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●後悔
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私はその後、大学に行く準備をした。
正直、こんな日に大学なんて行きたくなかった。
だけど、このままこの狭い部屋で一人、後悔や自分の醜さに向き合う方が耐えられなかったのだ。
私はずるい。
こんな事までして、まだ逃げる事を考えている。
ここまで人を裏切っておいて、自分に向き合うことから逃げている。
いつもよりどうしても早く歩けなくて、大学に着いたのは、ちょうど3限目が終わった時だった。
生徒たちがどんどん教室から出てくる。
考えたくないのに、私は隆也とシュンの事ばかり考えていた。
「あ、由希!!」
偶然教室から出てきた水瀬が、私に気づいたらしく大きく手を振ってきた。
そして小走りで、私の方に寄ってくる。
「今日もサボリ?
由希、今日は1限から授業あったはずでしょ?」
水瀬が笑いながら言う。
私も曖昧に笑った。
「・・・何かあった??」
水瀬が真剣な顔で聞いてくる。
私に何かあったと、悟ったのだろう・・・
水瀬はこういう事に敏感なのだ。
何も答えないでうつむく私に、水瀬は、
「中庭行こ・・・?今ならたぶん誰もいないから」
と、私の腕を軽く引っ張った。
水瀬の言ったとおり、中庭には誰もいなかった。
ガランとした中庭はすごく陽がさしていて、眩しいくらい。
こんなに暑いから、みんな中庭には来ないのだろう。
でもたくさんの草や花が太陽の光でキラキラ輝いてる光景を見て、私はちょっと元気をもらえたような気がした。
私と水瀬は、中庭の唯一の日陰である大きな木の下のベンチに座った。
「それで、何があったの・・・?」
水瀬がベンチに座って、軽く息をつくと、真剣な顔で問いかけてきた。
「昨日ね、隆也と会った」
「え!?どういう事!?」
水瀬が驚いたように、目を見開いた。
「それが昨日あれから家に帰ったら、隆也が私のアパートの前で待ってたの」
「・・・・」
「それで話を聞いてみたの。そうしたら隆也が、まどかと他の男の人がラブホに入るのを見てしまったらしくて・・・
それをどうしても私に相談したかったみたいでさ」
「え・・・」
水瀬が絶句した。
確かにビックリすると思う。
私だってビックリしたくらいだから。
まどかは外見からしても、そういう事をするタイプには全く見えない。
「それで、隆也が泣くんだよ・・・不安だって。私さ、それを見たら・・・」
私はそれだけ言って、うつむいた。
「それでどうしたのよ・・・?」
「・・・・・・」
私は答えられない。
「それで隆也さんがかわいそうになって、もしかして寝たの!?」
「・・・・・・」
「由希!ちゃんと答えて!!隆也さんと寝てしまったわけ!?」
水瀬が興奮したように、強い口調で詰め寄ってきた。
その問いに、私は唇を噛み締めながら、弱々しくうなずいた。
その時―――、
バチン!!
という激しい音と共に、私の頬に衝撃が走った。
正直、こんな日に大学なんて行きたくなかった。
だけど、このままこの狭い部屋で一人、後悔や自分の醜さに向き合う方が耐えられなかったのだ。
私はずるい。
こんな事までして、まだ逃げる事を考えている。
ここまで人を裏切っておいて、自分に向き合うことから逃げている。
いつもよりどうしても早く歩けなくて、大学に着いたのは、ちょうど3限目が終わった時だった。
生徒たちがどんどん教室から出てくる。
考えたくないのに、私は隆也とシュンの事ばかり考えていた。
「あ、由希!!」
偶然教室から出てきた水瀬が、私に気づいたらしく大きく手を振ってきた。
そして小走りで、私の方に寄ってくる。
「今日もサボリ?
由希、今日は1限から授業あったはずでしょ?」
水瀬が笑いながら言う。
私も曖昧に笑った。
「・・・何かあった??」
水瀬が真剣な顔で聞いてくる。
私に何かあったと、悟ったのだろう・・・
水瀬はこういう事に敏感なのだ。
何も答えないでうつむく私に、水瀬は、
「中庭行こ・・・?今ならたぶん誰もいないから」
と、私の腕を軽く引っ張った。
水瀬の言ったとおり、中庭には誰もいなかった。
ガランとした中庭はすごく陽がさしていて、眩しいくらい。
こんなに暑いから、みんな中庭には来ないのだろう。
でもたくさんの草や花が太陽の光でキラキラ輝いてる光景を見て、私はちょっと元気をもらえたような気がした。
私と水瀬は、中庭の唯一の日陰である大きな木の下のベンチに座った。
「それで、何があったの・・・?」
水瀬がベンチに座って、軽く息をつくと、真剣な顔で問いかけてきた。
「昨日ね、隆也と会った」
「え!?どういう事!?」
水瀬が驚いたように、目を見開いた。
「それが昨日あれから家に帰ったら、隆也が私のアパートの前で待ってたの」
「・・・・」
「それで話を聞いてみたの。そうしたら隆也が、まどかと他の男の人がラブホに入るのを見てしまったらしくて・・・
それをどうしても私に相談したかったみたいでさ」
「え・・・」
水瀬が絶句した。
確かにビックリすると思う。
私だってビックリしたくらいだから。
まどかは外見からしても、そういう事をするタイプには全く見えない。
「それで、隆也が泣くんだよ・・・不安だって。私さ、それを見たら・・・」
私はそれだけ言って、うつむいた。
「それでどうしたのよ・・・?」
「・・・・・・」
私は答えられない。
「それで隆也さんがかわいそうになって、もしかして寝たの!?」
「・・・・・・」
「由希!ちゃんと答えて!!隆也さんと寝てしまったわけ!?」
水瀬が興奮したように、強い口調で詰め寄ってきた。
その問いに、私は唇を噛み締めながら、弱々しくうなずいた。
その時―――、
バチン!!
という激しい音と共に、私の頬に衝撃が走った。
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