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11.ヴェロス視点
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私は、リチ・イブリースと恋人になったらしい。
あんないきなり襲い掛かったような相手に、彼が一体どうして付き合ってもいいと思ったのかは分からないが、私は恋人という座に納まった。
同意を得ていなかったとは言え、身体を繋げたんだ。
そのことが大きく関係しているだろう。
だから私としては早くもう一度セックスをして、この歪な関係を強固なものにしたかった。
「ヴェロスさん、……いいですか?」
もちろんだ。
そんな思いを込めて頷いた。
リチが家に再びやってきたのは、付き合いだしてから2か月もしてからだった。
ほぼ毎日詰め所で会って、さらに休みが合えば二人で落ち合ったりもした。
彼の一人称が私から俺に変化して、私が彼を呼ぶ名前がイブリース隊員からリチへと変化した。
最初の一週間はまったく触れ合うこともなく、付き合うというのは嘘だったのかと落ち込んだが、彼からの接触はじわじわと増えてきた。
指先を触れ合わせ、手を握り、しばらくしたら触れ合うだけのキスをした。
さらに何日もかけてようやく深いキスを与えられた。
我慢できない、と彼に縋りつくといつも決まって「大事にさせてください」とすげなくされる。
だが付き合いだして2か月が経ったころ、ようやく彼から一緒に夜を過ごしたいと告げられた。
彼はどこか宿にでも・・・と言っていたが、お互い立場のある男同士。
堂々と帝都に宿なんてとったら怪しまれる。
かといって私が提案した連れ込み宿は却下され、結果やや強引に私の部屋にすることに決めた。
外で食事を摂って、酒を少しだけ飲み辻馬車に乗る。
まるで初めて私の部屋に来た時のようで心臓が高鳴った。
部屋に入るなり私はすっかり発情してしまってキスをねだった。
リチはそれに少し困ったような顔をしたが、優しく応えてくれた。
「……っ、は、ぁ、」
最初は唇を触れ合わせるだけ。
だけどすぐに我慢できなくなって、舌を滑り込ませる。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて吸い付いていると、リチが急に私の体を抱き上げる。
びっくりしている間に彼は寝室へ入り、とさりとベッドに降ろされた。
かよわい女性じゃないというのに、これはもしかしてお姫様抱っこというやつか。
驚きに固まっている間に、彼の手が首筋や二の腕を辿って、その些細な感触にもぶるりと体が震えた。
いけない。
あわてて頭を入れ替える。
「リチ、ここに寝てくれ」
体を起こし、ベッドの真ん中を指さす。
彼はこの間、私を抱いたのが「男」相手では初めてだと言っていた。
その後に男娼を買ったり他の男としていなければ、まだ2回目。
たとえ他の男とやっていたとしても、まだ経験豊富とは言えない程度の回数だろう。
私がしっかりしなければ。
「こうですか?」
リチは一瞬きょとんとした顔をして、でもすぐに私の指示に従って寝そべる。
彼の上に覆いかぶさると、ゆっくりと唇を合わせた。
「ん、……っ、」
仕切り直しのようにお互いの口腔内を貪りあう。
彼の大きな手が後頭部に回って、深く口づけられて逃げられない。
四つん這いの手足から力が抜けて崩れ落ちそうになるのを必死に耐える。
長いキスにうっとりしていると、首筋を撫でていた彼の指先が器用に私のシャツのボタンを外そうとしているのに気が付いた。
ああ、いけない。
その手をぐ、と押し戻すと、彼は不思議そうな目で見上げてきた。
「俺が脱がせては駄目ですか?」
「私は騎士にしては痩せていて見栄えが悪いからね。きっと見ると萎える。必要になったら下だけ脱ぐ」
私は騎士であるにもかかわらず、あまり体格が良くない。
一般的な町民なんかと比べると少しはマシだろうとは思うが、世間が思い描くような筋骨隆々とした体はしていない。
騎士団の団服を着ているといい体をしているように見えてしまうことがあるらしく、想像と違うと言われることがあった。
この先も何度かは私を抱くつもりがあるなら、先に言っておいた方がいいだろう。
そう思って告げたのに。
「……萎える?」
なぜか彼の空気が冷たくなった。
恋人が服を脱いだら情けない体だったと知って、がっかりしているんだろうか。
それともなぜ恋人になる前に言わなかったと怒っているんだろうか。
ツキンと胸が痛むが、無視して彼の下腹部を撫でさする。
「見せないから心配するな。なんなら目を瞑っていてくれ」
ちょっとでも雰囲気を良くしようと明るい声を出す。
なにが彼の気に障ってしまったのか分からないが、苛立った男にがつがつと突っ込まれるのは痛くて怖い。
彼の気分を変えなければと下衣に手を伸ばし、もうすでに少し盛り上がっている性器を引っ張り出そうとしたら、大きな手に腕が捕まえられた。
「ちょっと待ってください」
「心配しなくていい。準備はしてあるからすぐ入れられる。お前のもすぐ大きくしよう」
男を喜ばせるのは直接的な刺激だ。
口淫はあまり上手くないが大きくする程度ならできるだろう。
「リチ?」
手を放さない彼に、どうしたのかと薄闇の中で問いかけるが返事はない。
それどころか据わった目黙ってでこちらを見下ろしている。
眉間に寄った皺も食いしばられた口元も機嫌がいいとは思えない。
やっぱり、したくなくなったのか。
彼の性器は大きくなったままだが、私の中には挿れたくないんだろう。
情けない体だということがそれほど気に入らないのか。
それとも、そもそも抱きたくなんてなかったのか。
優しい彼の態度にうっかり期待してしまった。
無理やり付き合うなんて土台無理な話だったようだ。
情けないことに手が震える。
だがいつまでも引き留めるわけにはいかないと、彼の手を外してベッドから降りようとして。
強い力で彼の下に組み敷かれた。
「ヴェロスさん……今まで、恋人とはこういうセックスをしてたんですか?」
頭上から低い声が降ってくる。
腕はシーツに縫い付けられるように拘束されてピクリとも動かない。
「こういう、ってどういう事だ?」
自分で準備して、相手を大きくして突っ込む。
当たり前のことだ。
準備しなかったときは裂けて酷い目にあったからそれはさせて欲しいし、性器を大きくしなければ相手に気持ちよくなってもらえない。
今迄の男たちはなにも言ってこなかったのに、もしかして私がしていたセックスは、とてつもなく変態的だったのか?
前回したときは無言だったけど、そのせいで彼は引いてしまっていたとか。
しかし他のやり方なんて知らない。
しかたなく頷くと、彼は「そうですか」と呟いて、しばらくしてから瞳に暗い色をたたえてほほ笑んだ。
「じゃあ、俺が本当のセックスを教えてあげますね」
◇◆◇
「あ、……そこ、やぁ!」
卑猥な喘ぎ声をあげているのが自分だと信じられない。
私の声帯は壊れてしまったのかのように意味のなさない音ばかりを発している。
「いや、ですか?気持ちよさそうに見えますよ」
リチの大きな手が、ぷっくりと硬くなった胸の突起を指先で転がしたり、柔らかい脇腹をいたずらに撫で上げたりと体の上を縦横無尽に動き回る。
体の底からぞくぞくとした卑猥なさざめきが込みあがってきて、汗ばんだ肢体が逃げ寄るようにくねる。
だがその僅かな動きすら強い腕に捕らえられ引き戻されて、快感を逃がしきれない。
逃げようとする体を罰するように乳首を指先で摘ままれ、背中がびくりとシーツから浮いた。
「やだ、ぁ!も、」
凶悪な顔をして笑ったリチに嬲られて、どれくらい経つだろう。
今迄してきたのと比べ物にならないくらい、深くて食いつくされそうなキスをされたと思ったら、じわじわと体を暴かれた。
シャツをゆっくりとはぎ取られ、体中を舐められ、性器に指を絡められる。
嫌だと言っても甘い声で「我慢してください」と言われると、抵抗らしい抵抗もできなかった。
あちこちにキスを落とされ、すっかり体は熱をもって溶けきってしまった。
過去の恋人は私の体よりも己の快感が大事だと言外に主張していたし、リチもそうだと思っていたのに。
なんで彼はこんなことを。
蕩けた思考で考えようとしたら、きゅ、と下肢に鋭い刺激が走った。
「ぃ、あっ!」
「考えごとですか?」
脚の間で張りつめたそれを握ると、ぐちぐちと音を立てて擦られる。
先端から漏れだす透明な液が恥ずかしい。
「もっと、余裕なくすくらいにしないとですね」
「……っあぁああ、」
もういい。
余裕なんてとっくにない。
そう言いたかったのに、口から出てきたのは情けない喘ぎ声だった。
下肢に顔を近づけていたリチが、ぱくりと性器を飲み込んだからだ。
腰の奥がぐずぐずに溶けてしまいそうな痺れがこみあげてきて、喉を大きく反らせる。
ねっとりと肉厚な舌が絡みついてきて、先端を舌先で刺激されると涙すらでた。
「あ、ひぁ、も……で、る!」
「駄目ですよ、今イくと後が辛いでしょう。イくのは、挿れてからです」
性器から口を離した彼が、先端をまだちろちろと舐めながら見上げてくる。
無理だと頭を振ると、ぎゅっと根本を握られて痛みにうめく。
そのまま後孔に長い指が差し込まれて、くちくちと中をかき混ぜられた。
「はぅ、あ……あ、」
「ここの準備、次は俺にさせてくださいね」
もうすぐ突っ込んでもいいくらいに柔らかくなっている後孔を刺激されて、頭が沸騰しそうだった。
ただでさえもう堪らなくなっているのに、前と後ろをいっぺんに愛撫されてしまってはおかしくなる。
「ひぃ、あ……ゆる、して! 、ぁ、もう、……! 挿れて、くれ!」
「本当は、もうちょっと愛撫したかったんですが……そんなこと言われたら我慢できません。」
ずぶ、と性器が体の中に埋まって、奥へ奥へと這入っていく。
体の奥をこじ開けられ犯される感覚に、腰がぶるぶる震えてしまう。
「は……あっ、ああ!」
全てが収まり切った時には、あまりの快感に頭の中が真っ白に弾けたみたいだった。
きつく押さえつけられた前からは何も出ていないのに。体が硬直して震える。
自分がどういう状況に置かれているのか全く分からなくて、ただぽろぽろと涙が零れた。
「ヴェロスさん……? もしかして、軽くイっちゃいました?」
「う、……あ、ぁ、」
自分が絶頂を極めたのかどうかすら分からなくて、ただはくはくと息をする。
口から漏れ出る言葉は意味をなさないことばかりで、涎すら垂れてそうだ。
だけどそんな私を見てリチは、たまらない、とでもいう風にぎゅうと抱きしめてきた。
「あー、可愛い。すみません、もうちょっとだけ我慢してくださいね」
「は……あっ、ああ!」
ず、と最奥で大きなものが蠢く。
ゆっくりと引き出されて、また慎重に押し込まれる。
今迄してきた誰よりも優しい動きなのに、私の体はのけぞって、瞼の裏がちかちかと瞬いた。
誰かに抱かれるということは、こんなものだったんだろうか。
こんな神経を焼き切られるような快感は知らない。
手も足も痺れたように動かない。
強すぎる刺激が怖いのに、終わって欲しくないとさえ思った。
抽挿が徐々に激しくなって、全身ががくがくと揺さぶられる。
体の奥でリチのものがどくどくと脈動している。
「一緒に、イきましょう」
上を見るとリチの視線と絡み合った。
「ん……ぁ、……っぁ、ああ、あ、あ!」
性器をリチに擦り上げられ、全身が大きく跳ねて絶頂に押し上げられる。
最奥で彼のものが弾けた感覚を頭の隅で感じながら、意識をゆっくりと手放した。
あんないきなり襲い掛かったような相手に、彼が一体どうして付き合ってもいいと思ったのかは分からないが、私は恋人という座に納まった。
同意を得ていなかったとは言え、身体を繋げたんだ。
そのことが大きく関係しているだろう。
だから私としては早くもう一度セックスをして、この歪な関係を強固なものにしたかった。
「ヴェロスさん、……いいですか?」
もちろんだ。
そんな思いを込めて頷いた。
リチが家に再びやってきたのは、付き合いだしてから2か月もしてからだった。
ほぼ毎日詰め所で会って、さらに休みが合えば二人で落ち合ったりもした。
彼の一人称が私から俺に変化して、私が彼を呼ぶ名前がイブリース隊員からリチへと変化した。
最初の一週間はまったく触れ合うこともなく、付き合うというのは嘘だったのかと落ち込んだが、彼からの接触はじわじわと増えてきた。
指先を触れ合わせ、手を握り、しばらくしたら触れ合うだけのキスをした。
さらに何日もかけてようやく深いキスを与えられた。
我慢できない、と彼に縋りつくといつも決まって「大事にさせてください」とすげなくされる。
だが付き合いだして2か月が経ったころ、ようやく彼から一緒に夜を過ごしたいと告げられた。
彼はどこか宿にでも・・・と言っていたが、お互い立場のある男同士。
堂々と帝都に宿なんてとったら怪しまれる。
かといって私が提案した連れ込み宿は却下され、結果やや強引に私の部屋にすることに決めた。
外で食事を摂って、酒を少しだけ飲み辻馬車に乗る。
まるで初めて私の部屋に来た時のようで心臓が高鳴った。
部屋に入るなり私はすっかり発情してしまってキスをねだった。
リチはそれに少し困ったような顔をしたが、優しく応えてくれた。
「……っ、は、ぁ、」
最初は唇を触れ合わせるだけ。
だけどすぐに我慢できなくなって、舌を滑り込ませる。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて吸い付いていると、リチが急に私の体を抱き上げる。
びっくりしている間に彼は寝室へ入り、とさりとベッドに降ろされた。
かよわい女性じゃないというのに、これはもしかしてお姫様抱っこというやつか。
驚きに固まっている間に、彼の手が首筋や二の腕を辿って、その些細な感触にもぶるりと体が震えた。
いけない。
あわてて頭を入れ替える。
「リチ、ここに寝てくれ」
体を起こし、ベッドの真ん中を指さす。
彼はこの間、私を抱いたのが「男」相手では初めてだと言っていた。
その後に男娼を買ったり他の男としていなければ、まだ2回目。
たとえ他の男とやっていたとしても、まだ経験豊富とは言えない程度の回数だろう。
私がしっかりしなければ。
「こうですか?」
リチは一瞬きょとんとした顔をして、でもすぐに私の指示に従って寝そべる。
彼の上に覆いかぶさると、ゆっくりと唇を合わせた。
「ん、……っ、」
仕切り直しのようにお互いの口腔内を貪りあう。
彼の大きな手が後頭部に回って、深く口づけられて逃げられない。
四つん這いの手足から力が抜けて崩れ落ちそうになるのを必死に耐える。
長いキスにうっとりしていると、首筋を撫でていた彼の指先が器用に私のシャツのボタンを外そうとしているのに気が付いた。
ああ、いけない。
その手をぐ、と押し戻すと、彼は不思議そうな目で見上げてきた。
「俺が脱がせては駄目ですか?」
「私は騎士にしては痩せていて見栄えが悪いからね。きっと見ると萎える。必要になったら下だけ脱ぐ」
私は騎士であるにもかかわらず、あまり体格が良くない。
一般的な町民なんかと比べると少しはマシだろうとは思うが、世間が思い描くような筋骨隆々とした体はしていない。
騎士団の団服を着ているといい体をしているように見えてしまうことがあるらしく、想像と違うと言われることがあった。
この先も何度かは私を抱くつもりがあるなら、先に言っておいた方がいいだろう。
そう思って告げたのに。
「……萎える?」
なぜか彼の空気が冷たくなった。
恋人が服を脱いだら情けない体だったと知って、がっかりしているんだろうか。
それともなぜ恋人になる前に言わなかったと怒っているんだろうか。
ツキンと胸が痛むが、無視して彼の下腹部を撫でさする。
「見せないから心配するな。なんなら目を瞑っていてくれ」
ちょっとでも雰囲気を良くしようと明るい声を出す。
なにが彼の気に障ってしまったのか分からないが、苛立った男にがつがつと突っ込まれるのは痛くて怖い。
彼の気分を変えなければと下衣に手を伸ばし、もうすでに少し盛り上がっている性器を引っ張り出そうとしたら、大きな手に腕が捕まえられた。
「ちょっと待ってください」
「心配しなくていい。準備はしてあるからすぐ入れられる。お前のもすぐ大きくしよう」
男を喜ばせるのは直接的な刺激だ。
口淫はあまり上手くないが大きくする程度ならできるだろう。
「リチ?」
手を放さない彼に、どうしたのかと薄闇の中で問いかけるが返事はない。
それどころか据わった目黙ってでこちらを見下ろしている。
眉間に寄った皺も食いしばられた口元も機嫌がいいとは思えない。
やっぱり、したくなくなったのか。
彼の性器は大きくなったままだが、私の中には挿れたくないんだろう。
情けない体だということがそれほど気に入らないのか。
それとも、そもそも抱きたくなんてなかったのか。
優しい彼の態度にうっかり期待してしまった。
無理やり付き合うなんて土台無理な話だったようだ。
情けないことに手が震える。
だがいつまでも引き留めるわけにはいかないと、彼の手を外してベッドから降りようとして。
強い力で彼の下に組み敷かれた。
「ヴェロスさん……今まで、恋人とはこういうセックスをしてたんですか?」
頭上から低い声が降ってくる。
腕はシーツに縫い付けられるように拘束されてピクリとも動かない。
「こういう、ってどういう事だ?」
自分で準備して、相手を大きくして突っ込む。
当たり前のことだ。
準備しなかったときは裂けて酷い目にあったからそれはさせて欲しいし、性器を大きくしなければ相手に気持ちよくなってもらえない。
今迄の男たちはなにも言ってこなかったのに、もしかして私がしていたセックスは、とてつもなく変態的だったのか?
前回したときは無言だったけど、そのせいで彼は引いてしまっていたとか。
しかし他のやり方なんて知らない。
しかたなく頷くと、彼は「そうですか」と呟いて、しばらくしてから瞳に暗い色をたたえてほほ笑んだ。
「じゃあ、俺が本当のセックスを教えてあげますね」
◇◆◇
「あ、……そこ、やぁ!」
卑猥な喘ぎ声をあげているのが自分だと信じられない。
私の声帯は壊れてしまったのかのように意味のなさない音ばかりを発している。
「いや、ですか?気持ちよさそうに見えますよ」
リチの大きな手が、ぷっくりと硬くなった胸の突起を指先で転がしたり、柔らかい脇腹をいたずらに撫で上げたりと体の上を縦横無尽に動き回る。
体の底からぞくぞくとした卑猥なさざめきが込みあがってきて、汗ばんだ肢体が逃げ寄るようにくねる。
だがその僅かな動きすら強い腕に捕らえられ引き戻されて、快感を逃がしきれない。
逃げようとする体を罰するように乳首を指先で摘ままれ、背中がびくりとシーツから浮いた。
「やだ、ぁ!も、」
凶悪な顔をして笑ったリチに嬲られて、どれくらい経つだろう。
今迄してきたのと比べ物にならないくらい、深くて食いつくされそうなキスをされたと思ったら、じわじわと体を暴かれた。
シャツをゆっくりとはぎ取られ、体中を舐められ、性器に指を絡められる。
嫌だと言っても甘い声で「我慢してください」と言われると、抵抗らしい抵抗もできなかった。
あちこちにキスを落とされ、すっかり体は熱をもって溶けきってしまった。
過去の恋人は私の体よりも己の快感が大事だと言外に主張していたし、リチもそうだと思っていたのに。
なんで彼はこんなことを。
蕩けた思考で考えようとしたら、きゅ、と下肢に鋭い刺激が走った。
「ぃ、あっ!」
「考えごとですか?」
脚の間で張りつめたそれを握ると、ぐちぐちと音を立てて擦られる。
先端から漏れだす透明な液が恥ずかしい。
「もっと、余裕なくすくらいにしないとですね」
「……っあぁああ、」
もういい。
余裕なんてとっくにない。
そう言いたかったのに、口から出てきたのは情けない喘ぎ声だった。
下肢に顔を近づけていたリチが、ぱくりと性器を飲み込んだからだ。
腰の奥がぐずぐずに溶けてしまいそうな痺れがこみあげてきて、喉を大きく反らせる。
ねっとりと肉厚な舌が絡みついてきて、先端を舌先で刺激されると涙すらでた。
「あ、ひぁ、も……で、る!」
「駄目ですよ、今イくと後が辛いでしょう。イくのは、挿れてからです」
性器から口を離した彼が、先端をまだちろちろと舐めながら見上げてくる。
無理だと頭を振ると、ぎゅっと根本を握られて痛みにうめく。
そのまま後孔に長い指が差し込まれて、くちくちと中をかき混ぜられた。
「はぅ、あ……あ、」
「ここの準備、次は俺にさせてくださいね」
もうすぐ突っ込んでもいいくらいに柔らかくなっている後孔を刺激されて、頭が沸騰しそうだった。
ただでさえもう堪らなくなっているのに、前と後ろをいっぺんに愛撫されてしまってはおかしくなる。
「ひぃ、あ……ゆる、して! 、ぁ、もう、……! 挿れて、くれ!」
「本当は、もうちょっと愛撫したかったんですが……そんなこと言われたら我慢できません。」
ずぶ、と性器が体の中に埋まって、奥へ奥へと這入っていく。
体の奥をこじ開けられ犯される感覚に、腰がぶるぶる震えてしまう。
「は……あっ、ああ!」
全てが収まり切った時には、あまりの快感に頭の中が真っ白に弾けたみたいだった。
きつく押さえつけられた前からは何も出ていないのに。体が硬直して震える。
自分がどういう状況に置かれているのか全く分からなくて、ただぽろぽろと涙が零れた。
「ヴェロスさん……? もしかして、軽くイっちゃいました?」
「う、……あ、ぁ、」
自分が絶頂を極めたのかどうかすら分からなくて、ただはくはくと息をする。
口から漏れ出る言葉は意味をなさないことばかりで、涎すら垂れてそうだ。
だけどそんな私を見てリチは、たまらない、とでもいう風にぎゅうと抱きしめてきた。
「あー、可愛い。すみません、もうちょっとだけ我慢してくださいね」
「は……あっ、ああ!」
ず、と最奥で大きなものが蠢く。
ゆっくりと引き出されて、また慎重に押し込まれる。
今迄してきた誰よりも優しい動きなのに、私の体はのけぞって、瞼の裏がちかちかと瞬いた。
誰かに抱かれるということは、こんなものだったんだろうか。
こんな神経を焼き切られるような快感は知らない。
手も足も痺れたように動かない。
強すぎる刺激が怖いのに、終わって欲しくないとさえ思った。
抽挿が徐々に激しくなって、全身ががくがくと揺さぶられる。
体の奥でリチのものがどくどくと脈動している。
「一緒に、イきましょう」
上を見るとリチの視線と絡み合った。
「ん……ぁ、……っぁ、ああ、あ、あ!」
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