを、知っているから。

 でも。その優しさが、いまは辛い。

 だからいっそ、わたしから告げてしまおう。


「お別れしましょう、アール様」


 デージーの声は、少しだけ、震えていた。


 この作品は、小説家になろう様にも掲載しています。
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