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セフィール家での休暇と想起の夏
満ちる感情と未来の約束 1
しおりを挟むつるりと磨かれた黒い石の四角く広い浴槽には、花が散っている。
白く中央が黄色いころんとした印象のあるプルメリアの花は、浴室全体を華やかな甘い香りで満たしていた。
「……ん、ぁ、あ、……ぁぅ……っ」
私の吐息混じりの甘えるような声と、お湯が揺れる音が響いている。
浴槽のお湯が揺れるたびに、プルメリアの花がふわふわとお湯の上を泳ぐ。
時折肌に触れては離れていくくすぐったい感触に、私は身じろいだ。
フィオルド様の膝の上に座って、私は体をフィオルド様に預けている。
私の癖のある金の髪がお湯の中に広がっている。
「ここも、好き?」
「ぅん、すき、ふぃおさま……だいすき……っ、あっ、ゃう……っ」
「私も好きだよ、リリィ」
フィオルド様の澄んだ声が、鼓膜を舐めるように響く。
私はフィオルド様に両胸を背後から大きな掌で包まれていて、つつましい膨らみをやわやわと揉まれている。
胸が全部性感帯になってしまったかのように、どこに触れられても快楽に体が染まっていく。
申し訳程度の膨らみの中央にあるふっくらとした頂を掌が掠めるように触れるたび、まだ触れられてもいないお腹の底が、切なくじんじんと疼いた。
「あ、あ、あっ……っ、ふぃお、さま、むね、ばっかりずっと……やだぁ……っ」
「可愛らしくて、つい……ずっと、触れていたいと思ってしまうな」
「小さくて、恥ずかしい、です……」
「可愛いよ、リリィ。まるで、穢れを知らない新雪を、私の手で穢しているようで、……無垢な女神を堕としているような気さえする」
「ふ、ぁ、あ……っ」
膨らんだ先端の両方を、指先で挟んでこりこりと嬲られる。
びりびりしたものが背中を伝って、フィオルド様の腕の中で私は体を捩らせた。
「あ、あっ、ゃあ、ああ……っ、あっ、ふぃおさま、ぁうう……っ」
首筋に、口付けられる。
軽く噛まれて、まるで血を吸うように強く吸われた。
胸の頂をきゅうと摘まれて、引っ張るようにされる。わずかな痛みを感じて、私は目を見開いた。
切なくて気持ちよくて、身体中がばらばらになってしまいそうだった。
「っ、は、あぁ……っ、ぁん、ん……っ」
「リリィ、こちらを向いて、舌を出して」
「ん、んぅ……ん、ん……」
頭の中がフィオルド様の声でいっぱいで、言われるままにフィオルド様を見上げて、口を開く。
上手にできないけれど、舌を差し出すと、フィオルド様の舌先が私のそれに触れて、ぬちゅりと絡まった。
湿っていて、少しざらざらしている舌が擦れて、唾液がこぼれ落ちる。
「ん、……っ、……ぁ、あ」
深く唇が合わさり、息苦しさと快楽に頭がぼんやりした。
お湯をけるようにして足先に緊張が走り、体がびくびくと震える。
フィオルド様の熱を持った昂りに、欲しがるように秘所を擦り付けるようにしてしまう。
硬くあついものが、媚肉の境目に触れて、先端が花芯に口付けている。
一人で勝手に気持ちよくなってしまっているのが恥ずかしくて、でも、止められない。
「……っ、あ、は、っ、……ぁ、あああ……っ」
「達したのか、リリィ?」
「ごめんなさい……っ、きもちいい、の、むね、もう……ぃやあ……っ」
「こんなに、赤く腫れさせて、かわいそうにな。リリィ、ほら、舐めてあげるから、体をこちらに向けて」
「ゃ、だ、だめ……っ」
「駄目?」
「気持ち良いから、おかしく、なっちゃ……ゃ、ああ、あ……!」
フィオルド様は私の体を簡単に抱え上げて、くるりと反転させた。
背後から抱きしめられていた私は、膝立ちになって正面で向き合う形になる。
片手が私の臀部を掴み、慎ましい胸をフィオルド様は口に含んだ。
ずっと弄られてすっかり敏感になった胸の飾りを、舌で押しつぶすように舐られて、私は背中を反らせる。
「ふぃお、さま、だめ、だめ……っ、そんなに、したら……っ」
崩れ落ちそうになる体を、フィオルド様の首に腕を回してなんとか支えた。
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