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破瓜と白昼夢
しおりを挟むシルフィが泣いて懇願しても、リュクシアスは笑いながら何度もシルフィの浅い場所をごりごりと擦り押し上げる。
頭が真っ白になるほどに気持ちがいいのに、焦ったくて物足りない。
足りない、足りないと、頭の中がそれだけでいっぱいになる。
それなのに、びしゃびしゃと潮が噴き出る。自分の体が、自分のものではないみたいだ。
それはいつもそうであるのに、今日は、骨の奥まで全てリュクシアスに支配されているようだ。
それが、たまらなく。
気持ちいい。
「あ、あふ、あぁ、あっ、りゅう、あっ、おく、奥に……っ、おねがい、いく、あぁ、いっちゃう、またいく、いや……っ」
「はは、すごいね。フィー、私の制服をこんなに濡らして。困った子だ」
「ごめんなさい、リュア、もういや、お願いです、これ、もう嫌なの……っ」
「私は何時間でも、こうしていられるよ。でも、そうだね。そろそろ、奥にあげる。君の好い場所を、何度でも押しあげて、突いて、ぐりぐり舐めてあげる」
「ん、ぁああっ、ゃ、ああああっ」
ばちゅん、と。唐突に激しく腰が打ち付けられる。
リュクシアスの美しい顔からは想像もできない凶悪な昂りが、シルフィの最奥に捩じ込まれる。
腰を逃げないように抱き込まれ、両足を抱えられている。
まるで、磔にされた標本の蝶のように、身動き一つすることができない。
ただリュクシアスの背に縋り付くように手を回して、はくはくと息をついた。
脳髄が痺れるような刺激が、全身を支配する。シルフィの胎の奥に、リュクシアスの昂りの先端が触れている。
亀頭の膨らみが、ぐりっと柔らかい最奥を貫いて、内臓まで持ち上げられるかのようだ。
破瓜の痛みはない。あまりの気持ちよさに、見開いた瞳から涙が溢れる。
同時に、何かが記憶の底で扉を叩いている。シルフィは、多くの男たちに囲まれて順番に犯されている幻を見た。
幻の中でシルフィは『リリス様』と呼ばれていた。
リリス様、我らが女王。
リリス様、我らが麗しの魔女。
誰も彼もが熱に浮かされたように、シルフィを賛辞する。
それは一瞬のことで、ぱちりと瞬きをすると目の前にはリュクシアスがいる。
彼はシルフィの忘我に苛立ったように、強引に唇を重ねた。
舌を絡ませながら、腰を揺さぶられる。引き抜かれた剛直が最奥をどちゅっと突きあげるたび、シルフィの形のよい足が跳ねた。
「あ、あぁ、リュア、ぁ、アッ、気持ちいいです、リュアっ、お腹の奥、気持ち、い」
「そう、よかったね」
「ぅん、嬉しいの、りゅあ……っ、好き、あっ、あああっ」
媚びるような言葉も、すらすらと出てきてしまう。
それは、リュクシアスに許されたいからではない。仕置きを終わらせるためでもない。
そんな打算を考えられるほど、もうシルフィの理性は残っていない。
この場所がどこで、誰に見られているかでさえ。
リュクシアスの与えてくれる甘く激しい支配の前には、些細なことだと感じてしまう。
「私のものになれて、嬉しい?」
「嬉しいです、嬉しい、リュクシアス様、嬉しい」
「私も嬉しいよ。長い間、慣らしてきたから、痛みを感じないでしょう? 君が感じているのは、快楽だけ。それは私が君を愛して、大切にしているから。そうだね、フィー」
「はい……っ、ん、あっ、ひ、ぁああ……っ」
「嫌な夢を、みなかった?」
「見て、いない、です……」
「そう」
あれはただの、夢。
とても口には出せない。いつも、大勢の男に犯される夢を見るなんて、リュクシアスには知られたくない。
リュクシアスはシルフィの返答に短く答えて頷くと、さらに深く激しく、腰を打ちつけ始める。
引き抜かれた昂りが再び内壁を擦りあげて貫く感覚に、シルフィは大きく目を見開いた。
ぼろぼろ、涙がこぼれる。
何度も果てを味わったのに、さらに深い果てがある。
リュクシアスの肌が、呼吸が、体温が粘膜が粘液が、全てがシルフィと重なっている。
一つに溶け合って、どこまでも暗いところに落ちていくみたいだ。
それでもいい。リュクシアスに心も体も受け渡してしまえば、何も考えずに人形のように泥濘の中で揺蕩っていられる。
「ね、リュア、もう、だめ、私、だめ……っ」
「あぁ、そうだね。フィー、私はまだ足りないけれど、終わらせてあげる。ほら、イって。いいよ、イけ」
「あ、ああっ、あ、あああ……っ」
何度も最奥を抉るように穿たれて、シルフィは背筋を弓形に逸らしながら悲鳴じみた声をあげる。
深く激しい絶頂を迎えて弛緩する体抱きしめて、リュクシアスは達したばかりの震える内壁を何度も穿った。
ただなすがままになりなが、シルフィは啜り泣く。
リュクシアスの昂りが大きく膨らみ震えて、中にどぷりと白濁を吐き出した。
耳元で、リュクシアスの艶やかな吐息が聞こえる。
彼も気持ちがいいのか。こうして女を抱いて、快楽を感じるのか。
なんだかそれが、不思議だった。
そして、リュクシアスがシルフィだけを偏執的に求めてくれているということを強く感じて、心の奥の何かがひどく満たされるかのようだった。
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