リリアンナ・セフィールと不機嫌な皇子様

束原ミヤコ

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遺跡探索と雪解けの春

 満たされていくもの 2



 羞恥から新しい涙があふれた。けれど、もう限界だった。

「ごめん、なさい……っ、とまらない、の……っ、ふぃおさま、私、もう……っ」

「言え、リリィ。私はお前の声で、名を呼ばれて、求められたい」

「っ、あ、あぅ……っ、ふぃおるど、さま、うごい、て……っ、おく、いっぱい、ひどく……っ」

「あぁ。良い子だ、リリィ。全てお前の望み通りに」

 言葉が体に染みていく。

 働かない頭の中が、フィオルド様の言葉でいっぱいになる。

 良い子と褒められるの、嬉しい。
 私が望んだことをかなえてくださって、嬉しい。

「っ、ぉ、るど、さま、すき、うれし……っ、すき……っ」

「私も好きだ、リリィ。このようなことをするのは、お前にだけだ。リリィ、好きだ。お前のすべてを食べてしまいたいぐらいに、愛している」

 好きと言われるたびに、胎の奥がきゅんと疼いた。

 フィオルド様の喉の奥から、唸るような切なげな声が聞こえる。

 とても艶やかな声音に、フィオルド様も気持ち良くなってくださっていることが分かる。
 快楽を感じているのが、私ばかりじゃないことが嬉しい。

「ひっ、やぁ、あああ……っ」

 片足を肩にかかえあげるようにして、フィオルド様はさらに深く私を追い詰めていく。
 先端が信じられないぐらいに奥に届き、浅いところまで引き抜かれて激しく貫かれるたびに、脳髄がじんじんと痺れた。

 すっかり形をかえた蜜壺は、フィオルド様の昂ぶりを歓喜に震えながら受け入れている。
 抽挿のたびにひっきりなしに、じゅぶ、じゅぶとはしたない水音が部屋に響きわたる。

 立派なテーブルが、ぎしぎしと軋む。

 視線を動かすと、私の横には朝食の入った白いお皿がならんでいる。
 まるで私も朝食の一部になって、食べられているみたいだ。

「あ、あ、んっ、きもちい、ふぃお、さま、おく、いいの、あぁああっ、あ、あっ」

「リリィ……っ、っく、……ここか」

「あ、あぁっ、ふぃおさま、わたしすぐ……っ、いっちゃ、ああぁ、だめ、だめ……っ」

 最奥の気持ち良い場所を的確に抉るようにされて、私はテーブルの上で体をよじった。
 あふれる蜜がかきまわされるたびに入り口から零れて、テーブルや床を汚していく。

「何度でも達して良い、リリィ。気持ち良くなれて、良い子だ。もっと、して欲しい?」

「っ、ぁああ、もっと、してくださ……っ、ふぃおさまぁ……っ……ゃぁあああ……っ」

 ただ気持ち良くて、幸せで、フィオルド様の切なげで艶やかな表情と、揺れる耳飾りが視界にひろがって、それだけが世界のすべてになったみたいだ。

 不安も寂しさもふきとんで、悦びだけがあふれる。
 手を伸ばすとぎゅっと抱きしめてくださる。

 こうされるの、好き。

 恥ずかしいことをされるのも、たぶん、好き。
 気持ち良すぎるのはつらいけれど、でも、フィオルド様が私を欲しがってくださると思うと、嬉しくて、幸せで。

 私の体の奥に、何かが満ちていく。

 清涼感と甘さのあるそれは――どういうわけか空の杯が満たされるようにして、私の体をかけめぐり、損なわれていたなにかを修復していくような気がした。


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