私は元カレの都合のいい女です

鈴ーりんー

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●花火大会

3

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花火大会の会場の川沿いは、ものすごい人で大混雑していた。


私とシュンも人ごみに加わって、ゆっくりと川沿いを歩く。


どこかに座って花火をみたいと思ったけど、朝からたくさんの人が場所取りをしていたのか、めぼしい場所にはみんなビニールシートがひかれて、座れそうな場所はなかった。


私とシュンは仕方なく、川沿いから少し離れた小さな木の下で、立って花火を見ることにした。


川沿いの道には小さな提灯がつるされて、花火大会のムードが高まってくる。


「少し川沿いからは離れるけど、ここならまだそんなに人もいないし、いいよね」


私はシュンの肩をつつきながら言った。


「でもここ、すごい蚊がいるよ」


シュンがそう言いながら、自分の腕や足を、蚊を追い払うためにパシパシ叩いている。

こういう木の下には、蚊や虫が多いから、あまり人がいないのかもしれない。

私はカバンの中から小さな虫よけスプレーを取り出して、シュンにスプレーしてあげた。


「由希ちゃん、すげー用意いいじゃん」

「でしょ?」

「珍しいこともあるもんだ」

「珍しいって何?もうシューしてあげないよ」

「嘘、嘘!ごめんって」


そんな風にシュンとふざけあっていると、
辺りに大きい音が広がって、花火が上がり始めた。

わぁっ!と周りから、大きな歓声が起こった。


「始まった!」


私も思わず歓声を上げる。


暗い大空に、小さな光の玉が上に上がると、一気にいろいろな色になって、光が広がる。


黄色、

赤、

緑、

青。


小さな形や、柳のような形になって、やがて真っ暗な夜の闇に消えていく・・・


消えていったと思ったら、又大きな音がして、光が広がる。


“すごくきれい・・・”


私は次々と上がる花火から、目が離せなかった。



花火は一瞬で消える。

すごく儚い・・・・


だから人の心を惹きつけるのかな?


私は暗い空を彩る花火をじっと見ていた。


一瞬、隣のシュンの横顔をチラリと見たら、シュンも花火に釘付けになっていた。


「きれいだね・・・」

「うん、きれいだな・・・」


私はシュンのTシャツの袖を思わず、引っ張った。


シュンと初めて見る花火―――


何かこういうきれいな花火を、シュンと一緒に見られるのがすごくうれしい。

今、隣にシュンがいてくれるのが、すごくうれしいよ。


花火を見ながら、シュンは何を考えているのかな?

ただ花火の綺麗さに見とれてる?


私はシュンの事、考えてるよ・・・


シュンも花火を見ながら、私の事を少しは考えてくれているのかな?



その時、私は近くから聞き覚えのある声が聞こえて、思わず花火から目を離した。


小さくキョロキョロ辺りを見回すと、


「・・・・・!!」


嘘でしょ・・・?



川沿いの人ごみの一番後ろに・・・、



まどかと隆也が立っていた―――
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