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リュミエル、問題点に気づく
しおりを挟むルーファスさんに抱かれながらお湯の中でぼんやりしていた私は、ふと、とある事実に気づいた。
「ルーファスさん、私、ここに来てからというもの」
「来てから、なんだ?」
悠々自適で自堕落な隠居生活を送ると決めていた。
とはいうものの、私が想像していたのは、お酒を飲んだり一人で踊ったり、際限なく眠ったり、それから家を掃除して整えて、家庭菜園なんかもしたりして、あとは釣りをしたり本を読んだりピアノを弾いたり。
ともかく、そういうスローなライフを送ろうと思っていたのよ。
今だって、自堕落といえば自堕落なのだけれど。なんせ服を着ている時間が、服を着ていない時間より少ないくらいだもの。
まじまじと血のように赤い瞳が私を見つめている。うん、格好いい。
永遠に見ていられるほど魅力的なのだけれど、うっとりしている場合ではないのよ。
「私、ルーファスさんにえっちな夢を見せられて、えっちなことをされて、寝て起きて、えっちなことをされるばかりの生活を送っているんです……!」
そうなのよ。
これはスローライフではなくて、ただの破廉恥な生活だわ。
スローライフという名の、欲にまみれた淫蕩の日々。
私が望んでいたのは、こんな生活じゃない。ちょっと違う。だいぶ、違う。
「はははは」
「笑いごとじゃありません……っ、私の悠々自適な隠居生活が、ルーファスさんのせいで」
「刺激的で嬉しいな、リュミ」
「はい。……ち、ちがいます……っ、私だって、畑を耕したり、お菓子を作って売ったり、そういうことを」
「なぜそんなことをする必要がある? お前は休暇中なのだろう。休暇中であれば、どれほど欲にまみれた生活をしても構わないのではないか? かつては俺も朝から晩まで、女どもと遊んでいた記憶がある」
「き、聞きたくない情報です」
「嫉妬深いのは、愛らしい。その調子で嫉妬をしていい。今の俺にはお前しかいないのだから、嫉妬をした分、存分に愛でてやろう」
今日は何もしない、私に無理をさせたくないというようなことを優しく言っていたルーファスさんは、私の胸を背後から大きな両手で掴んだ。
「え、ぁ……だめ、です……何もしない、って」
「気が変わった。お前が可愛いことを言うのが悪い。まぐわい欲望を発散して寝て起きて、また、なんだったか、そう、えっちなことをするのだな。人間、それで十分だろう」
「そ、そんな、よくないです……っ、やだ、だめ……」
「抵抗の声も愛らしい。だが、すぐ素直になる。そこも、いい」
屋敷のお風呂は、半分が屋外に通じている。
つまりは、半分は外だ。街からは離れているし誰も来ないだろうし、そもそもルーファスさんが誰も入って来れないようにしてくれているらしいけれど。
でも、視線の先には青空がある。
それなのに、ルーファスさんの両手は私の乳首をくりくりと摘んで、指の腹で擦る。
お湯のあたたかさと、甘い刺激に頭がすぐにぼんやりしてきてしまう。
それに、連日ずっと気持ちいいことをされているせいか、体がとても感じやすくなっているようだった。
「る、ふぁ……っ、あ、あ……」
「いい声だ、リュミ。こうして自分の形と記憶を取り戻すと、お前を抱いているということがよりはっきり感じられて、とてもいい。見えない姿でえっちなことをするのも楽しかったがな」
「そ、その言葉、使わないでください」
「お前が言ったのだろう? 現代語か」
違うと思う。多分ルーファスさんの近くにいた人はそんな言葉を使わなかっただけだ。
ルーファスさんは私の胸を飽きもせず、背後から揉み続ける。
乳輪をくるくると指で撫でて、すくいあげるように両胸を持ち上げ、手のひらでこねるようにした。
胸に与えられる刺激が、下腹部と繋がっているような感覚がある。
きゅんとはしたない場所が切なく疼き、じんじんとした刺激に変わっていく。
「どこを触っても達することのできる体にしてやろうな、リュミ。胸でも、首でも、耳でも。俺に命じられるままに、すぐに達することができるように。はは、楽しいな。誰かを愛することなど一度もなかったが、こうまで浮かれた気分になるものなのか」
「やだぁ……っ、そんなこと、困ります……わ、私、淫乱、になってしまいます、から」
「誰にでも足を開くというわけではない。俺と永遠にここで、二人で過ごせばいい。恋人とはそういうものだろう」
それは極端だと思うのよ。
ルーファスさんの認識はそんなに間違ってはいないのだけれど、健全で健康的な生活とはとても言い難いのではないかしら。
「ぁ、ああっ、胸、や、ぁ……っ、そこ、こりこり、だめ……っ」
「気持ちがいいの間違いでは? そんなに腰を揺らして、かわいそうに。ここに当てておいてやるから、自分で擦り付けていい。俺の男根は、お前のものだ。好きに扱え」
「ゃ、う……っ、そんな、いらな……っ」
「いらないのか?」
初めての男性からのプレゼントが、男性のご自身なんて。
できれば可愛いぬいぐるみがよかった。
なんて、のぼせた頭で考えながら、私はふるふると首を振った。
胸への刺激は気持ちがいいのだけれど、ルーファスさんはわざと力を弱めたり、触れるか触れないかの瀬戸際で手を離したりして焦らしてくる。
余裕な態度が恨めしい。百戦錬磨の王様に、私が勝てるわけがないのだけれど。
ルーファスさんは言葉通り、私の足の間に猛った性器を擦り付けた。
それは熱くて、すごく大きくて、ぬるりとしていてとても硬い。
傘の出っ張りがこりゅこりゅと私の柔らかな肉の間にひっかかるようにして当たる。
硬いところに陰核が当たると、びりびりとした甘い刺激が腰を気怠くさせる。
もっと、強い刺激が欲しくなってしまう。
「ぁ、ぁう……っ、あ、んっ、ん、ぁ……っ」
「知っているか、リュミ。ここは、男でいう男根と同じだ。そんなに擦り付けて、可愛いな」
「ルーファスさん、いじわる、ひどい……っ」
「好きな女の姿は全て見たくなるものだろう? それに、俺は意地悪はしていない。可愛いと誉めている」
私は涙の滲む瞳でルーファスさんを睨んだ。
楽しげに魅惑的な瞳が細められる。動くたびに耳に並んだ耳飾りが揺れるのが、どうにも色っぽい。
背中に鍛え抜かれた腹筋が当たる。逞しい胸も太い腕も、何もかもが。
好みすぎて──困る。
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