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●平穏
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だけど楽しい時間は早く過ぎるもので、夏休みはいつの間にか終わり新学期が始まった。
まだまだ外はすごく暑くて、蝉もうるさいくらいないているのに、もう夏休みが終わりなんて信じられない。
「水瀬、おはよ!すごい焼けたね!」
たった1週間ぶりだったけど、水瀬は真っ黒になっていた。
「うん。男探しに海に通いまくってた」
「いい男いた?」
「いない!シュン君を見ちゃうと、他の男が色あせて見えるもん」
「アハハ、そうでしょ?」
「シュン君を譲ってくれ」
「嫌だわ」
水瀬は夏休み前に、高校のときからつきあっていた彼氏と別れていた。
原因は詳しくは聞いていないけど、いろいろあったんだろう。
だから夏休み中、シュンと水瀬と3人でも結構遊んだりしたのだ。
シュンも『両手に花~~』なんて、はしゃいでいた。
水瀬といろいろ話しながらも、とってる授業が違うので2限目で別れた。
私はゆっくりと3階の教室から、次の授業がある5階の教室へと向かう。
その時、前の廊下から見覚えのある姿を見つけた。
こちらに向かって歩いてくる。
それは少しだけ髪が伸びて、感じが変わったまどかだった。
「まどか!」
私は手を振りながら、声をかけた。
「由希!」
まどかも笑顔でこちらに、走って近づいてくる。
「夏休みどうだった?」
元気そうなまどかに、私は聞く。
「まぁまぁ。でもこっちにはあまりいなかったんだ。実家の方にだいたい帰ってて・・・」
「そっか。でも花火大会に隆也と行ったでしょ?」
「うんうん。行った、行った!何で知ってるの??」
まどかが驚いたように、目を丸くする。
「実は私も行ったの。そこで見かけたからさ」
「え-!見かけたんなら、声かけてくれればよかったのに!」
まどかがそう言って、私の腕を軽く叩いた。
私は曖昧に笑って、ごまかす。
「ねぇ、由希」
まどかが、ふと真剣な顔で言う。
「ん?」
「私ね、隆也君のプロポーズ受けようと思う。婚約しようと思うんだ・・・」
開いていた窓から風が入って、ふわっとまどかの髪の毛を揺らす。
「・・・・そっか・・・おめでと」
私はそう言って、笑った。
多少複雑な気持ちはあったけど、以前のようにショックとか悲しい気持ちにはならなかった。
このまま2人がうまくいってくれればいいと思った。
もう私と隆也は別の道を歩き始めている。
隆也はまどかと。
そして、私はシュンと。
「式には呼んでよ!」
「呼ぶ、呼ぶ!っていうか、まだ籍は当分入れないし!」
「そっか、まどかはまだ大学1年だしね」
「うん。でも由希には本当に感謝してる。隆也君紹介してくれて、本当にありがとう」
私は笑って、首を横に振った。
まどかが幸せになれますように・・・
私は心からそう思った。
まだまだ外はすごく暑くて、蝉もうるさいくらいないているのに、もう夏休みが終わりなんて信じられない。
「水瀬、おはよ!すごい焼けたね!」
たった1週間ぶりだったけど、水瀬は真っ黒になっていた。
「うん。男探しに海に通いまくってた」
「いい男いた?」
「いない!シュン君を見ちゃうと、他の男が色あせて見えるもん」
「アハハ、そうでしょ?」
「シュン君を譲ってくれ」
「嫌だわ」
水瀬は夏休み前に、高校のときからつきあっていた彼氏と別れていた。
原因は詳しくは聞いていないけど、いろいろあったんだろう。
だから夏休み中、シュンと水瀬と3人でも結構遊んだりしたのだ。
シュンも『両手に花~~』なんて、はしゃいでいた。
水瀬といろいろ話しながらも、とってる授業が違うので2限目で別れた。
私はゆっくりと3階の教室から、次の授業がある5階の教室へと向かう。
その時、前の廊下から見覚えのある姿を見つけた。
こちらに向かって歩いてくる。
それは少しだけ髪が伸びて、感じが変わったまどかだった。
「まどか!」
私は手を振りながら、声をかけた。
「由希!」
まどかも笑顔でこちらに、走って近づいてくる。
「夏休みどうだった?」
元気そうなまどかに、私は聞く。
「まぁまぁ。でもこっちにはあまりいなかったんだ。実家の方にだいたい帰ってて・・・」
「そっか。でも花火大会に隆也と行ったでしょ?」
「うんうん。行った、行った!何で知ってるの??」
まどかが驚いたように、目を丸くする。
「実は私も行ったの。そこで見かけたからさ」
「え-!見かけたんなら、声かけてくれればよかったのに!」
まどかがそう言って、私の腕を軽く叩いた。
私は曖昧に笑って、ごまかす。
「ねぇ、由希」
まどかが、ふと真剣な顔で言う。
「ん?」
「私ね、隆也君のプロポーズ受けようと思う。婚約しようと思うんだ・・・」
開いていた窓から風が入って、ふわっとまどかの髪の毛を揺らす。
「・・・・そっか・・・おめでと」
私はそう言って、笑った。
多少複雑な気持ちはあったけど、以前のようにショックとか悲しい気持ちにはならなかった。
このまま2人がうまくいってくれればいいと思った。
もう私と隆也は別の道を歩き始めている。
隆也はまどかと。
そして、私はシュンと。
「式には呼んでよ!」
「呼ぶ、呼ぶ!っていうか、まだ籍は当分入れないし!」
「そっか、まどかはまだ大学1年だしね」
「うん。でも由希には本当に感謝してる。隆也君紹介してくれて、本当にありがとう」
私は笑って、首を横に振った。
まどかが幸せになれますように・・・
私は心からそう思った。
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