異世界でパクリと食べられちゃう小話集

能登原あめ

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勝手に間違って召喚した上、戻った私の人生ボロボロ⁉︎ 怒らないわけがない!(ざまぁめざしたのにメリバ風味)[改稿版]※☆

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* 主人公の口も性格も悪いです。そして、メリーバッドエンド風味のため、胸糞注意。無理矢理描写あり。Rはあっさりめ。少しでも不安を感じた際にはバックして下さい。ささやかな改稿です。








******


 ありえない。
 何で私が異世界転移?
 聖女? 
 ないない。
 そういうのってバージンでしょ?
 え? 生娘じゃないってこと!

 明日、ものすごく大事なプレゼンがあるの‼︎
 私の今後がかかっていると言ってもいいくらい。

 なのに、知りもしないこの国のために祈れ?
 どうでもいい。
 早く返して。

「…………貴方様は、どうやら手違いでお呼びしてしまったみたいですね。聖女ではないでしょう。わかりました……お戻ししましょう。……ただ、準備に時間がかかるため、一晩お時間を下さい。同じ日付の同じ時間に戻しますので」

 絶対よ!
 守らなかったら呪うから!

「……そのようなことを軽々と口にされては……」

 なによ?
 そっちがこんな間違い起こすからでしょう?
 それに私は聖女なんかじゃないから、怖がる必要ないじゃない!

「……帰還の儀まで、しばらくお待ち下さい」








 意味がわからない。
 勝手に呼び出して、戻ってみたら同じ日付とはいえ一年も経っていて、アパートも解約されて、当然仕事もなくなった。
 会社の人たちからは白い目で見られて。
 途方に暮れて実家に戻ったら散々迷惑かけて、と説教された。

 私が何をしたっていうの!
 大好きな仕事も社会的信用も家族の信頼も失って、これからどうすればいいんだろう。
 
 あいつらに思いつく限りの文句を言いたい!
 あんな勝手なことをする国、滅びてしまえ……‼︎








「目が覚めたか?」

 男の低い声が頭に響く。
 あんなに酒を飲むんじゃなかった。
 家族に冷たい視線を向けられる中、酒が飲みたくなってこっそりコンビニに向かった。
 飲食スペースで缶チューハイを二本開け、三本目は飲みながら遠回りして家に帰ろうと思った。
 その後のことはまったくおぼえていない。
 
 綺麗な顔立ちだが、疲れた様子の黒髪の男にのぞき込まれ、その向こうに大きな木と朝日の上がる前のような薄暗やみが広がっていることに驚いた。
 公園にでも寄ろうとした?
 朝帰りだなんて、また家族に説教される。

「こんなところで寝てると危ない、ちょっと来て」

 ぐいっと手を引っ張り、雑に起こされる。

「家、近いんで、大丈夫です!」

 泣きっ面に蜂ってこのことじゃない?
 ちょっと、合意じゃない行為はしたくない。
 確かに無防備にこんなところで寝てた私が悪いけど!

「…………へぇ? 本当に家近いの?」

 そう言われて辺りを見回す。

「ここは……?」

 こんな公園知らない。
 
「……とりあえずさ……ここにいてケモノに喰われたくないだろ?」

 アンタみたいな?
 そう思ったけど、呑み込んだ。

「……ここを抜けるまでよろしくお願いします……」
「わかった」

 お互い無言で十分も歩くと、数軒の木造りの家が見えた。
 おかしい。
 
 私がいない一年の間にこんな風に変わるわけがない。
 公園の宿泊施設、ではないよね?
 だって、奥の方に荒れ果てた土地が見えるから。

「……あの、ここはどこですか?」

 男がくるりと振り返って笑った。

「やっと、気づいた? とりあえずここ、うちだから先に中で説明しよう」

 家に入っていいものか悩む。

「俺は仕事の後で眠い。疲れている。しかし、お前に説明する間は座りたい」
「……わかりました」

 扉を開けるとダイニングキッチンになっていて、テーブルに案内される。
 電化製品もなく、山小屋のような雰囲気だ。

「今は酒か水しかない。どうする?」
「……何も入りません」

 水道は見当たらないし、今酒を飲もうとも思わない。
 男はくすりと笑った。

「本当に、お前ははっきりしていて小気味いい」
「…………」
「覚えていないだろう、俺のことは。なぁ、元聖女様。……またこの世界で、俺の前に現れた意味はなんだろうな?」

 全く覚えがない。
 一体、今何が起こってる?
 ここはまたあの世界?

「俺はあの召喚の儀に立ち会っていた。聖女とは清らかなものだと思っていたからあれには驚いた」
「だって間違いだったでしょ? 私は戻ったら一年経っていて、すべてのものを失った。……正直、すべてを恨んでる」

 私にとってつい最近の話だ。
 許せるはずがない。 

「あの国には嫌な気持ちしか浮かんでこないし、呪えるものなら呪いたいくらいに……まぁ、そんな力ないけど」
「いや……そうでもないぞ。お前を返した数日後に神の怒りに触れ、山が火を噴きあっという間にあの国は灰に覆われた。……口が悪くて処女じゃなくても聖女だったんだって、俺は思う」

 滅びてしまえって叫んだのと、あの国の災害のタイミングがあってるの?
 まさか、そんなの信じられない。

「……人々はどうなったの? あの、前回からどのくらいの時間が経っている?」
「山から煙が上がった時点で避難指示が出た。ほとんど脱出したよ……散り散りになって他国で開拓民として受け入れられたところもあると聞くし、五年経つからそれぞれが自分たちの暮らしを営んでいるだろう。ここは国境で滅びてしまったあの国の領土だったが、被害を受けなかったし、俺の故郷だから細々暮らしている」
「……そう……大変だったのね。……これって、自然現象でしょう? いくらなんでも私にこんなことできないから!」

 呼び出した奴らに文句は言いたかったし、罪に問われないなら一発くらい殴ってみたかったけど、こんな無関係の人を巻き込むなんて、望んでない!
 これを全て私のせいだなんて、言われたくない‼︎

「そりゃそうだ。それで……神官や王族の行く末を知りたくないか?」
「……そもそも、誰が私を呼ぶことに決めたの?それと理由」
「決めたのは王だろう。聖女を自分の側室にして、子孫繁栄を願ったんだ。王妃との間に子どもはいないし、派閥争いに無関係な異世界の聖女を娶って箔をつけ、子を生ませたかったんだろう」

 身から出たサビだ。

「その王は今どうしてるの?」
「性病で男根が腐り、最終的には頭もおかしくなって昨年この世を離れた……呼び出した神官たちだが……大半が聖堂で神の怒りを鎮める祈祷をあげながら火砕流に飲み込まれて亡くなったと思う。あっという間だったから。……俺みたいに馬鹿らしくなって逃げ出した奴もいたけど」

 それぞれのその後にざまぁ!と思いつつも、巻き込まれた内情を知らない神官たちに対してちくりと胸が痛む。
 でも、私の人生だって狂わされてる!

 それにしても目の前の男、神官?

「俺が神官だと信じられないか? 平民の神官なんてこんなもんだ。魔力があるからと小さい頃から、故郷を離れ厳しい修行に明け暮れたんだ。……今はこの村の教会で子どもたちの世話をしている……国から逃げ出す時に子どもをここに置いていった奴らがいてな」
「そう……それはお気の毒」

 こんなところに再び来たかったわけじゃないけど、その後を聞いてもやっとしつつもある程度気持ちはおさまった。

「それで、私はなんでまたここに呼ばれたのかわかる?」

 私の言葉に男が笑った。








「……っ! ひぁ……!」

 ずりゅ、ずりゅっと陰茎を突き入れられて身体が跳ねる。

「召喚の時、俺は恋に落ちた……お前の強い目に見つめられたいと思って、もう一度会いたいと神の前で何度も何度も祈ったよ。……だから、これからは俺の隣にいて欲しい。お前の居場所はここであってほしい」

「待って! 順番おかしい! こういう、ことは……告白の、後でしょ! 絶対、ナカで出さないで!」
「……どうして? 疲れすぎておさまりそうもない」
「そうじゃ、なくてっ! どうして、ってこんなの、強か、んんっ!」

 深く唇が重なりその先を口に出せない。
 頭がぼんやりするまで長い時間ぬちゃぬちゃ、びちゃびちゃと水音が上がる。
 
「あの時からずっと、好きだ。……ここで俺と夫婦になって、俺の子を生んでほしい。帰る場所もないんだろう? お前を、大事にする!」
「ま、待ってっ……ぁっ‼︎」

 私に強く突き込んで吐精した。

「ひどい……私、名前も知らない男と……」
「お前の夫だ。……どうせ戻れないなら、俺を愛せ。……お前を離す以外のことならなんでもしよう」

「アンタなんか好感度マイナススタートなんだから! 私の愛情が欲しかったら、挽回してみなさいよ!」
「わかった。愛してるよ、奥さん」

 憎たらしくなるくらい整った顔に、一発打ち込んだ。
 




 

 
             終

 



******


 最後までお読みいただきありがとうございました。

 すっきりざまぁエンドを目指したはずが、当初複数人との陵辱エンドに向かいそうになり、修正してこのざまです。(←こう書いた時の自分の脳内を全く覚えていないため、どこから複数人との陵辱エンドに向かうというのか……謎です)

 呟きまでおつきあいありがとうございます。


 



 
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