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14 入浴 ※微?
しおりを挟む大工さんを呼んで、特注のベッドを頼んだ。
なんかちょっと恥ずかしい。
ベルナルドさん、真面目に説明しちゃうから!
終始笑顔の大工さんが帰った後、ベルナルドさんが私を抱き上げて言う。
「せっかくなので仕上がるまで、いろんな宿に泊まりましょうか」
「それ、いいですね!」
新婚なんだし、気分が変わっていいかも!
さすがにもうがっつかないよね……?
すっきりした顔してるしね。
「ベルナルドさん、ゆっくり休んだら島を案内してください。デートしましょう!」
「もちろんです」
宿をとって、ごろごろいちゃいちゃした後は、観光を楽しんで島を一巡り。
その間に酒造所にも顔を出して、私も一緒に話を聞いた後で味見もさせてもらった。
ジンライムやジントニックは飲んだことあったけど、ジンそのものもおいしくてびっくり。
現場の責任者がしっかりしているから、安心して任せられる……やることあまりないかもしれない!
ベルナルドさんとよかったねって言い合った。
働いていたレストランにも顔を出すと笑顔で迎えられたから、これからはお客さんとして食べに来ようと思う。
そんなふうにして2週間近く、楽しくてあっという間に時間が経って。
4つの宿屋を利用した。
新婚旅行を満喫した気分で自宅に帰ると、大工さんは頑丈で大きなベッドと浴室のリフォーム――大きなお風呂を作ってくれていた。
「…………」
「アン、さっそく一緒に入りましょうか」
新婚仕様?
「すごいですね」
王宮の離れのお風呂もとてもゴージャスだったけど、こちらだって負けてない。
シャワーとぽんと置かれた猫足のバスタブから、備え付けの大きなバスタブに変わっていて、日本人にも嬉しい造り!
「これから毎日、アンと一緒に入りたいと思いました」
ベルナルドさんのタガが外れてしまったあの夜以来、何でもストレートに話す気がする。
宿屋に泊まっている間も、一緒にお風呂に入ったんだけどな。
「毎日?」
今日は新しいお風呂だから一緒に入りたいってのはわかる。
でも毎日?
「はい、アンはいつも朝と夜に入るでしょう? だから1日に1回くらいは一緒に入りたいです」
それはベルナルドさんが朝から風呂に入りたくなるようなことをするからで!
夜のお風呂はいつもの習慣だし。
これまではシャワーですましていたらしいベルナルドさんも、お風呂に良さを実感したのかな!
そういえば朝早くからどこかに出かけていたことがあったから、その時にお風呂も頼んだのかも。
一緒に寝室を確認した後、ベルナルドさんが楽しそうにお風呂を用意してくれた。
私はその間にベッドメイクを終わらせておく。一応、念のため!
「アン? せっかくなので少しだけ飲みましょうか」
小さなグラス2つに、ワイン。
ほんの少し発泡していて舌がピリッとするお気に入りのもの。
カットしたオレンジまで添えてくれている。
島1番の高級な宿に泊まった時、映画で観たワンシーンみたいに、大きなお風呂にお酒とおつまみを持ち込んだ。
あの日はジンとオリーブだったかな。
別の日はサングリアとチーズケーキ。
ベルナルドさんはそれを気に入ったらしい。
ロマンティックな雰囲気になるし、お風呂でくつろぐというよりいちゃいちゃメインになってしまうけど。
ベルナルドさんはロマンティックなのが好きみたい。
お風呂に花びらが浮かんでいたのを見て、目を輝かせていたから。
「ベルナルドさん、ちょっと待っていてくださいね!」
庭に咲いていたカーネーション。ベルナルドさんが世話をしているわけじゃないと聞いていたから、いくつか折って持ってきた。
花びらを湯船に浮かべたらいいんじゃない?
「赤いクラベル……あぁ、アン。愛しています!」
こっちでは特別な意味があったのかな。
ベルナルドさんがものすごく嬉しそうに見てくる。
母の日のイメージが強くて、わからない。
「クラベルは……真実の愛という花言葉があるんです。他の色の花だってあったのに、わざわざ赤を選んでくれたんですね」
赤がたくさんあったから、なんて言えない。
「これをお風呂に浮かべて、一緒に入りたいなって」
「……やりましょう」
大きな湯船には少し足りなかったかもしれないけど、まぁ、いっか。
少しぬるめの湯に一緒に入って、乾杯した。
「毎日、夢の中にいるみたい」
「俺もそう思います。アンと一緒に過ごす日々が幸せすぎて、朝目が覚めるたびに夢じゃなかったと実感していますよ」
だから朝から触れてくるのかな?
ベルナルドさんは、人のいないところではいつでも抱きしめてきたり、キスしてきたり、手をつないでくる。
恋人宣言(仮)の時みたいに手汗をかかなくなったし、お互い慣れてきたのかも!
「アン、オレンジをどうぞ」
口元に運ばれたそれをベルナルドさんの指ごと食べた。ちょっと舐めたくらいでは、動じない。
「甘くて、おいしいです。ベルナルドさんもどうぞ」
同じように運ぶと今度は私の指も食べられて、なぜかいつのまにかキス、してる。
「アンは指も甘くて唇もおいしい」
グラスを取り上げられて、ベルナルドさんの膝の上に乗せられた。
ベルナルドさんの魔物が大きくなっているみたい。
口に出すのが恥ずかしくない言い方だと思う。
「ここで……新しい浴室であなたを抱いていいですか?」
「はい」
以前の猫足バスタブでことに及んだら、きっと壊してしまったんだろうなぁ。
「アン、あなたの心にもっと近づきたい」
別のことを考えてるってわかっちゃったのかも。
「ベルナルドさん、大好き。新しいお風呂、嬉しいです。ありがとう」
「アンとこうしたかったから」
正直に答えるから、とうとう笑ってしまった。
「すぐに笑っている余裕なんて、無くしますから」
そんなふうに強気に言えるくらい、ベルナルドさんはどんどん進化していく。
キスも、指の動きも何もかも。
「……お手柔らかに、お願いします」
ほんの少し首を傾げたベルナルドさんが、私を見つめた。
「あなたにすべての愛を捧げます。だから、手を抜くことはできません」
んん?
そうじゃない気がするけども!
私の腰を持ち上げて、魔物の上にそっと下ろした。
ベルナルドさんの肩をぎゅっと掴んでゆっくり受け入れる。
「あなたと一つになる、この瞬間がたまらなく好きです」
「わ、たしも……っ」
「俺が愛をささやくと、アンは体でも応えてくれますね。すごく締めつけてくる。……俺も言葉だけでなく、もっと全身で伝えたい」
「伝えてもらって、いる、から……っ!」
「まだまだ、伝えきれません! それにアンの可愛いところをたくさん見たい」
「そんなっ、ベルナルド、さん……(鬼畜?)」
そうして、私達は激しい性生活とまったり島暮らしを満喫するのだった。
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お読みくださりありがとうございました。
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諸事情で今日まで最新話にお邪魔できず、本日しっかりと拝読しました。
完結、おめでとうございます……!
今回のお話も、それまでのお話も、どれもとても印象に残っていて。好きなお二人、好きな世界でして。
改めて、になるのですが。
素敵な物語を投稿してくださり、本当にありがとうございました……っ。
いえいえ、お気になさらず🍀
お忙しい中、立ち寄ってくださって嬉しいです・:*:・(*´艸`*)・:*:・
本編とその後の差が大きくなってしまいましたが、なんとか終わりました!
モデルにした国の料理を書くのも楽しかったです♪
柚木ゆずさま、コメントありがとうございました🤗
甘〜い でも時々コメディ(*´艸`)
赤い花がたくさんあったから持ってきただけなのに、その花言葉で感動してるベルナルドさん(ノ∀≦。)ノ
広いベッドと広いお風呂
そういうのが設置できる住宅事情は良いですね〜
団地のお風呂は狭いんだよぉ…(´・ω・`)
ベルナルドさん、自信を持ってアンに接することが出来るようになってからは「堅物」ではなくなってきましたね。
アンが将来、『ここに残る選択をしてよかったな〜』と思えるようにずっと愛してあげて欲しいですね。
完結、お疲れさまでした!
今回甘さ、どこいった〜? って思っていたのでそう言ってもらえて嬉しいです♡
うっかり悲しい花言葉の花を摘まなくてよかったですよね(*≧︎艸≦︎)))
広いベッドと大きいお風呂があったら素敵ですが、掃除のことを考えるとミニマムなのがいいなって思います♪
ベルナルドさん、確かに番外編では堅物というより……ドウゾ( ・∀︎・)っ☕️
アンが寂しい気持ちになった時に彼は寄り添って、夫婦の絆も深めていくと思います🌈
みりあむさま、コメントありがとうございました🤗
完結おめでとうございます!
最後の()に笑ってしまいました
新しいベッドはとーっても頑丈でしょうねえ
読ませていただきありがとうございました🎵
最後の()はどうしようか迷ったので、残してよかったです!
(´>∀︎<`)ゝ))エヘヘ
ベッドはどっしりした頑丈なやつだと思います♡
筋肉は正義さま、コメントありがとうございました🤗