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セフィール家での休暇と想起の夏
嫉妬と劣情 1
しおりを挟むフィオルド様は私のネグリジェをするりと脱がせた。
レースがふんだんにあしらわれた白い下着と、両サイドのリボンで結ぶ作りになっている布の面積の少ないショーツと、太腿までの薄手の靴下は、腰に巻かれたガーターベルトでとめられている。
フィオルド様の視線を感じて、私は両手で体を隠して小さくなった。
変ではないかしら。ドロレスや侍女の皆さんは「妖艶かつ、可愛らしいお嬢様」と言って褒めてくれたけれど、ネグリジェは可愛かったのに、下着は随分大人びている。
「可愛い、リリィ。こちらを向いて。もっと、よく見たい」
優しく、けれどどことなく支配的な言葉に、胸が高鳴る。
フィオルド様の言葉に従っていれば、全て大丈夫だと思える安心感がそこにはあって、私はおそるおそる自分の体を隠していた手を退けた。
魔導ランプの柔らかい光に照らされて、私の姿がフィオルド様の前で全て曝け出されている。
「もう、濡れている。……口付けだけで、こんなに」
「ぁ、ん……っ、ごめんなさい、気持ち良く、て……っ」
「謝る必要はない。嬉しいよ、リリィ。……私も、経験があるわけではない。性技に自信はないが、お前を悦くできるのは、嬉しい」
「ん、ぁ……っ、ゃ、あぁ、ん……っ」
フィオルド様が私の片足を大きく開かせて、ショーツの薄布の上から私の秘所へと舌を這わせる。
布ごと食べるようにして花芯を舐られると、びりびりした快楽が性急に体を駆け巡った。
「……あ、……んん、ん……っ」
私は両手で口を押さえた。
大きな声を出してしまえば、外に聞こえてしまうかもしれない。
慣れ親しんだ私の家で、家族や親しい侍女たちもいるのに、こんなふうに淫らなことをしていると思うと、罪悪感が首をもたげてくる。
フィオルド様は下着の上から舐られ膨らんだ小さな突起を吸い上げた。
内腿が痙攣して、密口からとろりと新しい蜜が滴り落ちていく。
強請るように膣壁が収縮を繰り返して、胎の奥にもどかしい快楽が生まれた。
「ゃ、あ、ぁ……っ、ん、んー……っ」
片足でシーツを蹴って、私は悶えるようにしてみじろいだ。
きつく閉じた瞳の裏側に、星が散る。
じゅ、と強く吸われて、こりこりと食むようにされると、自然に腰が浮いてしまう。
性急な快楽から逃れようと、逃げようとする私の体を、フィオルド様が両腕で抱き込むようにして押さえつけた。
「ふぃお、さま……っ、ぃやあ……っ、もう、ぃく、私、すぐ……っ」
「ん……リリィ、気持ち良い?」
「……ぅん、いいの、きもちい、ふぃおさまぁ……」
「可愛い、リリィ。……いって、良いよ。何度でも。リリィ、いけ」
「っ、ゃ、ああ……っ、あ、あ、……っ!」
舌先で何度も爪弾くように舐られて、ぐりりと強く押し込まれる。
じゅ、じゅ、とはしたない音を立てながら吸われると、足先まで緊張が走った。
腰を跳ねさせながら高いところまで上り詰めて、か細い悲鳴を上げながら私は全身をびくびく震わせた。
半開きの唇から唾液が滴り、涙が溢れる。
頭の中が気持ち良さでいっぱいで、それ以外何も考えられない。
「ふ、ぁ、あ……っ」
「気持ち良い?」
「いい、きもちい、や、もう、もうだめ、だめ……っ」
吸われ、舐られて肥大した、濡れそぼった下着の上からでもはっきり膨れているとわかるそこを、フィオルド様はもう一度口に含んで、吸い上げる。
達したばかりで敏感になっているその場所を残酷なぐらいに嬲られて、私は泣きじゃくりながら首をいやいやと横に振った。
気持ち良すぎて、怖い。どこか遠くに、体が無理やり連れていかれるみたいだ。
「やだ、……いく、いってる、から……っ、きもちいい、の……っ、ゃだぁ……っ」
「リリィ……可愛い」
「いく、いく……っ、わたし、また……っ、ひ、あぁぁ……っ」
性急に与えられる快楽に、頭がついていかない。
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