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EP2:シャウラ・エルナト 8
しおりを挟むシャウラ先生は困ったように眉根を寄せた後、目を細めて微笑んだ。
「良いことを思いついたよ、レティ。反省の意味を込めて、魔法を使わずに男性を興奮させる練習をしようか。ほら、おいで」
「ど、どういう意味、ですか……」
どうしよう、嫌な予感がするわよ。
笑顔が怖い。シャウラ先生、一体どんな人生を送ってきているのよ、今まで。
神官というのは清廉潔白で優しくて欲望からは縁遠い場所にいるのではないのかしら。
なんの躊躇もなくシャウラ先生は裾の長い神官服を脱いだ。
神官服の下は両腕が剥き出しになっている黒いシャツを着ている。
両腕には蛇のような黒い紋様が纏わりついていて、顔は女性のように綺麗なのに、しっかりと筋肉が隆起していた。
(こ、殺し屋……!?)
いえ、勝手なイメージなんだけれど。
とっても殺し屋っぽいわよ。これで神官とか、しかも次期神官長とか、どうなっているの一体。
アルス様でやめておけばよかった。アルス様で満足して、国外逃亡しておけば良かった。
「怖くないよ、レティ。大丈夫、大丈夫」
にこやかにシャウラ先生はそう言いながら、白いズボンの前を寛げた。
アルス様のそれはものすごく腫れていて立ち上がっていて大きかったのに、シャウラ先生のそれは少し大きくなっている程度に見える。立ち上がってはいない。
立ち上がる前のそれは、フニャッとしているのね。
不思議ね。こんなにフニャッとしているのに、あんなに爆ぜそうなぐらいに大きくなるなんて。
アルス様の場合は、私の魔法のせいなんだけど。
それにしても、神聖な教会で下半身を曝け出すシャウラ先生、造形の美しさも相まって、冒涜的よね。
「僕を気持ちよくできた分だけ、君の欲しいものを与えてあげる。頑張ってね」
「え、ぁ、ふぁ……っ」
疑問を投げかける前に、私の体は水でできた何本もの腕のようなものに拘束されたまま、シャウラ先生の前に跪かせられた。
ちょっと待って、跪かせるのは私であってシャウラ先生ではないのよ。
これでは、逆! 私は負けたということになってしまうわよ。
それに一体何をさせるつもりなのかしら。ちょっと意味がわからないわよ。セディには教えてもらっていないし。
「レティ、口を開けて」
「あ、あ」
私の唇に、シャウラ先生のそれが押し付けられる。
え?
なにこれ?
食べるの?
痛そうだけど、良いのかしら。
もうなんだか良くわからなくなっている私は、さしだされたそれにかぷりと歯を立てようとした。
歯の間に、シャウラ先生の長く骨がしっかりした指がさしこまれる。
「レティ、噛んではいけないよ」
水でできたぷにぷにが、鞭のようにしなって私の臀部をぱしんと叩いた。
「きゃう!」
酷い。セディにも叩かれたことないのに。
叩かれた衝撃で、びくんと体が震える。
振動が下腹部に伝わる。
それだけなのに、溜まっていた熱が弾けるようにして、全身を快楽が走り抜ける。
お尻を叩かれて気持ちよくなるとか、私は変態なのかしら。
魔法のせいよね、そうだと思いたい。
「あ、ぁ、ぁ……っ」
指を入れられているせいで半開きの唇から、飲み込みきれない唾液が溢れる。
シャウラ先生の少し熱を持ったそれが、口の中に入ってくる。
まだ柔らかいけれど、芯のようなものがあるそれは、勃ちあがっていないのにかなりおおきい。
「ん、ん……っ」
ともかく欲しくて、気持ちよくして欲しくて、それに舌を這わせる。
ちろちろと舐めていると、少し硬くなってくる。
「下手だけれど、悪くない。可愛いね、レティ。素直で良い子だ」
髪を撫でて褒めてくれる。
なんだか胸がきゅんとなる。
大人の男性に褒められたこと、あまりないものね。
セディは褒めてくれるけれど、先生に褒められるのはまた違う感じがする。
口の中に広がる独特な香りと味に、私は眉を寄せた。
胎の奥が切ない。はやく、欲しい。
「ふ、ぅ、ぅあ、あっ、あ!」
おもむろに、体を優しく這い回るばかりだった水の粘液状のものが、下着の下に潜り込んでくる。
今まで触ってもらえなかった花芯をそれがつつみこんで、じゅ、と吸い付いた。
「あぁっ、ひっ、や、ああ……っ」
私は体をびくつかせながら、泣き声をあげた。
気持ち良い。
もっと、して欲しい。
「や、ぁ、なんでぇ……」
あと少しで達することができそうだったのに、それはすぐにするりと離れてしまった。
シャウラ先生を見上げると、冷たい瞳が私を見下していた。
怖い。
殺し屋の視線よね、やっぱり。
「レティ、自分だけ気持ちよくなってはいけないよ。これはお仕置き。そして、教育」
「しゃうら、せんせ……っ」
「アルス殿下を手に入れたいのなら、正攻法で男を喜ばせる方法を知るべきだよ。ほら、レティ。頑張って?」
喉の奥まで昂りが押し込まれる。
酷い。どうかと思うのよ。
私はけれど、もうどうしようもなく辛くて、素直にシャウラ先生に従った。
だって気持ちよくなりたいもの。
仕方ないのよ、主に私の魔法のせいだけど。
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