26 / 38
25 帰り路 ※
しおりを挟むコロンブと何度か話し合う必要があるかと思って予定を空けていたたものの、あっさり済んだために王都にあるルナン伯爵家を訪ねた。
パーティで顔を合わせなかったコロンブの兄で、ルナン伯爵のブレーズにマルスランを紹介して、コロンブを近づけないように念押ししたら、神妙な顔をして頷く。
ルナン伯爵の領地で見かける珍しい毒草が使われ、伯爵家からやってきた侍女が行方をくらませているのだから、疑いの目で見られるのはブレーズも嫌だと思う。
彼も娘がいるからロゼールのように嫌な噂を立てられたくないはず。
侍女の行方も知らないと聞いていて、ルナン伯爵家の領地にも戻っていないことは分かっていた。
調べている途中で足取りが消えたから、うまく隠れたか亡くなっている可能性もある。
「では失礼しますね、ルナン伯爵」
「あぁ、気をつけて。私達は社交シーズンが終わるまでは王都にいるよ」
彼に別れを告げた後、ロゼール達は早速領地へ戻ることにした。
領地から急を要する手紙は届かなかったし、皆頼りになる者達だから特に心配はしていなかったけれど、半月近く空けるのはここ数年で初めてだった。
老執事夫妻に王都の屋敷を任せ、馬車に乗って行きとは別の道を通り、別の宿に泊まる。
それを知っているのは塩田の責任者とアントワーヌの二人だけだった。
万一何かあった場合に連絡が取れるように伝えてあったのだけど、日付けが僅かにずれてしまった。
早く帰れる分には問題ないと思うけど。
そしてマルスランは、王都の屋敷にいる時よりも大胆にロゼールに触れた。
屋敷の者の目を気にせず愛し合えると言って。
やはり騎士をしていたから体力があるのかもしれない。
今も、四つん這いになったロゼールの後ろから、覆い被さるようにして動きを封じる。
「……っ、……!」
逃れられない快楽を、枕に顔を埋めてやり過ごす。
彼に拓かれてそれほど経っていないから、陰茎が入る瞬間は毎回震えてしまう。
そして脚に力が入らなくなって、彼がロゼールの腰を掴んで激しい律動を繰り返すから目の前に靄がかかった。
何も考えられなくて、ただ与えられる快楽を受け取るだけ。
「ロゼール」
彼の手が花芯を嬲り、内壁がうごめいた。
「……んっ!」
身体が熱くて、これ以上もう駄目だって思うのに、絶頂へと追い上げられる。
「ロゼール、待って」
子種を絞ろうとうごめく内壁をそのままに、マルスランが陰茎を抜いた。
どうして、と思う。
「マルスラン……?」
彼がロゼールの腰に腕を回して抱き起し、彼の脚の間に腰を下ろす。
背中には張りつめた陰茎が当たるというのに、訳がわからない。
「ロゼール、このまま入れたい」
座ったまま向かい合って受け入れたことはあるけれど、同じほうを向くのは初めてだった。
身体はまだ熱いままで、彼が足りない。
「……どうしたら?」
「膝をついて腰を上げて」
言われるがまま、膝をつく。
マルスランが腰を支えながら言う。
「俺を握って自分で入れてごらん。ゆっくりでいいから」
ごくりと唾を飲み、下を見やった。
両手で掴むと、生き物みたいにぴくりと動く。
そのままかたまっていると、マルスランが腰に唇を押し当て、強く吸いついた。
ロゼールは小さく息を吐いて、それを蜜口に当てる。
お互いが濡れているからすべってしまって、陰茎を強く握ると、マルスランが低くうめいた。
「ごめんなさい……痛かった?」
「いや、……気持ちいいよ」
「嘘」
「本当に。……ロゼールの中に入ったらもっと気持ち良くなる」
ロゼールはもう一度、今度はゆっくりと腰を下ろす。
丸く膨らんだ先端を受け入れてしまえば、後は自重で飲み込めだ。
「……ぁ、は……っ」
マルスランの上に座り込み、微かに漏れた声が恥ずかしくて、ロゼールは唇を噛む。
マルスランの腕が腰に巻きつき、引き寄せられて胸板に寄りかかる。
「……っ、マルスラン……」
膝が浮いてバランスを崩したロゼールの脚を大きく開いてマルスランの脚にかけた。
「ロゼール、前見て」
正面に鏡なんてなかったはずなのに。
脇にカーテンがあるから窓だと思い込んでいたのかもしれない。
ロゼールはとんでもない痴態に涙が浮かんで、逃れようともがいた。
けれどマルスランが両腕ごとすっぽり抱きしめて離してくれなかった。
「綺麗だよ、とても」
そう言ってうなじに強く吸いついた。
「マルスランッ、恥ずかしい……」
「ロゼール。灯りは落としてあるから、はっきり見えないよ。……ここに泊まるのは今夜だけだから」
「でも……っ」
マルスランに顎を取られて唇が重なる。
「んぅ……、ふ」
そうして、ロゼールの思考を止めてしまうのだからすごくずるい。
そのまま花芯に触れて、一気に体温が上がった。
「マルスランッ、駄目、あぁっ!」
思いがけず下から突き上げられて、声が抑えられない。
恥ずかしい。
こんなの、恥ずかしくてたまらない。
「……我慢している君も可愛いけど……ずっと、ロゼールの声が聞きたかった」
「やっ、恥ずかし……っ、……あ、っ」
目の前にぼんやりと二人の姿が映っている。
身体を拓かれ、すべてを曝け出し、どこを見ていいかわからない。
頭の中が混乱して、耐えられない。
とうとう涙が溢れた。
「……ふっ、……う、……っ」
「……ロゼール?」
喉が震えて、苦しい。
マルスランが腕を緩め、ロゼールの脚を持ち上げてつながったまま回転させると向かい合わせになった。
マルスランに見られているのを感じて、ロゼールは彼の首に顔を押しつける。
抱きしめられて背中を撫でられると、すごく安心して、深く息を吐いた。
「今みたいなのは、いや……」
「わかった」
おずおずと顔を上げると、まだ早かったなってマルスランが優しく笑ったけれど。
ロゼールがそうじゃないって言う前に、口づけが落ちた。
「声は我慢しないで」
向かい合ったまま揺さぶるから、ロゼールは少しでも声を抑えようと口づけをねだり、返ってそれがマルスランを興奮させていることに気づかなかった。
移動中は馬車の中で眠り、宿屋でマルスランに翻弄されるというのを繰り返しながら領地へ着いた。
13
あなたにおすすめの小説
どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。
無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。
彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。
ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。
居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。
こんな旦那様、いりません!
誰か、私の旦那様を貰って下さい……。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
せっかくですもの、特別な一日を過ごしましょう。いっそ愛を失ってしまえば、女性は誰よりも優しくなれるのですよ。ご存知ありませんでしたか、閣下?
石河 翠
恋愛
夫と折り合いが悪く、嫁ぎ先で冷遇されたあげく離婚することになったイヴ。
彼女はせっかくだからと、屋敷で夫と過ごす最後の日を特別な一日にすることに決める。何かにつけてぶつかりあっていたが、最後くらいは夫の望み通りに振る舞ってみることにしたのだ。
夫の愛人のことを軽蔑していたが、男の操縦方法については学ぶところがあったのだと気がつく彼女。
一方、突然彼女を好ましく感じ始めた夫は、離婚届の提出を取り止めるよう提案するが……。
愛することを止めたがゆえに、夫のわがままにも優しく接することができるようになった妻と、そんな妻の気持ちを最後まで理解できなかった愚かな夫のお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID25290252)をお借りしております。
大人になったオフェーリア。
ぽんぽこ狸
恋愛
婚約者のジラルドのそばには王女であるベアトリーチェがおり、彼女は慈愛に満ちた表情で下腹部を撫でている。
生まれてくる子供の為にも婚約解消をとオフェーリアは言われるが、納得がいかない。
けれどもそれどころではないだろう、こうなってしまった以上は、婚約解消はやむなしだ。
それ以上に重要なことは、ジラルドの実家であるレピード公爵家とオフェーリアの実家はたくさんの共同事業を行っていて、今それがおじゃんになれば、オフェーリアには補えないほどの損失を生むことになる。
その点についてすぐに確認すると、そういう所がジラルドに見離される原因になったのだとベアトリーチェは怒鳴りだしてオフェーリアに掴みかかってきた。
その尋常では無い様子に泣き寝入りすることになったオフェーリアだったが、父と母が設定したお見合いで彼女の騎士をしていたヴァレントと出会い、とある復讐の方法を思いついたのだった。
愛しい人、あなたは王女様と幸せになってください
無憂
恋愛
クロエの婚約者は銀の髪の美貌の騎士リュシアン。彼はレティシア王女とは幼馴染で、今は護衛騎士だ。二人は愛し合い、クロエは二人を引き裂くお邪魔虫だと噂されている。王女のそばを離れないリュシアンとは、ここ数年、ろくな会話もない。愛されない日々に疲れたクロエは、婚約を破棄することを決意し、リュシアンに通告したのだが――
貴方に私は相応しくない【完結】
迷い人
恋愛
私との将来を求める公爵令息エドウィン・フォスター。
彼は初恋の人で学園入学をきっかけに再会を果たした。
天使のような無邪気な笑みで愛を語り。
彼は私の心を踏みにじる。
私は貴方の都合の良い子にはなれません。
私は貴方に相応しい女にはなれません。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】愛する人はあの人の代わりに私を抱く
紬あおい
恋愛
年上の優しい婚約者は、叶わなかった過去の恋人の代わりに私を抱く。気付かない振りが我慢の限界を超えた時、私は………そして、愛する婚約者や家族達は………悔いのない人生を送れましたか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる