ハロウィントリップ!〜異世界で獣人騎士に溺愛された話〜

のらねことすていぬ

文字の大きさ
39 / 56

軟禁

しおりを挟む
-



 なんでこんなことになったんだろう。

 意識がぼやけた頭で必死に考えようとするけど、脳みそがふやけたような、目の前に薄い膜が張ったような、そんなふわふわと揺蕩う意識の中に俺はいる。思考がどこか遠くへ飛んで考えるのをやめたくなって、それはだめだ、とまた戻ってくる。


 そうだ。アズラークは、家から出た俺に酷く怒っていた。よく分からないことを言って、俺に匂いがついていると責めた。俺が誰かと番になるのは許さないとか、そんなことも何度も言われた気がする。

 ぼんやりと視線を向けると、月の光が窓から入ってきて、広い部屋の床を照らしている。そこには隅の方に投げ捨てられたままの俺の服。

 いつもだったらメイドさんが片付けてくれる部屋は荒れ放題だ。アズラークがこの部屋に誰も入れないようにと言っているのが扉の向こうから聞こえたのを覚えている。それ以来、食事もアズラークが持ってくるし、部屋の扉が開かれるのは彼が帰ってきた時だけだ。

 飛びかけていた意識が少しだけはっきりして、月の光しか光源のない薄暗い部屋の中で、大きな窓に焦点が合う。
 ……ああそうだ、あれから俺はずっと彼の元に囚われているんだ。ずっと、ここに。

「サタ」
「ひっ、!」
 
 胸の尖りをぎゅっと摘ままれて鋭い痛みに悲鳴が漏れた。

「よそを向くな。何を考えているんだ」
「ぁ、ゃ、あ、……あ!」


 アズラークの唸るような低い声。それと同時に齎された痛みとも快感ともつかない刺激に俺は体を跳ねさせた。彼と向かい合わせに膝に乗せられて、そのまま串刺しにされるように挿入されている。
俺の体の重みで恐ろしいくらい深くまで這入り込んだそれは、揺さぶられるたびに内側の気持ちのいいところをごりごりと押しつぶして俺に悲鳴を上げさせている。

 胸を苛む指から逃げようと体を揺すると、奥まで咥え込まされているアズラークの性器が内壁を擦って、そのことにまた背中を仰け反らせた。逃げをうつ腰を片手で掴まれてふたたび深く咥え込むように押さえつけられた。

「ひっ、うぁ、あ、あ゛、」
「サタ。窓の外なんて見て、何を考えた?」

 じわじわと甚振るような動きで俺を揺さぶり、摘まんだ胸の尖りに舌を這わされる。すっかり溶けた腰の奥に齎される痺れるような刺激と、ねっとりと舐め上げられる快感。その二つに悶えさせられて開けた口からは涎と嬌声しか出てこない。なのにアズラークは、答えない俺を責めるように瞳を酷薄そうに細めた。

「まさか外に出ようなんて……逃げようなんて思っていないよな?」

 そう言いながら胸元に噛みつかれて俺は痛みに首を横に振った。

「ち、……が、違う、あ、ぁあ!」
「誰も助けに来ないのも、分かっているな?」

 胸元から唇を離したアズラークは俺の顔を覗き込みながら低く囁く。
 分かっている。俺はアズラークの言うことを聞いて、ベッドから出てはいけなくて、他の雄とは会ってはいけなくて、……それから?それから、どうしたらいいんだろう。なんでアズラークはそんなことを、こんな俺を閉じ込めるようなことをするんだ。アズラークはなにがしたくてこんなことするんだろう。でもそんな考えは、強く腰を突き上げられてどこかへ霧散してしまった。

「ひっ! ふ、ふか、ぃい……! あ、ああ、ぁ、あ゛!」

 乱暴なほど奥深くまで侵される。目の前が真っ白になって、俺の性器はどろりと白濁を零した。
連日散々甚振られているせいか勢いのない射精で、体が強張って後ろの窄まりがきゅうきゅうとアズラークの性器を締め付ける。それなのにアズラークはまるでもっと出せと言わんばかりに突き上げてくる。

「んっ、あ、ぁあ、アズ、も、むり、ぃ」
「ちゃんと慣らしてあるから苦しくないだろう?」

 イっているのに容赦のない動きに、俺は涙ながらに無理だと首を振って懇願する。彼の言う通り散々指と舌でほぐされていて、それに毎日犯されている後ろは苦しくない。だけど快感で辛いのだと、涙と涎で汚れた顔のまま訴える。

「ちが、……き、きもちく……て、ぁ、ああ!」

 気持ちよすぎて辛い。イっても許してもらえないで齎される刺激が辛い。頭が白くなって、それを更なる快感で引き戻されて、おかしくなりそうだ。もう無理だと縋るようにアズラークを見ると……彼は残酷な笑みを浮かべた。

「ああ、もっと気持ちよくしてやろうな」
「ひぁっ、!」

 アズラークは性器を引き抜くと、ベッドサイドに手を伸ばして小さな瓶を取り出す。瓶の中には、ちゃぷりと音を立てる液体とその中に僅かに浮いた草のようなもの。その瓶から蓋を抜くと俺の口に押し当てた。

「サタ、口を開けろ」
「……っ、それ、や、……やだ、」

 顔を背けようとする俺の顎を掴み、口に親指を入れて唇を割り拓く。その隙間に液体が流し込まれて、吐き出すこともできずにそれは喉を滑り落ちていく。

「ちゃんと飲めたな。いい子だ」

 アズラークはそう言うと俺をうつ伏せにベッドに押し倒す。そして引き抜かれた刺激でまだひくひくと震える俺の後ろの窄まりに、再び深く性器を押し込んできた。

「ひぃ!あ、ああ゛……や、あ゛、!」
「大丈夫だ。すぐに薬がまわって、もっと気持ちよくなれる」

 力が入らなくてうつ伏せに寝そべったままの俺を押しつぶすように腰を突き入れられる。俺はそのアズラークの声を聞きながら、体がじわじわと熱くなっていくのを感じた。さっき飲まされたもの。アズラークに囚われだしてすぐの時にも無理やり飲まされた。彼の口ぶりだと媚薬か何かのようだけど、たぶんあれは酒の一種だ。しかもかなり強い。下戸ではないけどそれほど酒に強くない俺は、喉に流し込まれた程度の量でぐにゃりと体が弛緩していく。
 あっという間に真っ赤に染まった俺の背中を撫でてから腰を掴み、アズラークが俺の内側の気持ちのいいところを狙うように腰を揺する。

「い、……いや、あ、も、イけない、から、……やめ、」

 気持ちいい。けどもうイけない。さっき出したし、それまでも散々喘がされたし、もう。
だからもうそこを苛めないでくれと思ったのに……奥から湧き上がってきた強い快感に、俺は息を呑んだ。

「う、うそ、や……あ、あ、なんで、」

 酔っ払って霞んだ思考でも、何かおかしいと気が付いて。嫌だ嫌だと必死で暴れるけれどあっさり抑え込まれて追い詰めるように律動が早くなっていく。

 嫌だ。怖い。これは、この快感は怖い。こんなの知らない。嫌だ。嫌、なのに……!

「やだ、や、イ、イく、イくぅ、……、や、……あ、ぁあ、あ゛、あああ゛!」

 ぐり、と深くねじ込まれたのと同時に、俺は悲鳴を上げて体を強く強張らせた。

「あ、ああ、あ……、」

 長い長い絶頂感。心臓が異様に早く脈打ち、全身から汗が吹き出す。忘れていた呼吸を慌てて取り戻し、は、は、と犬のように喘いだ。深く深くイったのに、なのに、俺の性器からは一滴も零れていなくて。

「出さずにイけたな」

 アズラークの掌が、シーツに押し付けられている俺の股間に差し込まれて少しそこを撫でた。どこか笑いを含んだような声が背後から降ってきて、本当に俺は出さずに達してしまったんだと理解した。

 脳みそを溶かすような快感にぴくぴくと全身を震わせる。強すぎる絶頂感が少しだけ弱まると、体の力が抜けて手足がシーツに吸い込まれる。信じられなと思いながら薄らぐ意識のまま瞼を落とそうとすると、中で力を保ったままのアズラークの性器が、ごり、と奥を突いた。

「……っぅあ、!」

 ふたたび跳ねた体を、アズラークの掌がゆっくりと撫でる。汗ばんだ背中にキスを落とした彼が、耳元にそっと口付けて囁いた。

「後ろでイけば、何度でも気持ちよくなれるから……お前も、ずっと楽しめるな」

 嗜虐的な色を帯びた声に、全身が戦慄いた。
 なんで。どうしてこんな。散々甚振られて、それでもまだ許してくれなくて、なんで。
 この快楽はまだまだ終わらないのだと告げられて恐怖に体が竦む。無駄な抵抗だと分かっていても、もがいて彼の体の下から這い出るように手を伸ばすと。

「っ、あ、痛……!」

 晒されたうなじに噛みつかれた。苛立ちを感じさせるように歯を立てられて、それから今度はねっとりと甘やかすように皮膚を舌が這う。その感触にぞわりと皮膚が粟立った。

 なんで、なんで、俺に、こんなことをするんだ。アズラークは、言葉にならない俺の疑問を食らいつくすように、何度も俺の首筋に噛み痕を付けた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。

志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。 美形×平凡。 乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。 崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。 転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。 そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。 え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

Sランク冒険者クロードは吸血鬼に愛される

あさざきゆずき
BL
ダンジョンで僕は死にかけていた。傷口から大量に出血していて、もう助かりそうにない。そんなとき、人間とは思えないほど美しくて強い男性が現れた。

悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで

二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

処理中です...