私は元カレの都合のいい女です

鈴ーりんー

文字の大きさ
64 / 83
●シュンの過去

5

しおりを挟む
「でもね、俺は自分自身で決めていた事を破ってしまった」

「え?それって何?」

「由希ちゃんを絶対に好きにならないって決めてた」


シュンが切なそうな顔で、こちらを見る。


「だって「由希ちゃんを好きになるって事は、その子の事をどうしても思い出す事だから・・・」

「私とその子とを重ねて見てるってこと?」

「うん。初めはそうだと思った。
だからどんどん由希ちゃんに惹かれていくのかなぁって思ってたよ」


自分が一番好きだった女の子と同じように、元彼にのめりこむ女の子。

私を見ながら、シュンはその子を見ていたんだ。


「でも違ったんだ・・・
俺、由希ちゃんだから好きになった。
いつの間にか、隆也さんから救いたいっていう気持ちより、俺の側にいて欲しいという気持ちの方が強くなってた。
たぶん俺、由希ちゃんが隆也さんにのめりこんでいなくても、好きになってたと思う」


きっぱりとシュンは言った。


「救いたい、元彼女みたいにさせたくないという想いから始まったのかもしれない。でも今はその子と由希ちゃんを重ねては絶対いない!本気で由希ちゃんが好きなんだ。由希ちゃんだから好きなんだよ」


私はうなずいた。


シュンの真剣な気持ちが痛いほどに伝わってきた。


「だから怖いんだ。由希ちゃんがいなくなったときの事を考えると、すごく不安になる。
女々しいよな?」


シュンは自嘲するように笑った。



「おかしくなんかない!!」


私は叫ぶように言った。

そしてシュンの胸に思いっきり抱きついた。


「不安になるほど、好きになってくれてうれしいよ。私は絶対いなくならない!
シュンの側から離れないから!!」

「え・・・」

「本当だよ・・・シュンの側にずっといるよ」


シュンは何も言わずに、私の背中を強く抱きしめた。

何も言わなくても、シュンの気持ちが伝わってくる。



シュンを不安にさせないよ。

させるもんか!

ずっとシュンの側にいる。


元彼女の事で、心に深い傷を負ったシュン。


そのシュンをもう一度傷つける事なんてできない!

したくない!


シュンに私は救ってもらった。

今度は私が側にいて、シュンを救ってあげるんだ。

心の傷を癒してあげる。


「ずっとずっと側にいる・・・
約束するよ・・・」


私は小さい声だったけれど、きっぱりとそう言った。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

抱きしめて

麻実
恋愛
夫の長期に亘る不倫に 女としての自信を失った妻は、新しい出会いに飛び込んでいく。

戦いの終わりに

トモ
恋愛
マーガレットは6人家族の長女13歳。長く続いた戦乱がもうすぐ終わる。そんなある日、複数のヒガサ人、敵兵士が家に押し入る。 父、兄は戦いに出ているが、もうすぐ帰還の連絡があったところなのに。 家には、母と幼い2人の妹達。 もうすぐ帰ってくるのに。なぜこのタイミングで… そしてマーガレットの心には深い傷が残る マーガレットは幸せになれるのか (国名は創作です)

処理中です...